「朝の托鉢風景」 撮影場所:南タイ西海岸サトゥーン県の村 撮影日:2004年7月3日 撮影者:西井凉子
仏教徒とムスリムが混住している南タイの私の調査村で毎朝みられる光景である。タイは上座仏教徒がほとんどで、僧は毎朝托鉢に回り、その鉢に村人はごはんやおかずを入れる。それにより死者に功徳を送ることができると同時に、自らも功徳を得ることができると考える。ムスリムから仏教徒になった人もこうした布施をすることはよく見られる。それが、ここの仏教徒の功徳を得る宗教的方法なのである。
1982年乾季の雲の多いおだやかな朝、マダガスカル大学アンタナナリヴ分校文学部の学生登録に出かけてうろたえてしまった。登録料と社会保険料を納入する経理課の窓口が長蛇の列なら、登録そのものを受け付け ...
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「カリマンタン島西部の元宵節のパレード」 撮影場所: インドネシア共和国 西カリマンタン州シンカワン市 撮影時期:2010年2月 撮影者:津田浩司
インドネシアでは1998年まで30年余りにわたって、「中国由来の文化要素」を公的な場で表出することが制限されていた。しかし、体制転換後の現在、かつての禁令が解かれたのみならず、時には観光活性化策の一環として、盛大な祭が官民挙げて実施されるケースも目立つようになっている。この映像は2010年2月、旧正月十五日目を祝う元宵節のパレード。中国の武人の出で立ちをした「タトゥン」と呼ばれる霊媒たちが、憑依状態で針が生えた輿に乗り、鳴り物や彩りとりどりの旗を伴いつつ、地元・中央の政治家が居並ぶステージの前を通過して行く。