風間伸次郎(採録・訳注).1996.『ウルチャ口承文芸原文集1』(ツングース言語文化論集9,鳥取大学教育学部)より

2. нӥӈма1

民話1

ӱмнаа-дӱ,эди-эр(и)асӥǯуэрэ-кээ〜тӥӥби-й-ти.Тӥӥ
ある所に、夫と妻と二人でそうして暮らしていた。
би-м(и)=дээ,хай-ха-тӥ,пиктэ-чуочӥ-тӥ,кэвэ,пиктэанаа.
そうしていたが、どうした、子供持ちになったか、いいや、子供はいない。
тӥӥǯуэрэ-кээби-м(и)=дээ,тӥӥэди-н(и)=дээњаӱǯањӥӥби-чи-ни,
そうして二人だけでいたが、その夫も若いであった。
эси њуучи-кэ(э)...њуучи-ǯиэдилэ-хэ-ни.тӥӥэди-н(и)
小さい者で結婚したのだ。その夫が
даа(йӥ)осӥ-й(-нӥ)〜,тараа=гдалтӥӥӈэнэ-хэ-н(и),тӥӥ эди-н(и)
大きくなって、するとその 夫は
вэн-дии-н(и)асӥ-тӥвэн-дии-н(и),"гээ,эсиӈэнэ-й-йи=йэ,"
言うのだ、妻へ言う、「さあ、私は出かける、」
вэн-дии-н(и),"горобаа-тӥ.биихай-ва=даасаа-расӥ,мээн
と言う、「遠い土地へ。私は何も知らない、私の
аам-бӥваа-ха(-нӥ)амбаам-багэлэ-ӈдэ-ǯу-м(и)ӈэнэ-й-йи=йэ,"
父を殺した魔物を求めて行って行くのだ、」と
вэн-дии-н(и),"мииаам-бӥ-в(а)амбааваа-ха-нӥ.њии(-ва)
言う、「私の父は魔物が殺したのだ。人は
ваа-ха-нӥвэн-дии-н(и)амбаа."гэээс(и)тӥӥӈэнэ-хэ-ни.
殺した、と言う、魔物が。」さあそうして行った。
асӥ-нӥвэн-дии-н(и)"хоон(ӥ)та-вӱ=кээ=эн,тӥӥ
妻は言う、「どうしたらいいのでしょうか、どう
дэрэǯи-лэ=мээ,"вэн-дии-н(и).та(раа)тӥӥӈэнэ-хэ-н(и)
残っていたらよいのでしょうか、」と言う。それからそうして行った、
тӥӥӈэнэ-йтӥӥӈэнэ-йтӥӥӈэнэ-й,эймээнхагдӱн-ǯӥ,
行って行って行って、」その自分の家から、
ӱгда-йӥана-ха-нӥ.[летомбыли,потом,]хай,[летом]
舟を押した。夏だった、
ӈэнэ-хэ-ни.[оморочка]-ǯӥ,ǯай, ǯайвэм-буву,наанӥда-м(ӥ)
行った、舟で、ジャイと言うべき、オルチャ語で、
ǯай-ǯӥӈэнэ-хэ-н(и).тараатӥӥǯай-ǯӥӈэнэ-м(и)=дээ,
その舟で行った。それからその舟で行くが、
туэ-ǯу-хэ-н(и).та(раа)тӥӥǯай=гдаатӥӥ мокпӱǯӱ-раа, каптӱра-йӥ
冬になった。するとその舟をこうして 折り畳んで、袋の
доо-тӥ-н(ӥ)гӥдалаǯӱ-ха-н(ӥ).тӥӥкаптӱравэм(-буву)[воттакой
中へ差し入れておいた。それをカプトラと言うべき、ほれこんな
сумка.]тӥӥ-лагӥдалаǯӱ-ха-н(ӥ). [аа,]эй(и)каптӱра-к(ӥ)
袋を。そこに差し込んでおいた。この袋から
агбӱмбӱ-ха-нӥ=гдаӱмсӱӱлта-ва.сӱӱлта=гӱн,сӱӱлтаǯӱǯӱ-раа
取り出した、一対のスキーを。スキーだ、スキ-を履いてから
тӥӥӈэнэ-й тӥӥӈэнэ-й,[год]ӈэнэ-хэнӱмхурээн
そうして行って、行って、一年行った、一つの山が
би-й-ни.тӥӥхурээн-дуӱмхагдӱ-кааби-й-ни.тӥӥ-ла
ある。その山に一軒の小屋がある。そこに
ии-хэ-н(и).тараавэн-дии-н(и) тӥӥ,тӥӥээктэ-типанси-й-ни.
入った。それから言うそこの女へ訊いた。
хай, хай-кӥ-н(ӥ)ӈэнэ-ву=нуу,хоон(ӥ)пансӥ-ха-н(ӥ)би-чэ
「どこを通って行くべきか、」どのように訊いたのだったか
оӈбо-хам-бӥ. тӥӥ, [ии]тӥӥээктэ-типанса-ха-нӥ,"бисин-ти
忘れた。その女へ訊いた、「私はおまえの所へ
алдӱ до...алдӱгэлэ-ӈдэ-хэм-би=эмдэ.биипокто
情報を求めてやって来たのだ、と。私はこの道を
эчиэ пуликтэ-э,саа-расӥ-йӥ."тӥӥээктэвэн-дии-н(и),"бии
歩いたことがない、知らない。」と。その女は言う、「私は
хай-ва=даасаа-расӥ〜,"вэн-дии-н(и).тӥӥээктэхай-нӥ,
何にも知らない、」と言う。その女はどうだったか、
дэрэӈ-ниэйээкалтаа-н(ӥ)сиунгэрэ-ни,эйээкалтаа-нӥбее
顔のこちら側は太陽の光線を放ち、こちら側は月の
гэрэ-ни=дээ. тӥӥ, хай,"эйтайа〜ла-н(ӥ)би-й-н(и),"вэн-дии-н(и),"ӱм
光線を放つ。「ここからむこうにいる、
ǯоа-нӥӱм туэ-ниӈэни-лэ-тӥ=мдэ.тӥӥ-дӱ=гдалбака-й-сӥ,
一夏、一冬行った所に。そこでおまえは見つけるだろう、
ӱмхурээн-ду-н(и).тӥӥ-д(ӱ)миннэу-йиби-й-ни,тӥӥ-ла
一つの山に、そこに私の妹がいる、彼女に
панӥ-ӈда-рӱӱ=мдэ.наансаа-рӥ-нӥ=мдэ."та(раа)тӥӥ
訊きに行け、彼女が知っている、」と言う。それから彼は
ӈэнэ-хэ-н(и).эс(и)[опять]ӱм ǯӱа-нӥӱм туэ-нитӥӥ
行った。再び一夏一冬そうして
ӈэнэ-хэ-н(и).тӥӥсӱӱлта-йӥэсэлчу-рээ,тӥӥэс(и)хай-ǯӥэс(и),
行った。そうして自分のスキーを捨てて、そうして何で、今度は
ӱгда-ǯӥӈэнэ-хэ-н(и),тӥӥӈэнэ-м(и)=дээ〜туэǯу-хэ
舟で行った、そうして行ったがまた冬になって
сӱӱлта-йӥтэтуǯу-хэ-н(и).тӥӥӈэнэ-м(и)=дээӱмхурээн
スキーを履いた。そうして行ったが一つの山の
дуэ-ти-н(и)ӈэнэ-хэ-н(и).тӥӥ-дӱӱмхагдӱнби-й-н(и),тӥӥ-ла
へりへ行った。そこに一軒の家がある、そこに
ии-хэ-ни.пансӥ-ха-нӥ.тӥӥ-дӱтӥӥээктэвэн-дии-ни,"бии
入った。訊いた。そこにいるその女は言う、 「私は
саа-расӥ〜,"вэн-дии-н(и)."эйэтайа〜ла-н(ӥ)ӱм [год]-дӱӈэнэ-п(и)
知らない、」と言う。「ここからむこうへ一年行くと
бакӥ-ла-тӥвэн(-дии)ӱмхагдӱм-ба-нӥ,тӥӥ-дӱминчуунэу-думэ
見つける一軒の家を、そこに私の一番下の
нэу-йиби-й-ни=эмгээ тӥӥ,тӥӥ=дээ=кээулээнсаа-рӥӥ
妹がいる、さあその女こそよく知っている、
тээлуӈгу-вэ."та(раа)тӥӥӈэнэ-хэ-н(и).гучи [опять]тӥӥ=мээч
事実を。」それからそうして行った、再びそのように
ӈэнэ-хэ-н(и)ӱм ǯӱа-нӥӱм туэ-ниӈэнэ-хэ-н(и).
行った、一夏一冬行った。
ӥс(ӥ)-хэ-ни.тӥӥ-лаии-хэ〜.тӥӥээктэвэн-дии-н(и),
着いた。そこに入った。その女は言う、
тӥӥээктэ-т(и)паӈсӥ-й-н(ӥ),"тӥӥ тӥӥӈэнэ-й-йи=йэмдэ."тӥӥ
その女へ訊いたのだ、 「こうして行くのです、」その
ээктэвэн-дии-ни,"эси,эситӥӥӈэнэ-хэ-н(и),даайӥ,
女は言う、そうして行ったら、大きな
даайӥбиру-вэбакӥ-ла-тӥ," вэн-дии-н(и)."даайӥбиру-вэ.тӥӥ
大きな町をあなたは見つけるでしょう、「大きな街を。その
биру-тиӈэнэ-пи,бирутокон(-дӱ-нӥ)таа〜споктоби-й,"
街へ行くと、街の真ん中からあらゆる方向へ道が伸びている、」
вэн-дии-н(и).тӥк(ӥ)тоо-р(ӱӱ).тӥк(ӥ)тоо-п(ӥ)сааǯӱ-ла-с(ӥ)=мэн=даа.
と言う。「そこから上れ。そこから上ると、知るでしょう、
мээнаам-бӥ-ваваа-ха(-нӥ)амбаам-ба."та(раа)тӥӥ
あなたの父を殺した魔物を。」それからその
њаӱǯакан=гдатӥӥӈэнэ-м(и)=дээ〜ӥс(ӥ)-ха(-нӥ).[ужезима,]
若者はそうして行ったが着いた。もう冬であった、
[пороги]-дӱмуухай,муу муулпу сӥӥн-дӱ.тӥӥби-й-н(и)
その穴に、水を、氷の穴で水を汲むための穴に。そこにある、
[бугор].тӥӥ-дӱ тээ-рээ пӱлахӱ-й-н(ӥ) дуйси,"эуру-руу,"
小山(氷の穴の回りの)、そこに 座って 叫んだ森の方へ、「下りて来い、」
вэн-дии-н(и),"биисинбаа-н(ӥ)ди-чим-би〜,эсимин
と言う、「私はおまえの所まで来てやったぞ、今や私の
бэйэ-йи=дээдаа(йӥ)о-чӥ(-нӥ),улсэ-йи=дээмалхӱ〜,хайбии
体も大きくなった、肉もたっぷりついた、どうだ、私は
симсэ-йи=дээмалхӱǯэмдэ-м(и)эуру-руу=мдэ."тараахагдӱ-н(ӥ)
油もたっぷりだ、食べに来い、下りて来い、」すると家の
доо-кӥ-ǯӥ-н(ӥ)ǯаралӥ-й-нӥ,мээн,лаоǯӥн-тӥ,"кэкэ〜,
中から話し声が聞こえる、自分の奴隷へ、「奴隷(女)よ、
вэн-дии-ни,ичэ-ӈдэ-руу,баа-тӥ.хамачаањииби-ми〜мин
見に行って来い、外へ。どんななんだ、私のような
даайӥ=даа гӥрамса кӥапа〜самчӱ-й-н(ӥ)=кээ=мдэ."тӥӥкэкэ=гдэ
この老骨に向かってぶつぶつ言う。」その奴隷は
[трубка]ниэ-хэ-н(и)коӈгӱр(ӥ)тӥӥ〜=даа.тараапӱњаа〜пӱњаа〜
パイプを取り出した、葉巻タバコをこうして、それからプカプカと葉巻タバコ
даӈпӥӱмӱ-м(ӥ)ичэǯэ-й-н(и)."ӱса〜,тӥӥсӥӥ-н(ӥ) поорон-дӱ-н(ӥ),ӥӈда
タバコを喫みながら見る、「知らないわ、あの氷の穴に座ってるのは、犬の
амӱн=нӱӱњииамӱн=нӱӱпакааǯӥа би-эс(и)=кээ=мдэ.тӥӥ
くそかしら、人のくそかしら、ボールじゃあないかしら、」と言う。その
њаӱǯака-н(ӥ)=даатӥпӥс типун-чи-н(и).тӥӥээктэ
若者はペッと唾を吐いた。(すると)その女の
тӥӥ-ла тӥӥ корча-ла эй=мээт тӥӥ дакса-ха-нӥ.тӥӥ-дӱтӥӥ[умер],
奴隷はその一息で吹っ飛んで壁にくっついた。そこでそうして死んだ、
гучипӱла-хӥ-н(ӥ),"балаа〜њээру-руу,"вэн-дии-н(и)."улсэ=дээ
再び 叫んだ、「早く出て来い、」と言う。「肉も
малхӱосӥ-й〜,бэйэ=дээдаайӥ,буǯукту-йи=дэээгдиэси,мин
たっぷりになった、体も大きい、脂肪もたくさんだ、私の
улсэ-йиǯэ-м(и)амта(ӱ)л(ӥ)=гӱнӥ=эмдэ,њээру-руу=эм."гучитӥӥ-дӱ
肉を食べたらおいしいぞ、出てこい、」と。また今度は
даа(йӥ)даа-дӱма(-ва)гӥлтаǯӱ-ха-н(ӥ)."њээ-руу,хаматањии,мин
もっと大きい奴隷を派遣してきた。「見て来い、どんな奴が私の
гӥрамса кӥапа самчӱ-й-н(ӥ)=каа=мда."тараањиэ-хэ-н(и)тӥӥ.
ような老骨に向かってぶつぶつ言っているのかを。」それから出て行った。
њиэ-хэ〜,њиэ-рээвэн-дии-н(и),"панса-й-нӥхай,тӥӥ,
出て行った、奴隷は出て行って言う、「叫んでいるぞ、何だ、あれみたいだ、
тӥӥ=мээч," вэн-дии-н(и), "тӥӥсӥӥ поорон-дӱ-н(ӥ)би-эс(и)=кээ,"
「あの氷の穴の所にいるじゃあないか、
вэн-дии-н(и),"хай,ӥӈдаамӱн=нӱӱњииамӱн=нӱӱ
「何だ、犬のくそだろうか、人のくそだろうか、
пакааǯӥа=мда.гуч(и)тӥӥњии тӥӥ[опять]типун-чи-н(и)тӥӥ-ла.
球みたいだ。またその人は再びつばを吐いた、そこで、
тӥӥ-дээтӥӥдакса-ха-н(ӥ)корча-ла.тараатӥӥ-гдэњээ-хэ-ни,
そいつもそう張り付けられた、壁に。それからついにそいつが出て来た、
тӥӥамбаанпӱлахӱ-й-дӱ-н(ӥ).тӥӥгэрэ〜њии-сэллаоǯӥ-сал
その魔物が、叫んでいる時に。たくさんの人々、奴隷たちがたくさんの
тӥӥниэпэчу-м(и)ииǯу-йниэǯу-й,дэӈси-м(и), ӱчэ-лэпӥтам
出たり入ったり出たりして働く、その戸にぎっしり一杯に
ниэ-хэнǯи(ӈǯи)ӈтӥсбӱǯӱњии,даайӥњииниэ-хэ-н(и).
出て来た、ものすごくいっぱいに太った人、大きな人が出て来た。
ниэ-мивэн-дии-ни,тайӥ-ǯӥэу-рии(-ни),њиипуликтӱ-й-н(и)
出て来て何か言う、そっちから下りて来る、人が通る
поктотӥӈ тӥӈ би-й-н(и)=гуни, [аа]тӥӥамбааӈ=гдал йэлээ
道はカチカチであるのだが、その魔物はひざまでの雪を
аайӱ-й-н(ӥ), сӥмата аайӱ-й-н(ӥ)=мээт, эу-рии-н(и)тавас(ӥ),
まるで深い雪を大股で乗り越えて行くかのように大股で下りて来る、そこから、
[аа]тӥӥњаӱǯакатай(а)-ǯӥтоо-рӥӥ-н(ӥ).туэ би-чи-н(и).
その若者はそこから上って行く。冬であった。
тӥӥсоорӱ-й-л, тӥӥсоорӱ-й, тӥӥсоорӱ-йтӥӥǯуэњии.
そうして戦った、戦った、戦った、その二人の人、
та-м(ӥ)=дээ〜пунимэк=тэ,тинимэк=тэйада-ха-тӥ.
そうしてくたくたに疲れた。
тӥӥсорӱ-й тӥӥсорӱ-й,та-м(ӥ)=дӥӥ тӥӥ,тӥӥамбаа
そうして戦う戦う、そうしてその魔物が
вэн-дии-н(и),"апӥǯӱ-й-сӱ〜,"вэн-дии-н(и),туэ би-чи(-ни)
言う、「休もう、」と言う、冬であったのが
ǯӱаǯӱ-ха-н(ӥ).ӱмтуэ-н(и)холу-м(ӥ)сорӱ-ха-тӥ.гуч(и)
夏になっていた。 一冬の間中ずうっと戦った、また
ǯӱаǯӱ-ха〜-н(ӥ)."апӥǯу-й-сӱ=м."тараатӥӥапӥǯӱ-м(ӥ),
夏になった。「休もう、」それからそうして休んで、
апӥǯӱ-м(ӥ)=(г)дэл.тӥ=кэ=кээ, (он)чороо(м)туку-хэ-н(и).ӱм
休んで、こんなふうにあおむけに倒れた。一つの
даӈǯиг[бочка]ваала-н(и).тараатуку-рээ,ӥсаал(ӥ)
太い樽の太さである。それから倒れてからその目も
чӥмча=каааӱлачӱ-й-н(ӥ).та-м(ӥ)=дээњаӱǯакахэмэ〜досоǯӱ-й-н(ӥ),
うつらうつらとして寝る。しかし若者は黙って聞いていた、
уйсикӥ〜ак кӥакпӱлахӥ-й-нӥ.ээктэ-ниǯӥлǯа-нӥ,
上空からキャアキャアと叫んでいる。女の声で、
уйси.тараавэн-дии-н(и),"улээ〜н тэӈкучу-руу=мдэ.њии-вэ,
上で。それから言う、「よく見ろ、人を、」
эǯи [фора]ра.(2)"тӥӥ, тӥӥамбаанмӥаваам-ба-нӥбака-ха-нӥ.
その魔物の心臓を見つけた。
та(раа)т(ӥӥ),чииндэпиктэ=мээт би-й-н(и).тӥӥмӥаваа-н(ӥ)бака-раа,
そしてそれはヒヨコのようなものであった。その魂を見つけて、
тӥӥ,тӥӥэй йэки-н(и)сиу гэлэ-й-н(и) гэрэн-чуээктэуйлэ
あのこっちの右側の側が太陽の光に包まれている女が上で光線のある
бака-ха-нӥта(раа)наан-тӥӥраǯӱ-ха-н(ӥ)тӥӥ-ва,тӥӥ-ватӥӥ
見つけた、それから彼の所へ運んで来たそれを、それをそうして
тугбу-хэ-н(и)луу〜(п)сэкэн лапǯапа-ха-н(ӥ)тӥӥ њии.
落とした、ピュー、パッとつかんだ、若者は。
чииндэ пиктэ-н(и).тараатӥӥмапа-ватӥӥана-ха-нӥ,
ヒヨコであった。それからそのじいさんをこう押した、
тээ-руруу, вэн-д(ии),"эрдэӈгэбиихай-вабака-хам=кээ=м(дэ)йэду.
「起きろ、「面白いぞ、私が何を見つけたか、ここに。
ичэ-вуутӥӥ,"тӥӥмоӈгом-ба-нӥтӥӥтӱан-дии-н(ӥ),мапа
見ろ、これを、」その首をこうして引っぱる、じいさんの
моӈго-нӥтӥӥта-й(-нӥ),хасалӥ-н(ӥ)бэгди-вэ-нитӱан-дии-н(ӥ)
首もそうなる、羽の足を引っ張る、
мапабэгди-н(и)тӥӥта-й,"хай-рӥӥ-сӥ,даамахай-рӥӥ-сӥ,"
じいさんの足もそうなる、「どうした、じいさんよどうした。」
кэвээ〜бииамда-й-йэ,вэн-дии-н(и). бэлин-дии-йи маӈга〜,
「違う、私は真似しているのだ、老人の病気で人と同じことをひどく繰り返す
вэн-дии-н(и)."миндубууру-руу,"вэн-дии-ни."сорӱ-й-дӱ
のだ、」と言う。「わしによこせ、」と言う。 「戦う時に
эй=мээчэмэтэ-ǯӥ хупу-вэси〜,"вэн-дии-н(и)."мээн
このようなもので遊んじゃいけない、」と言う。「自分の
сорӥ-каам(-ба)сорӱ-вӱ,"вэн-дии(-ни)."њӥӥлӱ-кта〜,"вэн(-дии-ни),
武器で戦うべきだ、」と言う。「バカ野郎」と言う、
оркӥн. гээтӥӥмапа,тӥӥњиивэн-дии-н(и),хай,
「よくない、」と。さあ、そのじいさんは、その若者に言う、
ӥсал(ӥ)чӥмчака〜њии-рээ,"минаӈма-тӥǯололо-вӱ,мин
目を大きく開けて、「私の口に差し込め、私の
аӈма-тӥǯололо-рӱӱ,"вэн-дии-н(и),"тӥӥмӥаваам-ба."
口に差し込め、」と言う、「その魂を。」
ӥсалчӥмчака〜 нӱсӱ-м(и),ӥсал тӥӥ мапа, тӥӥ нӱсӱ-й ӥсал,
目をパチパチして閉じ、じいさんは目を閉じたまま保って、
ӥсалӥ нӱсӱ-й-н(ӥ) гэсэ ǯи(ӈ)ǯи(ӈ)эй ǯуэл хурэ(эн) алданлӥс
そう目を閉じたままになっている時に思いきり二つの山の間にバッと
ǯололо-ха-н(ӥ).мапа [готова].бу-чинтӥӥ-дӱ.
投げ込んだ。じいさんは死んだ、そこで。
тайа-ǯӥ=гдээсэлэ-мэйаадаӈбӱӱ,ниэ-хэ-ниǯи(ӈǯи)ӈхай,
そこから鉄製の大きな魔物が出て来た、すごくでかい、
пуǯисэсэхэ-ни,ӈаала,уйисэсэхэ-нибаа-лааӈма-нӥ
あご腕まで、あご外へ、口は
эй=мэт тӥӥниэ-хэ-ни.хукчу-хэ-н(и).тӥӥњаӱǯакаан=даа
そのようなのが出て来た。襲いかかって来た。その若者は
тӥӥ-латоо-мӥтӥӥ,гакс(ӥ)сэсэхэ-лэ-н(и)та-ха-н(ӥ)гаксӥ
そこへのぼってその二つのうちの片方のあごをやった、片方の
сэсэхэ-лэаӈма-нӥсучуум тӱан(-чин). бу-чи(-ни).тараа=гда таванчӥ
あごをその口をピインと引いて伸ばして引き抜いた、死んだ、それから
'=гдаатӥӥбиру-вэӈэнэ-хэ-ни,тӥӥдаа(йӥ)хотом(-ба),биру-к(и)
その通りを行った、その大きな街を、通りに沿って
ӈэнэ-хэ-ни.тӥӥӈэнэ-м(и)тӥӥӈэнэ-м(и)тӥӥ,сэлэ-м(э)
行った。そうして行ってそうして行ってそうして、鉄の
урэктэ-вэǯапа-ха-нӥ. тӥӥ, тӥӥ,тӥӥ-сал-бачӱпал
棒をつかんだ。その街の人々を全員
[гоня]-ха-н(ӥ).мээм-бэ-н(и)гааǯӱ-й-н(ӥ)тӥӥ-ва.
追い立てた。自分の地へ連れて行く、彼らを。
мээм-бэ-н(и)гааǯӱ-м(ӥ)тӥӥӈэну-хэ-н(и)тӥӥӈэну-хэ-н(и),
自分の地へ連れて行ってそうして去った、そうして去った、
мээнгасам-бӥис(и)ǯу-хэ〜-н(и).тӥӥбиру-вэчӱпа(л)
自分の村に着いた。その通りに全員を
тӥ-к(ӥ)тээǯу-вээн-чи-н(и).даа(йӥ),даа(йӥ)гасао-чи-н(ӥ).
それに沿って定住させた。大きな、大きな村になった。
тараа=гдалэн-биичэ-й-н(и), эни-ни хай-д(ӱ) соӈго-ха-н(ӥ)
それから妻を見た、出かける時にいたその同じ場所に座って泣いていた
хай-дӱ, эй=мээт тӥӥ тээси-й-н(и) эни〜 сиӈги маманаǯӱ-ха〜-н(ӥ),
今や こうなって 座っていた、あわれなひどいばあさんになっていた。
хӱмдӱ-хӱ(-нӥ).мээнхагдӱн-тӥииǯу-хэ-н(и).тараа
やせてしまっていた。自分の家に入った。それから
эн-би=гдээ, эй, эййэ-лэ-н(и)гапакала-мӥ,эй=мээттӥӥ,
妻を、肩の袖の所をつかんで、このように
хархӥ-хан.тӥӥхархӱ-м(ӥ),"ǯэрги њии-н(и),пэǯики-н(и)би-й
揺さぶった。そう揺さぶって、「大地の下にある
осӥнӥнаа-дӱ=даатуку-лэ-ти, вэн-дии-ни,ǯэрги њии-н(и)уйки-н(и)
なら地に落ちるだろう、大地の上に
би-йосӥнӥ тӥӥњака-ӈгӱ-йӥилǯу-м(и)эн-би тӥӥ хай-рӥӥ,
あるのなら、すっくと立ってそうすることだろう
чооӈко-кӥ,чуурǯололов(ӱ).эни-н(и)ǯиӈǯиӈ〜,паталаочо-ха-н(ӥ),
窓から、まっすぐに差し込んだ。妻はすごい美人に戻った、
ларгӥээктэочо-ха-нӥ.тӥӥӈги кааӈгӥилǯу-хэ-ни.
素晴らしい女になった。すっくと立った。
тӥӥ та-мӥэн-би,наама-ӈда-мӥпиктэдэрэ(г)-бэ-ни
そうして妻を抱きに行って、子供の顔を
алавсӱ-ха〜-н(ӥ).тараамээнхагдӱм(-бӥ)=гдээ,тӥс
示した。それから自分の家を、強く
баасала-ха-нӥ,ǯӱандаа(йӥ)хагдӱо-чӥ-н(ӥ).тӥӥхагдӱ.
蹴った、ダーの大きさの家となった。その家は。
тараатӥӥ-дӱтӥӥби-чи-ти.тӥӥӥлаанхурээнпороон-дӱ(-нӥ)
それからそこでそうして暮らしていた。その三つの山の頂に
би-чиэк(э)-сэлчӱпалнаанасӥ-нӥ=мэло-чӥ-тӥ.тӥӥ
いた女たちは全員彼の妻となった。
тӥӥ-дӱпааǯӥлаǯӱ-ха-нӥ.тарааэси=гдээтӥӥ-дӱби-й-ти.
そこにそれぞれ住んだ。それからそこで暮らす。
дуйэлэби-йгур-сэли〜,моо-ǯӥхӱда-м(ӥ)эу-рии,вайла
森の方にいる人々は、木で商って下り、岸の方に
би-йгур-сэли〜,муэ-ǯихӱда-м(ӥ)тоо-рӥӥ,тӥӥ
いる人々は、水で商って上り、そうして
би-чи-т(и),байан-чӥ-т(ӥ)элээ.
暮らしていた、豊かに。終わり。