風間伸次郎(採録・訳注).2000.『ナーナイの民話と伝説5』(ツングース言語文化論集14,東京外国語大学)より

7. səlkii saman

スルキー サマン

1997年8月19日 ダエルガ村にて録音

N. B. Gejker氏口述


ɡəə,əmǰoodoolaniəikənəûbalǰixači.
さあ、ある家の中に姉と妹が暮していた。
əikəni-təniidolbotookoraâdolboəuɡurəətamitui,waaičaaundə,
姉は夜に森へ上り~夜に下りて来たりして、そうして、狩りをするという、
bəjumbə-ləundiisi-ə̂toowatoikandaamapawamanaraa
獣を、ヘラジカを叩いたり、クマを獲り尽くしたり、
bočambabootoaənəiǰiənixasasiitami
アカシカをバラバラになるくらいに追い駆けたりして
ə̂ŋundiisiəktədujiosiɡopiəktəxusədujiosiɡopixusə,
女になれば女のように、男になれば男のように、
xusədujiosiɡopiduipəpulsiə,əktədujiosiɡopi,
男になれば森の中を歩き回り、女になれば、
ǰaarilaǰapaɡoiəriŋkuləəsəliɡui,xosiktalasxoǰaɡoitamiulpiəundə
一番星に縫い物をつかみ、明けの明星に布をしまい、星に終え、して縫うという、
ə̂ŋnəuni-təniixaosi-daâənəədəəsi,uiləndû-maňaǰooɡdobiini-ɡoani,
妹はどこへも行きやしない、縫い物ばかりをして、家にいるのだ、
ǰəə,nainəujibodoi-noo,xaiwa-daatawaandadaasi
並みだろうか、その人(姉)が妹を可愛がることといったら、何もさせやしない、
ǰooɡdotultultuikaokabiini-ɡoaniuilənduǰooɡdodəŋsiɡuxən,
家にいつもいつもそうしてじっとしているのだ、縫い物して家に居残っていた、
xaiwa-daaxəmmənəulpindubiini-ə-mə̂ŋtuibiəundə
何でも全て用意されて、ただ縫い物だけしていると。そうしているという、
tuibiiduəči-ə̂əmmodan-ɡolaundiisi-ə,əikənitookoxaniundii,
そうしている時に~ある時、姉は森へ上ったという、
ǰooɡdo-taniiundiisi-ə,xairaundə,ulpimitəəsiəundə,ulpiiduəni-ə̂
家で、どうするという、縫い物をして座っているという、縫っている時に、
ʼʼədədəxajaaǰianirɡii-nuu,xajaǰiaiŋɡurii-nuu,ʼʼtaaundə
「あれ、どこから物音がするんだろう、どこから大きな音がするんだろう、」と言うという、
ʼʼəi-kəəačaasi-apuksintoŋɡalainixainaa-daaəɡəxaini-daa,
「これはいけないわ、嵐が叩きつけているんだわ、たぶん、姉さんの道具や何かが
boalabiibiǰərəə,ʼʼmurčiini-ɡoaniboačiniəxəni.
外にあったはずだわ、」と考えるのだ、外へ出た。
niəxən-təniiundiisitəiboauləəni,toronibičini.
出たが、その外の天気は良い、穏やかな日だった。
tuitaraa-taniipuǰin-təniixaixani,
そうしてからプジンはどうした、
taŋɡodaanuktəji-ləundiisi,dolindolâɡurəlirəəsiličəniɡurəlirəəundiisi-ə,
尋の自分の髪を真ん中の所までほどいて編んだのをほどいてから、
saandoladapsilaxanidapsilaraâpərɡəkəəčiinitəŋ,
魚の干し棚に掛けた。掛けて~試してみるのだが、ほんの一本の
nuktəni-lədəŋɡər-dəəanaaɡədər-dəəanaabičini.ə̂ŋundiisituitaraaundiisi-ə,
髪の毛さえ動きもしない、揺れもしなかった。そうしてから、
čaa-latatagoraanuktəjitatagoraaundiisixairii-goanisiliguxəni
それを引っ張って自分の髪を引っ張り上げてどうするのだ、もう一度編んだ、
ʼʼərdəŋɡəxai-daa,ʼʼuŋkin,ʼʼxamačaaǰaka,tuinirɡiini
「不思議だわ、何とも、」と言った、「どんなものかしら、あんなに音がしたのに、
ə̂ŋbalana,təəluŋɡubiəčil-kəəuŋkinamaanaa,
昔、伝説があったんじゃなかったかしら、言っていたわ、父さんたちが、
naiadaliinînaiaxətəiɡursə̂l,ʼʼundiisi-ə,
人を打ち負かす、人より勝るような人たちが、
ʼʼtuisiasiŋkoǰipulsii-jəʼʼ-m-də
そんな物音をたてながら行き来するのだ、と。
ʼʼə̂ŋnaiapukčuəčiiɡasa,tamačaa,kooritamačaa,tuipulsii-jəʼʼ-m
人をひっさらう鳥が、あんな、鳳のような、そうして飛び回っている、」と。
tuixisaŋɡomi-a-laundiisi-ə̂iiɡuiduji-ləundiisi,
そう話して家に入ろうとした時に、
uikəjiǰapaɡoraa,tuitataidoji-ləičəɡuxəni,
戸をつかんでから、そうして引く時に見た、
soliakaltaaxooŋkoŋɡoniporondolaniundiisi-ə,əm,ɡasabiəundə,koori,
上流の側の崖のてっぺんの所に、一羽の鳥がいるという、鳳が、
xai-daadailaani,əŋtaktodailaanitačimkoori,
どのくらいの大きさか、倉ほどの大きさの「クラ」鳳、
ǰoodailaaniǰoromkooribičin
家ほどもの大きさの「イエ」であった。
təi-təniiundiisiaŋmani-lalə̂pləptawatuulsiəundə,
そいつの口からはボタリボタリと火が落ちているという、
ǰidiini-ləundiisiə̂ŋčalanirɡiiničalaiŋɡuriinibičini.
向かって来ると、ここからも物音がする、あそこからも大きな音がするのだった。
ə̂ŋiiɡurəəundiisi-ə,nakandojitəəɡurəəulpiiǰapaɡoraaulpiiduəni-lə,
家に入って、オンドルに座ってから縫い物をつかんで縫っている時に、
xooni-daadosoǰiiniundiisitə̂ŋňoaniǰoonibadolanitərəkǰidiini,
どう聞いてみてもちょうど彼女の家の正面に正確に来ている、
ə̂ŋtuitaraaundiisituitamiundiisi,
そうしてからそうして
tooi,ə̂ŋisixambi-daaǰaaroaniundiisisaandoani-lačakorčiâdookaundə
岸の所に着いたのだろう、魚干し棚にフワリと降り立ったという、
ə̂ŋxə̂ixəimorapsiŋkinisaɡǰi-ə̂naiǰilɡanibičini
フ~イフイと叫び出した、年とった人のだった、
kirkə̂nai,xusənaiǰilɡani.ə̂ŋundiisituitaraa-laundiiundii...xairiini-ɡoani,
老いた人の、男の人の声だ。そうしてからどうするのだ、
ʼʼamičəɡûbiičəəni,əŋbii-ɡoani,ʼʼundii,
「おおい、誰かいるか、いるのだな、」と言う、
ʼʼxai,səəŋkurəmuəkəəmbənimasalmi-daaaja,ʼʼundii,
「イソツツジの入った水をちょっとザバッとすくってくれるがよい、」と言う、
ʼʼə̂ŋxəwəəmbəpulsiixəmdəjixolɡoxân,
「湖を歩き回って腹が渇いた、
aodambapulsiiaŋmajiaxolɡoxan,ʼʼundii,
草原を歩き回って口が渇いた、」と言う、
ə̂ŋpuǰin-ɡuləundiisiilixaniundiisi,ʼʼə̂ŋmuə-dəəabaâ,ʼʼundii,
プジンは立ち上がった、「水もないんです、」と言う、
ʼʼminduxamačaa-daaabaa,ʼʼundii,ʼʼəŋaɡdaasijiosinidoolǰiroo,ʼʼundii,
「私にはどんなものもない、」と言う、「信じないなら、聞け、」と言う、
təi-ləundiisiəňuəjinixəlirəəkočarkočarərdələrəə,undiisi,xai,
その鍋を開いてカラカラと音をたててみせるという、
koŋboǰiniǰiraraaundiisi-ə,xai,saolaji...kočarkočarniǰirai-tanii,
柄杓で底をひっかいて、水瓶を、カラカラと音を出してみせて、
ʼʼmii-təniimuəomiidojimuəwə,tooičiŋaanii,
「私は水を飲む時も水を、岸まで取りに行くし、
siaɡojipujuuɡujitooičiŋaaniitaambi,ʼʼundiini,
食べ物を煮る時も岸まで取りに行くんです、」と言う、
ʼʼamičəɡuruuundiisituitaisiosiniməənčimənəəsoŋɡoǰaači,ʼʼundii.
「おいおい、そんなふうにしていたら自分で自分のことを泣くようになるぞ、」と言う、
ʼʼə̂ŋundiisi-ə,xai,tuitaisiosini,niəptəŋɡikəəmbənaŋɡalami-daaaja,ʼʼundiini.
「それなら、イノシシの油の一かけらを投げてくれてもよい、」と言う。
ʼʼxamačaaǰakaniundiisi,niəptəŋɡimii-xəəəsi-məədoolǰixambi,ʼʼundiipuǰin.
「どんなものですか、イノシシの脂って、私は今初めて聞きました、」と言う、プジンは。
ʼʼə̂ŋxairiini,ə̂ŋniəptəŋɡitəiəikəsi,
「これはどうしたことか、イノシシの脂だ、あのおまえの姉は、
iniədolbobujumbəwaamipulsimiəuɡuə-tənii-ə,ʼʼundii,
昼も夜も獣を狩りして歩き回っているから、山から持って来ているだろう、」と言う、
ʼʼuliksəwəpujuuriiduji,simusəni,dəɡdəɡuxəntəiuiləosioɡoxantəi,
「肉を煮る時の油が、浮かびあがった、その上にできたそいつを、
bulǰiɡupi,ɡičisinaɡopikoaxkoaxniəptəŋɡini,ʼʼundii,
固まったら、冷えたら、カチカチになる、あのイノシシの脂だ、」と言う、
ʼʼtəiosioɡoini,bulǰiɡuučiəni.ʼʼʼʼənənə̂sii...mii-kəotoliasi,ʼʼundii,
「その上にできた、固まったならば。」「ああ~私はわかりませんわ、」と言う、
ʼʼtamačaaǰaka,mii-təniiundiisi-ə,əŋuliksəwəəɡəəpujuuxən...
「そんなものは、私は、肉は姉さんがいつも煮ましたから、
pujuurəəxəmnaŋɡaačiambi,ʼʼundii,ʼʼsoosimiboači.
煮てから全部捨てました、」と言う、「すくって外へ。
xamačaa-daaniəptəŋɡini-dəəotoliasimbi,ʼʼundii.
どんなのもイノシシの脂だかもわかりませんわ、」と言う。
ʼʼə̂ŋtuitaiosini-kəə̂məənčimənəəsoŋɡoǰaači,daraako-axai-daa,ʼʼ
「そんな風にしていたら、自分で自分のことを嘆くだろう、恥知らずだ、何とも、」と
unkini,ʼʼsiipulsiisiəmnai,niəptəŋɡiwənəučəi,
言った、「あなたがやって来ることのために一人の人が脂を用意しておいたり、
muəwə,səəŋkurəəəwuitai-noo,ʼʼuŋkini,ʼʼmiiəikəji.ʼʼ
水を、イソツツジを持って下りて来たり、すべきだとでもいうのか、」と言った、「私の姉が。」
ə̂ŋundiisitəi-ləxurdəɡdəɡukəundətuitaiǰijiɡəsəundiisi-ə,
そいつはフワリと飛び上がったという、そうするやいなや、
čooŋkoni-laundiisi-ə,čuulxai,xaakoaji-lagidalamituiktagoxani
天窓に真っ直ぐにそのくちばしを突っ込んでクイッと動かした。
əmǰiəkaltaaluə̂pənəxəničooŋkonipaǰirani,
その一方の側がバラバラに崩れた、天窓の所の壁が、
əmǰiəkaltaačianituiktaɡoxani
もう一方の側へクイッと動かした、
təiəmǰiəkaltaani-daaundiisiə̂ŋbubuluəptuuxəni,
その側もボロボログシャンと崩れ落ちた、
əŋtuitaraačala-laiirəundə,əŋtəi-təniiiixən-təniiundiisi,
そうしてからそこから入るという、そいつが入って来た、
duilə,uiləbiisiduəmbitəisiiduəmbə-tənii,
上にある梁、その梁を、
sisimasiduəmbə-ləbolkaabolkaatəmtəəmi-ləǰidəundə
落葉松製の梁の上をユラリユラリと交互に足を踏み出して来るという、
puǰinbaaroani-ləundiisi-ə̂,əsi-təniipuǰinbadoaniisixaniundiisi
プジンの方へ、プジンのそばに着いた、
ələəpuǰimbətoi...čokilai-nuuələəpuikui-nuutaaundə.
今にもプジンを突っつくか、今にも跳びかかろうかと、するという。
əŋpuǰin-ɡuləundiisi-ə,ulpiiləjinaŋɡa...ilixan...
プジンは手にしていた縫い物を投げて、立ち上がった、
xudəəmbiǰapaɡoraailimiundiisipaačilaidoji-laxaončokənəxəni.
裁断用の作業台の板をつかんで立って叩こうとする時にパッタリと気を失った。
əŋtotapi-ôsaaɡoxanixərə̂ɡasaojalani-laundiisi-əəŋǰilianiɡəə..
そうすると気がついた、あれあれ、鳥の上にいる、そいつの頭に
daxamiǰililaktoxanîbəɡǰini...bəjədaxamibəɡǰinilaktoxaniundiisi-ə,
沿って頭はくっついていた~、足は体に沿って足はくっついていた、
əŋxasarbanidaxami-laundiisiŋaalanidəŋdəŋlaktoxanibičini
羽根に沿って手はガッチリとくっついていたのだった、
oonibičiniɡasaojaalani.ə̂si-təniipuǰin-təniiundiisisoii-daasoii-ɡoani,
仰向けだった、鳥の上で。プジンは叱りに叱るのだ、
təi-ləɡasawa-laundiisiəninǰiənixoǰiraaaminǰiani,
その鳥を、母親の悪口に終ったり、父親の悪口から
təpčiəɡurəətami-laundiisi-ə,əŋʼʼwaariiosiniwaaroonimori-a,ʼʼundiini.
始めたりして、「殺すのなら、殺せ、こんなじゃ居心地が悪いわ、」と言う。
ʼʼə̂ŋamičəɡuruû,ʼʼundii,ʼʼsimbiə-mə̂baoɡoxan,ʼʼuŋkin,
「ほほう、」と言う、「おまえみたいなのは初めて出会った、」と言った、
ʼʼtuiməəpisoiinaiwa.əŋmiixamačaaəktənijaŋkoasimbi,ʼʼundii,
「こんなに私を叱る人間を。私はどんな女だって運ばなかった者はないが、」と言う、
ʼʼəčiəmimbiənaixai-daasoiraʼʼ-m.
「私を人は何とも叱ることなどなかった、」と。
ʼʼə̂ŋburbučiwə̂undiisi,əŋɡorimbiwâuiiduəsi-daaja
「私が死んだら(私の羽毛で紐として)ゲートルをしばってもいいぜ、」
xəutə...xuətukəəmbi,uiiduəsi-dəəaja,ʼʼundiini,
手甲をしばったっていいぜ(おまえのような度胸のいいヤツなら)、」と言う、
ə̂nənəpuǰin-təniibaǰi-daaajaktalaxanisoii-daasoiini-ɡoani.
さあてプジンはもっと怒った、叱りに叱るのだ。
əŋtuisoimi,ʼʼə̂ŋələmiundiisi,ǰočoâsiŋɡi-a,ʼʼundii,təiɡasa,
そうして叱ると、「ああ、もう十分だ、あきあきだ、もういやだ、」と言う、その鳥は。
ʼʼsimbiə-məəbaaoxan,ʼʼundii,ʼʼmii...məəpituisoiinaiwa.ʼʼ
「おまえで初めて出会った、」と言う、「自分のことをこんなに叱る人間を。」
ə̂ŋtuitaraaundiisiəsi-təniituitamiundiisi
そうしてからそうして
puǰin-təniiəikəǰiji-maňasoŋɡomidəruuxəni,
プジンは自分の姉のことばかりを思って泣き始めた、
əikəji-ləundiisi-ə,ə̂ŋxəəsimisoŋɡoi-ɡoani,
自分の姉を呼んで泣くのだ。
ʼʼəɡəə̂doolǰirooməxəruuǰidə...əŋmimbiəɡasaɡaaǰoi-aʼʼ-m-da.
「姉さ~ん、聞いて、気づいて、私を鳥がさらって行くのよ~、」と。
əŋtuisoŋɡoaundə.əŋtuisoŋɡomiundiisiəŋtui,
そうして泣くという。そうして泣いて、そうして、
ə̂ŋtuisoŋɡopi-âundiisi,jadadalasoŋɡoituitapi-asoii,
そうしてしばらく泣くと、疲れるまで泣く、そうするとまた叱る、
tuitamiundiisikolkoločoɡoxani,ələiləjə̂-dəə.
そうして黙りこんでしまった、もうあきて、十分で。
ə̂ŋtuitaraaundiisi-ə,tuioonǰibiəundiiičəini-ɡoani
そうしてからそうして仰向けでいる、見るのだ、
əmonimiirɡəmbəisixani,
一つの長い村に着いた、
təi-ləirɡənoja...xaiujəəwəni-lədəɡdəɡumiənəəundə,
その村の上を飛んで行くという、
əŋtuitamiundiisitəŋəǰə̂nxaantokondoani-laundiisi,
そうしてちょうど主たる長の(家が)村の真ん中に(ある)、
əmxaidoǰoobičinidaaji,irɡəntokondoəǰənxaan.
一軒の家があった、大きな、村の真ん中に主たる長(の家が)。
əŋtəi-təniiundiisi-ə,tuliəduəni-təniiboačaandaajilanitoorobičini.
その、中庭には島のような大きさのシャーマンの柱があった。
əŋtəitoorodolatakorčiâdooɡokaundə,
その柱にフワリと降り立ったという、
əŋxəə̂ixəimorapsindiidoani-laundiisi-ə,əŋəmmama-laundiisi-ə,
フ~イフイと叫び出す時に、一人のばあさんが、
səəŋkurəpooŋkixani-laundiisipoiŋaôniəxəni,ə̂ŋundiisi-ə,
イソツツジに火をつけて、モクモクと煙りをあげて出て来た、
ʼʼə̂ŋəipuǰimbə̂,mamâundiisi-ə,əlbənədailaaniəələjialiroo,ʼʼundii,
「このプジンを、ばあさんや、帆の大きさに服の裾を下に広げよ、」と言う、
ʼʼəǰituɡburə,ʼʼundii,ʼʼnaabaaroani.ʼʼ
「落とすな、」と言う、「地面に。」
ə̂ŋtəi-ləmama-laəi,əələjiputumbi-lətuialixani.
そのばあさんはその、自分の服の裾を前の部分をそうして広げた。
tuialiraâilisiaundətəi-ləɡasa-la,kumbiləčiə̂təi-ləpuǰin-ɡuləundiisi-ə,
そう広げてから、立っているという、その鳥が、コロリッとそのプジンを
tuuriiwəni-lətuiŋaalaǰiməənbaarojitaaundətəimama-la,
落っことしたのを、そうして手で自分の方へ引くという、そのばあさんは、
təi-ləpuǰin-təniiundiisituuriinolǰinǰiani-tolundiisi
そのプジンは落ちる瞬間に
mama-laanaxanioonǰičoloiɡantuuxəni.
ばあさんを押した、仰向けにバッタリと倒れた。
mama-laundiisiapiinikaltaramənəi-ɡoani,
ばあさんは後頭部を切ってしまったのだ、
ʼʼxaiənuɡbənibaara-noô,xamačaanii-ɡdəasiwaniŋaaničaxani
「なんてひどい傷を受けたことでしょう、なんて人を妻に連れて来たのかしら、
xamačaaniipuriɡbənijaaŋkoini-aʼʼ-msoiaundə,
なんて人の子供を運んで来たのかしら、」と叱るという、
əsi-təniimama-taniiǰilinikaltaxani-ɡoaniapiini,
ばあさんはその頭が破れたのだ、後頭部が、
puǰinanai...anaidoanioonǰituumi.
プジンが押す時に仰向けに倒れて。
ə̂ŋpuǰin-ɡuləiiriiǰijiɡəsənaiǰookčianitîasnaibičinǰərɡiləməəri
プジンは入るやいなや(見た)人がその家にぎ~っしり人がいた、列をなして
təi-təniiundiisi,əksəl-maňatəəsiəundə,
それは、女の人たちばかり座っているという、
ňoani-taniiəsiǰokonxaidobiəčikurəənxaidobiəči-mapsindaxani.
プジンはおまえの隅はどこだ、オンドルはどこどこだ、と言われて横になりに行った。
ə̂ŋəsi-təniiəikəni-təniisiksə̂əuɡui-ɡoani,dolboɡoxanpakčiraaŋɡoxan.
さて今姉は夕方森から下りて来るのだ、夜になっていた、暗くなっていた。
əŋmoolsiimoočijiisiɡoiǰijiɡəsəičəxəniǰookčiji.
薪を集める木々の所まで着くやいなや見た、自分の家を。
əŋpakčîpakčibiəundə.ʼʼənənənəunixoonitaxanî,
暗く暗くなっているという。「あれあれ、妹はどうしたのかしら~、
ixərə-dəəanaaənuluxən-nuuxoonitaxani-noo
灯りもない、出かけてしまったのか、どうしたのかしら、
əsi-təniitawaŋki-lapuǰin-ɡuləxatanǰiəuɡui-ɡoani,
そこからプジンは急いで下りるのだ、
ə̂ŋəuɡuidojinolǰinǰiani-tolundiisi-ə,
下りるやいなやすぐに、
xaitaktopilaandoanipinajiuliksəwənaŋɡalaɡoxaniundiisitawaŋkiəuɡuxənituliəči,
倉の入り口の板の所に背負子の肉を投げた、そこから下りた、中庭へ、
tuliəčiəuɡuiǰijiɡəsə-ləundiisi-ə̂xaiǰi,ǰookčijiiiɡui-ɡoani,
中庭へ下りるやいなや、家へ入るのだ、
xaisoktaməŋdənəuɡurəəpəuləənčijiɡidalaxanisoktaji.
スキーごと下りて来てから二段の物置き棚へ刺した、自分のスキーを。
əŋtuitaraaundiisiiiɡuxəni,əniiɡurəəɡolǰombapasoalaxani
そうしてから入った、入ってからかまどに手を突っ込んで熱いか調べてみた。
ɡolǰoni-laɡičiaktaaundə.
かまどはヒンヤリとしているという。
ʼʼə̂ŋərdəŋɡə̂xaimitui,ʼʼəčiəiwačiwani-ɡoaniələə,ǰoodoowani.
「ウ~ン不思議だわ、どうしてこうなの、」火を焚いていなかったのだ、まだ、家の中は。
əsi-təniiundiisituitaraapuǰin-təniiundiisi-ə,
そうしてからプジンは、
aksonudəwənitəmərimitəmərimi-ləundiisi
戸口の方の場所を手探りで行って手探りで行って、
ə̂ŋ,xaiwabaaoxani,əmmuəluuwə,talomamuəluuŋɡuniňoanimuəluuni.
何を見つけた、一つのバケツを、白樺製のバケツを、彼女(妹)のバケツだ。
ə̂ŋčawa-lataktoočixanikapokapoənəiǰiənituitaraaundiisi-ə,piolaxani.
それを足で踏みつけた、カポカポと潰れるように、そうしてから白樺に火をつけた。
abaa-ɡoaninəuni-ləəsiulpixəničoptərəmǰibiəundəbəunduəni.
いないのだ、妹はたった今縫い物をしていたそのままになっていたという彼女の場所は。
əŋxudəən-təniipalantokondoani.
裁断用の台は床の真ん中にころがっていた。
ə̂ŋəsi-təniipuǰin-təniixamasi-bakiniəɡuxəni,
プジンは後ろへ戻って外へ出た、
tuitaraaundiisisoktajitətuɡuiǰijiɡəsəundiisixaido,
そうしてからスキーをつけるやいなや、どこに、
xamasi-kaaniəɡuiǰijiɡəsəxaiči,ənəxəni.
戻って出るやいなや行った。
taktočijiənəxəniundiisiəmxondaxaxaiwaniiiwuɡuxəni,talowani,
倉へ行った、一つの巻いたものを、持って家に入った、白樺の樹皮を、
tuitaraaundiisi,čawa-taniiundiisitaaworaaundiisiasamasii-ɡoani
そうしてから、そいつに火をつけてから足跡を探して行くのだ、
soliaxooŋkoŋɡolajitookoraaxəǰiəxooŋkoŋɡolajiəuɡurəə
上流の崖の所に上ったり、下流の崖の所に下りたり、
xəǰiəxooŋkoŋɡolaji...xai,tookoraasoliaxooŋkoŋɡolajiəuɡurəətami.
下流の崖の所を上ったり、上流の崖の所を下りたりして。
ə̂ŋasamasiinixamačaa-daapoktoni-daaəčiəbaarani.
足跡を探すのだが、どんな足跡さえも見つからなかった。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisitəi-ləpuǰin-ɡuləundiisi,xairiini-ɡoani,
そうしてからそのプジンはどうするのだ、
ʼʼərdəŋɡə̂xai-daa,xamačaajim-daundiisi-əʼʼ-m.
「不思議だ、何とも、どうやってやったんだろうか、」と。
ʼʼpoktokoǰixoilaŋkoǰiɡaaǰomiaja-ɡoani,ʼʼuŋkini.
「足跡があって、雪の上の足跡があってこそ連れ去ることもできようけれども、」と言った。
ə̂ŋtəi-təniituiəusitaositui,maŋbowaxooliɡomitui
彼女はそうしてあっちこっちへそうして大河を巡ってそうして
soktaǰipulsimi-lə,əmsiŋɡərəpoktoani-daaəčiəbaaraja,
スキーで歩き回って、一つのネズミの足跡さえも見つけなかった、
əmčoolčoičormokaənəxəmbəni-dəəəčiəbaaraja
一匹のイタチがピョンと跳ねて行った跡さえも見つけなかった、
əmxulukupixənipoktowa-daaəčiəbaarani.
一匹のリスが遊んだ足跡をさえも見つけなかった。
ə̂ŋsimataxoonituuxənixoonituuxənǰibiəundə.
雪がそのように降って、そのように降ったまんまであったという。
ə̂ŋərdəŋɡəwəbaaxanipuǰin-ɡuləəsi-tənii,
不可思議なことに出会った、プジンは今、
soktajiačoɡoxanîiiɡuxəniǰookčijiundiisi-ətuitaraaundiisi-ə,
スキーをはずした、入った、家へそうしてから
ixərəjitaawoɡoxaniundiisituitaraâundiisitawaji,iwaŋɡoi-ɡoani,
灯りを点けた、そうしてから火を焚いたのだ、
ə̂ŋundiisiičəini-lətaa...xaiixərəni-ləkəkčəlbəlbəl̂kəkčəlbəlbəltaaundə.
見るに、灯りがユラユラユラユラと揺れて消えそうになるという。 “əŋxoonitəi,”tuitamiičəičəmičooŋkočiičəguxəni, 「どうしたのかしらこれは、」とそうして見回して天窓の方を見た、
xərə̂čoonkoniəjəətajaapisoaničuŋnurəmabaa,
あれあれ、天窓のあちらとこちらの両脇の壁がすっかりない、
ʼʼəixoonitaxanî,ʼʼ
「これはどうしたのかしら、」と
əsi-təniiundiisi-ə,čalaсразу,otolixaniɡasaɡaaǰoxaninəuji.
そこですぐに、悟った、鳥が連れ去ったことを、妹を。
ə̂ŋtuitaraatuiosini,əŋiliɡoiǰijiɡəsəxaiči,
そうしてからそうなると、立ちあがるやいなや、どこへ
ɡilonǰiakaltaanakansaktambaniačomiundiisitəičooŋkoji-lasiixəni,saktanǰi.
左側の席の側のオンドルの葦の茣蓙を取って、その天窓の所を塞いだ、葦の茣蓙で。
tuitaraaundiisipuǰin-ɡuləundiisiə̂ŋxaiči,
そうしてからプジンはどこへ、
kurəənčiənəxəniundiisiəmǰolowaǰapaxaniundiisi-ə,
家の外の煙道の所へ行った、一つの石をつかんだ、
əŋtuliəxaiči...kərkičəmodančianinaŋɡalaɡoxanikurəənǰiə,
かまどの横の場所の端の所に投げておいた、煙道の側に、
əŋtuitaraaundiisitaŋɡodaaxəəji-ləiiwuɡuiǰijiɡəsəundiisi-ə,
そうしてから尋の縄を持って家へ入るやいなや、
əŋtəiǰoloŋɡojiuimi,təiuiləbiisiduənčituinaŋɡalaraa
その石を縛って、その上にある天井の梁へそうして投げ上げて引っ掛けてから
tado-laundiisi,paŋɡamidəruuxəni.
そこでぶら下がった石の揺れを見て占いをし始めた。
ə̂ŋsolilabiisamambaxəjiɡaaǰoraâ
上流にいるシャーマンを下流へ持って来たり、
xəǰiləbiisamambasoliɡaaǰoraatami
下流にいるシャーマンを上流に運んだりして、
paŋɡaini-ladəŋɡərə-dəəanaâsirǰə...sirtai-daaanaabiəundə,
占うのだが、ユラリと動きもしないし、ピクリと動きもしないという、
ə̂ŋundiisituitaraaundiisi,pərxiǰiə-ləsamambaniundiisiǰuləxiǰiədaoɡoraa
そうしてから西のシャーマンを東の側へ渡らせたり、
ǰuləxiǰiəsamambanipərxiǰiədaoɡoraatami,
東のシャーマンを西の側へ渡らせたりして、
paŋɡaini-daaɡadar-daaanaadəŋɡərə-daaanaa-da.
占うのだが、ユラリと動きもしないし、ピクリと動きもしない
əŋtuitamiɡəəɡəəɡəəǰooŋɡoxani,ʼʼamaanaatəəluŋɡuibiəčil-kəə,ʼʼundii,
そうしてさあさあさあ思い出した、「父さんたちが話していたじゃないの、」と言う、 “təəi,əwəŋkiəimaŋbosoliakani, 「ほうれあの、ここからこの大河の上流に、
ə̂ŋsəlkiisamân,umburimapaačan,mərɡənundiisi-ə,
スルキーサマン、という名のじいさんが、ムルグンが、
əŋtui-dəlundiini-təniidəŋgəədəŋgəədəŋgəətalokaundə
人々をさらって行く、」と、「女たちを、鳥で。」
əŋtui-dəlundiini-təniidəŋɡəədəŋɡəədəŋɡəətalokaundə
そのように言うと、ブランブランブランと、揺れ始めたという、
təiǰoloŋɡoni-taniiuixəni,əmkučəəmbəǰaparaačiir,čaaliɡoxani,
その石を縛って吊るした物は、一本のナイフをつかんでブツッと切った、
təəstuuɡui-ɡoaniǰolonipalanči.
ボトリと落ちるのだ、石は床に。
ə̂ŋtuitaraa-lapuǰin-ɡulətawa-la,iwaŋkini-âkombodo-laotkoosiaɡoji-la
そうしてからプジンは火を、焚いた、柄杓に少~し食べ物を
nəujipujuuxənbičiniǰaaroničadoxulǰuuɡuxəni-dəəkombokaanǰi
妹が煮てあったのだったのだろう、そこで温め直した、小さな柄杓で、
tuitaraa-laundiisičaa-laundiisi-ə,
そうしてからそれを
əŋtuiňaŋɡaňaŋɡatuisiaraaundiisiapsiŋɡoxani.
そうして少し少しそうして食べてから横になった。
əŋtuitaraačimiitəəxəniundiisiə̂ŋxaisi,təikomboǰiji-tullalalalamixani.
そうしてから起きた、再び、その柄杓でお粥を作った。
əŋtuitaraa,taktočiənəxəniundiisi-ə,koldomakooriiiwuɡuxəni.
そうしてから、倉へ行った、セイヨウスギ製の鳳を家に持って入って来た。
ə̂ŋčaa-laundiisipuuŋɡičimipuuŋɡičimi-ləundiisi
それをイソツツジを焚いて宗教儀礼をして、そうやって
puǰin-ɡuləoŋbočianičuuliixəni.
プジンはその尻の所からまっすぐに入った。
tuitaraaundiisidəɡdəxəniundiisitəixaila,xai-taniipisoalajiniəxəni,
そうしてから飛んだ、その天窓の壁の所を通って出て行った、
ə̂ŋundiisičaa,niəxənduji-lətawaŋki-lamaŋbosolimiənəəundə
その、出て行った時に、そこから大河を遡って行くという、
tuiənəmîənəmi-ə-ləkətuɡoro-daaanaabičini,
そうして行って~行ってあまり遠くもなかった、
əŋəmdaaiirɡəmbəbaaxani.
一つの大きな村を見つけた。
ə̂ŋtəiirɡənbaɡiaǰialani-ladooxani,irɡəntokoni...tokondoani,tuŋdədu.
その村の対岸に降りた、村の真ん中に、柳の木に。
tuitaraa-laundiisiə̂ŋmorapsiŋkini,
そうしてから叫び出した、
ʼʼəŋpandopandoroô,xədunxədunduu,ʼʼuŋkin,
「嵐よ、巻き起これ、風よ、吹け、」と言った、
ʼʼə̂ŋaŋmajixəsəjiačaɡoiniǰuliələniundiisi,əŋpəuɡimiundiisi-ə,
その口が、言葉が、合うが先か、の瞬間に、もの凄い音とともに、
əŋəkəčintaktoundiisipəuləənituulsiiǰiənî
古い倉や魚干し棚はいくつも倒れ、
əkəčin,ǰooundiisi-ə,xaini,dəŋɡərəiǰiəni,masitaktoundiisi,
古い家が動くほどに、頑丈な倉の
xaiɡuičəni,čiariiǰianimasiǰoo,ɡuičəničiariiǰiani,xairoo,ʼʼundii,
屋根がひっくり返るほどに、頑丈な家の屋根もひっくり返るように、吹け、」と言う、
ʼʼxədun,maŋɡaxədunduu-əʼʼ-m-də,ʼʼpandopandorooʼʼ-m-da.
「風よ、激しく吹け、」と、「嵐よ、ほえろ、」と。
əsi-təniitəi-təniixədun-təniinirɡimidəruuxə̂n,
その風がうなり始めた、
təŋtuitoikoidoanipuǰin-ɡuləundiisi-ə,əŋdaoɡoini,
まさにそうして始まった時に、プジンは渡る、
irɡənbaaronidaoɡomixaido,naitooinitokondolanipuǰintuituuxəni,
村の方へ渡って、人の岸の真ん中の所にプジンはそうして降りた、
tuuɡuxəniočoɡoraatawaŋkitookoxani,duisi.
降りた、元の姿になってからそこから上った、山の方へ。
ə̂ŋtəi-ləsəlkiisaman-ɡolaundiisidoolabiipokto-maňaosioɡoraaundiisi
そのスルキーサマンは内側に着る薄い夏着を羽織っただけの姿で
xai,ǰooji-laǰapalaačiaundə,təixədunxairiidoaniundiisi,
自分の家を必死に押さえているという、その風が吹き荒れる時に、
nai-taniituixə̂mǰoojiǰapalaačiiɡursəl-maňani-ɡoani,
人々はそうしてみ~んな自分の家を押さえている者たちばかりなのだ、
taktowaǰapalaačiiɡursəltəi,xə̂dunmaŋɡaxədundiini-ɡoanitəi-tənii,
倉を押さえている者たちだその、風がひどく吹くのだ、それは、
əkčintakto,kəpčiləətuuxəni-ɡoani,təipandoǰi.
古い倉が、一撃で倒れるのだ、その嵐で。
əsi-təniipuǰin-təniiundiisiə̂təisəlkiisaman,
プジンは、そのスルキーサマンが
ǰoojiǰapalaačiiwaniiwani-laundiisiə~ŋxaixani,
自分の家を押さえているのをどうしたか、
ənəmiǰapaiǰijiɡəsəsələməsaančiani-lasaarənəiǰiəniduktəmiwaaxani.
行って掴むやいなや鉄製の二段の干し棚にバラバラに砕けるように叩きつけて殺した。
ə̂ŋdolbalaxani-ɡoanisamannai-a,əŋtuitaraaundiisi,
強襲したのだ、シャーマンの者を、そうしてから
ə̂ŋtuisəlkiisamambawaariiǰijiɡəsə
そうしてスルキーサマンを殺すやいなや、
xamačaaxədun-daaanaaxai-dadaaanaaosiɡoxani.
いかなる風もなく、何もなくなった。
əŋtuitaraa-laundiisi-əiixəntəiǰookčiani.
そうしてから入った、その家へ。
təiǰooɡdoani-taniiəksəl-təniiilaanǰərɡibiəundənakambakəəndəli-də.
その家には女たちが三つの列をなしているという、オンドルにぐるりと、だ。
ə̂ŋundiisitəi-təniičaa-lasəlkiisaman
彼女はそのスルキーサマンの
sələməurəktəŋɡuəniǰapaiǰijiɡəsəduktəpsiŋkini,
鉄製の細枝のような棒をつかむやいなや叩き始めた、
ʼʼəŋǰookoariosiniǰookčiariənuusu,əǰikuəriosiniəǰičiəriənuusu,
「家があるのなら自分たちの家へ帰れ、夫がいるのなら夫の許へ帰れ、
əŋsaariiwariosinixəmənuusu.ʼʼʼʼbuəsaarapobuəsaarapoʼʼ-mol.
身元がわかっているなら帰れ。」「私たちはわかってます、私たちは知ってます。」
ənui-ə̂xəmnai,xə̂msaarapo-molənuiči-ɡoani
去って行く、皆、人々はみ~んな私たちはわかっていると言って去って行くのだ、
əǰikupuundiiǰooŋkopoundii,tamaari-laundiisi-ə,
夫がいる、と言って、家がある、と言って、そうして
əŋčado-latəniibəjəɡujibaariiarčokaanbičini.
そこにたった今体ができあがったような娘がいた。
əŋxailoouləənarčokaanbičinitəi-təniitutumi-ɡoanisoŋɡoaundə
何とも良いだった、その子が走って来て泣くという、
ʼʼəɡə̂mii-tənii,xaiwa-daasaarasimbi,ʼʼundii,
「お姉さん、私は何も知らないんです、」と言う、
ʼʼəmučkəənbalǰixambiəm,əmǰooɡdo.
「一人きりで暮してきました、一軒の家で。
əɡəəmimbiə-ləxooni-daaəǰitara,ʼʼundii,
お姉さん、私をこのままどうにもしないで下さい、」と言う、
ʼʼə̂ŋmuəduləxaimutəəsibiǰəəmbi,pajak...
「水汲みだってどうしてできないことがありましょうか、
palandola-laxaipaixaloǰaambi,ʼʼundii,
床だってどうして掃除しないでボーッとしてたりするでしょうか、」と言う、
saaksarɡasarɡaasimbi,ʼʼundii,
窓の霜を落とすことにだって、どうしてあきたりするでしょうか、」と言う、
ʼʼə̂ŋmimbiəəǰixooni-daatara,ʼʼundii,
「私をこのままどこにもやらないで下さい、」と言う、
ʼʼmii-dəəəmučkəənəmǰooɡdolabalǰixambiʼʼ-msoŋɡoaundii,
「私はたった一人ある家で暮していたんです、」と泣くという、
əŋčaalaxooni-daadaəčiətaanipuǰin-ɡuləundiisituitaraaundiisi-ə,
そこでどうにもしなかった、プジンはそうしてから
nəujiɡələɡuixəmtəiəkəsələnuxənnəunixaisiabaaxaido-daadaabaa.
自分の妹を探すが、全てその女たちが去ったのに、妹はまたもいない、どこにもいない。
əŋtuiičəičəmiičəɡuxənixərə̂naitaxipəɡiələni-lə,
そうして探して見た、あれあれ、人の棚の下に、
čado-latəəsimi~biəundəsirixansirixan-taniitaxipəgiələni.
そこに座って~いるという、隠れていた、隠れていた、棚の下に。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisi,ʼʼərdəŋɡə̂xai-daa,ʼʼuŋkini,
そうしてから「不思議だ、何とも、」と言った、
ʼʼxandamiənəxəsitəitaxipəɡiəčiəni.
「何しに行ったのか、そんな棚の下になんか。
əŋtəixədunxədundiiduənipuksinpuksimi,
あの風が吹く時に嵐が荒れて、
təitaxijəpurumtuuriiosinibuǰəəči-məə,ʼʼuŋkin-ɡoani,
この棚がグシャリと崩れてきたならおまえは死んでしまっただろうに、」と言ったのだ、
ʼʼbuiɡiləxəsibičin-tənii-əʼʼ-m-də.
「死ぬべきところだったわよ、」と。
ə̂ŋəsi-təniinəujixəp,naamaŋɡoraaundiisioǰoktainaamansiitaini-ɡoani.
自分の妹をガバッと、抱きしめてからキスしたり、抱いたり、するのだ。
kətu-dəədaaiŋɡoaniuutumi-daaačaasi.
あまりに大きくって抱き上げることは無理だったけれども。
ə̂ŋtuitaraatəiarčokaandolaundiisi,
そうしてからあの小さな娘に
təisəlkiisamanxaiwani,sələməurəktəŋɡuənibuuxəni.
そのスルキーサマンの鉄製の細枝のような棒を与えた。
ʼʼə̂ŋixombasuŋɡurəəpuŋnəɡurəə,ʼʼundii,
「村を端から端まで沿って追い立ててから、」と言う、
ʼʼənəɡuəribarɡioosoʼʼ-m-da.ʼʼəuusutooiči.ʼʼ
「出発できるように準備させろ、」と言う、「下りさせよ、岸辺に。」
ə̂ŋarčokaan-ɡolatəisələməurəktəŋɡuəniǰapaiǰijiɡəsə,
娘はその鉄製の細枝のような棒をつかむやいなや、
xəjisolitutuxən,totapi-ôǰiǰuxəni.
下流へと上流へと走った、そうしてしばらくすると、戻って来た。
ʼʼə̂ŋčimanačimiixoǰiijâl,ʼʼundiini,
「明日の朝には終ります、」と言う、
əsi-təniitəitui-dəəčado,aoŋɡail-ɡoani.
そのそうしてそこで、一晩泊まるのだ。
təiarčokaanxailootutumidəruu...dəŋsiini-ɡoani
その娘は何とも良く走って、働くのだ、 muəwəmuəlsiini-dəəsiaɡojipujuuxən-dəə, もう水を汲んだりもし、食事も煮たりもして、
əsi-təniitəiǰuənəuǰiəni,təiilaanǰiaritəiǰoodolaaoŋɡaxan
その二人の年下の者と、その三人でその家に泊まった、
əsiǰiačimaniasiuntəəuisitooriininaiəuriiɡurunxoǰixan.
次の日、太陽がほうれ上へ昇ると、人は下りる、人々は終えた。
əŋtawaŋki-ləəsioɡda-daaanaɡoraatawaŋkiǰiǰui-ɡoaniundiisiǰooji.
そこから船も押して、そこから戻るのだ、自分の家へ。
ə̂ŋxəjəpčiǰiǰurəəxaiɡoidamiǰiǰuɡiləi-lə,
下流へと戻って、何が長いこと戻るべきことがあろうか、
təisəlkiisamanɡilaǰiani,ňoanči,ilaanǰiari.
そのスルキーサマンの大船で、彼ら、三人で。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisituliə,
そうしてから中庭へ、
tooiisiɡoiǰijiɡəsəəikəni-ləundiisi-ə,ɡoaombiǰapaiǰijiɡəsə
岸辺に着くやいなや、姉は、ボートにある陸を突くための棒をつかむやいなや、
suəkəələminaačituu...xaiɡoxani,xuluŋɡuxəni.
棒高跳びして岸へ、船から飛び降りた。
əŋtooitokondolanîxaiɡomi,tuuɡumisuəkəələɡuxəniməəpi,ɡoaonǰi.
岸辺の真ん中に、降りるよう棒高跳びした、自らを、陸を突く棒で。
xəjisoliptookomiundiisixai,naawabaŋsačixaniǰiaktakuəpkuəpənəiǰiəni.
そうするやいなや、彼女は、
əsi-təniituitaraa-latəi-lə,udəwəni-ləxəjisolitutuxəniundiisi,
下流を上流を上って、大地を蹴った、土煙がモウモウと舞い上がるように。 ɑxそうしてからその、場所を、下流へ上流へと走った、
daaiǰiɡiraŋkindaaiǰoo,nuučuǰiɡiraŋkinnuučiǰoo,osixansuŋɡurəə-də.
大きく歩いたら大きな家が、小さく歩いたら小さな家ができた、上流から下流へ貫いて。 ɑʜ̋ そうしてから言うのだ、
ə̂ŋtuitaraa-laundiini-ɡoani,xainəu...xaiči,
下りた、その、人々、奴隷たちへまた言うのだ、
əuɡuxəntəi,naisaləlčiu...əlčisəlčiəčiɡučiundiini-ɡoani,
「さあ、たくさんの者は大きな家へ上れ、
ʼʼɡəə̂undiisi,əɡǰiɡurundaajiǰookčitoorooso,xai,
少ない者は小さな家へ上れ、」と言う、
oiɡurunundiisi-ə̂nuučiǰookčitookoori...toorooso,ʼʼundiini,
さあ奴隷たちも喜ぶ、
ɡəəəlčiusəl-dəəaɡdanasii
「ああ、これこそ主たるプジンだ、ああ御主人様のプジンであることか、」と言う、
ʼʼbuə-təniiǰiməəri-təniiɡasakapo,ʼʼundii,ʼʼxaali-aǰooɡojibaaori-aʼʼ-m-da.
「私たちはやって来て嘆いていた、」と言う、「いつ自分の家が得られるだろうか、と。」
ə̂ŋundiisituiaɡdanasimaaritooxaal.
そうして喜んで上った。
əsi-təniipuǰin-təniixairiini-ɡoani,tuibiini-ɡoani,tuibii,
プジンはどうするのだ、そうしているのだ、そうしている、
əmxadoltâbipi-ə-ləəikəni-ləundiisi
数日経つと姉は、
jaajamîsənəkəundəčimii,ʼʼəɡə̂xaiwaɡələisi,ʼʼundii,
シャーマンの祈りをして目覚めるという、朝、「姉さん、何が要るの、」と言う、
ʼʼuŋčuxunɡələisi-nuujaŋpanɡələisi-nuu,ʼʼmədəsiini-ɡoaniəikəčiji.
「タイコが要るの、ベルトが要るの、」と訊くのだ、姉へ。
ʼʼəŋəəpaŋɡoâundiisijaŋpan-daa-laxaiɡələǰəəmbi,
「妹よ、ベルトなぞどうして要るだろうか、
uŋčuxumbə-dəəxaiɡələǰəəmbi,ʼʼundii,
タイコだってどうして必要だろうか、」と言う、
ʼʼə̂ŋəisəlkiisamanpiktərəəniǰidiini,ʼʼundiini,
「このスルキーサマンの甥が来る、」と言う、
ʼʼə̂ŋilaanaxondoo,ʼʼundii,ʼʼə̂ŋəiniəsiuntokondoisii-ja,ʼʼundiini,
「三人の兄弟よ、」と言う、「今日正午に着くわ、」と言う、
ʼʼtəi,naiməəpisoiido...soimixəəsiiduəni,
「その、人が私のことを罵って呼ぶ時に、
moramixəəsiiduəniundiisiəuriiləjisənəxəmbi,ʼʼundiini,
叫んで呼ぶ時に下りて行くところで目が覚めたわ、」と言う、
ʼʼə̂ŋnaisorindamiəumisənəxəmbiʼʼ-m-də.
「人が戦いに来て下りて行く所で目が覚めた、」と。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisixaixani,əŋpuǰin-ɡuləundiisi
どうした、プジンは
əŋtuitaraa-ôulpimi...ulpiməəritəəsii-ɡoanitəi,
そうしてから縫い物をしながら座っているのだ、その、
siuntokondô-laundiisi-ə,tooilaniəmɡilaxaaxani.
太陽が正午になった時に岸の所に一艘の船が接岸した。
ə̂ŋəsi-təniiundiisi-ə,boolalundə̂
ひどく悪口を言うという、
ʼʼmasiwasixaxawasiičəɡupuəuruuʼʼ-m-də.
「おまえの強きことを、速きことを見てやるから下りて来い、」と。
ʼʼəŋxamačaaəktəbimiəksəmpuwəwaaxani,ʼʼundii,
「どんなだ、叔父さんを殺したのは、」と言う、
ʼʼə̂ŋǰəəbiiǰakabiəsi-nuu,ʼʼundii,ʼʼbuə,buəəksəmpuwəwaariinai.
「並みのものではあるまい、」と言う、「我らが叔父さんを殺す人ともなれば。
ə̂ŋundiisisiimasiwasixaxawasiičəɡupuəuruuʼʼ-m,
おまえの強さを、速さを見てやるから下りて来い、」と、
soimaarixai-daaxəmxəsəǰiənisoiiči-ɡoanitəipuǰimbə,
罵って、ありとあらゆる言葉で罵るのだ、そのプジンを、
əŋtuisoimaarixəəsiəlundə.
そうして罵って呼ぶという。
əŋpuǰin-ɡuləundiisiə̂ŋkurəənčiənəxəni-əundiisi-ə,
プジンは家の外の煙道へ行った、
əmxətərxatarbiiamiri...dawaksasamaamiriaɡbiŋboɡoxaniundiisi
一つの破れたり穴が開いたりしている鮭の皮製の冬用魚皮服を取り出した、
əmsupčuu...ota,supčuukačama,supčuuaaponaɡbiŋboɡoxani.
一つのボロボロの靴、ボロボロの手袋、ボロボロの帽子を取り出した。
ə̂ŋəsi-təniipuǰin-təniiundiisičawa-laxəmtətuxəni.
プジンはそれを全て身に着けた。
əŋtuitaraa-laundiisi-ə,əmoǰopasiǰianiomolaɡoxani.
そうしてから、一つの網を作るためのシナノキ製の縄のかけらで帯を締めた。
əsi-təniiundiisitawaŋkiəupsiŋkinitooiči.
そこから下りて行き始めた、岸へ。
əŋəuriiduəni-ləxaaxaaxaaxaaxaaxaainəktəəundə,
下りて行く時に、ハッハッハッハッハとヤツらは笑うという、
ʼʼaaŋnaaičəusû,ʼʼundiiʼʼtəi,naiəuriiwəni.
「兄さんたちよ、見ろ、」と言う、「あの、人が下りて来るのを。
əmutunaiərčəndunəərii...nuučinaiəuni-məəbii-jə,ʼʼundii,
まるで人が家の庇の所に置く、小さな人の草人形みたいだぜ、」と言う、
ʼʼə̂ŋtuibiidurunǰiji,ʼʼundii,ʼʼbuəəksəmpuwəxooniwaaxani,
「あのような姿で、」と言う、「我らが叔父さんをどうやって殺したんだろうか、
xaaxaaxaaxaaxaaxaa,ʼʼinəktəəlundə,ə̂ŋpuǰinəuriiǰiəni.
ハッハッハッハッハ、」と皆で笑うという、プジンが下りて来るのを。
təi-tənii,supčuukačama,supčuuaapon,supčuuotatətuxən-tənii
彼女は、ボロボロの手袋、ボロボロの帽子、ボロボロの靴を身につけていた、
supčuûnsupčuunbii-təniiduərəiduəniərdəŋɡə,taini-ɡoani.ə̂ŋundiisitəi,
ボロボロ、バサバサなのが、歩いて来る時に、不思議に思うのだ。その、
əmtəidawaksamaamiri-taniioŋbolabiini-ɡoanixətərxatarbii.
一つのその鮭の皮製の冬用魚皮服は尻の所にあるのだ、破けてはみ出している所が。
ənčaatuiəuriiwəničaainəktəəlundə
それがそうして下りて来るのをそれを皆で笑うという、
ələəburmuləkotoôlmukčuûltamaariinəktəəlundə,ilaanmərɡənbičini.
今にも死にそうにそっくり返ったり下を向いたりして笑うという三人のムルグンだった。
ə̂ŋisixanisapsikirawaisiiǰijiɡəsəundiisi-ə,əŋakpaloči-laundiisixukčuxəni.
着いた、川の岸に着くやいなや長男が襲いかかって来た。
ʼʼəŋɡəə,ʼʼundiiʼʼmii,əŋmasiǰijiəksəmpuwəwaaxambi,
「さあ、」と言う、「オレの、その力で叔父さんを殺したその力で、
əsimimbiəwaarooʼʼ-mxukčuxəni.
このオレを殺してみろ、」と襲いかかって来た。
əŋpuǰin-ɡuləundiisičaa-laundiisiəmxadomodanxarxiiǰijiɡəsəundii,
プジンはそいつを回か振り回すや、言う、
ʼʼxaisapaniɡbanisinǰisoriori,ʼʼundii,ʼʼičəəči-nuu,ʼʼundii,
「何とも面倒くさいわ、おまえなんぞと戦うのは、」と言う、「見なかったの、」と言う、
ʼʼmiituliədujiilaantooro,xəǰuitooroči,səsxələsi,
「私の中庭の所に三本の柱があるわ、下流側の柱へ、おまえの顎の所から、
tapənəiǰiəninaŋɡalaambi,ʼʼundii,ʼʼtuuɡuiǰiəsi.
サクッと引っ掛かるように投げてあげるわ、」と言う、「そのように落ちて行くように。 čado-taniiukitəlini-əčiuksirəəxaŋgotəlini-əči,xaŋmaraataǰaači,”undiini. そこでニゴイの干し魚の様に掛かり、フナの干し魚の様に、乾き、するだろう、」と言う。
ʼʼičəisitəimasiiwani,ʼʼundiini-ɡoani,
「ちゃんと見ているかい、この強さというものを、」と言うのだ、
ʼʼə̂ŋdaraakočiminaiatuimasiiǰiundiini,ʼʼundiini.
「生意気にも人のことをどんなふうに強いと言うつもりなのよ、」と言う。
əsi-təniitəixaixani,əsi-təniipuǰin-təniičaa-laundiisi
彼女はどうした、今プジンはそこで
tuiumiundiisiǰaparaaxarximixarximinaŋɡalaɡoxaniduisi.
そう言ってつかんでから振り回して振り回してぶん投げた、山の方へ。
təi-təniitooroxəǰiəkaltaaporondolaniɡoxolaɡoxaniəi-tənii...əiləji.
そいつは柱の下流の側のてっぺんに突き刺さった、この、ここの所から、
ə̂ŋundiisisəsxələji,tuitaraâundiisitadotuikəŋdəkəŋdəxədumburi-ɡoani.
喉の所から、そうしてからそこにそうしてブラブラと風に揺れているのだ。
əsi-təniiundiisinəunidolini-lasoŋɡočimixukčumi-daa,
弟の真ん中の奴は泣きながら襲いかかって来て、
ʼʼaawawaaxan,əčkəwəwaaxan,əsimimbiəwaaǰaači-ma,ʼʼundiini.
「兄さんを殺した、叔父さんを殺した、今オレを殺すがよい、」と言う。
ə̂ŋəsi-təniičaa-daaəmxadoxarximiundiini-ɡoani,ʼʼsapani,ʼʼundii,
そいつも何度か振り回しながら言うのだ、「面倒くさいわ、」と言う、
ʼʼsunǰisoriori,ə̂ŋundiisi,
「おまえたちと戦うのは、
simbiə-dəə,soliakaltaa,tooročinaŋɡalaambi,ʼʼundiini,
おまえも、上流の側の、柱へ投げてあげるわ、」と言う、
ʼʼəŋčadoəmaaŋni-matsəsəxələniɡoxolaɡoxan,
「そこでまるでその兄と同じように顎の所から突き刺さって、
xaŋɡotəlini-mətxaŋmaraaukitəlini-mətuksirəətaɡoasi.ʼʼ
フナの干し魚料理みたいに乾いて、ニゴイの干し魚のように吊るされるがよいわ。」
ə̂ŋundiisituiumiundiisipuǰin-ɡulənaŋɡalaxani,
そう言ってプジンは投げた、
xaisikəndəiɡənənəxəni,xaiči,tooroporončiani.
再びブラリと引っ掛かった、柱のてっぺんへ。
ə̂ŋundiisiəsi[miiniŋmaŋkai,əiwə.abaa,boŋɡodoninmankisi.]
(私は前に話したかい、これを。いいえ、初めて話したものですよ。)
ə̂ŋundiisituitaraaundiisi-ə,xai,
そうしてから
əsi-təniipojaŋɡoni-laundiisi,əsi-təniisoŋɡočimi-âǰidəundə,
末っ子が、泣きながら来るという、
ʼʼɡəə,ǰuəaaɡbiwawaaxan,mimbiəwaa...mimbiəəsiwaaroo,ʼʼundii,
「さあ、二人の兄さんを殺したなら、私を殺せ、」と言う、
ʼʼəčkəwəwaaxambi.ʼʼə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,əŋsoŋɡočimixukčuini...
「叔父さんも殺したなら、」と。泣きながら襲って来る、
ə̂ŋundiisitəipojaŋɡonimərɡən-təniiundiiəsi-tənii,
その末っ子のムルグンが言う、今
soŋɡočimi-âxukčəini-ɡoanipuǰinbaaroani,ʼʼɡəə,ʼʼundii,
泣きながら襲って来るのだ、プジンの方へ、「さあて、」と言う、
ʼʼǰuəaaɡbiwawaaxan,əksəmbiəwaaxan,əsimimbiəwaarooʼʼ-m-da.
「二人の兄さんを殺した、叔父さんを殺した、今私を殺してみろ、」と。
əŋəsi-təniiundiisipuǰin-təniičaǰi-taniisoripsiŋkiči.
プジンはそいつと戦い始めた。
tuisorii-ɡoani-âəŋnədənnaa,ɡoɡdaosioɡoraa
そうして戦うのだ、平らな大地が小高くなったり、
kubdunaanədəənaaosioɡoraataiǰianituisorialundə.
デコボコの大地が平らな大地になったり、するほどにそうして戦うという。
əntuisorimisorimi-a-taniipuǰin-təniičîlučilutətuənixəmxokočonosixani.
そう戦って戦ってプジンはツルツルにその服が全てボタンも何もなくなった。
otani,aaponi,tətuəni,xəmməŋdərsuǰi.
靴も、帽子も、服も、全てがつなぎ服のようになった。
tətuənixəmčilučilusələ̂-maňaosixani-ɡoani.
服は全てツルツルに鉄のようになったのだ。
əsi-təniitəimərɡən-təniimaŋɡalaloxani.
そのムルグンはしんどくなってきた。
əŋtuitami-aundiini-ɡoani,ʼʼandâpuǰinundiisičindaroo,ʼʼundii,
そうして言うのだ、「ああ、プジンよ、放せ、」と言う、
ʼʼtəətaosičiəčindəɡujitaambi,ʼʼundii,ə̂ŋpuǰin-ɡuləčindaxani.
「ほうれあのあっちへ小便しに行くんだ、」と言う、プジンは放した。
ə̂ŋəsi-təniiundiisi-ə,əŋtəətaosiənərəəčiəčixəni,
ほうれあのあっちへ行って小便をした、
tuitaraaoonǰikanapsiŋkini.ʼʼə̂ŋaapaŋɡôundiisi-ə,
そうしてから仰向けに横になった。「ああ、妹よ、
saami-kabiisi-kəə-nuûsaarami-kaabiisi-kəə-nuu,ʼʼundii,
知っているのか、知らないでいるのか、」と言う、
ʼʼəčkə-dəəbuikîn,ǰuəaɡaa-daabuikin,ʼʼundii,
「叔父さんも死んだ、二人の兄さんも死んだ、」と言う、
ʼʼəsi-təniiəmučəkəənmiiosiɡoxambi,ələəbudəəmbi-əmii,ʼʼ
「今たった一人と私はなった、もう死ぬことだろう、私も、」と
ə̂ŋtuimoraaundəuisiičəǰəmi.
そう叫ぶという、上を見上げて。
əŋtəi-ləundiisiujəəǰiə-ləpakaariôɡasa-laəurəundə,boaǰiaǰia.
その上から黒々と水鳥が下りて来るという、空の側から。
əŋtuitamiundiisiəsi-təniiundiisitəi-təniikəəndəlii-dəəkəəndəliipuǰimbə-lə,
そうしてそれは巡って周りを回って、プジンの周りを、
ələəmuirəduənidoorii-matkəəndəliəundə,
今にも肩の所にとまりそうになって周りを回るという、
əmporondoanidooriiǰərɡəǰiəni-dəə,əŋtuitami-âundiisiǰaralixani,
今にも頭のてっぺんに降りようかという瞬間に、そうして話し出した、
ʼʼaɡâundiisi-ə,budiiosinibuǰəə...tuibudiisi-dəəxoonitaori-â,ʼʼundii,
「兄さん、死ぬなら、死ぬ、こうしてあなたが死ぬのをどうしましょう、」と言う、
ʼʼnaixaǰon-taniiundiisi-ə,ənčilûčilûsələ-maňa,ʼʼundii,
「人の衣服ときたら、まるでツルツルと全部鉄のようですよ、」と言う、
ʼʼəŋsələ-dəəsələmiŋkû,ǰolo-daaǰoraŋko,ʼʼundii,
「鉄だってヒビがあるものだし、石だって裂け目があるものですけど、」と言う、
ʼʼəinaixaǰon-taniixamačaa-daadaǰoran-daaanaa,
「この人の衣服ときたらどんなものも裂け目すらもないし、
xaido-daa,xamačaa-daadaanaa,ʼʼundii,
どこにも、どんなのもないんですから、」と言う、
ə̂ŋtuiumiundiisitəi-ləundiisi-ə,əŋtuuxəniəmpuǰinosioɡoxani.
そう言ってその鳥は降り立った、一人のプジンの姿となった。
əŋəsi-təniiundiisiəŋpuǰin-ɡuləundiisi
プジンは
əsi-təniiəsi-ləǰiǰuiǰijiɡəsəǰapaɡominaŋɡalaɡoxani.
今、戻って来るやいなやつかんでぶん投げた。
undiini-ɡoani,ʼʼɡəə,simbiə-dəətuinaŋɡalaɡoambi,ʼʼundiini,
言うのだ、「さあ、おまえもああして投げてあげるわ、」と言う、
ʼʼtəitokondobiitooroči,səsxələsi,ʼʼnaŋɡalaɡoxani-ɡoanituiumi-dəə.
「あの真ん中にある柱へ、顎の所から、」と投げたのだ、そう言ってから、だ。
ə̂ŋčawaxalačixanitəinaituibiipondaǰoonituibiiwəni.
それを待っていた、その人がそうしている妹がそうしているのを。
baalanasaariinitəipuǰin.
ずうっと前に知っていたそのプジンは。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisinaŋɡalaxaniundiisi-ə,kəŋdəkəŋdəosii-ɡoani
そうしてから投げた、ブラブラとぶら下がるのだ、
əsi-təniiilaanǰianituikəŋdəi-ɡoanixədundiiči-ɡoanitəitooroporondoani.
三人でそうして揺れるのだ、風に吹かれるのだ、その柱のてっぺんで。
əŋpuǰin-ɡulətookoxani-âundiisiiiɡuxəni...siaxani,
プジンは上った、家に入った、食べた、
xaǰombixəmačoktaɡominaŋɡaačiɡoxaniundiisi-ə,
衣服を全部脱いだ、投げてしまった、
əŋkurəənčiji-maňaəsi-təniiundiisituitaraaundiisiundiini-ɡoani,
家の外の煙道の所へばかりそうしてから言うのだ、
ʼʼəmkəičəkəənpiktəni-dəəəǰibuxtawaandaso,
「一匹の子犬の子供も決してワンとも言わせるな、
əmkəkəpiktəni-dəəəǰijaasoŋɡowaandaso,ʼʼundii,
一人の女奴隷の子供にも決してワーと泣かせるな、」と言う、
ʼʼmiiəsi-təniiundiisi-ə,əŋxujundolboxujuniniaoɡoitaambi,ʼʼundiini.
「私は寝ることにする、」と言う。
ə̂ŋəsi-təniiundiisipuǰin-ɡulə,aoriini-ɡoanitui,
プジンは寝るのだ、そうして、
aoriidoani-âundiisitəi-tənii,əŋxujuəčiəiniŋɡuduji-ləundiisi-ə,
寝ている時にそれは、九番目の日に、
ilələ̂aoriini-ɡoaniələsənəɡuxəniərinisixan.
上を見て目覚めていながら寝ているのだ、もう目が覚めた時となった。
doolǰiini-lasoxiâksoxiaktaaundə.ə̂ŋnəuni-təniiundii,
聞いているにシクシクと声がするという。妹が言っている、
ʼʼəǰisoŋɡorâ,əɡəsənəi,əɡəsənəučiəniuləəmbəbaarasisi,ʼʼundii,
「泣くな、姉さんが目を覚ますわ、姉さんが目覚めたら良いことがないわよ、」と言う、
ə̂ŋundiisi-ə,puǰin-təniiundiisitəiəsixairiidojiundiini-ɡoani,
プジンはそのそうする時に言うのだ、
ʼʼxaixokoriɡbani-noô,aǰapsiɡbani-noo,ʼʼundiini,
「何をうるさくしているの、騒いでいるの、」と言う、
ʼʼə̂ŋaomi-daaaawasiǰitultulsoŋɡomi
「ああ、寝ても眠れないようにいつもいつも泣いて
xamačaamaŋɡanibaapaarisoŋɡoiči-a,ʼʼundiini.
いかなる困ったことに遭うと泣くのかしら、」と言う。
ʼʼə̂ŋɡəəmiixaijauŋkəi,ʼʼundiitəinəuni-tənii-dəə,
「ほら、私が何て言ったかしら(言わんこっちゃない)、」と言う、その妹は。
ʼʼəǰisoŋɡora,əǰisoŋɡoraundiijə,ʼʼundii,
「泣くな、泣くな、と言ったのに、」と言う、
ʼʼəɡə̂,apsiŋkinǰiasitûltulsoŋɡoini,ʼʼundii,
「姉さん、あなたが横になってからずう~っと泣いているのよ、」と言う、
ʼʼtəiaaɡbi,aaŋnaajixoriɡooriwaɡələmi.ʼʼ
「その兄を、自分の兄たちを救ってもらうことを求めて。」
ʼʼə̂ŋundiisi-ə,əčkə-ləmənəorkindojimənəbudə-tənii-əʼʼ-m-də,
「叔父は自分の咎で自ら死んだのだけれど、」と、
ʼʼaɡaanaa-laxaiorkini-aʼʼ-m,
「兄たちは何が悪いのか、」と、
ʼʼaaɡbisoŋɡo...xoriɡooriwaɡələmisoŋɡoiniʼʼ-m-da.
「自分の兄のことを泣いて、救ってもらえることを求めて泣くんですよ、」と。
ə̂ŋəsi-təniitəŋjəjəməsoŋɡomituiundiini-ɡoani,
ひどくヨヨと泣き崩れてそうして言うのだ、
ə̂ŋpuǰinčiundiini-ɡoani,
プジンへ言うのだ、
ʼʼəɡə̂undiisi,aɡaanaawa-la,xooni-daačindaɡoroo,ʼʼundii,
「お姉さま、兄たちを、どうか放してやって下さい、」と言う、
ə̂ŋundiisi-ə,ʼʼəčkə-ləməənorkindojiməənbudəə-mə,xoonitaǰaači-aʼʼ-m,
「叔父は自らの悪行で自ら死にました、どうすることができましょう、」と
ə̂ŋundiisi-ə,puǰin-təniičadoundiini-ɡoani,
プジンはそこで言うのだ、
ʼʼmimbiwə̂undiisi,waaičami,xačiŋɡoǰianimimbiə,
「私を殺そうとして、いろいろな方法で私を、
kəəndəlimičiilaxami,xoonimoxoxasi,ʼʼundiini,
周りを回ってダメだった(ぐらいなのに)、どうしておまえはできないというのか、」と言う、
ʼʼčawa,xaimi,aaŋnaaji,tajaǰiaǰiačoɡomi.ʼʼ
「あれを、どうして、自分の兄たちをあそこから降ろすことぐらい(なぜできないか)。」
ə̂ŋundiisi-əpuǰin-ɡuləundiisi-ə
そのプジンは
ʼʼsiiorkinanaaosini,čindaɡoambi,ʼʼundiini-ɡoani,
「あなたが気分を悪くしないなら、私は放させていただきます、」と言うのだ、
əŋpuǰin-ɡuləundiisi,ʼʼsiixoonimoxoxasi,ʼʼundii,
プジンは「おまえはどうしてできないんだ、」と言う、
ʼʼmimbiə,xačiŋɡoǰijiərdələmiwaaičamičiilaxan,čiilaxambi,
「私を、いろんな方法で不思議な力を使って殺そうとしてダメだった、ダメだったが、
əsičaa,mimbiəwaariidojimasijiaɡbimboɡoxasibičin-nuu,ʼʼundiini-ɡoani.
あの、私を殺そうとした時にその力をおまえは発揮していたではないか、」と言うのだ。
ʼʼaaŋnaajixoriɡomičiilaisi-nooʼʼ-m-daa.
「自分の兄たちを生き返らせようてしてできないというのか、」と。
ə̂ŋtəi-təniisôŋɡoi-daasoŋɡoini-ɡoanitəipuǰin-təniixai-daadaundədəəsini,
そのプジンは泣きに泣くのだ、そのプジンは何も言いもしない、
əŋbunǰiəpuǰin-ɡulətəəsiiduji-təniiundiisi,paiŋajitaaspaačilaxani.
我らがプジンは座っている時に手のひらをパチンと叩いた。
ʼʼə̂ŋniəruu,ʼʼundii,ʼʼičəndəruuʼʼ-m,
「外へ出ろ、」と言う、「見に行け、」と、
ʼʼaaŋnaajixaosi-daaduruŋkuosiɡoxambani.ʼʼ
「自分の兄たちがどのような姿となったかを。」
əŋpuǰin-ɡulətəipuǰinundiini,boačiniəxəni.
プジンは、そのプジンは、外へ出た。
uikədaadoani-ladaaiǰilɡanǰisoŋɡomi-laaaŋnaajibaoɡoxani.
口の所で大きな声で泣いて自分の兄たちと対面した。
təi-təniičuudaaiaaŋnimoŋɡoničuuonimi,təičadojixurmiləənuuči,
その最も大きい兄の首は最も長く伸び、そのそれよりやや短めだった、下の方の
aaŋnitəixuildu,xuiltəəxədundiidu...
兄はその柱の先端に柱の先端に(引っ掛けられて)ほうれ風に吹かれている時、
aoriidoanibičini-təniičuuxurmiosixanimoŋɡonisaaŋkini.
寝ている時にそれがあまり長い時間でなかったので、最も短かくなった、その首が伸びた。
ə̂ŋtəi-ləundiisi-ə,iiɡuxəčiundii,iiɡurəəundiisipuǰintalɡialaňoxoraaŋkiči.
彼らは、家に入った、入ってからプジンの前でお辞儀をした。
təi-təniimoŋɡoni-taniiňoŋorakâosii-ɡoanitəi,ə̂ŋakpaloniundə,
その首は青く痣になっているのだ、その、長男は言う、
ʼʼandâpuǰin,ʼʼundiini,ʼʼɡəəbuə,xəsəǰə...xətəxən.ələə,ʼʼundii,
「ああ、プジンよ、」と言う、「さあ、我々にあなたは勝った。十分だ、」と言う、
ʼʼbuədabdaxan,ʼʼundii,ʼʼəŋbumbiəxoriɡoxasi,
「私たちは負けた、」と言う、「私たちをあなたは救った、
aɡdamaari-maňaiikčəəndaričaosikapoʼʼ-m,
喜んでこそ親戚に、近しい間柄になるよう許していただきたい、」と、
ʼʼəsibuəmənə,mənəirɡəmburiŋaaniɡoapo,ʼʼundii,
「今私たちは自分たちの村を引き連れて来よう、」と言う、
ʼʼilaltâbiməəriisiɡoǰaapo.ʼʼ
「三日したら到着するだろう。」
ʼʼxaosi-daa,xaosičočaxasi-daaxai-daa,čočami...čoolamibaaǰaaso,ʼʼundii,
「どこへでも、どこへおまえが逃げても、人さらいを働けば見つかるだろう、」と言う、
ʼʼmoŋɡondolasotaakoɡoǰaa-ma,ʼʼuŋkinpuǰin.
「首の所に見覚えがあろうから、」と言った、プジンは。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisiəsi-təniiundiisi-ə,
そうしてから
tuiuməəriniəɡuxənundiisiənuxəəl.
そう言って出て行った、彼らは去った。
ə̂ŋilaltabiməəriundiisi-ə,irɡəmburiɡaaǰomaari,
三日たって自分たちの村を引き連れて
ǰiǰuxə̂l,əsi-təniiirɡəmbuəri,puǰindujəələniosiwaaŋkiəl.
戻って来た、今自分たちの村を、プジンの山側の場所に落ちつかせた。
ə̂ŋtəičuupojaŋɡomərɡən-təniiundiisi,
その一番末っ子のムルグンは、
təəǰakpadoani-maňapuǰin,puǰinǰooniǰakpadoaniǰooɡoariaŋɡoɡoxači.
ほうれそのそばにばかり、プジンの家のそばに自分たちの家を作った。
ʼʼə̂ŋundiisi-ə,buə-dəə,pondaǰoolaɡoari,ʼʼundii,
「私たちも、同族の女をこちらに嫁がせるべきだ、」と言う、
ʼʼsinči,ʼʼxoraɡoxandolaji-maňaaɡdaxači.
「あなたのところへ、」と(言う)、命を救ってもらったことをひたすら喜んだのだ。
ə̂ŋtuitaraaundiisi-ə,xəmirɡəmbətəəwəəŋkin,
そうしてから全ての村を落ちつかせた、
təibunǰiəpuǰin-təniiundiini,xairiini-ɡoani.
その我らがプジンは言う、どうするのだ、
ʼʼɡəəsimbiəəsitaɡoori-a,ʼʼundiini,xoraɡoxandolaji-maňa.
「さあ、あなたをどうすべきでしょうか、」と言う、命を救ってもらったことを喜んで。
əŋkiaǰiardola,kiiǰiɡoi-daa
戸口の所を通る時に、もう少しで上に届くか、戸の縁を擦ってやっと出るくらいの大きな、
aja,olɡiamba,uǰixəmbəri,waaɡoxân
太った、良いブタを、育てたのを、殺した、
əsi-təniipuǰimbəməuwəəndiiosixan,
プジンにシャーマンの祈祷をしてもらうこととなった、
əsi-təniixəmpuǰinǰookčiani-maňaǰiǰuxən,
全てのプジンは家へばかり戻った、
əsi-təniiundiisitəiakpaloni-taniiundiini-ɡoani,
その長男は言うのだ、
ʼʼpojaŋɡoǰipowaəǰiləruu,ʼʼundiini-ɡoanitəiəikəwəni.
「我らの末っ子の弟で夫として下さい、」と言うのだ、その姉の方へ。
ə̂ŋəikəniundiini-ɡoani,ʼʼabaâ,ʼʼundii,ʼʼmiiəǰiləəsimbi,ʼʼundii,
姉は言うのだ、「いいえ、」と言う、「私は嫁がないわ、」と言う、
ʼʼə̂ŋmiiňaaǰilanaaniňaaǰilči-daabii
「私は従兄弟たちがいないのだから、従兄弟たちともなろう、
ňaaǰaktaanaa,ňaaǰakta-maa-daaosiǰaa-maa,ʼʼundii,ʼʼsuə.
従兄弟がいないから従兄弟のようになってくれるだろう、」と言う、「おまえたちは。
ə̂ŋundiisiəsimii,miiamimbiəwaaxanbaiɡoančimiiənəəmbi,ʼʼundiini.
私は、私の父を殺した敵の所へ私は行く、」と言う。
ʼʼə̂ŋundiisi-ə,suəboŋɡodoisiraa,amimbibaiɡoambaniwaariiosini,
「おまえたちが私より先に着いて、父の仇を殺せたなら、 čadoəǰiləǰəəmbi,”undii,“miiboŋgodoəǰilə...isigoraamiiwaaxanosini, その時は嫁ぎましょう、」と言う、「私が最初に着いて、私が殺したなら、 čadosunǰilaoǰinǰiosiogoǰaa-ma,”undiini. その時はおまえたちを奴隷とすることになるだろう、」と言う。
ə̂ŋundiisiɡəə,puǰin-təniiməumiməumiundiisixaira,
さあ、プジンはシャーマンの祈祷して祈祷して
xairiituiundiiduəni-təniitəinəuni-təniiundii-ɡoani,
そう言う時にその妹が言うのだ、
ʼʼəɡə̂amaa...waaxambabaiɡoanǰiliwani-maňaɡaaǰoxaari,ʼʼundiini-ɡoani,
「姉さん、父さんを殺した敵の頭だけを持って帰って来て、」と言うのだ、
ʼʼmiidərəɡbəniičəɡujixaosi-daabalǰičakoniamaawa,amaawaaxani-aʼʼ-m-da.
「私はその顔を見たいわ、どんな顔で生まれた奴が父さんを殺したのか、」と。
ə̂ŋundiisituikəkčiiduəni-ləundiisinəuji,
そう指示している時に、自分の妹が、
kəkčiinidoolani-tolpalaandola,simtomənəi-ɡoani.
指示する最中に床の所から、急に行ってしまうのだ。
palaandolaiixən,poŋsorčia-da.
床から地面の中へもぐって入って行った、埃を舞い上げて、だ。
ə̂ŋundiisipuǰin-ɡulənaadoonituiənəi-ɡoani,tuiənəmiənəmiundiisi,
プジンは中にそうして行くのだ、そうして行って行って
ə̂ŋxooni-daaənəxənxooniənəxənundiisiaɡbiŋɡoxanioisi.
どんなにか行った、どんなにか行った、現れた、上へ。
ə̂ŋtəiamimbibaiɡoaniirɡəni.irɡəntuliələni,əǰənxaantuliələniaɡbiŋɡoxani.
その自分の父の敵の村に。村の中庭に、主たる長の(家の)中庭に現れた。
ə̂ŋaɡbiŋɡoxaničado-laəmmərɡənbiəundə,
現れた、そこには一人のムルグンがいるという、 amini,baiɡoan,aminibaiɡoambaniwaaxaniǰiliwani-daačaaliɡoxani, もう父の仇、父の敵を殺していた、その頭も切っていた、
ojaaǰiičəmiundiisi,samâ-m,ɡəjə̂-mičəurimərɡənbičin.
面を見るに(いかにも)シャーマンであり、巫術師と見るべきムルグンだった、
əŋpuǰin-ɡuləičəxəni-ləundiisi,ǰolo-daaǰoraŋko,kadar-daakaltaako,
プジンは見た、石だって縞があって、崖にだってヒビがあるというのに、
təimərɡən-təniikaltaa-daaanaa,ǰoran-daaanaapiŋtonbičinnasaldoani.
そのムルグンときたら、傷一つなく、すじ一つない、キラキラしていたその目は。
ə̂ŋtəinaiǰooɡdoxisaŋɡoiwanidoolǰiraanaiwaaxantəi,asilaɡoɡoi.
その人はプジンの家で話していたのを聞いて、仇を殺した、彼は、妻を娶るために。
ə̂ŋəsičadotəimərɡənɡusurəənduməəribiməəri...
そこでそのムルグンは話をしていたが、
biiduəči-ə̂kutərkutərisindaxan.
そうしている時に、地面の中からボコボコと到着したのだ(プジンが)。
ɡəəisindaɡoxan-kaspuǰinundii-ɡoani,
さあ着いてすぐ、プジンは言うのだ、
ʼʼɡəəirɡəmbə-lə̂daliɡooso,ʼʼtəiɡursəlči.
「さあ村を、率いて来い、」と(言う)その者たちへ。
ə̂ŋundiisitawaŋki-laundiisi-ə,irɡəmbədaliɡomiǰiǰui-ɡoani
そこから村を引き連れて戻って来るのだ、
təiǰili-aundiisi-ə,koojoldonəəkuxən.
その頭は船のマストのてっぺんに置いた。
ə̂ŋtuiǰiǰuîǰiǰuiǰoowaələəisiɡoxanundiisi-ə,
そうして戻る、戻る、家にもう着いた、
ə̂ŋəsi-təniiundiisi-əə̂ŋtəi-lə,irɡəmbə-lə,xaisi,təəwuɡuxənui...dujələ.
その村を再び落ちつかせた、山の方に。
əsi-təniixadoǰərɡiirɡənosixan-os.
列の村となったことか。
ə̂si-təniituidaaiirɡənosixani-ɡoanituibiini-ɡoani,
そうして大きな村となったのだ、そうしているのだ、
duiləbiiniiwaisimooǰixodapulsii,
山の方にいる人は岸の方へ薪でもって売りに歩き回ったり、
wailabiiniiduisimuəwəxodapulsiitamaaribalǰii-ɡoani.
岸の方にいる人は山の方へ水を売りに歩き回ったりして暮しているのだ。
ə̂ŋundiisitəi-təniiundiisi-ə,əǰini-təniiundiisi,
その、夫は
dolbo-ɡdaltookoraadolbo-ɡdaləuɡurəətami,bujumbəwaariini-ɡoani,
夜のうちに森へ上ったり夜に下りて来たりして、獣を獲るのだ、
xamačaa-daaxəm,əŋəlčiusəl-təniiundiisi,
どんなのもみんな、奴隷たちは
par...para...tokijiparawari,piani,xaini,təibəɡǰiə,
そりの、小さいそりのその足、
patanisaaŋɡiaraiǰianixairiiči-ɡoaniəwuiči-ɡoani.əŋtuitami-âtuibiini,
滑り板に穴が開くほどにどうするのだ、肉を運び降ろすのだ。そうして、そうしている、
təinəuwənixamačaamərɡənasiɡojiɡələndəsuəsiuidu-dəəbuurədəəsi.
その妹をいかなるムルグンも皆自分の妻にと求めて来るのだが誰にもやらない。
ə̂ŋtuibimîtuibimi-əundiisiəmmodan-taniiundiisi-ə,
そうしていて、そうしていて、ある
ə̂ŋxaibičiniəmmərɡən...əmɡolaxaǰičini.ɡolaxâ-maňaiirəundə.
あるムルグン、一つの靴がやって来た。靴そのものの姿で入って来るという。
ə̂ŋtəi-təniiɡolaxaǰi-laəikəni-lələəiɡə̂nɡusurəənduəundə,
その靴と姉は楽しげに活発に話をするという。
əŋxooni-daadosoǰiiniňoambanimədəwə...asiɡojimədəwəɡələinibičinipuǰin.
どのように聞いても、彼女のことを妻にという打診を求めていた、プジンが。
əŋpuǰin-ɡuləčuuriə̂kənəxəni,ʼʼərdəŋɡə,əikəni.
プジンは心中嫌~な気分になった、「不思議だわ、姉さんったら。
xoonimurčimibuuriiniotadumimbi,xoonibaa...xamačaanaini-a-msaaorini.ʼʼ
どう考えてもやるようだわ、靴に私を。どんな人だか知らなくては。」
ə̂ŋundiisi-ətuitaraa-laundiisi-ə,
そうしてから
əikəni-lənəuwəbuuwuriǰijîxisaŋɡoxantəiɡolaxaənuxən.
姉は妹をあげるということで話を決めた、その靴は帰った。
ə̂ŋənuxənixamialaniundiini-ɡoaniəikəčiji,ʼʼərdəŋɡəxai-daa,ʼʼuŋkin,
去った言うのだ、姉へ、「不思議だわ、何とも、」と言った、
ʼʼəɡəə,xamačaauləənmərɡənpulsiəsi,
「姉さん、どんなに良いムルグンだって来たじゃない、
xamačaaorkinmərɡənpulisiəsi,ʼʼundii,
どんなにか悪いムルグンだって皆来たじゃないの、」と言う、
ʼʼxooniičəxəsi,ʼʼundiinitəi,ʼʼɡolaxa-maa-daamiiəǰiɡujə.
「どう見たの、」と言う、彼女は、「靴なんかで私に嫁げというの。
siiuləəsiiosinimənəəǰiləruu,ʼʼundiini-ɡoani.
あなたが気に入ったんなら自分で嫁げばいいじゃないの、」と言うのだ。
əikəniundii,ʼʼxəmə̂biruu,ʼʼundii,ʼʼsiixaiwa-daasaarasisi,ʼʼundiini.
姉は言う、「黙っていろ、」と言う、「あなたは何も知らないのよ、」と言う。
əsi-təniipuǰin-təniiundiisi-əɡaloini-ɡoani,ʼʼmii,mənəəǰiləɡuji,ʼʼundii,
プジンは嫌がるのだ、「私は、自分で決めて嫁ぐわ、」と言う、
ʼʼmiiəǰiləəsimbimiitamačaa,ɡolaxaǰiotaǰixooniəǰiləčiuri,ʼʼundiini-ɡoani,
「私は嫁がないわ、私はあんなのと、靴で、履物で、どうやって夫とするの、」と言うのだ、
ʼʼnaiǰoptoni-â,ʼʼundiini-ɡoaniəikəni.ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,
「人の覆いよ、」と言うのだ、姉は。
əmxadoltâbipəəriǰiǰuxən,xaisiɡolaxaǰi-tolǰiǰui-ɡoani.
数日たつと戻って来た、再び靴の姿のまんまで戻って来るのだ。
əmmapâmamâbičini,əniniaminibiǰərəə,təiɡolaxaǰiɡəsə-də.
一人のおじいさんと、おばあさんがいた、母親と父親であろう、その靴と一緒に、だ。
ə̂ŋəsipuǰin-təniiundiisi-ə,əsi-təniinaiarkiwaomiloxân,tuiarkiŋɡoji
プジンは人は酒を飲み始めた、そうして酒を(飲む)、
puǰin-təniiəikəčijiɡəmurii-dəəɡəmuriini-ɡoani.
プジンは姉へつぶやく、ブツブツ不平を言うのだ。
əŋkolkol,tuixairiini.əŋtuitamiundiisiə̂ŋtəi-lə,
(靴は)黙っていたが、そうしてどうする。そうしてそいつは、
ɡolaxa-laboačiniəkəundəundiisi,
靴は外へ出たという、
ə̂ŋtuitapi-ôundiisiiiɡukəundəundiisiəmmərɡənbičini.
そうしてしばらくすると入って来たという、一人のムルグンだった。
təitəîuləəmbəmərɡəmbəbičin.
それはそれは良いムルグンだった。
təi-təniiundiisi,təiɡolaxaǰiotalaɡo...otalanaa-daa.
そいつはあの、靴を履いて、だ。
ɡolaxaǰiotalaɡoraaiiɡuxəni.
その靴を履いて入って来た。
ə̂ŋajakta-maňaanibiəundətəi-ləmərɡən-ɡulə,ičəinipuǰiničəini.
すっかり怒っているという、そのムルグンは、見るに、プジンが見るに。
ə̂ŋdaailaa...təiuləələəmərɡən,səəksəolbiačii-daaolbiačii,
背も大きくてそのなかなか良いムルグンは血が上りに上ったり、
taini-ɡoanitəi,dərəŋni,ičəini.
して怒りで真っ赤であるのだ、その、彼の顔は、(プジンが)見るところでは。
ajaktaa-maňani-ɡoani,ələəpuǰimbəpaačilai-nooxoonitai-noo.
すっかり怒っているのだ、今にもプジンを叩くか、どうしようか(というあり様だ)。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,təi-ləpuǰin-ɡuləundiisituixairiini-ɡoani,
そのプジンはそうしてどうするのだ、
əŋpuǰin-ɡuləxəməxəməulpimitəəsii-ɡoani-anaiarki-waomiini-ɡoani
プジンは黙って黙って縫い物して座っているのだ、人は酒を飲んでいるのだ、
tuiarkiwaomiituitamaariundiisixaixaal,
そうして酒を飲む、そうして彼らはどうした、
əŋsiksəɡuxə̂nnaixəmapsiŋkinundiisiəikəni-dəəapsiŋkin.
日が暮れた、人は横になった、姉も横になった。
əŋtəi,malodopuǰinbuənduəni-təniitəimapa,mama.
その、真ん中の席に、プジンのいつもの場所にはそのおじいさんと、おばあさん。
təipiktəwəritokondoarinəəkurəəapsiŋɡoxači.
その息子を真ん中に置いて横になった。
ə̂ŋpuǰin-təniidamxiwaomiitəəsiini-ɡoani,
プジンはタバコを吸って座っているのだ。
əmučəkəə̂n-dəə,ɡolǰonkiraadoani.
一人っきりで、かまどの縁の所に。
əsi-təniiundiisi,ʼʼamǰiǰuu,əniǰiǰuuʼʼ-məlxəəsiiči-ɡoanipuǰimbə
「父さんの所へ来なさい、母さんの所へ来なさい、」と呼ぶのだ、プジンを、
ʼʼəusiəǰijiǰakpačianiapsiŋɡorooʼʼ-m-da.
「こっちへ、自分の夫のそばに横になりに来なさい、」と。
əŋpuǰin-ɡuləundiisi,ə̂ŋtənii,xaixani.tooxani,tuimapaanaaxəəsixəni
プジンはやっと今どうした、上ろうとした、そのようにおじいさんたちが呼んだ、
alisami-atadoulpiiǰiji...xaidamxiomii...nəərəə-də.
聞き飽きて、そこで縫っている時に、じゃない、タバコを吸っていたのを置いて、だ。
əŋtəi-ləundiisi,təniitoomi-laxaido,isixani.
彼女はやっと今上ろうとしてそこに、着いた。
xuəwə,pəɡiəčiəni,xaiǰia,
オンドルの側面壁の、下へ、
xəuwətooriiǰianiɡəsətəi-ləmərɡən-ɡuləsikuləxənpuǰimbə.
側面壁を上るやいなやそのムルグンは蹴っ飛ばした、プジンを。
ə̂ŋpuǰin-təniiundiisi-əxaiči,tačiŋɡomiənəiǰiəni,
プジンは何かに、ボールのように飛んで、当たってはね返って来るほどに、
baksačitačiŋɡoxani-osxainitačiŋɡoxani-os
家の真ん中の柱に当たったんだか、何にぶつかったんだか。
ə̂ŋtəi-təniiundiisi-ə,pəəjələnikaltaramənəxəni.
彼女は、額が裂けてしまった。
ə̂ŋčaa-laundiisipuǰin-ɡuləundiisi,təipəəjəjikaltakawani-laundiisi
そこでプジンはその自分の額が裂けてしまったのを、
ə̂ŋčia...kapsačimi-laundiisi-ə,əŋsoŋɡočimitəəsii-ɡoani,
包帯をまいて泣きながら座っているのだ、
əŋdamxiwaomimipikičiini-ɡoanitəikotkaanǰiji.
タバコを吸って暖めるのだ、その自分のキセルの先の金具の所で。
ə̂ŋtuitaidoaniəsitəimamaɡûčixəəsiini-ɡoani.
そうしている時にそのおばあさんがまた呼ぶのだ。
ə̂ŋɡučitəimapaǰimamaǰituisimuəčii-məətuixəəsiiduəči
またそのおじいさんとおばあさんがそうしてささやくようにそうして呼ぶ時に、
ɡučipuǰin-ɡuləaliamiɡučitookoxani.
またプジンは聞き飽きてまた上ろうとした。
əsiɡučitookoidoaniɡûčisikuləɡuxəniəsi-tənii,
また上る時にまたも蹴っ飛ばした、今
ǰuərɡumbədaramiǰikaltaaɡoxanituipujəni-tul-də.
二箇所も背中の所が裂けたのだ、そのように、傷だらけだ。
ə̂ŋəsi-təniičadopikičimitəəsimisoŋɡočiidoaniəsiəikəni-ləboačiniəxəni.
そこで暖めて座って泣いている時に姉は外へ出た。
čiəčindəxuəni,“xoonitaxasi~,”undii,ə~ŋnəujiundiini-goani,
小便をしに行った、「どうしたのか、」と言う、自分の妹に言うのだ、
ʼʼxoonitamikapsaxasi-aʼʼ-m,niəriiduji-ə,undiini,
「どうして包帯を巻いたのか、」と出て行った時に、言う、
ʼʼtoŋɡalaxambi,ʼʼundiini-ɡoani,puǰin,əikəčiəni.
「うっかり傷つけてしまったのよ、」と言うのだ、プジンは、姉へ。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi,əikəniundiini-ɡoani,
姉は言うのだ、
ʼʼmimbiəəǰiarɡalara,ʼʼundii,
「私を騙したりするな、」と言う、
ʼʼmii-təniiəmǰiəkaltaa...təəsii,əmǰiəkaltaaaoriija,ʼʼundii,
「私は一方の側では起きていて、一方の側では寝ていたのよ、」と言う、
ʼʼmimbiəsaarasi-amurčiisi-nuu,ʼʼundii.
「私が知らないとでも思っているの、」と言う。
ə̂ŋčiəčindəsuminiəučirəəiiɡuiduji-ləundiisinəuji,
小便をしに行って出て行ってまた入って来る時に自分の妹を、 ŋaaladoaniǰapaɡoraa-da. その腕をつかんで、だ。
məənčijiɡaaǰoxaniəŋtuitaraatuŋɡələrəəapsiŋɡoxani.
自分の所の方へ連れて来た、そうしてから懐に抱いて横になった。
ə̂ŋundiiəsi-təniiundiisiǰiačimani-atəəxən.naixə̂mtəəxən.
次の起きた。人々はみ~んな起きた。
əsi-təniipuǰimbəsəruučiməəričiilaxaniəikənitəəwuɡuəni.
プジンを起こそうとしてダメだった、姉は起こそうとして。
tuitaraanəujituxilərəəaoriini-ɡoani.
そうしてから自分の妹を両手で抱きかかえて寝ているのだ。
əələduəniǰaparaaəurii,tataiči,
服の裾をつかんで彼らは持ち上げたり、引っ張ったりするが、
nakansaktanituikuəptuiənəini.
オンドルの葦製の茣蓙がそうしてただバリッと破けてそうなっただけであった。
ə̂ŋtəimapa,mamatuinaambičaiči-ɡoani,
そのおじいさんと、おばあさんはそうして説得するのだ、
xaiəwəŋkixooni-daataasi-daa,aja-daa,ə̂ŋuləələɡuruu-dəətəəɡuruu-dəə,
今後はいっさいしないだとか、大丈夫、だとか、仲直りしろ、だ、起きろ、だ、と、
tuixairiiči-ɡoanitui,tuinainaambičaini-ɡoanitəi-tənii,
そうしてそうするのだ、そうして、そのように人は説得するのだ、彼らは、
tasňoxoraačimaarinaambičaitəi-təniituipuǰinči.
パッとお辞儀して説得する、彼らはそうしてプジンへ。
əsi-təniiəǰini-təniiundiini,ʼʼandâpuǰin̂,ʼʼundiini-ɡoani,
夫は言う、「プジンよ、」と言うのだ、
ʼʼxoonitaisi-aʼʼ-m,ʼʼnaiəmmodantawaandaa-da,
「何をやってるんだ、」と、「人は(年長者に)言われたら(改めるものだ)、
ə̂ŋundiisi-əxairii,saɡǰiɡursəlnaambičaiwani,kisiakobaaoriʼʼ-m-da.
年輩の人たちが説得しているというのに、バチが当たるぞ、」と。
ə̂ŋtəiəǰinituixisaŋɡoini-a-daapuǰin-ɡulətəəɡuxəniajaktamso-a-daa.
その夫がそのように話すと、プジンは起き上がった、腹をたてて、だ。
ʼʼə̂ŋəimiiičəǰəi,nəəičəǰəiǰijituinaitaini,
「この私が見ていたというのに、すぐ目の前で見ていたのに、あんなふうに人はした、
xaali-daamiinəujiuləəntaasi,ʼʼundiini-ɡoani,
いつだって私の妹に良くしなかった、」と言うのだ、
ʼʼməənčijiənəiniosini-taniiwaarii-noouǰii-nuu,ʼʼundiini.
「自分たちの所へ連れて行ったならはたして殺すだろうか、育てるだろうか、」と言う。
ʼʼə̂ŋxamačaaǰiilaaǰimiǰičisi,ʼʼundiini-ɡoani,
「何をいったい恥ずかしがって(あんな格好で)やって来たのか、」と言うのだ、
ʼʼtui-dəə,ɡolaxaǰi.
「あんなふうに、靴の姿で。
naiotoliasinisaarasini,ɡaloǰaa-ma,ʼʼundiini-ɡoani,
人は理解できないし、わからないのだから、嫌がるでしょう、」と言うのだ、
ʼʼotaǰi.ə̂ŋotaǰixooniəǰiləuri-əʼʼ-m-də.
「靴でなんか。靴でどうやって夫としろというのよ、」と。 “tərəkbiiǰakani-goani,”undii, 「(このようであるのが)ちゃんとした正しいことなのよ、」と言う、
ʼʼəituinaibəjəǰiji,duərəmiiirəəmədəsixəsiosini,
「この、こうした人間の体で、歩いて入って来て打診したなら、
xaituiosiraʼʼ-m-da.
どうしてこんなことになるかしら、」と。
ə̂ŋəikəni-təniipakparii-daapakpariitaini-ɡoani.
姉は怒りに怒り、するのだ。
əsi-təniimapaǰimamaǰiəwəŋkituitaasi-daaŋəələxən-dəə
おじいさんとおばあさんと、今後はこんな事はしないとか、恐れていたのだとか、
xaali-daatoŋɡalaasi-daanaambičaiči-ɡoani,
いつだって傷つけたりしない、などと説得するのだ、
təipuǰimbə,əikəwəni,tuitamaari-auləələɡuxəəl.
そのプジンを、姉を、そうして仲直りした。
tuitaraa-laarkiwaomixaal,əsi-təniiarkiwaomixaalduələniənui-ɡoani,
そうしてから酒を飲んだ、酒を飲んだその末に去るのだ、
ənuiduji-təniiundiini-ɡoani,ʼʼxai,xairiija,ʼʼundii,
去る時に言うのだ、「嫁をいつ運んでくるのか、」と言う、
ʼʼiraɡoari-kol-daailaltâbiǰəəpu-məə,ʼʼundiini-ɡoaniəikəni.
「運ぶことにしましょう、三日経ったなら、」と言うのだ、姉は。
ə̂ŋundiisi-ətuitaraaundiisixaixani,ənuxəəltəinai,
そうしてからどうした、去って行った、その人々は、
ʼʼnəə,turɡəniraxaarsoʼʼ-mal.ə̂ŋənuxənixamialaniilaltâbičinpuǰin,
「すぐに、早く運べ、」と。去って行った後に三日経った、プジンは、
ʼʼəəpaŋɡoâsimbiə-təniixaiɡoasi-daadaɡələəsimbi,ʼʼuŋkin,
「妹よ、おまえに対して何の婚資も要らないわ、」と言った(帰って来るから)、
ʼʼəsimiimiiǰooɡdojanaituitaxannai,əsiməənčijiisii...
「今私の家においてさえ人はあんな風にした、人は、今自分の所へ着いたら、
siinaiǰookčiani,ənuučiəsi-təniiwaarii-noouǰii-nuu,ʼʼundii,
おまえが人の家へ行ったならば、殺すだろうか、生かしておくだろうか、」と言う、
ʼʼwaaǰaral,ʼʼundiini-ɡoani,ʼʼtamačaaɡursəl.ʼʼ
「殺してしまうだろう、」と言うのだ、「あんな者どものことだから。」
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,
ʼʼəŋmii,bəjəsi-maňaaoriiaxorasi,olbindaambi,ʼʼundiini,
「私は、おまえの体ばかりを、おまえの寝具だけを持って行くわ、」と言う、
ʼʼxaiwa-daairaasimbi-ə-də.ə̂ŋoɡdaǰi.ʼʼ
「何にも運ばないわ。舟で。」
əsi-təniipuǰin-təniiundiisi-ə,ə̂ŋəmkəkəwə,əməlčiwəbaaxani
プジンは一人の女奴隷と、一人の男奴隷を見つけた、
ixombasuŋɡurəəəusitaositutumiɡələməəčimi.
村を貫いてあちこち走って探し回って。
əlči-dəəsamparni,əlči-dəəxatani,əlči-dəəmasiwaniəmbə,
男奴隷の中でも仕事が早くて、男奴隷でも俊敏で、男奴隷でも力強いのを一人、
kəkə-dəəsamparni,kəkə-dəəxatani,kəkə-dəə,xai,
女奴隷でも仕事が早くて、女奴隷でも俊敏で、女奴隷でも何だ、
tuixaiwaniuləəmbəni,ɡələməəčimibaaxani.
そうして良い者を、探し回って見つけた。
dailaa,ixondo,ə̂ŋtəiǰuəpuərčaǰi,ənəi-ɡoanituitaraaundiini-ɡoani,
結構大きな村で、その二人と、彼女と、行くのだ、そうしてから言うのだ、
ʼʼɡəəsuə-təniîəǰəmbərinaŋɡalaraaixombisuŋɡurəətutuǰəəsu-mə,ʼʼundii,
「さあ、おまえたちが、主人を捨てて村を貫いて走ったりしたならば、」と言う、
ʼʼnaiwaaǰaraa-daaəǰəmbəri.ʼʼ
「人は殺してしまうだろう、おまえたちの主人であるプジンを。」
ə̂ŋəsi-təniiməənsiaptaŋɡikopaaǰikaan-daa,nəəxənipuǰin.
自分たちの食糧も持った、めいめいに、だ、配った、プジンは。
ʼʼtəiəlčisəl,əlčini...kəkəŋɡuniəsimənəəpujuučii,
「これ、男奴隷よ、女奴隷よ、今おまえたちは自分たちでちゃんと煮たり、
əǰəmbərisiaɡoanimənəpujuučiməəri,mənəədəŋsiməəribixəərsu,ʼʼundiini,
主人の食べ物を自分たちで煮て、自分たちがよく働いて暮せ、」と言う、
ʼʼəǰəmbəriəǰi-dəəmuə-dəəmuələwəəndəsu,
「自分たちの主人に決して水も汲ませてはならない、
moowa-daaəǰitoŋɡalawaandaso,ʼʼundiini-ɡoanipuǰin.
薪にだって触れさせてはならない、」と言うのだ、姉のプジンは。
ʼʼxaosi-daaəǰiənəə,pulsiəsuʼʼ-m,ʼʼixomba.
「どこへも出歩くな、歩き回るな、村を。
suə,suəxaosi-daaənəxəsuosinitəŋnaiəǰəmbəsuwaarii,ʼʼundiini-ɡoani.
おまえたちがどこかへでも行ったなら即座に人はおまえたちの主人を殺す、」と言うのだ。
ə̂ŋtuikəkčimiənəxən,tuinaiǰookčianiisixan,
そう言い含めて行った、そうして人の家へ着いた、
isixači-laundiisiəikənəəniaosinitooxannaiǰookčiani,
着いた、姉たちと義兄たちは上って行った、人の家へ、
ui-dəədəabaâ,tooradaasi...əurədəəsixairadaasi.
誰もいない、上っても来やしないし、下りても来やしないし、何もしない。
ə̂ŋtuičiilčiilbiəlundətuitamiundiisiəm,puǰin-ɡulə
そうして静まり返っているという、そうして一人のプジンが
əurəundəmanǰonǰi.xai,xaiǰi,xai-daadailaanidalɡoân,
下りて来るという、満州の女が。何とも長い、片手を伸ばしたほどもの
onilaaǰianidaikô,poiŋaârpoiŋaaromii-maəurəundətəi-tənii,
長さのキセルを持っている、プカプカと吸いながら下りて来るという、そいつは、
xaido,daansəlxəəndutəəkəpičəǰəəundəpuǰin-ɡulətokondotəəsiini-ɡoani.
真ん中の舟の横渡し板に座るやジロジロ見るというプジンは真ん中に座ってるのだ。
əikəniaosiniduisitooxankəkəŋɡuəniəlčiŋɡuəni-dəəxaosipaɡǰialaxan-os.
姉と義兄は山の方へ上ってしまった、女奴隷と男奴隷もどこへ駆けて行っちゃったのか。
təi-təniipuǰinuisitainiuisi,poositainipoosi,tuiičəǰəəundə.
そいつはプジンが上へ動けば上へ、屈んだりすれば下へとそう首を動かして見るという。
əŋtuiičəǰəmixaipi-aundiisi-ə,ʼʼənəî,tuibiiɡəɡə̂,
そうして見ていてそうすると、「おやまあ、こんな女性かね、
tuibiiəktə̂,undiisi-ə,əŋbuəəǰipuwə,
こんな女が、我らが夫のムルグンを、
əǰipuwəɡaloxan-taniitupuîkəčəriɡumi-ləundiisi,
夫を嫌ったというのかね、ペッペッ、」と(言って)、後ろを向いてしまった、
əŋpuǰin-ɡuləundiisimurčixəni,
プジンは思った、 “saktiini,xaigoidoji,dalgoanonilaanidaijimuəčitugbumi-daaaja”-m 「ちくしょう、何かの拍子に、片手ほどの長さのキセルを水に落としてしまえばよい、」と、
təi-ləundiisi,tui-ɡdəlmurčixən
彼女はそんなふうに思った、
təi-təniikəčəriɡumidoolani-tolčupuə̂kmuətuɡbukəundə,daiji.
そいつは振り返るそのさなかにポッチャンと水に落としたという、自分のキセルを。
əsi-təniitawaŋki-taniiɡəuxədəmitookoi-ɡoani.
そこから腹をたてて上るのだ。
ʼʼə̂ŋxamačaaɡəɡə,čukinəktəwə̂ičəndəmi,undiisi,
「なんて女性だ、ひどい女を見に来てしまったわ、
amaaəniəpudəxəndaijičupuə̂kmuətuɡbuxəniʼʼ-m
父さん母さんが結婚祝にくれたキセルをポッチャリ水に落としてしまったわ、」と
ɡəuxədəmitookoxan,ə̂ŋtəimanǰonǰiəktəni.
怒って上った、その満州の女は。
ə̂ŋtui,tuitookoxanixamialaniɡoidaxanundiisi,
そうして、そうして上って行った後に、長いこと時間が経った、
tuitaxanbuktə̂nbipi-ə-ləundiisi,ə̂ŋəm,puǰinəukəundə,
そうした、しばらく経つと一人のプジンが下りて来たという、
xaidoani,pəəjəduənisiunɡərǰiktukû,
その額には(天から来た娘である印の)太陽の印がついていた、
ǰuə,əiǰooroktodoaniɡasa,saksiibəɡǰikûbičintəipuǰin.
二つ、このこめかみの所には鳥の、カササギの足跡の印がついていた、そのプジンは。
nasalnidaajaakasaxarianpuǰinbičini.əŋtəi-dəəxaisidaikôɡolaxakô,
その目の大き~な黒のプジンだった。これも再びキセルを持ち、靴を履いていた、
ə̂ŋkuə̂skuəsoɡdačiooraundətəi-dəəxaisisəlxəəndutəəkəpičəǰəi-ɡoani,
のそりのそり舟へ乗るという、これも再び横渡し板に座るやじろじろ見るのだ、
ʼʼə̂ŋənəîundiisibuə,əǰipuwəɡaloxambi,ʼʼundii,
「あれまあ、我らが夫を嫌がったというこの女の、」と言う、
ʼʼə̂ŋxaidoanibiini,ʼʼundii,ʼʼuləəni.ʼʼ
「どこにあるというのか、」と言う、「良さが。」
ə̂ŋtəi-təniiundiisiʼʼtui,ǰaŋɡiarami-laxuluŋɡuiduji,
プジンは「ああして、無駄口をたたいて舟を降りる時に、
ɡolaxajituɡbumi-daaaja,ʼʼmurčixəni,
その自分の靴を落としてしまえばいいんだわ、」と思った、
ʼʼəmǰiəkaltaaji.ʼʼtəi-ləundiisiəmǰiəbəɡǰi-lə,
「片方の側の靴だけ。」その女が片方の足が、
səlxəəmbəɡiranɡoidoji-la,ɡolaxani-lamuəči-ləčupuktuukəundə.
横渡し板を跨ぐ時に、その靴は水の中へポッチャリと落ちたという。
əsi-təniiɡaksidaanɡolaxaǰi-la
片一方だけになった靴で、
kutərkutərɡəuxədəmi-ləsoimiəuɡu...tookoi-ɡoani,
のそりのそり腹をたてて罵りながら上って行くのだ、
ʼʼxamačaačukinəktəičəndəuxəntəi,amaaəňəə,pudəxəniɡolaxa...
「なんてひどい女を見物に来てしまったことか、この、父さん母さんが結婚祝にくれた、
xaiotajičupuə̂kmuətuɡbuxəmbi-əʼʼ-mɡəuxədəmituiənuxən.
靴をポッチャリ水に落としてしまったわ、」と怒ってそうして去った。
ə̂ŋtəixamialani-laundiisi,tuitəəsiiduəniundiisi,əmpuǰinəuxəni.
その後で、そうして座っている時に、一人のプジンが下りて来た。
təi-təniičəŋɡəlǰikəənɡərbəni.
その人はチュングルジクーンという名前だった。
ʼʼəədəsə̂ləəwəəčiməəriundiisiəŋ,tooroo-daaəčiəundəəčiəundii,
「馬鹿者たちを下りて行かせてしまって、上って下さい、とも言いやしなかったし、
ə̂ŋdaiji-atuɡbuxən-ɡoani,daijimuətubɡuxənɡurun-dəəbii,
キセルを落としたのや、キセルを水に落とした者もいたし、
ɡolaxaarimuətuɡbuxənɡurun-dəəbii,ʼʼundiini,ʼʼəədəsəl-ɡoani,ʼʼundii,
靴を水に落とした者もいる、」と言う、「ひどい馬鹿者共なんだわ、」と言う、
ʼʼəɡəətooroo,əɡəətooroo,ʼʼundiiəsi-tənii,
「姉さん上って下さい、姉さん上って下さい、」と言う、今、
aoriixaǰokaambanituxiləiǰijiɡəsəundiisi-ə,tooboɡoi-ɡoani.
具が少しあるのを抱きかかえるやいなや持って上って行くのだ。
əŋtuitooboɡoraaundii-dəətadotooriini-ɡoanipuǰin,xamialani.
そうして持って上って言われたのだからそこで上るのだ、プジンは、後に随いて。
ə̂ŋtooxânundiisinai-laxə̂maoriibičinsoktoxači.
上った、人々はみ~んな寝ていた、酔っ払っていた。
ə̂ŋpuǰin-ɡulə,ɡilonǰiakaltaaǰialanəəxəčibičinxaǰombani-la.
そのプジンは、左側の席の側に置いたのだった、我らがプジンの寝具を。
ə̂ŋəsi-təniiəɡəə...tookoiniňaŋɡabiməəriəikəniaosini-lasənəɡuxəči.
彼女が上るに、ちょっと経って、姉と義兄は目を覚ました。
əŋɡəəənuiniosixaal.ə̂ŋtəimərɡən-tənii,xaido,bəsərəduaoriinibičini.
さあ彼らは去ることとなった。あのムルグンは真ん中の机に寝ていた。
ə̂ŋnaixə̂maoriiči-ɡoani,təimapamama-daaaorii-ja.
人は寝ているのだ、あのおじいさんとおばあさんも、寝ている。
tuitaraatəipuǰin-təniiundiisi
そうしてからそのプジンは
ə̂ŋxaixani,əikənəəjiənuiwənisusuučiɡui-ɡoani.
どうした、姉たちが去るのを見送るのだ。
tooičiəuxəniəmučəkəən-dəə.tuitaraâundiisi-ə,
岸辺へ下りた、一人っきりで、だ。そうしてから
ʼʼəəpaŋɡoâundiisi-ə,naiwaməəpiwaadalaəǰibirə,ʼʼundiini.
「妹よ、人がおまえ自身を殺すまでいるんじゃないよ、」と言う。
ə̂ŋundiisi-ə,əŋtuixairiidoanitəi-təniiundiisi-ə,ənui-ɡoaniəsi,
そう言い聞かせて姉は去るのだ、今、
əikənəənimodambaxooliɡodalâičəǰəxənisoŋɡočimi-lapuǰin-ɡulə
姉たちが視界の端を迂回して見えなくなるまで見ていた、泣きながら、プジンは、
əŋtuitaraaundiisiəikənioǰoktaraasusuɡuini-ɡoanitəi,
そうしてから姉はキスをしてから去るのだ、その、
əikəniɡiolii,aaŋ...aosiniiŋkočiitamaariənuxəči.
姉が漕いだり、義兄が舵をとったりしながら彼らは去って行った。
ə̂ŋtəi-ləundiisi-ə,naimodambaxooliɡoiniundiisipuǰin-ɡuləundiisi-ə,
その、人が端を迂回してプジンが
dərəɡbisilkočiidoani-latoâstoastaaundəduisi,ičəɡuxəni.
顔を洗っている時にドシンドシンと音がするという、山の方を見た、
xərə̂təimərɡən-təniiundiisi,əŋɡoloŋkolaji-taniiundiisi
ああ、あのムルグンが風除けに積んだ薪の山から、
moowa-lanaačiduktəmimasimpočimiǰapaaundə,
大きな棒を、地面へ叩きつけて力を誇示しながらつかんでいるという、
əŋtuitamiirčimiəukəundə.
そうしてそれを引きずりながら下りて来るという。
puǰin-ɡuləsilaantəmtəəkuduəwəni,xuluŋɡumiisiɡoxani.
プジンはやっとのことで水辺に渡した木の端へ、岸の方へ戻って着いた。
ə̂si-təniiisiɡoiǰijiɡəsəpuǰimbə-ləduktəmidəruuxəntəimooŋɡoǰiji-la.
着くやいなやプジンを叩き始めた、その棒で。
ə̂ŋpuǰin-ɡulətuiduktəi-ɡoani,duktəmibaarii-ɡoanitoikandiini-ɡoani
プジンは、そうして叩くのだ、叩かれる目に遭うのだ、折檻するのだ、
təimooǰi-taniiiirixainaiduktəini-ɡoani.
その棒でしゃにむにずっと人は叩くのだ。
əsi-təniiundiisipuǰin-təniimorai,soŋɡoitaini-ɡoani
プジンは叫んだり、泣いたり、するのだ、
kəkə-dəəabaaəlči-dəəabaa,əŋtuitaidoani-âundiisi
女奴隷もいない、男奴隷もいない、そうしている時に、
kəkəŋɡuni-ləundiisi-ə,isindaɡoxaniirɡən,
女奴隷が到着した、村の、
xəǰiəduəǰiənitutuɡuxəniundiisiəsi-təniiundiisi,puǰinči,
下流の端の所から走って来た、プジンの所へ、
xəpojaačianiosixaniəsi-tənii,əsi-təniiundiisipuǰindulədolin,
ガバッとその上へ覆い被さった、今、プジンを半分、
kəkələdolin,paačičiini-ɡoaniə̂ŋkəkə-tənii
女奴隷を半分、と、叩くのだ、女奴隷は
soii-daasoii,morai-daamorainikəkə,əlčiŋɡuji-tənii-dəə.
罵りに罵る、叫びに叫ぶ、女奴隷は、相方の男奴隷を、だ。
ə̂ŋtəi-təniiundiisi-ə,əsi-təniiəlčiŋɡuənitəiixonxəǰiəduəǰiəni,
そいつは、その男奴隷はその村の下流の端の所から、
ǰiǰui-goaniundiisi,əlči,ǰiəduəǰiəniǰiǰuini-goani.
戻って来るのだ、男の奴隷は下流の端の所から戻って来るのだ。
kəkəsoliaduəǰiəniǰiǰuxəniixonsoliaduəǰiəni.
女奴隷は上流の端の所から戻って来た、村の上流の端の所から。
ə̂ŋəsi-təniiəsi-kəə,jəbənəxənəmdəəsəmdəəsňoandolatoikoini-ɡoani,
今やっと、ましになった、まれにまれにだけ、プジンに当たるぐらいになった、
əlči-dəəmasini,siotornitəi-tənii,soii-daasoiini-ɡoanitəi-təniikəkə-tənii
男奴隷も強い、力強い、そいつは、戦いに戦うのだ、その女奴隷は
təimərɡəmbə-təniiəniamisoiini-ɡoanixai-daaxəmxəsəǰiəni.
そのムルグンを母親と父親の悪口で以って罵るのだ、何でもありとあらゆる悪口で。
ə̂ŋtəi-təniimooŋɡoji-taniixəm,
その棒が全部、
duə-ɡdəlčixəriɡdəənəiǰiəniduktəmitookoxantəimərɡən.
端を残すばかりにバラバラに壊れるまで叩いて家に上って戻った、そのムルグンは。
əŋpuǰin-təniixaiwa-daasaarasini-ɡoaninaijadəluxən.
プジンは何もわからなくなったのだ、気を失ってしまった。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-əxairiini-ɡoani,
どうするのだ、
kəkəundiini-ɡoaniəlčiŋɡuji-kəə,ʼʼɡələməəčiruu,ʼʼundii,
女奴隷は言うのだ、自分の相棒の男奴隷に、「探し回れ、」と言う、
ʼʼixombasuŋɡurəə-dəə.oɡdakaambaxaosi-daabii-daaajaʼʼ-m-da.
「村に沿って(村中を)。小さな舟をどんなやつでもいいから、」と。
ʼʼəǰəmbipuǰinbuǰərəə,ʼʼundiini-ɡoani,ʼʼbuǰərəəʼʼ-m-də.
「我らが主人のプジンが死にそうよ、」と言うのだ、「死にそうなのよ、」と。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,
təi-təniiəlči-təniixəisolitutumiundiisiəmnučikuukəənoɡdakaambabaaxani.
その男奴隷は下流を上流を走って一艘の小さ~な小舟を見つけた。
əŋtuitaraaundiisičado-laundiisi
そうしてからそこで
təučiɡuiǰijiɡəsə,xaǰokaambani-lakəkə,əǰəmbixaǰomba,
積むやいなや、プジンの身の回りの物を、女奴隷は、主人の身の回りの物を、
tookoiǰijiɡəsətuxiləɡurəəəəwuɡuxəniundiisituitaraaundiisi-ə,
上るやいなや抱きかかえて持って下りて来た、そうしてから
ə̂ŋəǰəmbəri-ləundiisi,səkčiəɡuxəniəsi,təioɡdatokondoani
自分たちの主人を、下に敷物を敷いた、今、その舟の真ん中に、
tuitaraaundiisi-ə,təiaxorakaandosəkčiəɡuxəndujitəiəǰəmbə
そうしてからその寝具に、敷いたその上に、その主人を、
təinaijadəluxəmbəničadonəəkurəətui,ənui-ɡoani,
その気を失ってしまっているのをそこに横たえて、そうして、去るのだ、
əlči-təniiɡioliini-taniiəmmodantataɡoini
男奴隷の漕ぐことの急ぐことといったら、一たび引けば
əmmodančianǰərɡəǰiəniənəini-ɡoani.əmггггггггглиссер-məə-dəə.
たびまた水の上に落ちないうちに(引き)、行くのだ。まるで水上滑走艇のようだ。
ə̂ŋtuiənəmiənəmiundiisi-ə,ə̂ŋisiɡoxači.
そうして行って行って、彼らは着いた。
təi-ləəǰənči,ǰiǰuxənioɡdalani-mə,ɡioldolani-laundiisi
その主人の所へ、戻って来た時に、舟の、その櫂の所が
ə̂ŋsabdamîbiəundə,muəəčiə-dəə,əsiǰuliələčiisiɡoxači.
まだ濡れて滴っているという、水がまだ乾いていない、今その乾く前に到着した。
ə̂ŋtuitaraaundiisiəsi-təniiundiisi
そうしてから
əikəni-ləičəxəniundiisipaawalaji-laundiisi,
姉は見た、窓から、
əŋtutumiəuriiǰijiɡəsənəuji-ləundiisituxiləɡurəətooboɡoini-ɡoani.
走って下りるやいなや自分の妹を抱きかかえて上らせるのだ。
naija-daasaarasinəu,nəuni.
気も失ってしまっている、妹、妹は。
ə̂ŋəsi-təniiundiisi-ə,əsi-təniiaŋaakapiktə-məənəuji-təniiundiisi
赤ん坊の子供のように自分の妹を
okčičimidəruuxəni,əmxuluxaaloktani,
治療し始めた、一匹のリスの真皮と、
ňoŋɡiansoiraktapujuučixənixačinǰaka,
緑色の玉を煮た、さまざまな物を、
oktowapujuuči...kamorpujuuriiundiisitui-lə-dəə,
薬を煮て、丸ごと一緒くたに煮る、そのようにして、
ə̂ŋomiwaandiimododai,tamituiokčičiɡoxaniundiisi-ə,
飲ませたり、塗ったりして、そうして治療した、
ə̂ŋəsi-təniidaamičandodabadalâjalabičindojalodala,
以前の時よりもあふれ、勝るまで、元の地上にいた時を超えるくらい、
uləənəɡuxənitəipuǰin-tənii-dəə,naiokčičiɡoxan-tanii-daa.
良くなった、そのプジンは、人は治療したのだ。
ə̂ŋəsi-təniiundiisitui,xairii-ɡoani,tui,
そうしてどうするのだ、そうして
puǰinuləənəɡuxə̂n,ajanaɡoxantuibimîundiisi-ə,
プジンは再び良くなった、再び丈夫になった、そうしていて~
əŋtəi-ləəǰini-ləundiisi-ə,xotonǰaŋɡianxorîn,ǰəsiəǰaŋɡianǰakpôn
あの夫は街の長を20人、天の長を8人、
naaǰaŋɡiannadanolbimiǰičinioɡdaǰi,ɡilaǰi,asiji,ɡələndəɡu...uləələɡundəɡuji.
地の長を7人、引き連れて来た、舟で、船で、自分の妻を求めて、仲直りするために。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-ə,
naiduisitoorii-ɡoanipuǰinbaaroaniňoxoraačimaari,əsi-təniipuǰin,
人は山の方へ上るのだ、プジンの方へお辞儀をして、今、プジン、
əikəni-təniiundiisiə̂ŋtəi,xaiǰi,təisəlkiisamanpiktərəənǰisorixambitətuəji,
姉はあの、あのスルキーサマンの甥と戦った服を、
təisələmətətuəji-ləxəmtətuɡuxəni,təiotaǰiotalaɡoxani,tawaŋki-laəupsiŋkini.
あの鉄製の服を全て身に着けた、あの靴で履物とした、そこから下りて行った。
ə̂ŋnaaǰaŋɡiannadanǰapaxanilur
地の7人をつかんだ、ふっ飛ばす、
ǰəsiəǰaŋgianǰakpowaniǰapaxanilurtui,
天の8人をつかんだ、ふっ飛ばす、そうして
ui-dəədəmutəəsiči-ɡoanituruurəsičitui-dəə.
誰も敵わないのだ、止められはしないのだ、そのようである。
ə̂ŋtəi-tənii,mərɡən-təniitutumičočaɡoxani,təiɡilaji,
その、ムルグンは走って逃げた、その自分の船を、
ǰookčianičuulsirindagoxani.
自分の家へまっすぐ、戻って逃げ隠れた。
təi-təniiundiisimapa,mamatəiǰičinɡursəl-təniitəi,
その、おじいさんと、おばあさんと、そのやって来た人々がその、
xotonǰaŋɡianxorin,ɡilaxaidoani,ooriidoanituruuxəčixaolia-da.
街の20人が、船の手前で、乗り込む時に止めた、やっとなんとか、だ。
ə̂ŋəsi-təniinai-taniiəmxai-maaňoxoraačiiči-ɡoani,
人はまるで奴隷か何かのようにお辞儀をするのだ、
ʼʼajaŋəələxənxooni-daataasi-aʼʼ-m,ʼʼpərɡəɡuitaambi,ʼʼundiini-ɡoani,
「もういい、恐れいったどうにもしない、」と。「試してみることにするわ、」と言うのだ、
ʼʼxandamičoča...čočaɡoixaidočočaɡoxaniʼʼ-m,
「何のために逃げるのよ、どこに逃げたのよ、」と、
ʼʼǰiǰuruu-dəəǰiǰuruu,ʼʼmoraini-ɡoani,
「戻って来なさい、戻って来なさい、」と叫ぶのだ、
ʼʼmasiwasixaxawasiičəɡujəwə.pərɡəɡuitaambi-aʼʼ-m-da.
「おまえの強さをおまえのすごさを見てあげるわ。試してみることにするわ、」と。
ə̂ŋundiisitəimərɡən,patarimičočaɡoxanixainiəɡuɡiləi.
そのムルグンは震えて恐れて逃げたのだ、どうして出て来るはずがあろうか。
əsi-təniituinaambičaîni,naambičaininai,
そうして説得する、説得する、人は、
puǰin-təniixačiŋɡoǰisoimipakparimičiilaxanniəɡuwəəŋkičəmi,təimərɡəmbə.
プジンはあらゆる言葉で叱って怒ってダメだった、出て来させようとして、そのムルグンを。
naičočaɡoxanixainiəɡuɡiləi.
人は逃げたのだ、何でおめおめ出て来るはずもあろう。
əsi-təniituixooňaa-daapakparixan,ələdələpakpariraatookoi-ɡoani,
そうしてどんなにか怒った、十分に怒ってから上るのだ、
əŋtəinai,ǰaŋɡiansal-daaxə̂mňoxoraačiiɡurun-maňani-ɡoani,
その人々、長たちも全てお辞儀をする者たちばかりであるのだ。
ňoančiani-taniiəmutuxai-maa-da,puǰinči.
彼女の方へ、まるで奴隷か何かのように、だ、プジンの方へ。
təimapamamaǰianamaarixəmňoxoraačiiɡursəl-maňaosixači-ɡoani.
そのおじいさん、おばあさんさえも、お辞儀をする者たちばかりとなったのだ。
ʼʼajâəwəŋkikəsəxən,xooni-daataasi,ʼʼundiiči.
「もういい、これからはもうよ~くわかった、何も危害を加えたりしない、」と彼らは言う。
ə̂ŋundiisitəi,mərɡən-ɡuləǰookčijitookoočiani-matundiisi-ə,
その、ムルグンは自分の家へプジンが上ったところでやっと、
əŋəlkə̂tookokaundə,
静か~に上ったという、
ə̂ŋpuǰin-ɡulətəimərɡəniiriiǰiəni,iirii...isiiǰijiɡəsəiliičaxani.
プジンはそのムルグンが入るやいなや、着くやいなや立ち上がろうとした。
ə̂ŋundiisiəǰini-ləǰapaxaniəələduəni.
夫はつかんだ、その裾の所を。
ʼʼandâpuǰinundiisixoonitaisi,ʼʼundii,ʼʼnaiŋəələxən,ələə,ʼʼundii,
「プジンよ、どうする気だ、」と言う、「人は恐れている、もう十分だ、」と言う、
ʼʼəwəŋkixooni-daataasi,ʼʼundiini-ɡoaniəǰini.
「これからはどうもしないよ、」と言うのだ、夫は。
ə̂ŋundiisi-ə,əsi-təniinai-tanii,əmxai-maani-ɡoani,təiəɡǰiləəninai,
人々は、まるで奴隷か何かのようなのだ、そのかなり大勢の人は、
əmpuǰintalɡialani-maňaňoxoraačiiɡursəl-maňa
プジンの前にばかりひれ伏してお辞儀をする者たちばかりとなって、
təimərɡən-dəətadoňoxoraanindaɡoxan.undiini-ɡoani,
そのムルグンもそこにお辞儀をしに行った。言うのだ、
ʼʼəwəŋkikəsəkəjə̂əwəŋkixaali-daatoŋɡalaasimbi,ʼʼundiini-ɡoani.
「これからはもうよくわかった、今後はいつだって危害を加えたりしない、」と言うのだ、
ʼʼasiji,asijixooni-daabuuɡuusu-əʼʼ-m.ʼʼbuuɡuruu,ʼʼ
「自分の妻を、妻をどうか返して下さい、」と。「返してくれ、」と
undiini-ɡoani,ʼʼkəsəkəjəəwəŋkixaali-daaňoambanitoŋɡalaasimbi,asiji.ʼʼ
言うのだ、「よくわかった、今後はいかなる時も彼女に手を上げたりしない、自分の妻に。」
tuinaambičaini-ɡoani.
そう言って説得するのだ。
ə̂ŋtuiɡərəənituinaambičamaari-a,xaoliâpuǰimbəuləələɡuxəəl.
そうして人々がそうして説得して、やっとなんとか、プジンを納得させた。
əmdəəuləələɡuxənosiniuləən-ɡoani,əsixaisiarkiwaomii-ɡoani.
一たび仲直りしたなら良いのだ、再び酒を飲むのだ。
arkiomiînaitoriko,əsi-məəǰičiči.
酒を飲む、人は婚資を携えて、今度こそはやって来た。
xamačaapuǰinɡələxənǰakaxəmolbiŋkiči-taniitori-a.
ありとあらゆるプジンが要ると言った物は全て持ってきたというような婚資だ。
ə̂ŋxamačaasəurəanaaxamačaabaldananaanai,olbiŋkini.
いかなる絹でもない物はなく、いかなる羊の毛皮でもない物はない、人は持って来た。
əŋtəiasiji,duktəxəndulaji-maňa,poraini.
その、自分の妻を、叩いてしまったことの代償にとばかり、贅を尽くした。
ə̂ŋundiisi-əəsi-təniiundiisi-ə,təimərɡən,əǰinimərɡənəsi,
そのムルグンは、夫のムルグンは今、
asijipuǰimbəičəɡuini-təniiundiisi
自分の妻のプジンを見るに
ə̂ŋǰulujibičinduji-dəəuləənǰiosiɡoxani,такойкрасавецosiɡoxani-ɡoani.
以前にそうであったよりも良くなっていた、そんな別嬪になっていたのだ。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisi,əsi-tənii,
そうしてから今、
xadoltaxadoltaarkiwaomixân,ɡərəəniitui,tuibiiǰičinɡursəlxə̂mtui,
数日数日酒を飲んだ、人々はそうしているやって来た人々はそうして、
uləənǰi-maňaosioɡomaarixisaŋɡoxân,baitawaǰoǰaxan.
すっかり良く打ち解けた間柄となって話をした、しみじみと物事を語り合った。
əŋtuitaraaundiisiə~ŋnaiənui-goani.
そうしてから人々は去るのだ。
əŋəsi-məəundiisiənuxəčixamialani-matundiisi-ə,
今こそ彼らは去ったその後にこそ、
ə̂ŋnadaltabičin-usxadoltabičin-us.
七日あったか、何日経ったのか。
ə̂si-təniiundiisipuǰin-təniibarɡii-ɡoaniəsiɡiladolaundiisi-ə,
プジンは身支度をするのだ、今大きな船の所の、
əŋɡilakoojoldo...čiani-âdolindolaundiisi,təučii-ɡoanitəi,tuliəduənitəi,
船のマストの、根元から、真ん中ぐらいまで、荷を積むのだ、その、中庭に(用意して)
ňaaǰilɡoaniosixanɡuruntəi,səlkiisamanpiktərəəni-dəə,
従兄弟たちとなっていた、そこの人々たちは、あの、スルキーサマンの甥たちも、
xaixântəi,arčokaamba,puǰin-tənii,
どうした、あの、娘を、プジンを、
məənǰijinaiasilaɡowaaŋkičaxambani-taniitəiǰi,
自分たちと人は妻を娶らせようとしたのを、そのプジンと、
aŋɡaǰaarčokaambitəi,pojaŋɡočiasiɡoanibuurii-ɡoani,buuɡuini-ɡoani.
孤児の自分たちの所の娘をその、彼らの末っ子の嫁にあげるのだ、あげるのだ。
tuitaraatuiɡəsə̂balǰixačitəipuǰimbə-təniinaiəikəwəni-tənii
そうしてからそうして一緒に暮していた、そのプジンに対して、人の姉に対して、
təimərɡəusəl-təniixamačaawabaaxan-daabooloadaasi,naiaɡdaxan.
そのムルグンたちはいかなる物を得た物もケチることなく贈った、人々は喜んだ。
uləənosioɡoxan-daa.ə̂ŋəsi-təniiundiisitawaŋki-laɡiamatairaɡoi-ɡoani,
良くなった。そこから花嫁を運ぶのだ、
ə̂ŋtuiənəxə̂n,əsi-mətəǰini-təniiundiisi-ə,
そうして行った、今こそ夫は、
aisimaajaambaaňaalaɡôməŋɡumə[крышка]-koundiisi
金製の酒を注ぐ水差しを飾りたて、銀製の皿も持って来て、
ə̂ŋnai-laundiisi-ə,isiočiaundəasijiǰidiiwəni-ləundiisi-ə,
人は客を歓迎するという、自分の妻がやって来るのを、
ə̂ŋəsi-təniinai-jasiirɡən,
人々は、村中から、
tiasnaiəuxəə̂l,xaǰombanitooboiɡursəl-təniiundiisi.
ぎっしりと人は下りて来た、家財道具を手伝って持って上る人々が、
əsi-təniitəi,tuitooboidoači-taniiundiisi-ə,
その、そうして彼らが持って上る時に、
əŋtəitooboxanɡurun-dəəəlčinəədu-təniiundiisikəkəsəlduundiisi
その持って上った人々にも、男奴隷たちにも、女奴隷たちにも、
puǰin-ɡuləundiisi,xə̂mnaitaondoanibuuxənitətuəɡuəni,
プジンは全ての毎にあげた、彼らのための服であったり、
xaiɡoači-daaxəmbuuktuxəni.əmnai-daaəčiəbooloani-a-daa.
何であったり、何でも全てそれぞれにあげた。一人の人にだってあげ損なうことはなかった。
əŋtəi-təniiundiisiəmboa-kaačiaɡdanasii-ɡoaniundiisi,
彼らはまるで空のように大きく喜ぶのだ、
ʼʼə̂ŋəiǰuliələnibičinɡurun-təniibunduxaiwa-daaəčiəbuurə,ʼʼundii,
「この前にいた者たちは私たちに何もくれなかった、」と言う、
ʼʼňoambani,ňoambačilaoǰilooxaal-raɡdal,ʼʼundii,
「彼らに、彼らにはこき使われただけだった、」と言う、
ʼʼəiəǰənpuǰimbə̂,puǰin...əǰənpuǰimbəbaawasi-aʼʼ-mal
「この主人のプジンのすばらしい事よ、こんな主人のプジンはどこにもいないだろう、」と
aɡdanasimaariənuiči-ɡoanitəi,xaiɡoronai...
喜んで去るのだ、その、どんなにか強く人の(喜んだことか)、
naitaondoaninaibuuktuxənnaiaɡdanasii-ɡoanixaǰokaaŋɡojibaaxannai.
毎に人はあげた、人は喜ぶのだ、衣料品や家財をもらった人々は。
ə̂ŋundiisiəmirɡənnii,əlčiusəlbəkəkəsəlbəxəmtətuwəəŋkin,kəkəsəlbə-dəə.
一つの村の人間全部、男奴隷も女奴隷も着せた、女奴隷たちも、だ。
ə̂ŋundiisituitaraaundiisi,xadoltaxadolta-daaarkiwaomimaaribičîn
そうしてから数日数日酒を飲んでいた、
tuitaraaundiisiəsi-məəənui-ɡoanitəi,əŋčado-matsaaɡoxani.
そうしてから今こそ去るのだ、その、その時になってやっと気づいた、
təiboanǰi,manǰonǰi-taniixəmabaa.xəmpuŋnuɡuxəči.
あの天からの女や、満州の女はいなくなった。全て追い出してしまった。
təŋtəi,čəŋɡərəǰikəən-rəɡdəločoɡoxan
ただあの、チュングルジクーンだけとなっていた。
təi,ňoambani,tooboɡoxan,puǰin-rəɡdəarčokaan-raɡdaəktəkəən.
あの、我らがプジンを、上らせた、あのプジンだけ、あの娘だけが、女性で残っていた。
ə̂ŋəsi-təniituibii-ɡoanitəi,
そうしているのだあの、
puǰinkəkəŋɡuniəlčiŋɡunixaisiɡəsəǰiǰui-ɡoani,laoǰiɡoɡoani.
プジンの女奴隷と、男奴隷も再び一緒に戻って来たのだ、主人に仕えるために。
ə̂ŋundiisiəsi-təniiundiisi-əpuǰin-təniiundiisi
プジンは、
xəunǰibiimoowani-daaɡirandasi,xəunǰibiimoowa-daa,
横になっている薪さえも跨がない、横になっている棒も、
onilapčinəəkuəsi,onilapčibiimoowa-daaxəunǰinəərəsitui,
縦になっているのも置き直さない、縦になっている棒も横に置かない、そうして
salindo,uiləndu,tuibii-ɡoaniəsi,təiəǰin-tənii,puǰimbə-tənii
綺麗に着飾って、縫い仕事だけして、そうして暮すのだ、今、その夫はプジンを
xailaraani-ɡoani.bəəlɡəsii,tuŋɡəsiiǰərɡəǰiəniočoɡoxaniasiji.
どんなにか可愛がるのだ。膝に乗せたり、懐に抱いたり、せんばかりになった、自分の妻を。
ə̂ŋtuibalǰiiundiisiəsiəikəčiji-dəəsiksəsiaxambisiŋɡərəəǰi,
そうして暮す、姉の所へも夕方食べた物はネズミで、
čimiisiaxambičičoonǰi,inisiaxambiisələənǰiirasomibalǰixači,
食べた物はセキレイで、昼に食べた物はトカゲで送り届けて暮らすようになった、
ɡoro-abičəǰiǰabičə,ələə.
長いこと暮したことか、短いこと暮したことか、終り。