風間伸次郎(採録・訳注).2000.『ナーナイの民話と伝説5』(ツングース言語文化論集14,東京外国語大学)より

1. əikə nəû balǰixači

姉と妹が暮らしていた

1996年3月10日 ダエルガ村にて録音

N. B. Gejker氏口述


ə̂ŋ undiisi,əikənəûbalǰixačiəmǰoodoolani.
姉と妹が暮らしていた、ある家の中に。
tuibiîtuibalǰialəikəǰiəriǰuəǰiəri
そうしている、そうして暮らしている姉と二人で
xusəduəriosiɡopaarixusə̂əktəduəriosiɡopaari,
男になれば男、女になれば、
ǰaarilaǰaparɡoi,xosiktalaxoǰii,əriŋkulə
一番星に縫い物を手につかみ、星に終え、明けの明星に
əsəliɡuituitamaarituiuiləi.tuibalǰialundə.
布をしまい、そうして、そう縫い、そうして暮らしているという。
tuibalǰimîtuibimi-ə-ləundiisi-ə,əmmodanpuǰin
そう暮らしていてそうしていて、あるプジンは
undiini-ɡoaninəuǰimə”əɡəə̂,”undii,”buətuipulsimi
言うのだ、妹の方が、「姉さん、」と言う、「私たちはこうして歩き回っていては
ačaasi”-amda.”əuɡupi-tənii,ǰuənaiɡəsə
だめだわ、」と。「山から下りてくると、二人の人間がいっしょに
pulsimi-tənii,əuɡupi-təniipakčiolibaaroani
歩き回っていては、山から下りてくると、真っ暗なところへ下りてきて
mooŋɡoɡojitaimuəŋɡuɡujimuəlsiisiaɡojipujuučii
薪も用意したり、水を汲みに行ったり、食べ物を煮たり
taorimaŋɡâ,”undiini-ɡoani.”əmuniiindəɡui
するのは大変だ、」と言うのだ。「一人は家に残って休み、
əmuniitookoitamipulsimiaja”-mda.”ɡəə.”
一人は上ったりして、狩りして歩くのが良い、」と。「ええ、いいわ。
əsi-təniitawaŋki,əikəniindəɡuinəunitookoi,nəuni
さて今それからは、姉が休んで妹が山に上ったり、妹が
indəɡuiəikənitookoitamaarituisiaɡoari
休んで姉が上ったりしてそうして食べるための獣も
waaičaiči-ɡoani.tuibimîtuibalǰimiəm
狩りするのだ。そうしていて、そうして暮らしていてある
modan-taniiundiisi-əxaixani,əikəniindəɡuxə̂nnəuni
時、どうした、姉が居残った、妹が
tookoxani-ɡoani,duisi.əsi-təniiinipulsixə̂n,
上ったのだ、山のほうへ。さて今昼間歩き回った、
bujumbəwaaxân,pinalaɡoraasiksəəuɡuini-ɡoani.
獣を獲った、背負ってから、夕方下りて戻ってくるのだ。
əuɡumi-ləmoolsiimoočijiisiɡoiǰijiɡəsə
下りてきて薪を集める木の所へ着くとすぐに
doolǰiini-ɡoani,ǰooɡdoani-taniiləə̂iɡən
聞こえるのだ、家の所で楽しげに
ɡusərəənduiniəikəni.xooni-daadosoǰiini-daa,xusə
話をしている、姉が。どう聞いてみても、男の
naiǰilɡanibiini.čawa-taniimurčiini-ɡoani,
人のである。そのことについて考えるのだ、
”ňoančibiiduənixusənai-daaǰidii,buə
「姉がいる時には男の人だって来るというのに、私が
biidupuui-dəədəǰidəsi”-əmurčiini-ɡoanipuǰin.
いる時には誰も来ないんだわ、」と考えるのだ、プジンは。
tawaŋkituiəuɡuxə̂n,taktojiisiɡoxân,pinaji
それからそうして下りてきた、自分の蔵の所へ着いた、自分の背負子の
uliksəwənitaktopilaančijinaŋɡalaxân,tawaŋki-tanii
肉を蔵の入り口の板敷きの所へ投げた、そこから
lursusuəŋɡuini-ɡoanituliəčiji.tuliəčiji
まっすぐにスキーで滑って行くのだ中庭へ。中庭へ
isiɡoxânsoktajiɡuinəsiɡurəə,pəuləənči
着いた、自分のスキーの雪を振り落として、二段の魚干し用の棚へ
ɡidalaɡoxân.əikəniniəxəni,”əəpaŋɡôundiisi,
差した。姉が出てきた、「妹よ、
andaxaǰiči,”undii,”əlkə̂iiɡuruu”-mdə.ə̂ŋpuǰin
お客さんが来たわ、」と言う、「静かに入れ、」と。プジンは
undiini,”xainiilamonî,”undiini,”xusə
言う、「何が恥ずかしいの、」と言う、「男の
nai-daaəmutu,siaɡojiɡələmipulsii,əktənai-daa
人だって同じ、食べ物を求めて回り、女の人だって
əmutusiaɡojiɡələmipulsii,”undiini.əsi-tənii
同じ、食べ物を求めて歩き回っているんだわ、」と言う。
tuitaraaiiɡuxə̂nəikəni,nəujitui
そうしてから入った、姉は、妹にそう
umbuwəəndəə-dəə.əsi-təniipuǰin-təniiundiisixai,lur
言われて、だ。プジンはどうした、まっすぐ
iiɡui-ɡoani,iiɡuidu-lə”andâbaačiɡoapo,”
入るのだ、入る時に、「こんにちは、」と
uŋkini.”andâbaačiɡoapo,”undiiduənitəi-dəə
言った。「こんにちは、」と言う時にそいつも
”baačiɡoapo,”uŋkini.əsi-təniiundiisipuǰin-ɡulə
「こんにちは、」と言った。プジンは
undiisixəmxaǰombi-laačoɡominaŋɡaačii-ɡoani.
全部狩りの支度を脱いで投げるのだ。
otajî,xaisalbîduisitookpaačixambixaǰombi.
靴を、何を、山へ上るのにいつも使う服や道具を。
əikəni-təniixəmǰapaɡoraalooktaɡoxani.əsi-tənii
姉は全部つかんで掛けた。
ňaarňaartəəɡuxə̂nəsi-təniiundiisitəi-lə,əikəni
ゆったりと落ちついて座った、その、姉は
siaɡoanibuurii-ɡoanidərəkəəmbənəərəə-dəə.təi
食事を与えるのだ、小さな机にのせて、だ。その(客の)
mərɡən-dəətəəxənɡəsəǰuəǰiərisiariiltəəsimi.
ムルグンも座った、一緒に二人で食べる、座って。
undiini-ɡoani,”andâ,”undii,”xaimədə
言うのだ、「客よ、」と言う、「何の情報を持って
isindaxasi,”undiini-ɡoani,”bunči.buə-kəənaiâ
やって来たのか、」と言うのだ、「私たちの所へ。私たちは人間というものを
əčiə ičəə”-mdə.undiini,”xaimədəbirə̂,”
(久しく)見なかった、」と言う、「何の知らせなぞあろうか、」と
undiini,”əikəwəsiəkərəmǰikəəŋɡujiɡələndəxəmbi”-ə
言う、「あなたのお姉さんを家の仕事をしてくれる人として求めてやって来たのだ、」
undiini.puǰin-təniixəmə~bipimurči...
と言う。プジンは黙っていると、考えて、
undiini-ɡoani,”mii-təniiəɡəəənuučiənixooni
言うのだ、「私は姉さんが去ってしまったならどうやって
balǰiori,”undii,”əɡəəǰiǰiaǰiji,əɡəəǰi
暮らせようか、」と言う、「姉さんで友として、姉さんで
əkərəmǰiǰiji,balǰixambi,əmučəkəənosioɡoxanxooni
妻として、暮らしてきたんだわ、一人きりになったらどうやって
biuri,”undiini.”ǰuəmi-rəɡdəə-ləaja,”undiini.
いられようか、」と言う。「交換婚してのみ良い、」と言う。
”ǰuəmburiwəčixalaiosinî,baaǰaaso,abaa
「交換婚に賛成すれば、得ることだろう、だめ
osini,baarasiso,”undiini-ɡoani.təi
なら、得られないだろう(あなた方は)、」と言うのだ。その
mərɡən-təniiǰilijiposiknəəkuxəntuitaraabəktən
ムルグンは頭をガクリとうなだれた、そうしてからしばらく
birəəəuriɡuini-ɡoani,undiini-ɡoani,”andâ,”
してから首を持ち上げるのだ、言うのだ、「友よ、」と
undiini,”mindu-təniibiijə,”undii,”pondaǰoojiəmukuukəən.
言う、「私にはいる、」と言う、「妹が一人きりだけ。
pondooktopoliorasî,palaandolapaixaloi,saaksala
魚皮製の靴も暖かく作れないし、床掃除もなまけてしまうし、窓の霜落としも
sarɡai,”undiini.”čixalaiosiniǰuər...ǰuəčiǰəə-mə,”
すぐあきてやめてしまう(怠け者だ)、」と言う。「同意するなら、交換婚しよう、」と
undiini.”ɡəə,təi-dəəaja.”ə̂ŋǰuəmburiǰî
言う。「ああ、それでもいいわ。」交換婚することで(合意して)、
arkiwaomiraaapsiŋɡoxanǰiačimaňatəəxə̂n,
酒を飲んでから横になった、次の日に起きた、
əikəwəniɡaaǰoi,”andâ,”undiini-ɡoani,”əikəji
姉を連れて行く、「プジンよ、」と言うのだ、「あなたのお姉さんを
mimbiə-kəəɡaaǰoŋɡoitaisi-kaa-noo,mənə-kəəiraɡoi
私をして連れて行かせるようしようというのか、自分で運んで行こうと
taisi-kaa-noo,”undiini,təimərɡən.”ɡəəmənə
するのか、」と言う、そのムルグンは。「ああ、自分で
ɡaaǰoroo,”undii,”larɡî,”undiini,”ui
連れて行きなさいよ、」と言う、「面倒くさいわ、」と言う、「誰が
irasoi”-əmdə.ɡəəəsi-təniiəikəwəniɡaaǰomi
運ぶでしょうよ、」と。さあ姉を連れて
ənuxən,siapaari-a-daa.əsi-təniiundiisiənuxəni
去った、食べてしばらくしてから、だ。さあて今その去った
xamialani-taniipuǰin-təniipuǰindujiosioɡoiǰiji
後でプジンは元のプジンの姿になるや
ɡəsə-tənii,uiləini-ɡoani.ǰaarilaǰapaɡoraâ,
いなや、縫い物をするのだ。一番星に手にとって、
xosaktalaxoǰaɡoraâ,əriŋkuləəsəliɡurəətamitui
星に終え、明けの明星に布をしまっったりしてそのように
uiləəundə undiisi-ə,əŋxusənaixaǰombaniaŋɡoi
縫うという、男の人の衣装を作る、
naičiandaxačipulsiurixaǰomba.əsi-təniixə̂m
人の所へお客の所へ行って来る服を。ぜ~んぶ
aŋɡoxaniilɡalami-laundiisi-ə̂korbočiji-ɡoanî-daa,
作った、模様もつけて、帽子も、
ɡarmasooɡoji-daa,tətuəɡuji-dəə,otaɡoji-daa
帽子の下に被るスカーフも、服も、靴も、
ɡaroŋɡoji-daa,ojiiɡoji-daa,xə̂mandaxači
脛当ても、脛当ての上に履く物も、ぜ~んぶお客の所へ
pulsiuriwə-maňaaaŋɡoxani.ə̂ŋxoǰixânəsi-tənii
訪問するためのものばかりを作った。終った、
undiisimurčiini,əɡəəǰooŋɡoi,əɡəəənəmi
考える、姉を恋しがる、姉の所に行って、
ičəndəmiajaəikəjibiiwəni.əsi-təniitəitətuə
見に行ってこそ良い、自分の姉がいる所へ。その服を
təturəə̂ənəini-ɡoani.xaiči,boačiniəxəni,
着てから行くのだ。どこへ、外へ出た、
niəxə̂n,taktočijiənəxəni,təiɡiaŋɡa.təi-tənii
出た、蔵の所へ行った、その納屋へ。そこには
undiisi-ə,sikûnmuəduuksəǰimuňuxənxai,soktabiə
新しいカワウソの皮で皮を貼ったスキーがある
undə,čawa-laǰapaiǰijiɡəsətətumitawaŋki-la
という、そいつをつかむやいなや身につけてそこから
ənəpsiŋkini.mukčulltamimuəruŋkuləpəɡiəktuləni
行き始めた。かがんだりしてナナカマドの木の下をくぐったり、
kotoorioo-to,tamikoldondolindolanîənəəundətəi
背筋を伸ばしてそっくり返ったりして西洋杉の真ん中辺まで跳んで行くというその
ɡoasoŋɡočimipuǰin-ɡulə,tuiənəmîənəmi-əəm
ストックを突いてプジンは、そうして行って~行ってある
boalaəuɡuxəniundiitəi,ə̂ŋəikəji-lə
場所から下りたというその、姉の
irɡənduləni-dəə.ə̂ŋəǰənxaandolaisixâniixən.
村の所に。主たる長の所に着いた、家に入った、
ə̂ŋəikəčijiňoxoraaŋkinioǰoxaniundiisi-ə̂aosičiji
自分の姉に挨拶した、キスした、義兄に
ňoxoraaŋkinioǰoxani,əsi-təniiəikəni-təniiňoambani
挨拶した、キスした、姉は彼女を
ičəiǰijiɡəsəənənə̂xəmtaini-ɡoanimiŋɡučii-dəə
見るやいなやううっ、言うのだ、うめきに
miŋɡučii,ə̂ŋəsi-təniiləəiɡənɡusərəəndui-ɡoanipuǰin.
うめく。生き生きと楽しく語るのだ、プジンは。
əsituitaraa-taniiundiini-ɡoani,boači
そうしてから言うのだ、外へ
čiəčindəiduəniɡəsəniəriini-ɡoaniəikəni
小便しに行く時に一緒に家の外へ出るのだ、姉は
xamiaktolani.”əəpaŋɡoâ,undiisi,əktələî asilai
彼女の後ろからついて行って。「妹よ、あなたは女であるというのに
undiisi,xaitaɡoiasiɡojiɡələisi,”undiini.
何のために妻を求めるのか、」と言う。
”ə̂ŋxoonibalǰiɡoibaitaɡojibaaori-aorki”-a
「どう暮らしたって罰があたるよ、良くないよ、」と
undiini.”xəmə biruu,”undiini-ɡoaniəikəčiji
言う。「黙っていなさいよ、」と言うのだ、自分の姉に向かって、
”sii,naiasaawaandači-a”-mda.ə̂ŋtuitaraa-laundiisi
「あんたは人に知られるな(私のことを)、」と。そうしてから
puǰin-ɡuləxaixani,təiəikəjituixamasitaɡoxan
プジンはどうした、その姉をそうして後ろへ家の中へ戻らせた、
əikəni-ləxəməmiŋɡučimiiiɡuxən.ə̂ŋ undiisi
姉は黙ってうめきながら入った。
əsi-təniiundiisituitaraaiiɡuxənundiisiiiɡurəə
そうしてから入った、入ってから
xairiini-ɡoani.əŋarkiwaomixânpuǰin
どうするのだ、酒を飲んだ、プジンは
soktoi-ɡoanixaaliarkiwaomipi.əsi-tənii
酔っ払うのだ、いつ酒などこれまで飲んだことがあったろうか。
apsiŋɡoiniundiini-ɡoani,”aapaŋɡôundiisi,əǰiji
横になる、言うのだ、「妹よ(義兄がプジンの嫁になる怠け者の妹に言う)、自分の夫を
uləəŋɡuǰiapsimbowaandoo,”undii,”xanalowaandači”-mda.
良く寝かせろ、」と言う、「頭がフラフラしないように、」と。
ə̂ŋpuǰin-ɡuləsoktoxanixaiwa-daasaarasini-ɡoani.
プジンは酔っぱらってしまった、何もわけがわからないのだ。
aorii,apsiŋkini.əsi-təniitəipuǰin-təniiačoktaa
眠る、横になった。そのプジンは服を脱がせた
undə,”aɡaâundiisi-ə,xusənaîɡaroni-kaačiəmbuə
という、「兄さん、男の人のズボンみたいだけどまるで私たち
əktənaiɡaroni-mat biijə,”undiini.aaŋni
女の人のズボンのようだわ、」と言う。その兄は
undiini,”akanisaltuitəčičəi-jə,”undiini.”ɡuči
言う、「上流のナーナイ人たちはそのように服を着るんだよ、」と言う。「さらに
ǰilbakobiəsi-kəə,”undii,”nilakoloandii-daa
ブラジャーまで着けてるじゃないの、」と言う、「裸にさせたら
ǰaaroaniəktənai-məə-dəə.””akanisaltuitəčičəini,”
たぶん女の人みたいよ。」「上流のナーナイ人たちはそんな風に着るのさ、」と
undii,”təixəmdəjidasičiiniuriptuni,”undiini,
言う、「それはお腹を覆うための前掛けだよ、」と言う、
aaŋni.ə̂ŋ undiisituitaraaapsiŋɡoxân,
兄は。そうしてから横になった、
əikəni-təniixəmə̂təəsiini-ɡoani,ilamosiminəuji
姉は黙って座っているのだ、恥じて、自分の妹が
tuiərdələičiəni.ə̂ŋtuitaraa-laundiisi
このように奇妙な行ないをするのを。そうしてから
apsiŋɡoxân.damxiwaomiidoanitəipuǰin
横になった。タバコを吸う時にあのプジンを
xəərsiɡuini-ɡoani,təniibəjəɡujibaariipuǰin,
呼ぶのだ、たった今体ができあがったようなプジン、
arčokaan.”əəkpaŋɡoâundiisi,əǰijiǰakpadoani
娘を。「妹よ、自分の夫のそばに
apsindoo,”undii,”əǰijiɡəsəaoraa”-mda.ə̂ŋ
寝に行け、」と言う、「自分の夫と一緒に眠れ、」と。
”xaali-daa bičin-dəəəǰi asiosiǰaači-ma,”undiini.
「いつなったっていいんだ、夫婦のように、どうせそのうちになるんだから」と言う。
ə̂ŋtəi-ləəukəmbixəsənidaxalami-la,puǰin
その自分の義姉の言うことをきいて、プジンは
ǰakpadoaniapsiŋkini,paaǰikaan-daa.ə̂ŋčimii
彼のそばに横になった、別々に、だ。
təəxə̂nbaarǰiɡoi-ɡoanipuǰin.ə̂ŋəsi,ənui-ɡoani
起きた、身支度をするのだ、プジンは。今、去るのだ、
əikəni-ləniəɡuidu-ləmiŋɡučimituiənuxənxaisi
姉は外に出る時にうめきながらそうして出て行った、再び
čiəčindəiǰiɡəsəniəriini-ɡoani,”xaitami
小便をしに行くやいなや外に出るのだ、「どうして
asiɡojiɡələisi”-əmdə.əŋpuǰin-ɡuləundiisi ə̂ŋ
自分の妻を求めるのか、」と。プジンは
tawaŋki-laǰiǰuini-ɡoanikotooriootami,ənəmi
それから家に戻るのだ、背筋を伸ばしてそっくり返ったりして、行って
koldondolindolanimukčulltamimuəruŋkuləpəɡiəktuləni
西洋杉の真ん中まで跳んで、屈んだりしてナナカマドの木の下をくぐったりして
tuiənəəundə.əŋǰooisiɡoxani-axaǰombixəm
そうして行くという。家に着いた、身につけていた物を全部
ačoktaɡoxaniəsi-təniiundiisi-ə̂ xaido,ɡolǰondoji
脱いだ、今、かまどの所に
təəɡuxənidamxiwaomimixərə̂puǰin-ɡuləəsi-tənii,
座った、タバコを吸いながらああ~プジンは
dooani-taniisôŋɡomiosixani.əsi-tənii
心中泣けてきた。
kučəənǰi-ləomia-latiapkučəələi,kaoriɡoitami
ナイフで、かまどの周りの場所をすっかりナイフを刺したり、ほじくり返したりして
soŋɡoaundə.”ərdəŋɡə̂xai-daaxaiilamoɡbanibaara
泣くという。「不思議だわ、何とも、何て恥ずかしい目に遭ったことかしら、
undiisi-ə,əktələîasilai xoonimurčimi,asiɡoji
女であるというのに、何をどう考えて、自分の妻を
ɡəluəndiini-ə”-mdə.”əi-dəəmurumbixaiosixani,”
求めようなどとしてしまったのか、」と。「この今の気持ちならなぜあんなことするだろう、」
undiini.tuisoŋgoini-goani,”mii-ləəidu
と言う。そうして泣いているのだ、「私はこんな所に
biəsimbi,”undii,”xaosi-daaxaosi-daaǰilijiǰəs
おるまい、」と言う、「どこへでもどこへでも頭が向いた方向へまっすぐ
ənəičiəniənərəəbujkin-dəəaja”-m.ə̂ŋtui-ləsoŋɡoa
行く方へ行ってから死んでしまったとしてもよい、」と。そんなふうに泣く
undə,ǰiačimaňa,tuisoŋɡoraaundiisiapsiŋɡoxani
という、次の日、そんなふうに泣いてから横になったのだが
undiisiəmi-dəə siaramičimiitəəxəniundiisi
食事もせずに起きた、
puǰin-ɡuləundiisi, əŋkairaandiikairaandiitətuji,
プジンは、もったいないもったいない自分の服だけ、
uləənuləən,xaisi,xaǰonsalbi-laəmboado
良い良い物だけを、再び、自分の衣服を一々所に
nəəkuxəni,nəəkuxəni-ə̂čaalatətuxəniundiisi-ə,əi
集めた、置いた、そこで着た、この
xuəksəjičikiasiǰianitətuələɡuxəni,kairandii
袖が隙間がなくなるぐらい身につけた、惜しい
tətuəsəlundiisisiandojikorokto-daa,xoipoŋɡoxani
服を、耳には、耳たぶも、耳飾りをした、
uləənxoiponǰi.ə̂ŋxoňakaan-daaəi,əiǰiǰərɡiǰiəni
良い耳飾で。指輪もこの、指輪でズラリと
ǰər...əiləjisiakǰərɡiǰiə-ixoňakaalaxani.ə̂ŋ
根元からこの先の所までズラリと指輪をした。
əsi-təniiundiisi,pərinantaǰiotalaɡoxani.omolaɡoi
オオジカの上質の白い皮で靴を履いた。帯もしたり
taxani,aapolaɡoi.tuitaraa-ləuikələji
した、帽子も被る。そうしてから戸から
niəxəniundiisi-ə̂mookaanǰituǰuxəniuikəji-lə
出た、棒でつっかえ棒をした、自分の家の戸を。
tawaŋki-la,əŋsiinkiračiəuxəni.”əixaosi
そこから、氷の穴の縁の所へ下りた。「さてこれはどっちへ
ənuuri,ii.”ə̂ŋtuitaraa-lamaŋbomiisoli
行くべきか、そうねえ。そうしてから大河を上流へ
pulsixənəsixəiənəpsiŋkini.ə̂ŋxəǰiəxooŋkoŋɡoji,
歩き回り、さて今下流の方へ行き始めた。下流の側の崖の所を
siiriiǰijiɡəsəundiisidooni-taniiǰuləsiənəmi-dəə
過ぎるやいなや、その心中が、前へ行くのも
ačaasi,baisidaomi-daaačaasi,xamasimočoɡomi-daa
ダメ、向こう岸に渡ろうとしてもダメ、後ろに戻ろうにも
ačaasiosixani.murun-təniibadolikasduisi
できなくなった。気持ちはすぐ横の岸から真っ直ぐに山の方へ
toomiajani.əsi-təniipuǰin-təniiundiisitəi
上ればいい、という気になった。プジンはその
badolani-la,duisitoorii-ɡoaničala.soktaǰi
傍らの所から、山の方へ上るのだ、そこから。スキーで
pulsiuriosiniǰaani-ɡoani.simatawatoorii.əsi-tənii
行くのなら、近いのだ。雪を上る。
puǰin-təniituiukpəəčimituiaaiɡoraamikuɡurəə
プジンはそうして深い雪に埋まりながら、そうしてラッセルしながら這ったり
tamituiǰirɡəǰiənitooriini-ɡoani.ňaronbimi-ô
してそうしてやっと上るのだ。沼なんだかがあって、
xaisiobimi-otuiənəini-ɡoanimurundulə-itui
何だか、茂みだかがあって、そうして行くのだ、気持ちがそのようにしたく
osixani-ɡoaničalaənəəsiačaasi.tuiənəmi-ə̂
なってしまったのだ、そこから行かねばダメなのだ。そうして行って、
ənəmiǰuliələnixurəənbiəundə.təixurəən
行って前に山があるという。その山の
modančianîisixani.isixani-laəmkəkə-ləilisia
端の所に着いた。着くと一人の女奴隷が立っている
undətəixurəən,xaičikəduəni.əiniixə̂m
という、その山の、ふもとの所に。この者はすっかり
saaksa-maňaaosixansimataǰi.ə̂ŋxaaliniəxənǰi
霜だらけになってしまっていた、雪で。いつ家を出てきてからずっと
ilisiini-abiiǰi,xaaliǰičinǰiilisiini-os.
立っていたのか、いつやって来てから立っているのか。
əsi-ləpuǰimbəičəiǰijiɡəsə”ɡəə̂əǰənpuǰin
プジンを見るやいなや、「ああ、主たるプジンさま、
mii-təniisimbiə-təniiəəruučəî”-əundii,”əiniəǰək-dəə.
私はあなたを出迎えにお待ち申し上げていました、」と言う、「今日一日中です。
ə̂ŋəǰənmərɡənuŋkinî,”undii,”əiniəmii
主たるムルグンさまが言いました、」と言う、「今日私の
əikəjiǰidii-jə”-mdə,”ətuundəruu”-mdə.”ə̂ŋčimiiňoani
姉が来る、」と、「出迎えに行け、」と。「朝ムルグンさまは
ənuiduisitookoidojimimbiəpuŋnəxəni,”undii,
出かける、山の方へ狩りに上る時に私を追い出しました、」と言う、
”niəruuətuuruu”-mdə.əsi-təniikəkə-ləpuǰimbə-lə
「出ろ、見張りに行け、」と。女奴隷はプジンを、
simatani-laɡuiktəi-ɡoaninaimikuičaawoitami
その雪を払い落とすのだ、人は這ったり、苦労して進んだりして
ənəxənisimatakoni-ɡoani.əsi-təniiundiisitui
やって来た、雪がいっぱいくっついているのだ。そうして
ɡuiktəxəntəi-ləundiisixurəəndulə-lə,ǰapaiǰijiɡəsə
払い落とした、その山の一部分を、ひっつかむやいなや
kunduurnixəlikəundə,xurəənčiiixəni.xurəən
ガラリと開けたという、山の中へ入った。山の
doolaniəmirɡənbiiundə.ə̂ŋtəikəkə-lə
中に一つの村があるという。その女奴隷は
undiisi-ə,əǰənxaandolaniiiɡuini-ɡoani,”əɡəə,
主たる長の家に入るのだ、「姉さん、
əusiǰiduuəusiǰiduuiiruu,”undiini.ə̂ŋ
こっちへ来い、こっちへ来い、入れ、」と言う。
uikəwəni-lə,nixəlixəniiixənikəkəxamialani.
戸を開けた、入った、女奴隷の後ろから。
čado-laəmpuǰinbiəundəundiisi-ə, ə̂ŋičəiǰiji
そこには一人のプジンがいるという、見るや
ɡəsəpuǰimbə-ləčaŋsopilixani.əsi-tənii
いなや、プジンを、パッと立った。
ɡuičiini-ɡoani,saaksa anaasaaksaosiowaandaa,
雪を払い落とすのだ、霜のないよう、霜ができてしまって、
saaksakonisaaksaanaaosiraa taiǰiani,”əɡəə̂,
霜つきであったのを、霜がなくなるように、「姉さん、
undiisi-ə,nəusi-təniiəiniəəičimaniatəikəkə
あなたの弟は今日、この今朝に、その女奴隷を
puŋnəxənimiiəikəjiǰidii-jə”-mdə,”əiniə.”nəə,
追いたてたんです、『私の姉がやって来る、』と、」と言って、「今日、すぐに
ətuwəəndiini,”undii,”simbiə.əɡəəisixasi-noo
見張りに行かせた、」と言う、「あなたを。姉さん着いたんですか、
əɡəəǰičisi-nuu”-mjaoxiini-ɡoanitəipuǰin-tənii
姉さん来たんですか、」と客を暖かく迎えるのだ、そのプジンは
undii...əsi-təniiundiisi,tuijaoxii...
言う、そうして客を暖かく迎える、
siaɡoani-taniixamačaawa-lapujuučixəni abaa.
食べ物をどんなものでも煮なかったものがあろうか(あらゆる料理を作った)、
tuičiini-ɡoanipuǰin-təniipoambani,baapi
御馳走するのだ、プジンはある部分だけ、見つければ(食べ)、
xoňalaoribaapixoňalaxanîsarbilaoribaapi
さじで取るべき所を見つければさじで食べた、箸で食べる部分を見つければ
sarbilaxanîə̂ŋ siaori-a-daamurčiəsini-ɡoaniilamosiini,
箸で食べた、食べることさえも思いもよらないのだ、恥じている、
asiɡojiɡələxəmbi.əsi-təniiundiisi-ə̂siksə̂lə
自分の妻を求めて行ったことを。さて今夕方になって
ňəpurrrsusuəŋɡukəundə,ə̂ŋasini-laundiisi-ə,
シュルシュルとスキーで来たという、その妻は
təikərkičədubiipuǰin-ɡuləiliraaniəxəni.əŋ
そのかまどの横の場所にいるプジンは立ちあがって外に出た。
puǰin-ɡulədoolǰiini-ɡoani.”ə̂ŋandâmərɡən,undiisi
プジンは耳をすませて聞いているのだ。「ムルグンよ、
əiniəəikəsi,siuntokonsiiučiəniisixan,”
今日あなたのお姉さんが、お昼の正午過ぎに着きましたよ、」と
undiini.ə̂ŋ undiisiəsi-təniiundiisi-ə, əŋtəiudə
言う。その
taosoataipuǰiniiɡuxənundiisiiiɡuibəktəkəən bimi
プジンが戻って入って来た、入るとちょっとしてから
iiɡuxəni.ə̂ŋxailoouləəmbəmərɡəmbəbičini,
入って来た。なんとも良いムルグンだった、
puǰin-ɡuləičəini-ləundiisi,”əɡəə̂isikasi-noo,əɡəə
プジンを見ると、「姉さん、着きましたか、姉さん
ǰičisi-nuu”-maɡdaxanibaačixani-ɡoani.təi-tənii
来ましたか、」と喜んだ、出会ったのだ。彼は
undiisi-ə̂”suə-dəmə,”undii,”əikəjiwəsiawaaŋkasi-noo,”
「おまえたちは、」と言う、「姉さんをちゃんと食べさせたのか、」と
undiini,”xomičiowamaari-ɡdalbiwəəndiisu,”
言う、「お腹をすかさせて、いさせたのか、」と
undii,”isixanǰiani-a-daa.”ə̂ŋpuǰin-tənii”siakaja,”
言う、「到着なさってから。」プジンは「食べたわよ、」と
undiini-ɡoani,baačiidoji-tanii,”əɡəə
言うのだ、出会った時に、「姉さん
baačiɡoapo,”undiiduənibaačiɡoidoji-tanii
こんにちは、」と言う時に、自身が出会った時に、
undiini-ɡoani,murčiini-ɡoanipuǰin,”xai,
言うのだ、考えるのだ、プジンは、「はて、
balǰixanǰinəu-dəə anaaxusəǰi.xailaari-ɡdala
生まれてこの方弟などもいない男でなぞ。何を根拠に
əikələiči”-mmurčixəni.ə̂ŋ undiisi,”siakaja,”
姉さん呼ばわりするんだろうか、」と考えたのだ。「食べたわよ、」と
undiini-ɡoanipuǰin.ə̂ŋəsi-təniiundiisiəsi
言うのだ、プジンは。さて
siaɡoji-daabarɡii-ɡoaniələəsiksəɡuxən.əsi-tənii
自分の食べ物も準備するのだ、もう日も暮れた。
mərɡənsiarii-ɡoani,”əɡəəsiaɡoari,”undii,”əɡəə.”
ムルグンが食べるのだ、「姉さん、食べましょう、」と言う、「姉さん。
əikəǰijisiarii-ɡoaniɡəsədərədutəəwəəŋkin,əikəji
姉と一緒に食べるのだ、一緒に机に座らせた、自分の姉を
nəə-dəə.ə̂ŋ undiisi-ə,əsi-təniisiaxânsiksə
すぐそばに、だ。食べた、夕方
apsiŋɡoɡoi-taniiundiini-ɡoani,”andâpuǰinəsi
横になろうとするに言うのだ、「プジンよ、
malodosəkčiəndəruu,”undii,”miiəɡəǰooŋɡoxandoji
真ん中の席に布団を敷きに行け、」と言う、「私は姉さんがなつかしいんだから
əɡəǰiɡəsəaoɡoitaambi”-m”əsi dolbo.”ə̂ŋ undiisi
姉さんと一緒に眠ることにするよ、」と、「今晩は。」
asini-laundiisiəǰijixəsənidaxorsimimalado
彼の妻は夫の言うことにしたがって真ん中の席に
səkčiəndəxəni.səkčiəxəni.ə̂ŋ undiisiəsi-tənii
布団を敷きに行った。布団を敷いた。
undiisi-ə,mərɡən-ɡulədamxiwaomipiapsindiidoji-tanii,
ムルグンはタバコを吸うと横になる時に、
”əɡəə̂əǰi ilaaǰiraapsindaɡomiibaaroja,”
「姉さん、恥ずかしがるな、来て横になりましょう、私の方へ、」と
undiini,əikəčiji.ə̂ŋ undiisiəsi-təniipuǰin-tənii
言う、自分の姉へ。プジンは
ilamosiini-ɡoanixailaari-ɡdaləikələiči-əmurčii.ə̂ŋ
恥ずかしいのだ、どうして姉さん呼ばわりするのだろう、と考える。
nəuɡujiəčiə saara,balǰixanǰijiəčiə ičəə,
弟は知ったためしがない、生まれてから見たこともない、
nəuɡuji,xusə.əsi-təniiundiisi-ə̂tuitaraa
自分の下の兄弟を、男の。そうしてから
undiisi-ə,ilamosii-daaapsindaɡoi-ɡoani,ǰakpačiani.
恥ずかしいけれども横になりに行くのだ、そのそばに。
əsi-təniîtəimərɡən-təniinaamansixani-ɡoani,”əɡəə̂
そのムルグンは抱きしめたのだ、「姉さん、
əɡəəundiisimii-təniisimbiə-təniiəŋǰooŋɡoxambi,”
姉さん私はあなたのことが恋しかった、」と
undiini,”əɡəənai,mədəsiiduəni-tənii,sii
言う、「姉さん、人が(あなたのお姉さんを)嫁にもらえるか訊いている時に、あなたの
murumbəsi-təniinəəpoipoxambi,”undiini,”iiɡuisi
心をすかさずひっくり返した、」と言う、「家に入ると
aldandoani-tol-daa.ǰuəmburiǰi.”ə̂ŋ undiisi-ə,tui
その瞬間に、だ。交換婚するように。」そう
tapi-taniiundiisi,”simbiətuimurumbəsi
してから、「あなたをそのような心に
osiowaaŋkimbinəəandaxapulsiurixaǰoŋɡoji
ならせた、すかさず客の所へ訪ねて行く衣装を
aŋɡowaami.ə̂ŋtuitaraa-taniiəɡəəbaaroani
作らせて。そうしてからお姉さんの方へ
nəəǰiimasiowaandii-mǰiimasiowaandiitaxambi,”
すかさずお客に行かせる、お客に行かせるようにしたんです、」と
undiini.”əikəčiji.”ə̂ŋ”əɡəə,undiisiəsi,
言う。「お姉さんの所へ。」「姉さん、
čimanaəuɡuǰəəči-mə,”undii,”əiləposbaiǰiǰa,”
明日あなたは下りて行くでしょう、」と言う、「ここからはまっすぐほんの近くです、」
undi-goani,'ǰookčiəuguurii.əŋmii-tənii
言うのだ、「家へ。下りるのです。私は
čimanaindəpiǰiǰuəmbi,”undiini.ə̂ŋ undiisi
明日一日おいてから戻って来ます、」と言う。
əsi-təniiundiisi-ə,əsituiɡusərərəə,”ənəjə̂undiisi
今、そう話してから、「ああ、
əi-məəbiimurunǰi,əi-məəbiidooǰi,”undii,
このような気持ちでなら、このような心でなら、」と言う、
əikəni,”xaiasiɡojiɡələuribiǰərəə,”undiini,
姉は、「どうして自分の妻なぞ求めるだろうか、」と言う、
”əktələi-dəə.ə̂ŋxoonimurumbiosixambani-daa
「女であるのに、」だ。どうしてあんな気持ちになったんだかも
saarasimbi,”undiini.ə̂ŋ undiisiəsi-təniixaixân,
わからないわ、」と言う。どうした、
tuiɡusərəənduxəntuitaraaundiisi-ə,puǰin-təniixai
そのように話し合った、そうしてから、プジンはどうして
uləənaoriija.tuitaraačimiitəəxə̂nsiaxân
良く眠れようか。そうしてから起きた、食べた、
xaixân,ňoani...nəunitookoi-ɡoanipuǰin-tənii
どうした、弟は狩りに山へ上るのだ、プジンは
niəɡuxəntəisaŋɡarŋɡolaniəɡuxənnəuni
出た、あの山の穴から出た、弟は
susuučiɡuxən.asini-daasusuučiɡui,ɡəə,
見送った、その妻も見送った、さあ、
”pədəmənuxəəri-ə”məəri.”əiləposbaiǰiǰa,”
「さようなら」を言って。「ここからはまっすぐほんの近くです、」と
undiini-ɡoaninəuni.ə̂ŋ undiisipuǰin-ɡulənəuji
言うのだ、弟は。プジンは自分の弟が
uŋkinduləəuɡuxənitəǰəni-ɡoanitəətikənbičini.
言った通りに下りた、本当なのだ、ほんのすぐそばだった。
xaiboalanixoolimiənəxəni-ustui-məə-dəə,
いったい何の場所を遠回りして行ったのかあんな風に、
maŋɡaladalaonoimikuitamiǰərɡəǰiəni.ə̂ŋ
ひどく苦労してラッセルしたり這ったりしてあやうく倒れんばかりで。
undiisi-ə,əsi-təniipuǰin-təniitotaraaxairiini-ɡoani.
プジンはそれからどうするのだ。
ǰiǰuxə̂ničəini-ləǰoonidoo-taniinaioma
戻って来た、見るに家の中は人がかまどの周りの場所を
kučəəčixən-təniixao-daabiwəəndəəotoliwasin-ɡoanitui
ナイフを刺していたのは、どのようにされていたんだか理解できないのだ、そのように
tiapkučəələrəətuikaoriɡoraatamisoŋɡoxani.
深く突き刺してそうしてほじくりかえしたりして泣いていた。
əsi-təniiundiisipuǰin-təniixə̂mmoliimoliixəm
プジンはぜ~んぶ平らに平らに全部
čilpačiɡoxânəsi-təniiundiisixəmnaŋɡaačixanxəmǰoo
塗り込めた、全部ゴミを投げ捨てた、全部家の
doonioosiɡoxanəsi-təniiundiisixairiini-ɡoani.tui
中を片付けた、どうするのだ。そう
taraa-taniinəujiǰipuɡuəni,čəkčəksiaɡoaričək
してから弟が来るための用意を、きちんきちんと食事をきちんと
barɡixanələəsiksəɡui-ɡoanituiǰoboidoani.
準備した、もう日が暮れるのだ、そのように仕事をしているうちに。
tuə-kučixaiɡoidamiinibiini.ə̂ŋ undiisi
冬だものどうして長いこと昼間であろうか。
aoŋɡaxanǰia čimani-laundiisi-ə,siksə̂-lənəuni
寝た、次の日夕方になってから弟が
ňupurrrəuxəni.ə̂ŋ undiisiəmpinauliksəwəni
シュルシュルとスキーで下りて来た。背負い分の肉を
əuwuɡumi.ə̂ŋəsi-təniipuǰin-ɡuləiixə̂nundiisi-ə
持って下りて来た。プジンは、(弟が家に)入った、
nəunisiaɡoibuurii-ɡoani.əsi-təniisiami-tanii
弟の食べ物を与えるのだ。食べていて
inəktəəundə.”ui-kəəčilpačiɡoxan-kaa-noo,”undii,
笑うという。「誰が塗り込めたんでしょうかねえ、」と言う、
”təiomaji saâr kučəəčixəmbi,”undiini.”xooni
「この自分のかまどの周りの場所をそこらじゅう突き刺したのよ、」と言う。「何を
taiwanikučəəčixəsi,”undiini.”ii,”undiini-ɡoani
したことに対して恥じて突き刺したのか、」と言う。「そうね、」と言うのだ、
əikəni.”əi-məə biimurunǰijiɡučixaiasiɡoji
姉は。「このような気持ちであれば二度とどうして自分の妻など
ɡələǰəəmbi,”undii,”əktələi-dəə.”ə̂ŋəsi-tənii
求めるでしょうか、」と言う、「女であるというのに。」
undiisi-ə,nəuəikədujiaoŋɡaxânsiksəǰičin.ǰia
弟は姉の所に泊まった、夕方来た(のだから)。次の
čimania-taniixaisitoorii-ɡoani...undii,əsi-tənii
日に再び狩りに山へ上るのだ、言う、
əikəjixaǰombani-laxə̂mtətuɡuxəni.andaxači
姉の服と道具を全部身につけた。お客の所へ
pulsiini-ətətuə,tətuəwənixəmtətuɡuxən.əŋtui
行ってくる服、彼女の服を全部身につけた。そう
taraaundiisi ə̂ŋpuǰin-təniiundiisi-ə,taktoči-laəm
してからプジンは蔵へ一枚の
mataxa,simsəwəniŋaasoxani.tuitaraâčači-la
魚皮の切れ端と、油を取りに行った。そうしてからそこへ
paňaači-laundənəuǰituidariindariinǰuədərəl
油を鏡とした物へ弟とそうしてそれぞれの二つの顔を(見た)
osiraa-daa.Təi-təniixoonibalǰimaaribalǰixači-noo
並べてから、だ。それはどう生まれて生まれたんだか、
əmutubičindurunčibalǰixanduruni.tətuɡuxən-tənii
同じだった、彼らの外見は、生まれついたその外見は。服を着た姿は
əmutuəikəji-maabiini-ɡoaničaaɡǰanči-daaəmutû,
まるで自分の姉のようであるのだ、彼らの色白であることも同じ、
balǰixači-daaəmutunəuniəikəni-dəəbalǰixan.ə̂ŋ
生まれついた姿も同じ、弟と姉として生まれた。
əsi-tənii”əɡəəsimbiəičəmiiixənəluǰəə-mə,”
「姉さん、あなたを見てイヒヒと笑うことでしょうよ、」と
undiini.”miisaarii-ɡoani,”undiiinəktəini
言う。「私は分かってるんですよ、」と言う、笑う、
nəuni.tuitaraa-taniiundiisi-ə̂xaixan,ənəi-ɡoani
弟は。そうしてからどうした、行くのだ、
əikəjipoktolaədədədəəikəniənəxəni-ləmasiini-la,
自分の姉の足跡に沿ってあらら姉の行ったことのなんと力強いことか、
təǰə-dəə̂balǰiiɡurunpondaǰoonituimasii-jam
本当だなあ、生きている人々の同族の女ともなると、このように強いものか、
murčixəni.naimukčulltəimuərəŋkuləpəɡiələni
考えた。その人は屈んでそのナナカマドの木の下を
daalikotoriootamikoldondolindolaniənəitaxani.
通りぬけたり、そっくり反って跳んだりして西洋杉の真ん中の辺りを行ったりしていた。
”ǰəə biimii əikəji-kəəəm[самалёт]-maənəini.
「並みじゃない、私の姉こそは、まるで飛行機のように行く。
əikəji-dəəmaŋɡaxaxako-â”murčiini-ɡoani.ə̂ŋtui
姉はすごい豪の者だ、」と考えるのだ。そう
taraa-laundiisiisixân,soktaji,əikəjipulsixən
してから着いた、スキーを、自分の姉が歩き回った
soktaǰi-tolənəini-ɡoanisikunsokta.čaalaundiisi-dəə
スキーで行くのだ、新しいスキー。そこで
xaidoji,pəuləəndujiɡidalaxâniiriini-ɡoani.
どこに、魚干し用の二段棚に差した、入るのだ。
aosini-lačoroačimi-âbiəundə.mərɡən-ɡuləiiriiǰiji
義兄(姉婿)は仰向けに寝転がっているという。ムルグンは入るや
ɡəsəaosičijiňoxoraaŋkin.ə̂ŋaosini
いなや義兄に挨拶した。義兄の
baɡialani-daairɡənbii,ňoani,əksənipiktəni
向側の岸にも村がある、彼の、叔父さんの子供(の村)
biǰərəə.ə̂ŋ undiisiəsi-təniiundiisiəikəni-lə
であろう。姉は
ňoambaniičəmiixəîənusii-məənənəxənənəxmiŋɡučiə
彼を見てヒイ~と病気にでもなったかのようにウウウウッとうめく
undə.ə̂ŋəǰini-təniiundiini-ɡoani,”əi-ləandâ
という。夫は言うのだ、
puǰin,”undii,”ərdəŋɡə,nəujiičəmiorokiana
「プジンよ、」と言う、「不思議だ、自分の弟を見て突然
ənulupsindii.ɡəəxoonitaorî,”undii,
病気になるなんて。さあどうすべき、」と言う、
ənului...ənusiiǰakawaəikəni.ə̂ŋtuixajal
病んでいるものを、姉が。そうしてなんだ
xajaltuiɡusərəəndujiaosiǰiari,baačixandoji.
かんだとそうして話をしている時に、義兄と、出会った時に。
əsi-təniiundiisiboačiniəndəini-ɡoanimərɡən.əsi
外へ出て行くのだ、ムルグンは。
niəriiduəniəikəniɡəsəniəxənixamialani.ə̂ŋ
出る時に姉が一緒に外へ出た、彼の後ろから。
ičəini-lənəunǰiilisimičiəčii.”əɡəə̂undiisi
見るに下の兄弟は立って小便をしている。「姉さん、
ərdəŋɡəxai-daa,”undii,”siidaainixooni
不思議だなんとも、」と言う、「あなたは年上なのにどうして
saarasiči,”undiini.”amaanaa-taniî,xusəbalǰii
知らないのか、」と言う。「父さんたちは、男の子が生まれては
budii,xusəbalǰiibudiitaini-tanii,mimbiə-tənii
死に、男の子が生まれては死に、しているので、私を
xurəəndoočianiirɡənčikamaabudiiǰuliələji
山の中へ彼らの村にすっかり死んでしまう前に
irasoraačadouǰixəči,”undii,”xurəəndoolani
運んでからそこで育てた、」と言う、「山の中に
bičimbi,”undii,”miiurəxəmbi,”undiini-ɡoani.
私はいたんです、」と言う、「私は育ったんです、」と言うのだ。
”balǰii-janaiiračixani-a”-m-da.”ə̂ŋbudiiduləxəm
「生まれてから人は運んだ、」と。「死んでしまうので全ての
irɡəmbətadonəəxəči,”undiini-ɡoani.”ə̂ŋxooni
村をそこに置いた、」と言うのだ。「どうして
saarasisi”-aundiini-ɡoani,”siidaainai,ambaan
あなたは知らないのか、」と言うのだ、「あなたは年上の人であるのに、けっこう
daaibiəčisi-kəə”-mdə,”nuučiəɡəə-kəənuuči
大きくなっていたじゃないですか、」と、「小さい方の姉さんはまだ本当に小さかった
bičin-ɡoani,”undii,”xaiəǰəčərə”-mdə.”siidaai
のです、」と言う、「どうして憶えているでしょうか、」と。「あなたは大き
bičiniixoonisaarasi,”əikəniundii,”baolaxombi-taňaâ,”
かったんだから、どうして知らないことがあろうか。」姉は言う、
undii,”mii-dəəxamačaaəǰəčəi taambi.”əsi-tənii
言う、「私だってどんなことを憶えているでしょう。」
nəujičiəčiiwənixalačiraaoǰoktai-ɡoani,”ə̂ŋ
自分の弟が小便をしているのを待ってからキスするのだ、
mii-təniiəɡəəmurumbəni-təniimiiosiowaaŋkimbi,”
「私が下のねえさんの心を、私があのようにさせたんです、」と
undii,”naisimbiəmədəsiiduəni,ǰuəmiɡələmi.”
言う、「人があなたのことを嫁に求めているときに、交換婚して求めるように。
“əŋ  gəətuitaasilajituiosii-noo,”undii,”gələmi,
「ああ、そうしなければどうしてあんなふうになるでしょう、」と言う、「女であるのに
asilai-daa,xai, xaiǰaraa”-mda.”əɡəə,naičiəǰi
妻を娶るなんて、あんなことするなんて、」と。「姉さん、人には決して
ɡusərərə,”undiini-ɡoaniəikəji.əikəjitui
話すな、」と言うのだ、自分の姉のことを。自分の姉にあのように
ərdələxəmbəni.”xaiɡusərəǰəəmbi,”undiini.
不思議な行ないをしたことを。「どうして話したりなんかするもんですか、」と言う。
əsi-təniiundiisi-ə̂xaixan,əsi-təniiəikəni-tənii
さて今どうした、姉は
miŋɡučixən-dəəabaaəsi-təniitəinəuji-təniixaiwa-daa
うめいていたのもなくなった、その弟は何でも
xəmbarɡimiarkiwaomiloxani.ə̂ŋ undiisiəsi-tənii
全て準備して酒を飲み始めた。
tuiomixaalundiisi,apsiŋɡoxanǰiačimania əsi-mət
そうして飲んだ、横になった、次の日今度こそ
təi,asiɡojibaaxani,puǰin-dəəəǰiǰiaorii-ɡoani
その、自分の妻を得た、プジンも自分の夫と寝るのだ、
ɡəsə-dəə.tuitaraa-laəsi-tənii,əŋǰia čimania
一緒に、だ。そうしてから今、次の日
təəxə̂n,ənui-ɡoani.”ə̂ŋasijijaturɡəsuiraxaarso,”
起きた、去るのだ。「私の妻をはやく運んで来い、」と
undiini.ə̂ŋ undiisi-ə,”xaiɡoidaǰaapo,”undii,
言う。「どうして長いことかかるでしょうか、」と言う、
”iraɡoikoldaailaltaabiǰəə-mə̂narasimikoldaanadaltaa
「運ぶのにたぶん三日かかるでしょう、惜しんでもたぶん七日
biǰəə-mə̂,”undiiniaosini.ə̂ŋtuitaraaundiisi-ə,
でしょう、」と言う、義兄は。そうしてから
ənui-ɡoaniənuxənisiɡoxanundiisiəikəčiji.ə̂ŋ
去るのだ、去った、家に到着した、自分の姉の所へ。
ɡusərəɡui-ɡoani,”andaxaələəisii-jə”-mdə.”mii-tənii
語って聞かせるのだ、「お客がもうすぐ到着する、」と。「私は
undiisičimanaindəmiəuɡuǰəəmbi,”undii,”irɡəmbi
明日一日おいてから山から下りて来るだろう、」と言う、「自分の村が
xəməuɡumi.”əsi-təniiundiisi-ə̂puǰin-ɡuləundiisi-ə,
全部下りてきて。」プジンは
tuixairii-ɡoani-aǰia čimaňatəəxə̂nnəujixaiɡoxani,
そうしてどうするのだ、次の日起きた、弟をどうした、
nəunitookoxân,abaaəsiaoŋɡaasiəikəduji,
弟は上った・・・じゃなかった、泊まらない、姉の所には
isimilurənui,isiɡomixaǰombiačoktaɡomi
着いてそのまま去る、着いて服を脱いで
kalaɡomi-daa.ə̂ŋ undiisituitaraaundiisi-ə,ǰuər
取り替えて、だ。そうしてから、二日も
aoŋɡamiundiisinaičaikəuɡui-ɡoani,irɡən.
経つと人々がうるさくもにぎやかに下りてくるのだ、村が。
mərɡən-ɡuləxəisolotutuxənundiisi-ə, əŋǰiakta kuəp
ムルグンは下流へ上流へ走った、草についている土が飛び散る
ənəiǰiənibaŋsalaiǰijiɡəsəirɡəmbə
ほどに大地を蹴った、蹴るやいなや村を
təəɡuwəəŋkini.ə̂ŋələə-dəəǰoaɡoxan-taniixainaa-daa.
落ちつかせた。もう夏になろうとしていたのだろう、たぶん。
əŋtui taraaundiisixaixani,əlčiusəl-ɡuləundiisi-ə
そうしてからどうした、奴隷たちが、
naiǰidii-jə̂undəɡilaadosoliaǰiaaɡbiŋkiamaari
人々が来るという、大きな船に上流の側からたくさん現れ、
daičialundə,ə̂ŋ undiisiəsi-təniiundiisi-ə,xəm
大声で騒ぎ立てているという、全部の
irɡən-dəəəčiə-dəətookoratəiininai,ǰidiiwə
村もまだ上り終わらない、その日には、人がたくさんやって来るのを
saariiči-ɡoaniɡusərəənduxəni.ə̂ŋtəi-təniiundiisi-ə,
知っているのだ、そう話した。彼が
isixandoani-taniiəsi-təniiundiisi-əisiočiji-ɡoani-â
着いた時に、着くと、
əikəni-dəəxailaraâ undiisiiixən,əikəni-təniixaido
姉は家に入った、姉はどこに
osioriilamoɡbani.əikəji-ləapiilanipaačilaxani
いられるだろうか、恥ずかしいのに。自分の姉のうなじの所を叩いた(弟は)、
undiisi-ə,boančipuǰinosixannasanidaaji-ə̂
普通のプジンとなった、その目は大きい、
sarmaktaniəɡǰiuukəən,ə̂ŋsaxariâpuǰinosixani.ə̂ŋ
その眉はやや多い、色黒のプジンになった。
ɡiamataǰičinduəniɡəsədəŋsii-ɡoani,təiudəwəni.
花嫁がやって来る時に一緒になって働くのだ、その場所で。
ə̂ŋəsi-təniiarkiwaomiînaiarkiwaomii-ɡoani
酒を飲む、人は酒を飲むのだ、
naiɡiamataisiɡoaniəsibarɡixanǰəəbii-nuuxai-dəə
人の花嫁が着くのに準備をしたことといったら並みだろうか、何でも
xəmbiini-ɡoani.əsi-təniiundiisi-ətui
全てあるのだ。そのように
xairiidoa-taniiundiini-ɡoani,ə̂ŋnai-daaxəm
あれこれしている時に言うのだ、人も全て
soktoloxânarkiwaomiiɡurunirɡənnaianai
酔っ払ってしまった、酒を飲む人々、村の人々を人は
jaaŋkomi,jaaŋkoxan-daatiasbiini-ɡoaniǰooɡdonai
お客に呼んで、お客に呼んだのだが、ぎっしりといるのだ、家で人々は
arkiwaomiiči.əsi-təniiundiisiəikəni
酒を飲む。上の姉は
undiini-ɡoani,”əəpaŋɡoâundiisi,əikəsixaido
言うのだ、「弟よ、あなたの下の姉はどこに
biini,”undii,təixusənəučimədəsiini-ɡoani
いるの、」と言う、その弟へ訊くのだ、
təiǰiǰuxən,əikəni,təiɡiamatairaxanɡursəl.
その戻って来た方の、上の姉は、その花嫁を運んで来た人々は。
”taatakantəəsiəsi-kəə,”undii-ɡoani.”xaimitui
「ほうれ、あそこに座っているじゃないか、」と言うのだ。「どうしてあのように
osixanimiitaxambi-ɡoani,”undiini,”ui-dəətaakoasi
なったかというと私がしたことなのだ、」と言う、「誰も識らなく
osiɡoani.”ə̂ŋ undiisituitaraa-lapuǰin-ɡulə
なるように。」そうしてからプジンは
čado-laɡolǰonkiradoaninaixəmsoktoraa
そこでかまどの縁の所で、人々が酔っ払ってから
apsiŋkindoaniɡusərəənduiči-ɡoaniəikəmuliə
横になった時に、語り合うのだ、姉と二人で、
əikəni-təniitaa,nəuji-təniinaamansii-daaoǰoktai-daa
姉はひしと、妹を抱きしめもし、キスもしたり
tamibaoɡoi-ɡoani,”ərdəŋɡə̂,”undiini-ɡoani,
して再会するのだ、「不思議だわ、」と言うのだ、
əikəji,əikəniundiini-ɡoani,”tuibiəsiləjiosini
姉に、姉は言うのだ、「こんな事情でなかったなら、
tuitaisi-noô,”undii,”murumbəsituiosii-noo,”
あんな風なことをあんたがするだろうか、」と言う、「あんたの気持ちがああなったのか、」
undii,”mii-təniičuursixəmbi-ləisiini-goani,”
と言う、「私は憎悪してるんです、十分に、」と
undii,”təiərkiələəktələiasiɡojiɡələiwə.”tui
言う、「あの時に女であるのに自分の妻を求めたことを。」そう
taraačado-taniiundiini-ɡoani xai,”əɡəə,”undii,
してからそこで言うのだ、「姉さん、」と言う、
”naiaəǰisaawaanda,”undiini-ɡoani,
「人に決して知られるな、」と言うのだ、
”ilamoo”-m-daa,puǰin.”xaisaawaanǰaambi,”undii,
「恥ずかしい、」と(言う)プジンは。「どうして知らせたりなどするか、」と言う、
”naiwa.”əsi-təniituiɡusərəənduxə̂noǰoktamaačixan,
「人に。」そのように話した、キスし合った、
əikəjinaamansimi.tuitaraa-taniixadoltaxadolta
姉を抱きしめて。そうしてから何日か何日か
arkiwaomixaâltuitapaariənui-ɡoaniǰookčiari
酒を飲んだ、そうすると去るのだ、自分たちの家へ
təiɡursəl.təixamialani-taniituibiəl.tui
その人々は。その後はそうして暮らしている。そうして
biiduəči-ə̂-lə,əmoɡdaxaaka-matooido.ičəičəi-lə
いる時に、一艘の舟が着岸した、岸に。見に行くと、
undiisi,ilaânmərɡənbičini,xaîǰuəmərɡən
三人のムルグンがいた、じゃなかった、二人のムルグンが
aosiǰijiɡəsəəmmərɡən.puǰinxaisiboanǰi
義兄と共に、一人のムルグン。プジンは再び普通のプジンに
osiɡoxân.boanǰi-noo,məənpuǰinǰiosixan
なった。普通のプジンだか、自身のいつもの姿のプジンになった
biini-ɡoani.čado-tanii,isindaxân.əikəni-lə
のである。そこに、到着した。姉は
mənə xai,əmsaktamatuxisimitooko...tooriijə̂l,
自ら、一つの籠を抱きかかえて、彼らが岸から上ってくる、
ǰiimaŋɡočiamurčii,andaxamərɡənbaɡialabiimərɡəndu
お客に行こうと考える、お客のムルグン、岸辺にいるムルグンの所に
pulsiini-ɡoaničado.tuitaraačado
行って来るのだ、そこで。そうしてからそこで
xairiini-ɡoani,xisaŋɡoîxisaŋɡoi-ləəsi-tənii
どうするのだ、話をする、話をする、
arkiwaomiloxaal.aosiniundiini,mərɡənči,
酒を飲み始めた。義兄が言う、ムルグンへ(上の姉のプジンへ!?)
”nuučiǰiməəikəjibuuruu,”undii,”əimiixaidoja,
「小さい方の姉さんを下さい、」と言う、「これは私の、
miinəudujə,miiəksəmbipiktəni,”undiini.
私の年下の親戚に、私の叔父の子供だ、」と言う。
”ňoandoani-tanii,pondaǰookô,”undiini,
「彼の所には、女の子がいる、」と言う、
”pondaǰooni-daabii-jə”-mdə.”ǰəundii-dəəajani-ɡoani,”
「同族の未婚の女の子がいる、」と。「交換婚をしても良いのだ、」と
undiini.puǰin...mərɡənosisiini-ɡoani,”xaidotui
言う。末の弟のムルグンは嫌がるのだ、「何だ、そうして
naitaonisuəəmunaiosirâ,”undiini,”əmunaiɡoi
毎に皆、おまえたちと同じ一つの親戚になってしまうぞ、」と言う、「一人は別の
xalanainiosixan-daaaja-tanii”-mda.”əɡəəbiini
氏族の人になったら良いのだ、」と。「上の姉さんがいるから
ələə-ɡoani,”undiini.”abaâ,”undiiniaosini,”sii,
十分なのだ、」と言う。「いや、そうじゃない、」と言う、義兄は、「おまえは
ǰuəmburi,”undiini,”aja”-mda.əsi-təniiundiisitui
交換婚すべきだ、」と言う、「良い、」と。そのように
ɡusərəənduxənɡusərəənduxənčado-tanii,xairiini-ɡoani,
話し合った、話し合った、そこで、どうするのだ、
ǰuəmburiǰitai-ɡoani.əsi-təniiǰuəmburiǰîtaxan
交換婚することにするのだ。交換婚することにした、
tuitaraa-laundiisiəsi-təniiundiisi,əikəničimii
そうしてから今、姉は
təəxənənui-ɡoani.əikəni-tənii,əikəjinai
起きた、去るのだ。姉は、下の姉を人々が
ənuiduəni-təniikamalixan,təiǰuəmərɡənmənəə
去る時に行かせなかった、その二人のムルグンは自分たちだけで
ənuxəəlǰookčiari.”mii-dəəəikəjiɡiamatalaɡoi
去った、自分たちの家へ。「私も下の姉を嫁入りさせることに
taambi,”undiini-ɡoani.əsi-təniičado,xadoltâ
する、」と言うのだ。そこで、数日
bipi,iraɡoi-ɡoaniəikəji,ɡiamata.əsi-tənii
すると、運んで行くのだ、自分の姉を、花嫁を。
puǰin-dəəxəmnaiɡiamatairaxân,puǰinxairii-ɡoani,
プジンも、全ての人が花嫁を運んだ、プジンはどうするのだ、
əikəjiiračixântuitaraa-taniičadoarkiwaomii
自分の姉を運んだ、そうしてからそこで酒を飲んだり、
xairiitaidoani-tanii,əikəni-tənii
何したり、する時に、姉は
undiini-ɡoani,”aosisiundii-jə̂,”undii,”təi,
言うのだ、「あなたの義兄が言っていた、」と言う、「あの、
nəunipondaǰooni-taniinaixaidonəəxəni-ə”-mdə.
年下の親戚の所の女の子は人々がどこに隠したのか、」と。
”ajandoolani.ajandoolaninəərəə,xaido,ɡiaŋɡa
「手なしの木偶の(アヤン)中に。アヤンの中に置いて、どこに、蔵の
doolaniuilənailooxani”-am,”əktəbalǰiibudii
中に上に人は吊るした、」と、「女の子が生まれては死に、
budiitaiwani.təi-tənii,tuəniəriiniturəksələ̂
また死に、していたので。その子といったら、冬に外に出れば長靴のまわりに
biəsimatauundiiǰoa,niəučiəni-təniiturəksələ
ある雪が融け、夏に外に出れば、長靴のまわりに
biiňaǰaxaxaŋmaitaini”-aundii,arčokaan.koli anaa,
ある草が乾燥したりする、」と言う、そんな娘だ。並みたいていじゃなく、
[красивый]ni-taniinaiuləənǰiənituiosini.
美しいのは、人が良く育てたのでそうなった。
əsi-təniiundiisixaixani.tuitaraačadobičîn,
どうした。そうしてからそこにいた、
xaixan, xairii-ɡoani,ǰookčiariənuxənɡučiəmuǰiŋə
どうした、自分たちの家へ去ったまた片方の
əikəji-dəənaiɡələxəmbənixairii-ɡoani,
自分の姉をも人が嫁に求めてきたのをどうするのだ、
ɡiamatalaini-ɡoani,nuučiǰiməəikəji,baɡia
嫁入りさせるのだ、小さい方の姉を、向こう岸の
baaroaniirɡənči.təimərɡən-dəəuləənmərɡəni-ɡoani,
方の村へ。そのムルグンも良いムルグンなのだ、
aosidoani-daauləən.bunǰiəpuǰin-tənii
義兄よりも良い。我らがプジンが
ičəini-təniiəikə...nəuǰiəniəmutu-nuu,ňaŋɡa
見るに、弟と同じくらいかなあ、ちょっと
nəuduniisaaǰilaabii-nuu-mičəini,təiandaxa
弟より劣っているかなあ、見る、そのお客に来た
mərɡəmbə,təiəǰiləimərɡəmbə.ičəmiuləəsiini
ムルグンを、その夫となるムルグンを。見て好きになる、
mərɡəntəi,čawa.ə̂ŋəsi-təniiundiisi-ə,xadoltâ
そのムルグンを、その、その人を。今、数日
bičiɡəətəiəmǰiŋəəikəjiɡiamatalai-ɡoani.
経った、さあその一人の姉を嫁入りさせるのだ。
ɡiamatalaidoji-tanii,ənəxə̂nisixanundiisitəi
嫁入りさせる時に、行った、着いた、その
irɡəmbə,əsi-təniiarkiwaomiî,omiituitaraa
村に、酒を飲む、飲むとそうしてから
undiini-ɡoani,”ɡəə,”podaǰoojibaaroani
言うのだ、「さあ、」自分の同族の娘の所へ
irai-ɡoanitəimərɡən.”miipodaǰoojibii-jə,”
連れて行くのだ、そのムルグンは。「私の同族の娘がいる、」と
undiini.təədujələǰookči,taosiiixəni,
言う。ほうれあの山の方の家へ、そこへ入った、
ǰuəǰiəritoomaariɡusərəəndui.təi-tənii,ilaân
二人で上って話をする。それは、三人の
puǰinbičini.mərɡən-ɡuləiimiičəini-ləxooni-a
プジンだった。ムルグンは入って見るに、どういう
pondaǰoolaini-daa,təi-kəə,ǰəsiəǰaŋɡianpiktəni,
女の子たちなんだか、それは、ジュシウの長の子供やらだ、
murčixəni.xao-ɡdal xao-ɡdal biipuǰiusələmun-dəə
思った。あまり器量の良くないプジンたちだ、一人も
nasaldolani nam biiɡurunabaa.čawa-tanii
メガネにかなうような者はいない。そのことについて
undiini-ɡoani,”mindutamačaaɡursəl
言うのだ、「私にこんな者たちを
buuičəisi-nuu,”undiini,”ǰəsiəǰaŋɡianpuriɡbəni
くれようというのか、」と言う、「ジュシウの長の子供たちを
mindu,miiɡələəsimbi”-m”tamačaanaia,uləəŋɡuji
私に、私は欲しくない、」と、「こんな者たちは、良い娘を
ǰajaraa,čukimbəmindubuuičəisi”-majaktalaxani
隠しておいて、悪いのを私にくれようというのか、」と怒った、
bunǰiəmərɡən.”ɡələəsimbi,”undiini”tamačaa
我らがムルグンは。「要らないよ、」と言う、「こんな
puǰiusəlbə.miiəikəjijətəiɡursəlxooni
プジンたちを。私の姉さんにこの者たちがどうやって(交換婚の相手として)
isiiči”-əm”čukinduləəri.ǰajaxasi”-a
釣り合うだろうか、」と、「悪い者の中からでは。隠したな、」と
undiini-ɡoani,”uləəmbə.”təimərɡənundii,
言うのだ、「良い者を。」そのムルグンは言う、
”xaidobiini-ə̂,”undii,”mii,minduabaa,”
「どこにいるのか、」と言う、「私は、私にはいない、」と
undiini-ɡoani”ələəni”-əm”miibalǰixanǰijitəi
言うのだ、「これで終りだ、」と、「私が生まれてからあれが
nəuləčəiɡursəl.””bii-jə,”undiini,”təiəikəni,
妹としてきた者たちだ。」「いや、いるね、」と言う、「あの姉さんが、
daaiəikəniɡusərəxəni-ɡoanitəi,xaido,”əsi-tənii
大きい姉さんが話してくれたのだ、その娘がどこに(隠されているかを)、」今、
”ɡəə,ənəɡuuri,”undiini-ɡoani,
「さあ、行こう、」と言うのだ、
”saariiosiniənəɡuuri”-ə-mtəi, xai,andaxamərɡən.
「知っていたなら行こうけれども、」と(言う)、その、客のムルグンは。
bunǰiəmərɡən”saarambi,”undiini-ɡoani,”sii,pondaǰoji,
我らがムルグンは「知っているよ、」と言うのだ、「おまえは、妹を、
uləənpondaǰojiǰajičiisi,”undiini.əsi-təniiundiisi
良い妹を隠している、」と言う。
tuipoorilamaaritawaŋkiənəi,”ǰajičiisi-daaǰajičiisi,”
そうして論争しながらそこから行く、「隠している、隠している、」と
undiini-ɡoani,”ɡoinaidubuuɡui,”əsi-təniitawaŋkitui
言うのだ、「他の人にやるために、」と。そこからそうして
”saarasimbi,”undiitəimərɡən-taniiajaktalaxani-ɡoani,
「知らない、」と言う、そのムルグンは怒ったのだ、
”xaidobiini,”undiini-ɡoani,”miiuləənponǰooɡoji.”
「どこにいるというんだ、」と言うのだ、「私の良い妹なんて。
əsi-təniitawaŋkiduisitooxan,duisitooxan...təə̂
そこから山の方へ上った、山の方へ上った、ほうれずうっとむこう、
duilələǰakpontorakoɡiaŋɡabičini,təi,pilančiani-la
山の方に八本の柱を持つ蔵があった、その、入り口の前の板敷きの所へ
bunǰiəmərɡən-ɡulə,puikuxəni,puikuiǰijiɡəsə,uikəwə
我らがムルグンは跳び乗った、跳び乗るやいなや、戸を
nixəlimiiixəni.palantokondoani-lauilə-ləundiisi,
開いて入った。床の真ん中に、上の所に
əmajanbičini.čənɡəčəŋɡə-ûčəŋɡəčəŋɡə̂taaundə,
一つのアヤンがあった。ブラ~リブラブラブラブラと揺れているという、
təiajan,tuiŋkuini.čaa-taniiundiisi-ə̂ǰapaiǰijiɡəsə
そのアヤンが、動いている。そいつを、つかむやいなや
undiisitaktowapos... xai təi, xaiwaɡiaŋɡaposnaŋɡalaxani.
蔵を突き抜けて、蔵を突き抜けて行くように投げた。
”ičəruu,”undiini,”təi,ǰajičiiwa.naidubuuɡui
「見ろ、」と言う、「その、隠していた者を。別の人に与えるために
ǰaijičiisi-ɡoani,”undiini,təiajambanaŋɡalaxan-tanii
おまえは隠していたのだな、」と言う、そのアヤンを投げたのは
təičala-taniiəmpuǰinaɡbiŋɡoxantəniîbəjəɡuji
それはそこに一人のプジンが現れた、たった今体が
baarii,”ɡəə̂wakaǰi-awakaǰi,mii-təniixooni xoôni
できあがったような(プジンだ)、「ああ、良かった良かった、私はどうにかして
aɡbiŋɡoičamičiilaxambi,”undii,”ərdəŋɡəxai-daa,
現れ出ようとしたけれどもダメだったのに、」と言うと、「不思議だ、何とも、
aɡaa-daaəmiičəndəmibičisi-nuu,”undii,”mimbiə,”
兄も見ずに暮らしていたのか、」と言う、「私を、」
“təəmkaltaatasima-kaosixani bičini,”undii,“xuigəsəji,
「たった一かけらのレピョーシュカだけになっていたのだった、」と言う、「私の食糧は、
nainəəxənsiaɡojija,čuŋnusiaɡoxambi,”undiiəsi-tənii,
人が置いていった私の食べ物は、すっかり食べ尽くしてしまっていた、」と言う、今、
”xooni-daaniəičəmičiilaxambi,”undiini.ə̂ŋtəi
「どうにかして出ようとしてもダメだったんです、」と言う。その
aaŋni-tanii,ilaaǰii-ɡoani,tuidaajiosidalanəuji
兄は恥じ入るのだ、このように大きくなるまで自分の妹が
xaidu-daabiiwəni-dəəəmi saaranibičini.”ə̂ŋnaidu
どこにいるのかも知らずにいた。「別の人に
buuɡuiǰajičiisi,”undiini-ɡoani,”ɡoinaidobuuɡui
やるために隠していたな、」と言うのだ、「別の人にやるために
ǰajičixasi-a”-m-da.”andâ,”undii,”miisaariiosini
隠していたな、」と。「友よ、」と言う、「私は知ってさえいたなら
miixaibuuičəǰəəmbi,”undiini,”təipuǰiusəlbə,”əŋəsi
私はどうしてやろうとなんかしたでしょう、」と言う、「あのプジンたちを、」と、
xaosiənəitəipuǰimbə...nəuni.nəuni-təniiǰəəuləən
どこへ行く、そのプジンを(連れて)、妹を。その妹はどんなにか美しい
əktəkəən-nuu,красивый-ni-ɡoani.čawa-taniiundiisi
女の子であったか、美しいのだ。それを
ə̂ŋǰapaɡoraaəəwuɡuiči-ɡoaniəuɡuxə̂n,məənčiji
つかんで連れて下りてくるのだ、下りた、自分の所へ
əuɡui-ɡoanixaosiəuɡuini,taosiiraɡoibaaɡilai.
下りるのだ、他にどこに下りようか、そこへ運んでこそ見つけたことになる。
məənǰookčijiəəwuɡuxənundiisiəsi-təniiundiisiməən...
自分の家へ連れて下りた、今、
əsi-təniitəiɡučiarkiwaomiloɡoxaâləsi-tənii
今、その、また酒を飲み始めた、
undiini-ɡoani,”andâundiisiəǰiminǰiajaktalara,”
言うのだ、「友よ、決して私に腹を立てるな、」と
undii,”mii-təniibalǰixanǰijanəukujiəčiə saaraja,”
言う、「私は生まれてこの方、妹がいることを知らなかった、」と
undiini-ɡoani,əiwə,əibiiwəniəčiə saaraja-a”-m-da.
言うのだ、これを、これがいることを知らなかった、」と。
”təiəksəlbə-məňənəulə...pondaǰolačaî,”undiini-ɡoani
「あの女たちだけを同族の年下の女性として持っている(と思った)、」と言うのだ、
”nəuləčəijə”-m-də.ə̂ŋtəi-lə,bunǰiəmərɡən-ɡulə
「妹としているのだと思っていた、」と。あの、我らがムルグンは
ičəini-ləəikəǰiəni-kəəəmutu-nuûňaŋɡaisaaǰii-noo,
見るに、姉さんと同じくらい美人かなあ、ちょっと及ばないかなあ、
ňaŋɡauləələəbii-nuubičini.təi,aɡbimboɡoxanipuǰin.
ちょっとかなあというようだった、その、姿を現したプジンは。
əsi-təniiundiisi-̂xadoltaxadoltaarkiwaomixaal,
数日数日酒を飲んだ、
”ɡəəasijijaturɡəusuən,iraxaarso”-mənui-ɡoani,
「さあ、私の妻をより早く、運んで来てくれ、」と(言って)、去るのだ、
ǰookoniǰookčiji.ə̂ŋəsi-təniiaaŋniundiini-ɡoani,
家があるのだから家へ。兄は言うのだ、
”xaiɡoidamibiǰəəpû,”undiini,”iraɡoɡoariilalta
「何で長いことかかるだろうか、」と言う、「運ぶのに三日
biǰəə-mə̂,narasiminadaltabiǰəə-mə,”undiini,iraɡoi.
だろう、惜しんでも七日だろう、」と言う、運ぶのに。
ə̂ŋtuitaraatuiənəi-ɡoani,ənəxə̂nǰooisiɡoxân
そうしてからそうして行くのだ、行った、家に着いた、
tuibalǰiîundiini-ɡoani,”ɡəə,čimanaɡiamataǰidii,
そうして暮らしている、言うのだ、「さあ、明日花嫁がやって来るぞ、
ǰoowataɡo-maajani-ɡoani,oosiɡo-ma,ǰoodoowanixəm-dəə.”
家を片付けてこそ良いのだ、片付けてこそ、家の中を全て、だ。
gəəəsi-təniiasini-taniitəiǰoowaniudəwəni
さあ、妻はその家を、その場所を
oosii-ɡoanîkəkuəsəlǰiəničilpačiɡoi-daaňuuksəas
片付けるのだ、女奴隷たちを使って壁を塗ったり、煤をしっかりと
tuɡbuɡui-dəə,taxači.siaoriwabarɡii-daanai,čimana
落としたりも、した。食べ物の準備もする、人が、明日
naiǰiučiənisiaɡoanibarɡii-ɡoaničək-dəə.əsi-tənii
人が来るのであれば食べ物を準備するのだ、きちんと、だ。
naiǰiačimaniaобедаərkiəbičin-nuusiuntokondo-daa,
人は次の日の昼飯のだったか、正午にだったか、
naipao-daapaodaalamaariǰidiîxooŋko
人がバチャバチャ、たくさんの人が漕いでバチャバチャと音をたてながら来る、崖の
čiaǰiaǰianiǰidii,aɡbiloxanundii,əsi-təniiəjəəǰiə-dəə
端の所から来る、現れたという、こちら側からも
taodaɡoipaodaalami,əsi-təniiundiisi-ə̂isixan
答える、バチャバチャと漕ぐ音をたてて、着いた、
mərɡən-ɡuləundiisiaisimaajambaaňaalaraanai-a
ムルグンは金の酒を注ぐ陶製水差しを首にかけて、人を
xairiini-ɡoani,ɡiamata,встречала-ini-tanii,ačandaini.
どうするのだ、花嫁を、迎える、迎える。
təi-təniiundiisi-ə̂məŋɡunкрышка-kôaisimaaňa...
それは銀の蓋がついていて、
ajanǰiaňaalaɡoraatuixəriəundə.
金で首にかけてから、そうして酒を振舞うという。
təi-təniitooriiɡurumbə-təniibuuriini-tənii,əusikop
彼は岸から上る人々にあげるのだが、こちらでガバッと一気飲みし、
taosikop təi,omii-ɡoaninai,əŋčuuxamialaɡiamata
あっちでガバッと、飲むのだ、人は、一番後ろから花嫁が
tooriini-ɡoaniaaŋnî,daxalamǰini-daa.ə̂ŋčaǰi-ma
上るのだ、その兄も、花嫁に付き従う2、3人の女たちも、だ。その人たちと
xamasitookoi-ɡoaniɡəsə-dəə.təi-təniinaixaǰombani-tanii
後ろから上るのだ、一緒に、だ。その人の家財道具は
əlčiusəlkəkuəsəlixonnaitooboi-ɡoani,
男奴隷に女奴隷に村の人々が持って上るのだ、
ə̂ŋtuitaraaundiisi,xaixači,arkiwaomiîəsi-tənii
そうしてから、どうした、酒を飲む、
omii-daaomiituitaraa-taniiundiisibaačiɡoxan...
飲みに飲む、そうしてから会って挨拶した、
baačixannai,tuixadoltaxadoltaarkiwaomipaari-ô
会って挨拶した、人々は、そうして何日何日間か酒を飲むと
ənui-ɡoaniəsi-ləňaar ňaarosioɡoxaaləusi taosi
去るのだ、ゆったりと落ち着いた、あっちこっちへ
asiɡoariirasoxân.əsi-təniibunǰiəmərɡənǰuərasiko
妻を運び終わって。我らがムルグンは二人の妻持ちと
osixan,kamorilaanosixani.ə̂ŋtəimərɡənaosini,
なった、全部で三人になった。そのムルグンの義兄の、
pondaǰooni-taniitalɡaadôbii,ə̂ŋ undiisiboŋɡoasini-kaa,
妹は奥の所にいる、最初の妻は、
uləənəktəni-ɡoani,təikərkičədubii,əsiǰičinpuǰin-tənii,
良い女の人なのだ、彼女はかまどの横の場所にいる、来たプジンは、
doojapaawadobii,əŋtuitaraatuibalǰialundəundiisi-ə
中の方の窓の所にいる、そうしてからそうして暮らしているという、
əikəčiji...əikəltəəčinisiksəsiaxambisiŋɡərəǰičimiisiaxan
姉の所へ姉たちはお互いに夕方食べた物をネズミで、食べた物を
čičoonzi,inisiaxambiisələənǰi,irasomaaribalǰiloxačiələə.
セキレイで、昼に食べた物をトカゲで、運んで暮らした、終り。"