風間伸次郎(採録・訳注).1998.『ナーナイの民話と伝説4』(ツングース言語文化論集12,千葉大学)より

9. сэвээн уǯи-хэн сэнээ мэргэн амбаан уǯи-хэн алхаа мэргэн

スウンが 育てた スヌー ムルグン、魔物が 育てた アルハームルグン

1996年3月12日、ナイヒン村にて、Кираа Андреевна Киле(キレ)氏(女性、1909年Jоран生まれ)より録音。


хаӥ,аанэу~мэргэнбалǯӥ-ха-њӥ.та-маарӥ=а~мэнэту(и)
兄と弟のムルグンが暮らしていた。そうして自分たちでそう
пурээнпулси-ибоабоалгӥачӥ-ӥта-маар(ӥ)бэjунхамачаа
森を歩き回り、その地を狩りして行ったりして獣もどんなのも
тэи,такто-чӥ-ар(ӥ)тӥасуликсэ-вэээву-мээр(и)туи
その、自分たちの倉へぎっしりとその肉を持って下りて来て、そうして
ваа-маар(ӥ)балǯӥ-ӥ.хаӥ-ǯӥ=даасинэǯи-эсихаӥ-ǯӥ=даа
獲って、暮らしている。何で困ることもない、何だって
мохо-асӥ.туи та-мӥ=аааӈ(-њӥ)=тањӥӥ,эмчӥмӥӥтээ-хэ-њи.
できないこともない。そうしていてその兄は、ある起きて、
"аапаӈго~,"ун-дии-њи,"мииэнэ-гу-и-вэ,"ун-дии-њ(и).
「弟よ、」と言う、「オレは行くぞ、」と言う。
"гээ,гээсиихаосӥэнэ-псиӈ-ки-с(и).""абаа,"
「ええっ、ああ兄さん、どこへ行こうというのです。」「これじゃだめだ」
ун-дии-њ(и),"хооњ(ӥ)би-ури,"ун-дии,"туи=дээгаксӥа=даа
と言う、「どうしていられようか、」と言う、「こんな風に連れ合いも
анаа,будэр=дээ анаа=даа.""элээ=лэагаа=лаэлээ
なく、ペアじゃないのでは。」「兄さん、もう
буэ=тэњии~синǯиминǯи=тэњиибудэ~р,"ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ).
私たちは、あなたと私とでペアじゃないか、」と言うのだ。
"абаа~,"ун-дии,"эмэктэ-њииэмхусэ-њии=рэгдээбудэ~р,"
「いいや、」と 言う、「一人の女の人と一人の男の人でこそペアだ、」
ун-дии-њ(и).туи та-мӥ,элээсорӥ-псӥн-дӥӥ=ноохооњ(ӥ)
と言う。そうして今にも喧嘩しようか、どう
та-ӥ=нооааӈ-молӥ(а).ааӈ(-њӥ)осӥсӥ-ӥ-њ(ӥ),хаӥ-а~нэу-њи
しようか、となった、兄と。兄が嫌がる、じゃなかった、弟が
осӥсӥ-ӥ-ва-њӥдэу~рбаараǯӥ-го(-ӥ)эси=тэњии,доочӥ~оӥсӥӥ
嫌がるのもきかずに、すっかり身支度をする、下着も上着も
гоксӥ~сэурэтэтуэ-jитэтуэ-хэ-њи.ааполо-ха-њӥ~ӥнда
中国製の絹糸の服を着た。帽子を被った、犬の
хуигу-ǯи(-э-њи)сонача-коаапонтэтуэ-хэ-њи.эси=тэњии,"агаа~,"
尻尾で縁飾りをした帽子を被った。「兄さん、」
ун-дии-њи,"туита-ло-ха-сӥхаӥ=даадуэанааосӥ-асӥ,"
言う、「そんなことをし始めたらどんなことになるかわからないよ、」
ун-дии-њ(и)."хамачаадуэ-њиосӥ-ра,"уӈ-кин,"мии
言う。「いったいどんな目に遭うというのか、」と言った、「オレは
асӥ-го-jӥгэлэ-ндэ-гу-ита-ам-бӥ,"ун-дии-њ(и),"хооњ(ӥ)
自分の妻を探しに行くことにする、」と言う、 「どうしてこのままで
би-ури,"ун-дии,"гаксӥанаа.""аjа~,"ун-дии-њ(и).
いられようか、」と言う、「連れ合いがいなくて。」「大丈夫、」と言う。
хаӥ,туита-мӥ,тэихаӥ-ва-њӥ,ун-дии-њ(и)=гоањӥ,
そうしてその何だ(弟が)言うのだ、
"аjа~,"ун-дии-њ(и),"асӥ-го-а-сӥǯи-дии=э,"ун-дии,
「大丈夫、」と言う、「あなたの妻はやって来るよ、」と言う、
эињиэ,сиксэӥсӥ-ӥ=jэ,ун-дии-њ(и)."тэǯэ?""тэǯэ~,"
「今日、夕方着くだろう、」と言う。「本当か?」「本当だ、」
ун-дии-њ(и)."хаjаа(ǯӥ)ǯи-дии-њ(и)?""тоо~хэǯиэсуигуэ
言う。「どっちの方から来るんだ?」「ほうれあの川下の突出部の
бааро-а(-њи)ичэǯэ-руу,"ун-дии,"таjал(а)агбӥн-дӥӥ=jа,"
方を見ていろ、」と言う、「あそこから現れるよ、」と
ун-дии-њ(и)."сиитуита-ло-ха-сӥ,эмдуэанаа
言う。「あなたがそんなことを始めたから、きっととんでもないことに
осӥ-асӥ"=аун-дии-њ(и),нэу-њи.гээсорӥ-маачӥ-ӥ.
なるよ、」と言う、弟は。さあそう言い争うのである。
туита(-раа)эси=тэњииааӈ(-њӥ)=тањӥӥэсињиэ-гу-иэси
それから兄は出たかと思えばまたすぐ
ии-гу-иичэ-ндэ-су-и-њ(и)тэиасӥ-jӥǯи-дии-вэ-њи.
入って来たりして何度も見に行くのだ、 その自分の妻がやって来るのを。
ноӈǯӥ=а~,уӈ-кин,"ǯоодоо-њ(ӥ)гэвэгэвэо-чӥ=а"=мда.
「寒いよ、」と言った、「家の中が冷た~くなっちゃったよ」と。
"хаӥ-вањиэвээчи-и-си,ǯи-дии-њиимээнӥсӥ-ǯаа=ма"=мда.
「何を出たり入ったりしてるのか、来る人は勝手に到着するだろう」と。
"мимби(э)аргасӥ-ӥ-сӥ,"ун-дии-њ(и),"энэ-ǯэрээ"=мдэ.
「オレを騙したな、」と言う、「オレはやっぱり行くぞ、」と。
"аргасӥ-асӥм-бӥ,"ун-дии-њ(и),нэу-њ(и)=тэњии~эмǯиэ
「騙してなんかいないよ、」と言う、そこで弟は一方で
ааг-ǯӥсорӥ-ӥ,эмǯиэ=тэ(њии)хаǯом(-бӥ)хэ~мбаараǯӥ-го-ӥ
兄と喧嘩しながら、もう一方では身支度を全部している、
хаӥ-го-ӥта-аундэ.сукта-jӥ=даачэкнээку-хэ-њи=э~
出かける準備をしているという。スキーもきちんと用意しておいた。
лэкээ-jибури-jи=дээчэкчэкнээку-хэ-њи,туита-мӥ=а
自分の矢と弓もきちんきちんと用意しておいた、そうして
ааӈ(-њӥ)ичэ-ндэ-су-миии-гу-хэ-њиэммодан,"аапаӈготэи
兄は見に行って見た、ある時に、「弟よ、あの
суигуэ-ǯиэпакаарӥо~та-ӥ=а,"ун-дии,"ӥнда=ноохаӥ=ноо=даа,"
突出部の辺から黒いのが見えるぞ、」と言う、「犬だろうか、何だろうか、」
ун-дии."гээ,тэи=jэ,"уӈ-кин,"ǯи-дии-њи"=мдэ.гээ
と言う。「さあ、それだ、」と言った、「来たのだ、」と。さあ
ааӈ(-њӥ)=тањӥӥ...хаӥ,нэу-њ(и)=тэњии,пуксу-ǯиэнакан-д(о)
兄は、じゃなかった、弟は、 右側の席のオンドルに
би-и-њ(и).тэипуксу-ǯиэнакан(-до)би-и-ǯи-jи=тэњии,туи
いる、その右側の席のオンドルにいて、そうして
хумэси-кээ~нхаӥлэкээ-jитэипэпурэ-вэ-њисиру-м(и)
背中を丸めて座って自分の矢のその先端を研ぎながら
тээси-и-њ(и).туита-мӥ,ун-дии-њиааӈ-њӥ,хаӥнэу-њи,
座っている。そうして言う兄は、じゃなかった、弟は、
"агаа~,"уӈ-кин,"эитуита-ӥ-сӥ,эмдуэанаа
「兄さん、」と言った、「こんな風にあなたがしたので、とんでもないことに
осӥо-го-асӥ,"ун-дии-њ(и)."хамачаадуэосӥ-ра~,"
なりますよ、」と言う。「いったいどんな目に遭うというのだ、」
уӈ-ки-њи."гээ,наӥǯи-дии-њиосӥњӥ,асӥла-ǯаам-бӥ=ма,"
言った。「さあ、人が来たなら、妻にめとろう、」と
ун-дии-њ(и),"мии."ичэ-ндэ-гу-хэ-њи.тоа(х)ии-гу-хэн,
言う、「オレは。」見に言った。バタン(ドアの音)と入って来た、
"аапаӈго,элээӥсӥ-ӥ,"ун-дии-њи,"эктэнаӥ=jа,"ун-дии.
「弟よ、もう着くぞ、」と言う、「女の人だ、」と言う。
"гээтэи=jэ,"уӈ-кин.эси=тэњиицаацаабаа...
「さあ、それだ、」と言った。今、
хаӥ-го-ӥ=jагучигучињиэ-гу-рээгучињиэ-гу-ита-м(ӥ)
何のためにか、またまた出て、また出たり入ったりして
ичэ-ндэ-су-и,та-ӥ-њ(ӥ),ааӈ(-њӥ)=тањӥӥхумэсикээ~нтэи
見に行ったり、する、その弟は背中を丸めてその
пинурта-го-м(ӥ)=та(њӥӥ)ичэǯэ-и,хаӥ=а~нэу-њи
矢の先端を研ぎながら見ている、じゃなかった、その弟は
ичэǯэ-и-њ(и)=гоањ(ӥ),паава-ла-jӥ.таатэиэктэ
見ているのだ、窓から。さあその女が
ӥсӥ-ӥ-ǯӥ-а-њ(ӥ)гэсэ,наамансӥ-ӥоǯо-кта-ӥэлгэ-м(и)
着くやいなやすぐ、抱きしめる、キスをする、手をひいて
тообо-ха-њӥ,тэиэктэ-вэ.т(о)тарааǯоок-чӥииву-хэ-њи.
上らせた、その女を。それから家へ入れた。
тэи=лэнэу-њи=лэ,хумэсиби-и-лэ-jитуиичэ-хэ-њи.тэи
その弟は、背中を丸めていてそうして見ていた。その
наӥхуктэ-ду-э-њ(и)=тэњиинаӥуликсэ-њипӥӥм-ǯиби-эундэ.
人の歯には        人の肉がひっかかっているという。
"уjунби-ǯээ-чи=ээситэӈмаӈга-ǯӥ,"туи
「ほうら生きていられるのかい、おまえ、今あの恐ろしい奴から、」そう
мурчи-и-њ(и)=гоањ(ӥ).туита-мӥэдэдэсӥа-вааӈ-го...
考えているのだ。そうしてあらら食べさせ・・・
сӥа-го-а-њӥтуи-хэ-њи.эси=тэњиихандоӥ-до-а-њӥбэсэрэ
食べ物をごちそうした。どこに、長椅子の
пэгиэ-чи-э-њ(и)=дээнаӈгала-ӥ,хуэпэгиэ-чи-э-њ(и)=дээ
下へ(その魔物の女は)投げてしまう、オンドルの側面壁の下へ
наӈгала-ӥтэисӥа-го-jӥбуу-хэм-бэ-њи."гээандамэргэн
捨ててしまう、その食べ物をあげたのを。「ああ、ムルグンよ、
ǯапа-го-роо,"уӈ-ки(н),"элээ"=мдэ."сӥа-роо,"ун-дии,
もう片づけて、」と言った、「お腹いっぱい、」と。「食べろよ、」と言う、
"сӥа-роо,"гучисӥа-вааӈ-кӥ-чӥундэ,тэипуǯинун-дии-њи,
「食べろ、」とまた食べさせたという、そのプジンは言う、
"наӥалда-њӥгороби-ǯэрээ=мтээсуигуэ(-ду)салӥа-хам-бӥ=а,"
「人のいる所までは遠いだろうと思ってそこの突出部で軽食を取った、」
ун-дии-њ(и).гээтуиалбала-ӥ=асӥа-го(-jӥ)осӥсӥ-ӥ-њ(ӥ).
言う。さあそう説明する、食べるのを嫌がる。
наӥ-асӥа-рӥӥ-њӥӥхаӥсӥа-гӥла-ӥ-чӥнаӥсӥаптаӈгӥ-ва-њӥ.туи
人間を食べる者がどうして食べようか、人間の食べ物を。
та-мӥ=а=ла,эдэдэааӈ-њӥ=лабоа-чӥњиэ-кэ=мэ(т),боа-чӥ
そうして、ああその兄は外へ出て行ったかと思えば、外へ
њиэ-рэээлбэнэ-jитухилэ-гу-рээииву-хэ-њи.
出てから自分の舟の帆を抱きかかえて持って入って来た。
элбэнэ-jи=тэњии,нэу-њиэмэ-ǯиэнакан,ноањӥэмэ-ǯиэ
その帆は、弟が片方の側のオンドルに、彼がもう一方の側の
наканби-и-ду-э-њ(и)эи-дубэсэрэ-ку-њи=гоањ(ӥ)эидэрэ=мээ
オンドルにいるところで、その間に長椅子があるのだが、この机のよう
би-иǯака,бэсэрэ=мгэрбиэси-ури.тэибэсэрэ,
である物、ブスルと呼ぶべき物だ。その長椅子の、
холдон-дола-њ(ӥ)=тањӥӥтэиэлбэнэ-jиjаптата-ха-њӥ.нэу-jи
脇の所に沿ってその帆をガバッと張った。弟の
бааро-а(-њӥ)ичэ-эсиосӥ-ва(ан)...ӥсӥ-ор(ӥ)-ǯӥ.т(о)тараатэи,
方へは見えないようにした、届くようにして。それからその、
эктэ-ǯи=тэњиичадо,элбэнэтата-рааǯампам(-ба)чӥа-раа
女とそこで、帆を  張ってから垂れ幕を張ってから
та-раа,апсӥн-дӥӥ-чӥ.мэргэн=тэњиичэкчэк
それから、横になった。ムルグンの方はすぐにも飛び出せる身支度を
би-и-њ(и)=гоањ(ӥ).тэи=тэњиитуиинэктэ-ихаӥ-рӥӥ
しているのだ。彼らはそうして笑ったり何したり
та-ӥ-ва-њ(ӥ)доо-ла-њӥ,тэимэргэн=гулэааӈ-њӥ=ла,
しているそのうちに、そのムルグンは兄の方は、
"энэнэнэнэнэнэ,"та-а,"андапуǯинхооњ(ӥ)та-ӥ-сӥ,"
「アイタタタ、」と言う、「ああプジンよ、何をするんだ、」と
уӈ-кин."эǯиасӥосӥ-м(ӥ)=каатуита-асӥ-ла-jӥхооњ(ӥ)
言った。「夫と妻となるんですもの、こうしないでどうやって
эǯиасӥосӥо-орӥ,"уӈ-дии-њ(и).туита-м(ӥ)гучи
夫婦となれましょうか、」と言う。そうしてまた
"энэнэнэнэнэ,"атарӥ-ӥ-њ(ӥ).туита-мӥ,ǯӥлга-њӥхаӈгӥсӥ
「アイタタタ、」とうめく。そうしているうちにその声は異様な魔物の
осӥ-хантэипуǯин=тэњии.гэээлээ,мэргэн=тэњии
声に変わった、そのプジンは。さあもうだめだ、弟のムルグンは
качама-jӥǯапа-мӥњиэ-ми,сокта-jӥтугбу-гу-митэту-рээ,
手袋をつかんで外に出て、自分のスキーを棚から落として履いて、
покто-jӥчуулдуиситоо-ха-њӥсокта-ǯӥ.тоо-хан...
道をまっすぐに山の方へ上った、スキーで。
тоо-мӥ=а~тоо-мӥ=а=ламоча-jӥ=даасултудуиситоо-пӥ=а,
上って上って山の方へ上ると、
"эсиэлээӥсӥ-ӥ=даасаа-васӥ,"мурчи-и-њи.туита-раа
「さあもう今にも追い着いて来るかもわからない、」と考える。それから
тэи=тэњиипокто-jӥмоча-њӥсултудуиситоо-раа,чадо=тањӥӥ
その道を山の方へ上ってから、そこに
эммоооӈголо-ва-њ(ӥ)баа-ха-њӥдааӥоӈголо.сокта-jӥ
一つの木のうろ(空洞)を見つけた、大きなうろだ。自分のスキーを
тэичӥа-ла-њӥ~ӥлгамо-раа,мэнэ=тэњиитэиоӈголодоо-чӥ
その後ろに  立ててから、自らは   そのうろの中へ
ии-хэ-њи.ии-рээ=тэњиилэкээ-jи=тэњииǯуэрсоолбӥ-ха-њӥ
入った。入ってから矢を二本取Pり出した、
ǯуэлэкээ,соолбӥ-раа=тањӥӥ,чэктуиǯапача-ӥ-њ(ӥ)=го(ањӥ),
二本の矢を取り出してから、きちんとそうして構えるのだ、
гарпа-го-ӥ.эситэиэлээӥсӥ-ӥ.туита-мӥ=а=даа
射るために。奴はもう着く。そうして
ӥсӥ-м(ӥ)дэруу(-хэ-њи)...ааӈ-њӥхэучилэ-вээм-бэачо-ха-њӥ,эи
やって来るのだ、兄の肋骨を一本取った、この
дарама-њ(ӥ)пӥса-њ(ӥ)эм-бэачо-ха-њӥ,ааг-ба-њӥ.тотараа
背中の 肩甲骨を一つ取った、兄を。それから
ча-ǯӥпӥса-ǯӥуӈчухун-ǯи,тэихэучилэ-њи
それで、肩甲骨でタイコとして、その肋骨の
гӥрмакса-ǯӥ-а-њ(ӥ)гисил-ǯи,мэу-м(и)тоо-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ),
骨でバチにしてシャーマンの踊りをしながら上って来るのだ、
тэиамбаароопуǯин."ааг-ба-њӥсӥа-хам-бӥтањӥӥоӥ=ам
その魔物のプジンは。 「兄の方を喰っただけでは少ないわ、
эсинэу-њ(и)сӥа-ханосӥњӥ,самаанчӥа-чӥ-а(-њӥ)самаан,амбаан
弟を喰ったなら、シャーマンの中でも一番のシャーマン、魔物の
чӥа-чӥ-а(-њӥ)амбааносӥ-мча-jа"=мда.эси=тэ(њии)коакоакоа~
中でも一番の魔物になることだろう、」と。ドンドンドン
коакоакоамэу-м(и)тоо-рӥӥ.мэргэн=гулэчэкчэк=лэтэи
(タイコの音)と踊りながら上って来る。ムルグンは準備ができて、
соолбӥ-раа,тэиоӈгол(о)...тэисаӈгар-дола-њӥчэктуи
矢を取り出して、そのうろ、その穴から準備して
та-мӥтээси-и-њ(и)."эдэдэ."тэимэргэн=тэњиисокта-ǯӥ
そうして座っている。「あれれ。」そのムルグンはスキーで
эуситаосӥтэиудэ-вэпулси-рээтэимоооӈголо-њӥ
あっちこっちそのあたりを歩き回ってからその木のうろの
чӥа-ла-њӥ=тањӥӥсокта-jӥӥлгамо-ха-њӥ=гоањ(ӥ)."эдэдэхаалӥ
後ろに自分のスキーを立てておいたのだ。「あれれ、いつ
чӥаксӥгбаа~н,"уӈ-ки(н),"хаосӥ-а-с(ӥ)=каа,
消えたんPだ、」と言った、「どこへ行っちまったんだ、
соксӥносӥ-ха-њӥ=каа=ноо, ун-дии-њи,тэипуǯин.туи
スキーで行ったんだろうか、」と言う、そのプジンは。
та-мӥ=а=тањӥӥ,элээтэисаӈгаричэ-хэ-њитэиоӈголо,моо
そうしてその穴を見た、そのうろ、木の
оӈголо-до-а-њ(ӥ)би-исаӈгардоо-њӥичэ-хэ-њи=гоањ(ӥ),тэи
うろにいる、穴の中を見たのだ、その
мэргэм-бэ.тэи=тэ(њии)хукчу-гу-и...хукчу-и-ду-э-њ(и)=тэњии,
ムルグンを。そいつは襲いかかる、襲いかかって来たその時に、
мэргэн=тэњии,ǯуэхоорӥан-дола-њӥ,ǯуэнаса(л)-њӥ
ムルグンは眉間の所へ、二つの目の
алдан-долахоорӥан-дола-њӥ,гээхаӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ),
間の所へ眉間へ、さあ射たのだ、
чакамолӥгдатуу-хэн.гээ,хаӥ"эси=лэ~,"уӈ-кин,"ǯоо-jӥбоа-jӥ
グラリと回って倒れた。さあ、「今こそ、」と言った、「自分の家へ、土地へ
ӥсӥо-ӈа-ӥ=нооабаа=ноо,"уӈ-кин."маӈга-њӥӥ(-чӥ)ǯи-у-хэ(н)
帰るべきか、そうじゃないか、」と言った。「強い人の所へ来たら
маӈга~,хаха-њӥӥ(-чӥ)ǯи-у-хэ(н)хаха~,"уӈ-кин=гоањ(ӥ)."эси=тэњии
ひどい、豪の者の所へ来たらたいへんだ、」と言ったのだ。「今
ǯоо-jӥбоа-jӥӥсӥ-го-ор(ӥ)=нооабаа=ноо"=м."ам~чичу-њ(и),
自分の家へ土地へ帰るべきか、そうじゃないか、」と。「父のチンコ(悪口)
бу-диичӥа-чӥ-а-њ(ӥ)бу(и)-хээри=э,"мора-аундэ,тэимэргэн.
死んでしまえ(死の果てに死ね)、」と叫ぶという、そのムルグンは。
"хаӥ,лэкээ-jиӈааӥ-о-хаарӥ"=аун-дии-њ(и),хоорӥан-доэи-ду
「私に刺さった自分の矢を取りに来い、」と言う、眉間に、そこに
кэндэкэндэтуиэнэ-и-њ(и)=гоа(њӥ)лэкээмэӈдэ~н=дээ.
ブラブラとそう揺れているのだ、矢が丸ごと。
"ӈааӥ-го-ǯаам-бӥ=ма,"уӈ-кин,"хаӥ,чӥӥла-ǯаам-бӥ"=м
「取りに行こうじゃあないか、」と言った、「どうしてできないことがあろう
лэкээ-jи."гээтаваӈкӥтуиэну-и-њ(и).эну-и,ǯоок-чӥ
自分の矢を。」さあそこからそうして去る。去る、家へ
эну-и-њ(и)=гоањ(ӥ)тэипуǯин.эси=тэњии~тэимэргэн=тэњии,
去るのだ、そのプジンは。そのムルグンは、
элээпакчӥрааӈ-го-ӥ.эи,эси"ǯоок-чӥэу-гу-ичэ-ми,эси
もう暗くなるのだが、今、「家へ下りようといっても、たった今
амбааннаӥ-асӥа-хан-чӥ-а(-њӥ)хооњ(ӥ)эу-гу-ури=э"=мдэ.
魔物が人を喰った所へどうして 下りるべきだろうか。」
эси=тэњии,"уидаалǯӥ-ко,"уӈ-кин,сокта-jӥтэту-гу-рээ~
「誰に関係があろうか、」と言った、 スキーを履いてから
дуэнтэдоо-ва-њ(ӥ)=тањӥӥ,туиэнэ-лу-хэнхаос(ӥ)
森の中を、そうして行き始めた、どこへ
энэ-и-њи=у(с)хао(сӥ)энэ-и,эчиэпулси-эбоа-ва
行くのか、どこへ行くのか、行ったことのない土地を
энэ-ури=дээ,дэӈсиси-и-њ(и)=гоањӥ.туиэнэ-ми=э~энэ-ми,
行くことになったのだから、不安なのだ。そうして行って行って
инэ-и-њи,"вакаǯӥ=а~,"мурчи-хэ-њи,инэ-и-њи[оӥ].хаӥ=даа
夜が明ける、「やれやれ、」と思った、夜が明ける。何でも
улээнӈээгǯээносӥ-ӥ.туита-мӥ=а=тањӥӥ,элээ
良く見える、明るくなる。そうして、もう
хаӥ-рӥӥ-до-jӥичэ-хэ-њи,би-пи=э~колаан-дола-њ(ӥ)поӥӈао~
(疲れた!?)時に見た、ちょっと経っては煙突からモクモク、
би-пи=э~колаан-дола-њ(ӥ)поӥӈа,туинучикуу~ǯоо-каан
しばらくあって煙突からモクモク、そんな小さな小屋が
би-чин.кэтунуучи=дээби-эси.тэи=тэњиидуjээ-ǯиэ-лэ-њи,
あった。そんなに小さくもない。それの山側の所に
сокта-jӥноањ(ӥ)ǯоок-чӥ-а(-њӥ)уӈтэкээн,сокта-jӥ
自分のスキーを、彼らの家からちょっと離れた所に自分のスキーを
ачо-раа,чадохаӥ-раа,уи-лэ,сокта-jӥуи-лэлоо-раа,
脱いで、そこに、上に自分のスキーを上に掛けてから
эу-хэ-њитэиǯообааро-а-њ(ӥ).тулиэ-ду-э-њ(и)=тэњии,
下りた、その家の方に。中庭の所に、
сэурэ-м(э)полта~сэурэ-м(э)сэктэпуннаӥлоо-ха-њӥ
絹製の掛け布団、絹製の敷き布団を人が干して
би-чин.тэи=кээ,эмтэисэурэ-м(э)полта-ва-њӥтугбу-рээ,
あった。ムルグンは一つのその絹製の掛け布団を落として、
мээпибоӈгалбоӈгалхуку-хэ-њиоӈаакаосӥ-раа=даа.
自らをクルクルとくるまった、赤ん坊になってから、だ。
оӈаака-њӥосӥ-раатэимэргэн,боӈгалбоӈгалмээпи
赤ん坊になってから、そのムルグンは、クルクルと自らを
хуку-рээапсӥӈ-кӥн.туита-мӥэмэктэкэтэ~ӈњиэ-кэ=м.
くるまって横になった。そうして一人の女が戸を開けて出てきた。
ун-дии-њи,"тэи=кучи=э~сэктэпун-чиполта-чӥ,эси=мэ(т)
言う、「これはどうしたこと、敷き布団も掛け布団も、今になって初めて
хаӥ-м(ӥ)туу-хэ-њи,"уӈ-ки-њи,"хаӥхэдун-ду-э-њи."
どうして落ちたのか、」と言った、「どんな風にも(落ちなかったのに)」
эчиэ=дээлоо-го-а-њӥ.т(о)тарааии-гу-хэн.ии-гу-рээ
掛け直さなかった。それから入った。入ってから
ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"ээпаӈго=а~,"уӈ-кин,"полта-сӥ~
言うのだ、「妹よ、」と言った、「おまえの掛け布団と
сэктэпун-синаа-ч(ӥ)туу-хэ~н,"ун-дии-њ(и),"хаӥ-м(ӥ)
敷き布団が地面に落ちた、」と言う、「どうして
туу-хэ-њи,"ун-дии,"хэдун=дээанаа-ва.эгэсии
落ちたの、」と言う、「風もないのに。姉さん、あなたって
колӥ-сӥ,"ун-дии,"хаалӥ=даауиси=дээдапсӥӥла-асӥ,"
そういう性格ね、」と言う、「いつだって上に掛けてもくれないのね、」
ун-дии-њ(и)."хаӥгоро-а-њ(ӥ)гаса-ӥ-сӥ,"ун-дии-њи,
言う。「何を長いこと嘆いているのよ、」と言う、
"њиэ-рээдапсӥӥла-го-м(ӥ)хооњ(ӥ)та-ӥ-сӥ=а"=м.пуǯин=гулэ
「出てって自分で掛けたらどうなのよ、」と(言う)。(妹の)プジンは
њиэ-рээдапсӥӥла-го...гээполта-вауисиэури-хэ-њи.
出て行って掛ける、さあ掛け布団を上へ拾い上げた。
хэсэрэмэмоӈаак(а)чалаjааломагбӥӈ-ка=ма,туихукучэ-ду,
あれあれ一人の赤ん坊がそこからコロンと現れた、そんな包みの中に、
полтахукунэ=дээ.хусэби-чин.ча-а=тањӥӥ~,тохом(-бӥ)
掛け布団にくるまって、だ。男の子だった。それを(自分の服の)ボタンを
хэмачо-кта-раатуӈгэн=мањаосӥ-раахэрэктэ=мања
全部はずしてから、胸もあらわになって肌をさらして
туӈгэлэ-гу-рээииву-хэ-њи.полта-jӥǯапа-о-ха-њӥ,туӈгэм-би
胸に入れて抱いて家に入れた。掛け布団をつかんで、 自分の胸を
гаксӥа-ǯӥ-а-њӥ.туита-рааэикэ-jихээси-лу-хэн.хаӥ-а,
もう片方の手で(押さえた)。それから姉を呼んだ。じゃなかった、
ииву-гу-пи=тэњ(ии)полта-jӥкањӥ-чӥ,чакамолӥг(да)наӈгала-хан
持って入ると自分の掛け布団をオンドルへ、丸まったまんま投げた、
эчиэ=дэээсэли-гу-э-њи.чава=тањӥӥтэи,эикэ-ǯимэпуǯин
ちゃんと棚にしまわなかった。そのことをその、姉の方のプジンは
ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ),тэипуксу(н)кэркичэ-ду-э-њ(и)би-и
(見とがめて)言うのだ、その右側の席のかまどの横の場所に いる
пуǯин,"ээпаӈгоа~,"уӈ-ки(н),"эси=мэ(т)ао-рӥӥхаǯом(-бӥ)
プジンは、「妹よ、」と  言った、「今に限って寝具を
хаӥ-мӥчакамолӥгданаӈгала-ха-сӥ,"ун-дии-њ(и)."аjа~,"
どうして丸めたまんまで放っぽっとくの?」と言う。「いいのよ、」と
уӈ-ки(н),"эи=лээгэ-jихаӥ=даахэмхэсэ-ку,"
言った、「この お姉さんったら何にでもいちいち一言言うのね、」と
ун-дии-њ(и)."баӥбаӈ=кочӥхаӥ-гӥла-ӥ=тањӥӥ,"ун-дии,
言う。「ほんのちょっとの間だもの、どうしてそうしなきゃいけないの」と言う
"элээапсӥӈ-го-орӥ."туита-пӥ,бэктээнби-пиэикэ-jи,
「もうすぐ寝るでしょう。」そうすると、しばらくすると自分の姉に
хээси-хэн,"эгээ,эусидао-роо,"уӈ-кин,"эи=кээ
呼びかけた、「姉さん、こっちへ渡って来て、」と言った、「この
купэ-кээм-бэǯуэчи-гу-ур(и)эjээчиби-и-кээм-бэ."эикэ-њи
糸をちょっと取り替えましょう。こっちにあるのと。」姉は
дао-ха-њӥ.тасхумэсиосӥо-ваан-даасимуэчи-и,тэимэргэм-бэ,
渡った。 引き寄せて背中を丸めさせてささやく、あの(兄の)ムルグンを
ваа-ханмама=тањӥӥ,тэимама=тањӥӥ,тэиǯоог-до=тол
殺したばあさんが、あのばあさんが、なんとこの家に
би-и-њ(и)тэипуǯинǯоог-домалонакан-до-а-њӥ.ӥлаан
いる、あのプジンが家に真ん中の席のオンドルに。三つの
накан-ко-чӥ=гоањ(ӥ).тэимама=тањӥӥтэимало
オンドルがあるのだ。あのばあさんはその真ん中の席の
накан-до-а-њ(ӥ)би-и-њи.чад(о)=тањӥӥ,тэинэу-њи=тэњии
オンドルにいる。そこで、その妹は
эикэ-jихээси-рээун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ),"баӥбаӈдао-роо"=мда.
自分の姉を呼んでから言うのだ、「ちょっとの間だけ渡って来い、」と。
эикэ-њ(и)=тэњиидао-раахумэси-лэо-чӥ-њ(ӥ)кэркичэ-ду-э-њи.
姉は渡ってから背中を丸めた、 かまどの横の場所で。
"ээпаӈгоа~,"уӈ-кин,"эǯианаа-до-ар(ӥ)эǯи-гу-ури~,пиктэ
「妹よ、」と言った、「夫がいない時には夫とすべきだわ、子供が
анаа-до-ар(ӥ)пиктэ-гу-уриуǯи-гу-ури=э"=мсимуэчи-и-њ(и),
いない時には私らの子供として育てるべきだわ、」とささやく、
нэу-чи-jи.эмхусэ~пиктэ-вэбаа-хам-ба...полта
妹へ。一人の男の子を見つけたのを、掛け布団の
доо-ла-њӥ.тэитуу-хэнполтадоо-ла-њ(ӥ)."ǯуэдооээлэ,
中に。その落ちていた掛け布団の中に。「いつもいつも二つの裾の
ǯуэдааээлэ,уǯи-гу-ури,"ун-дии-њ(и).гээчава=тањӥӥ
上に抱いて下にも下ろさず可愛がって育てるべし、」と言う。 さあその子を
гэээикэ-мулиэǯуэ-ǯи-эр(и)уǯи-лу-хэ-чи.туӈгэ~н=мања
さあ姉といっしょに二人で育て始めた。胸に入れて
туӈгэси-мээр(и)туиулээси-м(и)њӥлаконтуиухури-мээри.
抱いてそうして可愛がって裸の胸にそうしてベタベタくっついて。
гээмэргэм-бэ-њисаа-васӥтуи=гоањ(ӥ).туита-мӥ
さあムルグンだということは知る由もないからそうなのだ。  そうして
палаам(-ба)купи-лу-хэ~нтэинаонǯокаан.туита-мӥ
床の上を遊び回り始めた、その子供は。そうして
палаам(-ба)купи-лу-хэ-њи.эси=тэњиитэиамбаароапуǯин
床で遊ぶようになった。あの魔物のプジンが
ваа-ǯараа~=ма(т)амбароопуǯим-бэ=тэњииэлээваа-маар(ӥ)
喰い殺すのではないかと魔物のプジンを 今にも殺さんばかりに
соӥ-ӥ-чӥ=гоањ(ӥ)."чававаа-мӥбу-ǯээ-чи"=дээхамачаа.туи
叱り脅しつけるのだ。「この子を殺したらあんたも死ぬよ、」だの何だのと。
та-мӥтэинаонǯокаан=та(њӥӥ)палаам(-ба)купи-и-ǯи-jи
そうしてその少年は床で遊んでいて
абаа=гдало-чӥ-њ(ӥ)боа-чӥњиэ-хэ-њи."луӈбэ-хэ-си=э~"=мэл
急にいなくなってしまった、外へ出て行った。「あなたが呑み込んだの?」
соӥ-jа-лундэтэимама-ва."тэинаонǯокам(-ба)
叱るという、そのばあさんを。「あの子供を
луӈбэ-хэ-си=jэ"=мдэ."хаӥлуӈбэ-ǯээм-би=э~,"ун-дии-њ(и),
呑み込んだでしょう!」と。「どうして呑み込んだりするものか、」と言う、
"хаӥлумбэ-ǯээм-би"=м,"наӥичэ-эси-ǯи-э-њи."хаӥ,туи
「何で呑み込めるだろうか、」と、「人に見られないように。」そう
та-мӥ=а,тэи,чӥӥла-ха-чӥгэлэ-гу-мээр(и)хооњ(ӥ)=даа
して、彼らはだめだった、探して探してどんなに
та-маар(ӥ)=даачӥӥла-ха-чӥ.тэиамбаароапуǯинун-дии-њи,
探してもだめだった。その魔物のプジンは言う、
"мэнэ~хаӥ-ра-со,"уӈ-кин."хаӥ-вар(и)=даахэм
「自分たちであれこれやっただろう、」と言った、「何でもおまえたちの全てを
ичуучи-мээр(и)пиктэ-гу-эр(и)баа-ка-по=а=малухури-и-вэ-су,"
よく見ていた、自分たちの子供を見つけたと思ってベタベタしていたのも、」
ун-дии,"ӥлааǯӥ-асӥ-со=ноо"=мда."тэимимбиэгарпа-хан
言う、「恥ずかしくないのか、」と。「あの私を射た
мэргэ~н,"ун-дии-њ(и).тэисама...амбаанби-м(и)=дээ
ムルグンなんだぞ、」と言う。魔物なのだが
сама-њӥӥсаа-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањӥ.эси=тэњии,"хаӥмии
シャーマンの者だ、知っているのだ。今、「どうして私が
луӈбэ-ǯээм-би,"ун-дии,"наӥсаа-расӥ-ǯӥ-а-њӥ.тэи
喰ったりするだろうか、」と言う、「人に知られないうちに。あれは
мэргэ~н,"ун-дии-њи,"хаӥ-вар(ӥ)=даахэмичуучи-мээр(и),
ムルグンだぞ、」と言う、 「何もかも全てよく見ていたぞ、
њӥлаконтухиси-уу-су,"ун-дии-њ(и),"масӥ-њ(ӥ)=даа."туи
裸で抱きかかえたのも、」と言う、「すごい奴だ。」
та-мӥ=тањӥӥ,энэнэтэи,ун-дии-њитэимама.гэлэ-гу-м(и)
そうして、ああそう言う、そのばあさんは。探したが
чӥӥла-ха-чӥхачӥ-ӈго-ǯӥбоалпоа,ǯоолпоа,эси=тэњиитэи
だめだった、手をつくして外も、家の中も(探したが)、その
мама,"луӈбэ-хэ-си=дээ,луӈбэ-хэ-си,"соӥ-ӥ-чӥ=гоањ(ӥ).
ばあさんを、「呑み込んだな、喰ったのだろう、」と責めるのだ。
"хаӥ-долуӈбэ-вээн-дии-су~,"ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ)тэимама.
「どこで喰わせてくれるというのだ、」と言うのだ、そのばあさんは。
"эмбоа-доасӥ-конаӥ=ноо,"ун-диитэи.
「普通の場所に妻を持っているような人じゃないぞ、」と言う、彼女は。
"сиунсиирээн-ду-э-њиуи-лэсиуркипуǯин-ǯи,асӥ-ко~боа
「太陽の光線の所に天上界のシウルキプジンと、 夫婦だ、 この
оjаа-ла-њӥ,хаӥ=дааэмбоа-доби-инаӥ=амурчи-и-су=нуу~,"
地上の、どこだかある場所にいるただの人だと思っていたのか、」
ун-дии-њ(и),"ӥлааǯӥ-а-со,"ун-дии,"хаӥ-вар(ӥ)=даахэм
言う、「恥ずかしくないのか、」と言う、「何もかも全て
ичуучи-мээр(и).эсиуиситоо-пӥ=кол=даабаа-ǯаа-чӥ=ма,"
見られてしまって。今天の上へ上ったならば見つけることだろうよ、」
ун-дии,"тэисиунсиирэн-ду(-э-њи)балǯӥ-ӥсиуркипуǯинасӥ-jӥ
言う、「その太陽の光線の所に住んでいるシウルキプジンの、妻の
бааро(-а-њӥ)тоо-ха(н),"ун-дии."хаӥ-ǯӥпулси-и-си~=дээ,"
方へ上った、」と言う。 「何で行けばいいのか、」と
тэиэикэ-ǯимэ,та-ӥ=гоањӥ,эикэ-ǯимэпуǯин."хаӥ-ǯӥ
その姉の方は、言うのだ、姉の方のプジンは。「何で
тоо-кпаачӥ-ӥ-сӥсии,уисибоаоjаа-чӥ-а-њӥ.тоо-кпаачӥ-ӥ
天に上ったりするのか、あなたは、上へ空の上へ。天に上る
хаǯом(-ба)миндубуу-руу=дээмиитэту-гу-jэ-вэ."тэи
道具を私に下さいな、私が着ます。」その
амбаароопуǯинун-дии-њи,"тэиваjаатахӥ-доби-эс(и)=кээ,"
魔物のプジンは言う、「あの岸の方の棚に あるじゃないの、」と
ун-дии-њ(и),"уjэкэндоо-ла-њӥ.такто=даадаӥ-ла-њӥ
言う、「裁縫箱の中に。倉ほどもの大きさの
тачӥ-м(а)коорӥ,ǯоодаӥ-ла-њӥǯолӥ-м(а)коорӥ=даа.гээ
タチムコーリ(巨鳥)、家ほどの大きさのジョリムコーリ(巨鳥)が。さあ
хавоӥчӥхала-м(ӥ)хавоӥтэту-руу,"ун-дии-њ(и).тэи
どちらでも好きな方をどちらでも着ろ、」と言う。その
пуǯин=тэњииун-дии-њи,"миидааӥ=атэту-гу-ита-ам-бӥ,"
プジンは言う、「私が大きいのを 着ることにするわ、」
ун-дии,"ǯоодаӥ-ла-њӥǯолӥмкоорӥ.""гээбоа-чӥ
言う、「家ほどの大きさの ジョリムコーリを。」「さあ外へ
њиэву-рээоӈбо-ǯиэǯиии-вури,"ун-дии,"ии-руу,"ун-дии,
運び出して尻の所から入るのだ、」と言う、「入れ、」と言う、
"дэгдэ-руу"=м.тотараа,њиэ-рээии-рээ,дэгдэ-ичэ-хэ(н)
「飛べ、」と。それから、出てから(覆いに)入って飛ぼうとしたが
чӥӥла-хан.чӥӥла-раагучиии-гу-хэнэси=тэњиитэиамбаароа
だめだった。だめで、また入って来た、今その魔物の
пуǯим(-бэ)элээваа-рӥӥсоӥ-м(ӥ)."балаа=даабалаа
プジンを今にも殺さんばかりに叱る。「早く早く、
тургэн-ǯи=дээтургэн-ǯи,хаӥ-роо"=м."коорӥ=даахаӥ=даа
速く速く、何とかしろ、」と。「コーリでも何でも
буу-руу,"ун-дии,"минду.""гээ,гээњиэву-рээ
頂戴、」と言う、「私に。」「さあ、さあ持って出て
тэту-руу,"ун-дии-њ(и).гээњиэву-хэн,боа-чӥњиэву-хэн,
着ろ、」と言う。さあ運び出した、外へ運び出した、
тэту-хэн.тэту-хэнхооњ(ӥ)дэгдэ-и.дэгдэ-ичэ-м(и)
着た。着たがどうやって飛ぶのか。飛ぼうとしたが
чӥӥла-хан.гучиии-гу-хэ-њи,"ача-асӥ~,"уӈ-кин,
だめだった。また入って来た、「だめだわ、」と言った、
"дэгдэ-эси=jэ"=мдэ."гоӥмосӥа-њӥӥхаǯом-бахооњ(ӥ)ǯапа-мӥ,
「飛ばないわ、」と。 「天上P人の道具をどう取って、
чуулии-рээдэгдэ-ичэ-и-си=э,"ун-дии-њ(и)."хаӥ=даа
ただまっすぐ入って飛ぼうというのかい、」と言う。「何も
сээксэанаахооњ(ӥ)=даадэгдэ-эси-си,"ун-дии-њ(и).
血もなしではそりゃあどうにも飛ばないさ、」と言う。
"хаӥ-ла-jӥ=даамуи-руу,"ун-дии,"њаӈга=даасээксэ."
「どこでもいいからちょっと切りな、」と言う、「少しでも血を。」
эси=тэњиитэипуǯин=тэњии,тэикэркичэ-дуби-ипуǯин=тэњии,
そのプジンは、そのかまどの横の場所にいるプジンは、
сӥам(-бӥ)сара-ха-њӥ.тэисээксэ,jоха-каан(-ǯӥ)
自分の耳を切った。その血を、小さな綿で
хаочӥ-раа,тэикоорӥопоро-ва-њӥтуимодорӥ-ха-њӥ.
拭って、その巨鳥の鼻をそうして塗った。
тотараабоањиэ-рээии-рээдэгдэ-хэн,гээхоргӥгда
それから外へ出て、入って飛んだ、さあバサバサと
дэгдэ-и=гоањ(ӥ),наӥтурим(-бэ)гэлэ-хэн.тэи=тэњиибоа
飛ぶのだ、人は捧げ物を欲した。彼女は空の
оjаа-чӥ-а-њӥтоо-ха-њӥ.боа=даанаа-кобоа=даамуэ-ку
上へ上った。天にも大地があり、天にも水があり、
хаӥ-ко=даахэм.эмǯоо-каа~нби-и-њи.такто-њ(ӥ)=даа
何でもある、皆。一つの小さな家がある。その倉も
эмукээкэн.коори-jӥ=лаачо-раа~тэитактопӥлаан-до-а(-њӥ)
一つだけだ。コーリを脱いで、その倉の入り口の板の所に
нээ-хэ-њи.тотарааии-хэ-њи.кањӥ-до~тээ-хэ-њи.тэи
置いた。それから入った。オンドルに座った。あの
мэргэн=тэњииичэ-миинэмуэ~(к)энэ-хэ-њи,тэипуǯим(-бэ)
ムルグンは見てニヤリとした、そのプジンを
ичэ-ми=дээ.тэипуǯин=тэњииӥлааǯӥ-адаасӥхаӥ-радаасӥ=а.
見て、だ。そのプジンは恥ずかしがりもしない、どうもしない。
"хооњ(ӥ)тоо-ха-сӥ~,"ун-дии,"эи-лэ.наӥ-а
「どうして 上ったのか、」と  言う、「ここに。人に
саа-ваан-пӥ=а=даањиэ-вур(и)=гоањӥ"=м,"боа-чӥ.""хаӥ-ва-њӥ
知らせてから出て行くべきだったのです、」と、「天へ。」「何を
сааваачӥ-орӥ,"ун-дии-њ(и).элээкэтумаӈгасорӥ-ӥча-паарӥ
知らせる必要があろう、」と言う。今にもあまりにひどく喧嘩になりそうに
туруу-гу-хэ-чи.ун-дии-њи"мэргэн,эу-гу-руу,"ун-дии,
なったが、止まった。言う、「ムルグンよ、下りて戻れ、」と言う、
"аjа.миичӥман(а)дэгдэ-гу-эм-би,"ун-дии,
「よし、私は明日飛ぼう、」と言う、
"туу-гу-эм-би,"ун-дии-њ(и),"иргэм(-би)далӥго-м(ӥ)."
「降りよう、」と言う、「自分の村を引き連れて。」
тэиасӥ-jӥиргэм-бэ,сиунсиирэн-дубалǯӥ-хансиурки
その自分の妻の村を、太陽の光線に生まれたシウルキ
пуǯиниргэм-бэ-њидалӥго-м(ӥ)туу-гу-и."туу-гу-ǯээм-би,"
プジンの村を率いて降りる。「降りよう、」と
ун-дии,"чӥмана."тэипуǯин=гулэтуита(-раа)
言う、「明日。」そのプジンはそれから
аjакта-чӥ-м(ӥ)њиэ-гу-рээ=лэ,коорӥтэту-гу-рээтуу-гу-хэ-њи.
怒って外へ出てから、コーリを着て降りた。
ун-дии-њ(и)=гоањӥтэипуǯин-чи,"чэкби-хээр-су,"ун-дии,
(ムルグンは)言うのだ、そのプジンへ、「ちゃんと仕度しとけ、」と言う、
"миитуу-гу-и-ду-jи-jэчӥман(а)[после],хаӥ[обе(да)]
「私が降りる時に明日、昼時を
сии-учиэ-њитуу-гу-ǯээ-пу"=мэ,ун-дии-њ(и),"хаӥ,
すぎたら  私たちは降りる、」と言う、
улээӈ-гу-ǯи,хаӥ-хаарӥ,"ун-дии-њ(и),"чэкчэкби-хээр-су,"
「良く仕度しておけ、」と言う、「ちゃんと仕度しておけ、」と
ун-дии,"миисумбиэкамордалӥго-ǯаам-бӥ,"ун-дии-њ(и).
言う、「私はおまえたちを丸ごと率いていくぞ、」と言う。
"чэкби-хээр-су,"ун-дии,"хаӥ-ва=даахэмчэкчэктуи
「きちんと仕度しろ、」と言う、「何でも全てきちんとちゃんとそう
улээннээ-ктэ-рээ=дээ."гээтуита-мӥтуу-гу-хэн,тэи
良くそれぞれの場所に配置して、だ。」さあそうして降りた、その
пуǯинтуу-гу-хэн,тэимэргэнгээ,ии-гу-и=гоањӥ
プジンは降りた、そのムルグンはさあ、入るのだ、
аоӈга-го-паар(ӥ)=матуу-гу-и-чи.э~ӈтэи=лэундииси=э,
一泊してから彼らは降りる。さあその、
ǯӥачӥмањӥ-а=ла~пуǯин=гулэ~ундииситэисиунсиирэн-ду
次の 日、プジンは、その太陽の光線に
балǯӥ-хансиуркипуǯин=гулэундииси,хаǯом(-бӥ)
生まれたシウルキプジンは、自分の家財や衣服を
таоса-чӥ-ӥ=гоањӥ,туу-гу-гу-jи.наӥхаǯо-њӥхаӥ=даахэм
集めるのだ、降りるために。その人の家財ときたら何でも全て
би-и-њ(и)=гоањӥ.асӥ-ǯӥ-jӥгэсэ~гэсэ~туитаосаӈ-го-раа
あるのだ。妻と一緒に一緒にそうして集めてから
туитуу-гу-хэн.хаӥ=даахэмњӥргӥ-ӥ-ǯӥ-а-њӥ
そうして降りた。何でも全て大騒ぎで
иӈгури-и-ǯи-э-њи,хэмтуитуу-гу-хэ-чи=гоањӥ,хаӥ=даахэм
音を轟かせて全てがそうして降ってきたのだ、何でも全て
хаǯом-барӥхаӥ-варӥ.наӥсиунхамачаадаалӥа-рӥӥ-ǯӥ-а(-њӥ)
彼らの家財も、彼らの何もかも。人間も太陽がどんなにか隠れるぐらいに
пакчӥӥпакчӥӥнаӥ=мањатуу-гу-и.туита-мӥ=а~ундииси,
暗く暗く 人間ばかり降って来る。そうして
тэиамбаароопуǯин=нууӥсӥ-го-хан,эси=тэ(њии)"балаа=даа
あの魔物のプジンのとこだかに着いた、 「急げや
балаабалаа=даабалаа,"тэимэргэнбосӥа-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањӥ.
急げ、急げや急げ、」そのムルグンは急かすのだ、
гээтуибудури-мээр(и)=тэњии,гээгээ,туихаолӥа
さあそうして急いで、さあさあ、そうしてそれでも
эси=тэњиитэиамбаароопуǯин=тэњиисоӈго-ӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ),
その魔物のプジンは泣くのだ、
"миихооњ(ӥ)эи-дуэмучэкээндэрэǯи-ури=дээ,миихооњ(ӥ)
「私がどうしてここに一人っきりで残れるだろうか、私がどうして
би-ури=дээ.""наӥ-асӥа-нда-го-мӥ=тэкгэсээнэ-ичэ-и-си=нуу"=м,
居られようか。」「人をまた食べるために 一緒に来ようというのか、」と
нэил-њиосӥсӥ-аундэ.тэи,мэргэн=тэњии,тэиэǯи-чи=тэњии
妹たちは嫌がるという。そのムルグンは、その彼らの夫は
осӥсӥ-ӥ-њ(ӥ),"гэсэгааǯо-орӥ,"ун-дии,"хаӥ-го-jӥ
彼らが嫌がるのを、「一緒に連れて行こう、」と言う、「何のために
наӈгала-го-ӥ-со,"ун-дии-њ(и),"эмучэкээн=дээ.гааǯо-орӥ,"
捨てて行こうというのか、」と言う、「一人っきりで。連れて行くべし、」
ун-дии,"аjа"=м.гэээси=тэњиитэимама=даасоӈго-ӥ
言う、「よい、」と。さあそのばあさんも泣くのを
хоǯӥ-ха~н.агда-ха-њӥнаӥмээп(и)ээгэсэгааǯо-ӥ-ва-њӥ.
やめた。喜んだ、人が自分を一緒に連れて行ってくれるのを。
гээтотараагэсэгааǯо-ӥ-чӥ=гоањӥ.таваӈкӥтуимаӈга
さあそれから一緒に連れて行くのだ。そこからそうしてひどく
паан-дӥӥ=даапууӈку-пээри=э~туиэну-хэ-чи=гоањӥ.энэ-ми=э~
気をP失うのだが、息をP吹き返すとそうして出発したのだ。行って
энэ-ми,мэнэǯоо-ла-jӥ~ӥсӥ-о-ха-њӥбуэ,мэнэби-чим(-би)
行って、自分の家に着いた、自分たちがいた
ǯоог-до.тооко-рааундииси,тооко-ӥ
家に。上ってから、上るや
нолǯӥн-ǯӥ-а-њ(ӥ)=та(њӥӥ)баӈсала-ха-њӥǯоо-jӥ.ǯоандааǯоо,
いなやその瞬間に蹴った、自分の家を。ダーの家、
хуjундаахурбуочо-го-ӥ-ǯӥ-а-њӥ.ǯоо-jӥ
ダーの小屋となるように。自分の家を
баӈсала-го-ха-њӥ,гээ.эси=тэњиихэjисолӥиргэнтуи
蹴った、さあ。下流にも上流にも村をそうして
туубу-хэниргэм(-бэ)хэjисолӥдуjумода-њӥдуэнтэ
降ろした、村を、 下流に上流に、山の方の際は森の
модан-дола-њӥ,ваjамоданмуэчӥкчан-дола-њӥ,
際の所まで、川の方の際は  水の 際の所まで、
тээ-гу-вээӈ-ки-њи.пурдум-ǯи=дээ,ǯооэгǯи-њи=гоањӥ.
落ち着かせた。途切れなく全面にわたって家はたくさんなのだ。
эси=тэњии~сиунсиирэн-ду-э-њ(и),би-чинасӥ-jӥ=тањӥӥ,
太陽の光線にいた自分の妻は、
пуксу(н)кэркичэ-ду-э-њиосӥ-го-вааӈ-кӥ-њӥ,тэидоокӥа-ла-њӥ
右側の席のかまどの横の場所に落ち着かせた、その家の端に
гучиэгэ-ǯимэасӥ-jӥнээ-хэ-њи,таваӈкӥ,амбаароа
さらに姉の方の妻を置いた、それから、魔物の
пуǯин=тэњиимало-до,тэисӥа-њ(ӥ)сара-ктопуǯин=тэњии,
プジンは真ん中の席に、あの耳を切ったプジンは、
гӥлон-ǯӥа-ланакан-доосӥ-ха-њӥ.туита-мӥ=а~=тањӥӥ,туи
左側の席の オンドルに落ち着いた。そうしてそうして
би-и=jэ~мэргэн=тэњии,бэjум(-бэ)бэjучи-и,гаса-вагарпа-ӥ,
いる、ムルグンは獣を狩り、水鳥を撃ち、
хамачаа=даасӥа-ор(ӥ)-ǯӥ=даамохо-асӥсинэǯи-эситуи
どんな食べ物にも不足することなく、困ることなくそうして
би-чин,би-и-њ(и)=гоањ(ӥ).туита-мӥ,тэисиун
いた、暮らしているのだ。そうして、その太陽の
сиирэн-ду-э-њ(и)би-и,асӥ-њ(ӥ)=тањӥӥбэjэ-дуосӥ-ха-њӥ.тэи
光線にいる、妻は身ごもった。その
асӥ-њ(ӥ)бэjэ-дуосӥ-ха~н.тэиасӥ-њ(ӥ)=дааулээнэктэ~.
妻は身ごもった。その妻も良い女だ、
"эси=тэњии~тэǯэбаа-рӥӥ=даатэисактӥӥ-њ(ӥ)
「さあ今本当に生まれて来たならば、あのバカ(魔物のプジンのこと)が
чуӈнулуӈбэ-ǯээ=мэ~,"та-агаса-а-л=аундэ,тэипиктэ-вэ-њи.
丸ごと呑み込んじゃうわ、」と言って嘆くという、その子供の事を。
туита-мӥ=а~=тањӥӥ,туиби-и=jэ,ваjа-ла-чӥэмǯоо
そうしてそうしているのだが、岸の方に一軒の家が
би-и.чадо=тањӥӥнаданпуǯинби-и-њ(и)тэиǯоог-до.
ある。そこに七人のプジンがいる、その家に。
тэиэǯи-чиасӥ-њӥ=мања,наданпуǯин.тэи=дээулээн
その彼らの夫の妻たちばかりが、七人のプジンだ。それらも良い
пуǯиу-сэ~л,поа-њӥ=каагэӈгэлгаӈгарби-и-сэл=дээ.туи
プジンたちだ、幾人かはひどいブスもいるのだが。そうして
би-и=jэ~туита-мӥ,тэисиунсиирээн-ду-э-њ(и)би-иасӥ-њ(ӥ)=тањӥӥ,
いる、そうして、その太陽の光線にいる妻は、
дэруу-хэн,пиктэ-гу-jӥбаа-м(ӥ).эси=тэњииэǯи-њ(и)=тэњии
始めた、子供を産むことを。夫は
токӥ-до-jӥ,сэктэпум(-бэ)сэкчиэ-рии,[подушка]-ванээ-рии,
自分のそりに、敷き布団を敷く、枕を置く、
апсӥм-боваан-дӥӥполта(-ǯӥ)дасӥ-раа,дуисиӥрчӥ-м(ӥ)
寝かせる、毛布で覆ってから、山の方へ曵いて
тоо-ха-њӥ,тоо-ло-ха-њӥасӥ-њӥ.тэиамбаароомама(-ǯӥ)чоча-ӥ,
上った、上り始めた、その妻は。あの魔物のばあさんから逃げる、
чоча-ӥ-чӥ."пиктэ-jи(-вэ)луӈбэ-ǯэрээ"=мдэ.туитоо-мӥ=а~
逃げる。「我が子を呑み込んでしまう、」と。そうして上って
тоо-мӥ,хамӥа-ла-њ(ӥ)тэисӥа-њ(ӥ)сара-ханмама-њӥ
上って、その後ろからあの耳を切った妻が
тоо-рӥӥ-њ(ӥ).туита-мӥ=а=ла,тоо-рӥӥ-до(-а-њӥ)элээ
上って来る。そうして上る時に、もう
ӥсӥ-ӥ-до-а-њӥ,тэиэǯи-њ(и)эу-гу-и-њ(и).тэисӥа-њ(ӥ)
着くという時に、その夫が降りて来た。その耳を
сара-кто=тањӥӥмэдэси-и-њ(и)=гоањ(ӥ),"гээ,хооњ(ӥ)та-ха-со,
切った妻は訊ねるのだ、「ああ、どうしましたか、
хооњ(ӥ)та-ха-со,балǯӥ-хан=нооабаа=ноо.""балǯӥ-ха~н,"
どう しましたか、生まれたか、まだか。」「生まれたよ、」と
ун-дии-њ(и)."гээхооњ(ӥ)ээву-гу-ури,"ун-дии,"ии,
言う。「さあ、どうやって下ろそうか、」と言う、  「ええ、
луӈбэ-ǯээ=мэ,"ун-дии,"ии.ататахооњ(ӥ)боа-ланэучэ-ури,"
喰ってしまうわ、」と言う、「そうだがああどうして外に置いておけよう」
ун-дии,"чава.луӈбэ-эси,"ун-дии,"аб(аа)гэрээ-њ(и)
言う、「あれを。呑み込まないように、」と言う、「いいえ、人々で
ичэǯэ-м(и)хооњ(ӥ)луӈбэ-вээм-бури"=мдэ."ээву-гу-ури=дээ,
よく見ていればどうして呑み込めるでしょう、」と言う。「下ろしましょう、
ээву-гу-ури."эси=тэњииэǯи-вэ-њихамасӥтообо-ӥ-њ(ӥ),тэи
下ろしましょう。」今夫を後ろへ上らせる、その
токӥ-а,эси,асӥ-jӥ,пиктэ-jикамортэучи-гу-рээ,тэи
そりに、今、自分の妻を、子供を丸ごと一緒に積んでから、その
пуǯинǯуэ-ǯи-эр(и)ээву-гу-и-чи=гоањ(ӥ).тэихорӥан-ǯӥ,
プジンと二人で下ろすのだ。その年上の方の妻と、
хорӥан-молӥатэи=дээ.асӥла-ха-њӥ=гоањӥ~тэи,тэимэргэн.
その妻と二人で、その女とも結婚していたのだ、その、そのムルグンは。
хусэ-вэбаа-ха-њӥ=го(ањӥ)чаваагда-ха-чӥ~туита-мӥ,
男の子を産んだのだ、それを喜んだ、そうして、
тэи,"хаӥ-орӥ,"ун-дии-њ(и),"эси."эси=тэњиитэи
それを、「どうすべきか、」と言う、「今。」その
токӥ(-до)тэучи-гу-рээээву-гу-хэ-чи,хамасӥ.хаӥ~эчиэл,
そりに積んで下ろした、元来た方へ。(違った、)
тэи,сӥањ(ӥ)сара-ктапуǯинун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ),"хаӥ-ва
その、耳を切ったプジンが言うのだ、 「何を
баа-ха-со~,"ун-дии,"хаӥ-вабаа-ха-со"=м,чадо=ма(т)
産んだのか、」と言う、「何を産んだのか、」と、その時になってやっと
эǯи-чигусэрээнду-и-њи."хаӥ-вабаа-ха-со,"ун-дии,
夫へ話すのだ。「何を産んだのか、」と言う、
"пиктэ-с(и)хаӥ=jа"=м."эмчиптум(-бэ)баа-ха~н,"ун-дии,
「おまえの子供は何だ、」と。「一つの枕を産んだ、」と言う、
"эмчиптум-бэ.чиптум(-бэ)баа-ха-њӥ,"ун-дии,
「一つの枕を。枕を産んだ、」と言う、
"чиптун=дээби-ги-њихамачаа=дааби-ги-њи,эǯи~дуи(лэ)
「枕でもいい、どんなのでもいい、決して山に
наӈгала-а-со,эǯи~хаӥ-раээву-гу-уу=дээээву-гу-уу,"тэи
捨てて来るな、決して捨てるな、持って下りろ、下ろせ、」とその
сӥа-њ(ӥ)саракта-ва,пуǯин=тэњии,поторӥ-ӥ-њ(ӥ)=гоањӥ.
耳を切った人は、そのプジンは、身をよじって訴えるのだ。
"эǯи~наӈгала-а-со"=даа.эси=тэњиичаа=дааулээнбоӈгал
「決して捨てるな、」と。それも良くクルクルと
боӈгалта-го-раа,хэмасӥ-ǯӥ-jӥгэсэхуку-гу-рээ,
丸く包んで、全て 自分の妻といっしょにくるんでから、
тэучи-гу-рээӥрчӥ-о-ха-чӥ,тэипуǯинǯуэ-ǯи-эр(и),тэи
そりに積んで曵いて来た、そのプジンと二人で、その
сӥа-њ(ӥ)сара-кто-ǯӥ.тотараакэрэктэ-лэӥсӥ-го-хан=гоањӥ,
耳を切った奴と。それから家のオンPドルに着いたのだ、
тотараапиктэ-эр(и)=тэњиичадонээку-хэ-чи.эси=тэњиитэи
それから自分たちの子供を そこに置いた。その
амбаароопуǯим(-бэ)этуу-рии=дэээтуу-рии,тэи=тэњиигуǯэлэ
魔物のプジンを見張りに見張る、そいつは哀れにも
саа-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањӥ,"ээдэнби-эсим-би=э~,"ун-дии-њи,"нэу-jи
自分でわかっているのだ、「バカじゃないわ、」と言う、「自分の妹の
пиктэ-вэ-њ(и)хаӥсӥа-ǯаам-бӥ=а"=м.туита-мӥ=а~туи
子供を何で食べるだろうか、」と。そうしてそうして
би-и=гоањӥ,эмчиптум(-бэ)баа-ха-њӥ=даакуучи-эдээси
いるのだ、一つの枕を産んだのだから、乳を吸いもしないし、
хамачаа-радаасӥ,туиби-и=jэ.туита-мӥтэиэǯи-чи=тэњии,
何もしはしない、そうして暮らしている。そうしてその彼らの夫は、
амӥм(-бӥ)ваа-ханамбаан-чӥэнэ-и-њ(и)тэи,сорӥ-ӥ-њӥ
自分の父を殺した魔物の所へ行く、彼は、戦う、
сорӥ-нда-м(ӥ).гэээǯи-чисусу-иǯӥачӥмањӥ-а,
戦いに行って。さあ彼らの夫は出発する、 次の日に、
хуигэсэ-гу(-э-њи)аӈго-хаа~л,гээсусу-гу-э-њи.ǯӥачӥмањӥ-а
お弁当を彼らは作った、さあ出発のために。次の日
тээ-ми,сусу-и-њ(и)тэи,туиэнэ-хэ~н,туиэнэ-хэнтэи,
起きて、出発する、彼は、そうして行った、そうして行った、彼は、
пиктэ-jи=дээнаӈгала-хан=гоањӥ,асӥ-jӥ=даанаӈгала-ӥ-њӥтуи
自分の子もほったらかしでだ、自分の妻もうち捨てて、そうして
энэ-и-њ(и)."эǯиваа-ваан-да-со,эǯиваа-ваан-да-со"=м
行く。「決して殺させるな、決して喰わせるな、」と
кэкчэ-и-њ(и)=гоањ(ӥ)"пиктэ-jи."туиэнэ-ми~энэ-ми=тэњии,
指示するのだ、「我が子を。」そうして行って行って、
гээмодам(-ба)ӥсӥ-п(ӥ)сорӥ-псӥн-дӥӥ=гоањӥ,баӥгоам(-ба)
さあその果てに着いて戦い始めるのだ、敵の所に
ӥсӥ-пӥ.тэибаӥгоан-ǯӥ-ар(ӥ)сорӥ-маарӥ=а=тањӥӥ,туиоовоӥ
着くと。その敵と戦って、そうして上になったり
пээгуисорӥ-мӥ=а=тањӥӥ.тэиамбаароопуǯин=тэњииэммодан,
下になったりして戦って。あの魔物のプジンはある時、
чӥмӥӥ,эрдэ=дээ,jааjа-м(ӥ)сэнэ-лу-хэ-њи.ун-дии-њи,
早くに、シャーマンしつつ目覚めた。言う、
"эрдэӈгэ~хаӥ=даа,эǯи-су=тэњииэлээбу-дии=jэ"=м.
「不思議だ、何とも、おまえたちの夫はもうすぐ死ぬぞ、」と。
"баӥгоан-ǯӥ-jӥсорӥ-м(ӥ).сээксэ-ǯи=мэ~топӥчӥ-ӥ,"
「敵と   戦って、   血で(血の)唾を吐いている、」と
ун-дии-њ(и),"пэиӈэ-ктэ~тоӥга-ктаӥлӥ-го-ӥ=а,"ун-дии-њ(и).
言う、「何度も膝をつき、手で支えてやっと立っている、」と言う。
"эусилӥассичэǯэ-и=э,"ун-дии,"миипиктэ-jиэлээ
「こちらの方ばかり見ている、」と言う、「私の息子が
ǯи-дииэлээǯи-дии,ичэǯэ-и-њи"=мдэ.гээхэмэ~
来る、今にも来る、と見ている、」と。さあ黙って
би-и-чи=гоањ(ӥ),хаӥ=дааун-дэдээси.туи,туиби-и=jэ~
いるのだ(彼らは)、何一つ言いはしない、そうして、そうしている、
эчиэ=дээхао(сӥ)=дааэнэ-рэ-л.туита-мӥ=а=тањӥӥ,тэи
どこへも行かない。そうして、その
амбаароопуǯин=тэњии,гучиэммодан,сэнэ-хэ-њи,хаӥ-а~,
魔物のプジンは、またある時、目が覚めた、
jааjа-ло-ха-њӥ."гэээси=тэњии~,"уӈ-ки-њи,"эǯи-суэлээ
シャーマンし始めた。「さあ今こそ、」と言った、「おまえ達の夫は今にも
бу-дии=jэ"=м,"алдаксӥла-ӥ.пэиӈэ-ктэтоӥга-ктаǯукээ~н
死ぬぞ、」と、「へたばって。膝をつき手をついてやっとのことで
ӥлӥ-го-ӥ=а,"ун-дии-њ(и),"сээксэ-ǯи=мэтопӥчӥ-ӥ,"
立っている、」と言う、「血で唾を吐いている、」と
ун-дии-њ(и)."пиктэ-jимаӈгамурчи-и-њи,"ун-дии,
言う。「自分の子供のことを 切に思っている、」と言う、
"пиктэ-jи."туита-мӥпиктэ-њи=тэњии,эсихаӥ,тэи
「自分の子供を。」そうしてその子供は、その
чиптун-ǯиэǯи=тэњии,чиптундоо-ǯӥаǯӥа=тањӥӥ,њӥлаконпӥка,
枕から、枕の中から、上も下もすっ裸で
агбӥӈ-кӥ=аун-дии,агбӥ-мӥпалан-чӥэу-ми,уикэ-вэ
現れた、という、現れて床へ下りて、戸を
луктуулэпагǯӥала-ха~нун-дии-њ(и)."мии=тэњиихамӥа-ла
開け放してそのまま走り出して行ったという。「私は後ろから
ӈаала-ǯӥǯапа-ӥча-ханǯапа-ӥча-ханхамарда-м(ӥ)=даа,"тэи
手でつかもうとした、つかもうとしたが、つかみ損なって、」とその
амбароомамагусэрэ-и-њ(и)."тэи=тэњии,ту(и)=бэкињӥораоо~
魔物のばあさんは話す。「その子は、そのまんま尻も青いままで
энэ-хэн,"ун-дии-њ(и),"њӥлаконпӥка=дааамӥм(-бӥ),
行った、」と言う、 「すっ裸だが、自分の父の所へ、
баӥгоан-чӥ-а-њ(ӥ)энэ-хэ~н,"ун-дии,"эси=тэњии
その敵の所へ行った、」と言う、「今は
ӥсӥ-мӥ=тањӥӥ,амӥм-бӥ,тэибаӥгоам-бӥалдан-дола
着いて、自分の父と、その敵の間に
ии-рии-ǯи-jигэсэ,амӥм(-бӥ)баӥгоам-ба-њӥваа-хан,"
入るやいなや、父の敵を殺した、」と
ун-дии-њ(и).эси=мэ(т),амӥ-њ(ӥ)тээ-рээтэиӈ-ки-њи.
言う。今になってやっと、父は座って休んだ。
гэтэгу...гэтэгу-ичэ-и-њ(и)=гоањ(ӥ)jэбэ-лээ=дээ.туихадолта
意識を取り戻すのだ、 少し良くなった。そうして数日
би-чичадо=тањӥӥпиктэ-jӥасӥ-го-а-њ(ӥ)=даабаа-ха-њӥ,у~лээн
いた、そこで自分の息子の妻も見つけた、良い
пуǯим(-бэ)баа-ха-њӥпиктэ-jиасӥ-го-а-њӥ.тэичала
プジンを見つけた、自分の息子の妻に。彼はそこに
энэ-пи,туита-мӥтуигэтэгу-пээр(и)=мэ~пиктэ-jи,амӥм(-бӥ)
行くと、そうしてそう息を吹き返すと、息子は、父が
њаӈгагэтэригэгу-м(и)=тэ(њии)хадолтааоӈгачӥ-ха-њӥ=гоањ(ӥ).
ちょっと息を吹き返すと数日  そこに泊まったのだ。
чадопиктэ-jиасӥ-го-а-њ(ӥ)баа-ха-њӥтэи,гааǯо-ханǯээ
そこで息子の妻を見つけた、 それを連れて来た、並みの
улээнэктэ-кээн=нууǯээулээнарчокаан=ноота-ӥ-њ(ӥ).
良さの女ではない、並みの良さの娘ではないという。
таваӈкӥ=тањӥӥгээсусу...ǯӥачӥмањӥиргэм(-би)
そこからさあ出発する、次の日村を
далӥго-маар(ӥ)туи,дэруу-хэ-чи=гоањ(ӥ),хаӥлараатэи=мээ
率いてそうして、始めたのだ、ああすごい、その
наӥиргэн=тэњии,наӥ-ахэтэ-мидалӥ-мӥби-чинǯээ=нуу
人の村を、人を乗れるだけ乗せて率いていた、並みの多さじゃない
иргэ-њии.амӥ-њ(ӥ)=тањӥӥ,токонада-до,тээ-гу-хэ-њи.
村の人々は。父は真ん中の大船に座った。
кооjолдаачан-до-а-њӥ.пиктэ-њ(и)=тэњиибоӈгоада-до
マストの根もとの所に。子供は先頭の大船に
тээ-гу-хэнкооjолдаачан-до(-а-њӥ),тэиасӥ-ǯӥ-jӥгэсэ=дээ,
座った、マストの根もとの所に、その自分の妻と 一緒にだ、
тэиарчокаан-ǯӥ-jӥ.эǯи-њ(и)=дээ,тэиэǯи-чи=дээасӥ-го-jӥ
その娘と。夫も、その彼らの夫も自分の妻を
баа-ха~нчадохаӥс(ӥ)асӥ-го(-jӥ)баа-хан.улээнпуǯим(-бэ)
見つけた、そこで再び自分の妻を見つけた。良いプジンを
баа-ха-њӥ,чадо=даа.гээтуигааǯо-м(ӥ)
得た、そこでも。さあそうして引き連れて
ǯиǯу-и-њ(и)=гоањ(ӥ).туигааǯо-м(ӥ)ǯиǯу-ми=э~=тэњии,
戻るのだ。そうして引き連れて戻って、
хаӥ-ла,наӥ=тањӥӥ~иргэ-њии=тэњии,тооӥтӥактӥак
人々は、村の人々は 岸辺にぎっしりと
эу-хэ-чииргэннаӥ-њӥ.иргэннаӥ-њ(ӥ)туи=бэкитӥактӥак
下りて来た、村の人々は。村の人々はそうしてぎっしりと
эу-хэ-њи,наӥичэ-ндэ-мээри.тэи,амӥ-њӥ,
下りて来た、人を見に来るために。その父は、
гааǯо-ӥ-њ(ӥ)=го(ањӥ),пиктэ-jи,пиктэ-jиасӥ-а-њӥгэсэ~=дээ.
引き連れて来るのだ、息子と、息子の妻も一緒に、だ。
тэинаонǯокаан=тањӥӥэлээмаӈботоком-баӥсӥ-ӥ-ǯӥ-jӥгэсэ,
その少年はもう大河の真ん中に着くやいなや、
тооӥ-чӥ,амӥ-наа-jӥтооӥ-чӥ-а-њ(ӥ),пуику-хэ-њи.тэрэк,
岸辺に、父さんたちの岸辺に、跳んだ。ピタリと
ӥлӥ-го-м(ӥ)пуику-хэ-њи.эси=тэњии~наӥ=тањӥӥтохала-м(а)
立つように跳んだ。人々は瀬戸物の
хоо-ǯӥ-jӥ,кочӥ-ǯӥ-jӥ,ӥтаӈгӥ-ǯӥ-jӥ,аркӥ-ахэри-лу-хэ-њи
徳利で、杯で、杯を載せる板で、酒を振る舞い始めた、
иргэннаӥ-а,хэм.хэмхэри-лу-хэ-њитэи,иргэннаӥ-а
村の  人を全て。皆に振る舞い始めた、その、村の人を
хэмхэри-м(и)=тэњии,наӥмээп(и)ӥсӥочӥ-ӥгурум-бэ=тэњии
皆に振る舞って、人は自らを客に集まった人々を
хэмомӥ-вааӈ-кӥн=гоањ(ӥ),эмњии=дэээмкочӥэмкочӥ
全て飲ませた、 一人一人に一つの杯、一つの杯を
туибуу-м(и).амбаароопуǯин=дэээу-хэ-њи~,туи
そうして与えて。魔物のプジンも下りて来た、そうして
эу-хэ-њи=гоа(њӥ)чадо=тањӥӥгуǯэ(лэ)гэрээ-њидуэ-ду(-э-њи)
下りて来たのだ、そこでかわいそうに人々の一番後ろに
ӥлӥсӥ-ӥ-њ(ӥ)=тањӥӥ.чадо=тањӥӥ~ун-дии-њ(и)=гоањӥ,тэи
立っている。そこで言うのだ、その
наонǯокаан,"амбарооэњи=э~,"уӈ-ки-њи,кочӥ-до-jӥаркӥ-ва
少年は、「魔物の母よ、」と言った、自分の杯に酒を
нээ-рээбуу-рии-њ(и),"амбаарооэњи,"уӈ-кин,"даама-ва
注いで与える、「魔物の母よ、」と言った、「大伯父さんを
хорӥо-го-роо"=мда,"даама-вахорӥо-го-асӥосӥњ(ӥ)сахарӥ(н)
生き返らせよ、」と、「父の兄さんを生き返らせないなら、黒い
сээксэтээпанаабу-ǯээ-чи,"уӈ-кин.мама=тањӥӥ
血もポタリとも無くなって死ぬぞ、」と言った。ばあさんは
соӈго-ло-ха-њӥ."хаалӥ=набуи-ким-бэ(-њи)хооњ(ӥ)хорӥо-го-орӥ,
泣き始めた。「いつだか(もう昔に)死んだのをどうやって生き返すべき、
эситургэн,эсибуи-киносӥњӥ=каааjа~,"
速く、死んだのならいいけれども、」と
ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"хорӥо-го-орӥ"=м.соӈго-м(ӥ)соӈго-м(ӥ)
言うのだ、「助けられるけれども、」と。泣いて泣いて
наадоо-чӥ-а-њ(ӥ)поӈтоӈтосӥлто-ха-њӥ.туи
地面の中へモコモコと土を盛り上げてもぐって逃げて行った。
чӥсаǯӥабаа.эси=тэњиииргэм-бэхэjисолӥхао(сӥ)=даа
すっかり見えなくなった。村を上流に下流にどちらにも
хэмтээ-вээн-дии-њ(и)=гоањӥнаа=даачики-асӥ,
全て落ち着かせたのだ、地面も足りないくらいぎっしりと、
багӥа-ва.э~ӈтэи=лэундииси,тэи=лэтуи,
向こう岸を。彼は、彼はそうして、
тээ-вээӈ-кин=гоањӥ,тэи,хаӥ-мӥ,тэинаонǯокаан=даа,
落ち着かせたのだ、その少年は、
асӥ-ǯӥ-jӥпааǯӥ-каа~н,эмǯооо-чӥ~н,пиктэ-jитуи
妻と一緒に別に独立して、一戸をなした、息子をそうして
осӥо-вааӈ-кӥ-њӥ.ноањ(ӥ)=тањӥӥмэнээкэр-ǯи-jи=мањатуи=дээ
落ち着かせた。彼(父) 自身は妻たちばかりとそのまま
та-ӥ.пиктэ-jи,асӥ-а-њӥпааǯӥ-каанчадотуи
暮らす。息子を、その妻を、独立に、そこでそうして
осӥо-вааӈ-кӥ-чӥулээн,ǯээдээдулэ-и-чи=нуутэи
落ち着かせた、良い、どんなにか可愛がったことか、その
асӥ-а-њ(ӥ)=даапиктэ-эр(и)=дээдэ.э~ӈэси=лэундииси
妻も、彼らの子供たちも。
тэи=тэњии~сӥа-орӥ-а=дааоркӥнǯака-васӥа-расӥ,тэту-ури=дээ
彼らは、食べる物も悪い物は食べないし、着る物だって
оркӥнǯака-ватэту-эситэи,пиктэ-эр(и)энǯэлэ-и-чи,
悪い物は着ないし、その、子供を世話することも、
асӥ-а-њӥэнǯэлэ-и-чиǯээ=нуу.эси=тэњии~тадотуи
その妻を世話をすることだって並みじゃない。今そこでそうして
би-мээритуибалǯӥ-маарӥ=а=тањӥӥ,эммодан=тањӥӥ,мии
いて、そうして暮らしていて、ある時、(私は
хаӈгӥсӥњӥӈмааӈ-кӥм(-бӥ),сиурэнэ-хэ-њи.тэиамбаароо
間違って物語ったわ、とばしてしまった。)その魔物の
мама=тањӥӥхэ~мсаа-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ),пиктэ-њихаӥ=даа
ばあさんはぜ~んぶ知っているのだ、あの子がいかなる
эрин-ду-э-њиӥсӥ-го-гӥла-ӥ-ва-њӥ~.туита-мӥ=а~тэи
時にやって来るのかを。そうしてその
мама=тањӥӥтуичопабааби-и-њ(и)=гоањӥ,наӥ,наа
ばあさんはそうしてすっかり姿を消しているのだ、地面の
доо-чӥ-а-њ(ӥ)сӥлто-хан-ǯӥ-jӥ,тэи.туита-мӥ=а~тэи,
中へもぐってしまって、彼女は。そうしてその、
чиптунбалǯӥ-ханнаонǯокаан=тањӥӥ,ахоотала-ӥ-њ(ӥ)=го(ањӥ)тул
枕から生まれた少年は狩りをして歩くのだ、いつも
ту~лдуисибуjум(-бэ)хамачааваара-м(ӥ),туиби-ми.
いつも山の方を獣をどんなのだって獲って そうしていて、
туита-мӥ=а=тањӥӥ,эммодан,эу-гу-хэ-њи,амӥ-њ(ӥ),
そうして、ある時、下りた、
тэи=тэњии~хаӥ-ва,тэиуликсэваа-хан=даатэидаамӥн-до-jӥ~
彼(少年)は、その肉を獲ったのもその大伯父さんと
даањӥн-до-jӥхэмнээ-рииаба=даада.хэмбуи-кин=дээ
大伯母さんに皆に供げて置く、彼らはいないけれども。皆死んだが、
обо-го-а(-њӥ)хэмнээ-риитэинаонǯокаан.туита-мӥ=а~=тањӥӥ
彼らの分も全部置く、その少年は。そうしていて
эммодан,эу-гу-хэ-њи,покто-jӥэу-гу-хэ-њи=гоањ(ӥ),долбо,
ある時、下りた、自分の道を下りたのだ、夜、
долбо-го-очӥа-њӥ=маа=даа.эсигучиамӥ-наа-њ(ӥ)ǯоо-њ(ӥ)
夜になってから、だ。さらに父たちの家の
уjээ-ǯиэ-лээмǯоопоӥӈаоо~та-ӥ-њ(ӥ).чава=тањӥӥ,
その上の側の所に一軒の家がモクモクと煙を上げている。それを(見て)
"эи-ду=кэээчиэǯооби-рээи-ду."тэи=тэ(њии)аксо(н)
「こんな所に家なんかなかった、ここには。」彼は戸口の横の
паава-чӥэнэ-рээсиӈму-ǯи(-jи)голкалӥ-рааичэ-хэ-њи.эммама
窓の所へ行って舌で突き破ってから見た。一人のおばあさんと
эммапаби-и-чи,киркэ~би-имапа~,киркэ~би-и
一人のおじいさんがいる、ヨボヨボに老いたおじいさんと、ヨボヨボの
мама~=даа.тэинаонǯокаан=тањӥӥ,уикэ-вэњихэли-мичуул
おばあさんだ。その少年は、戸を開けてまっすぐに
ии-хэ-њи.хаӥ,"гээдаамабаачӥгоапогээдаања
入った。「ああ、大伯父さん、こんにちは、ああ大伯母さん
баачӥгоапо."эси=тэ(њии)пиктэ-эр(и)оǯокта-ӥ."буэ=кээ,
こんにちは。」自分たちの子供に口づけする。「私たちは
туиби-иосӥњӥхооњ(ӥ),наӥ-асӥа-м(ӥ)би-ури=э,"
このままだったら どうする、人を食べているようでは、」と
ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ),"хооњ(ӥ)та-орӥамбааносӥ-хам(-ба)."
言うのだ、「どうすべきか、魔物になってしまったのを。」
"эси=кээамбаам-бӥ=дааачо-хам-бӥ,"ун-дии,"даамӥм-ба-сӥ
「今こそ自分の中の魔物を取り去った、」と言う、「おまえの大伯父様を
хаолӥахорӥо-го-хам-бӥ=а"=м.эси=тэњиитуиби-и=го(ањӥ),
なんとかして生き返らせた、」と。そうして暮らすのだ、
улээносӥ-го-раа~туиби-и-њ(и)=гоањ(ӥ).тэиамбаароо
良くなってそうして暮らすのだ。その魔物の
мамахэ~мсаа-рӥӥ-њ(ӥ).эсипурээм(-бэ)пулси-и,боа
ばあさんは全て知っている。森を歩き回り、外を
боалгӥачӥ-ӥ,хаӥ-ǯӥ=даасинэǯи-эсимохо-асӥтуи
狩りして回り、何で困ることもなく、足りないこともなく、そうして
би-и-чи=гоањӥ,гэээлээ.
暮らすのだ、さあ終わり。