風間伸次郎(採録・訳注).1998.『ナーナイの民話と伝説4』(ツングース言語文化論集12,千葉大学)より

6. гочӥн даа гоjоргоан мэргэн

30メートルの ゴヨルゴアン ムルグン

1997年4月6日、ダエルガ村にて、Њ. Б. Гейкер氏より録音。


э~ӈундииси=ээммэргэнэмучэкээ~нэмǯоодоо-ла-њӥ
一人のムルグンが一人きりである家の中に
балǯӥ-ха-њӥ.аа~нэубалǯӥ-ха-чӥ=го(ањӥ),ааӈ(-њӥ)
暮らしていた。兄と弟で生まれたのだが、兄の
ǯоо-чӥ-а-њӥнэу-њиии-рэси~нэу-њиǯоок-чӥ-а-њӥааӈ-њӥ
家へ弟は入らないし、弟の家へ兄は
ии-рэси~мэн мэнǯоог-добалǯӥ-ӥ-чӥтуита-маарӥ.туи
入らないし、それぞれの家に暮らしている、そうして。そうして
би-и-чи=го(ањӥ),туиби-ми~туибалǯӥ-мӥ=а=лаэммодан=гола
いるのだ、そうしていてそう暮らしていてある
нэу-ǯимэмэргэн=гулэ,сиксэ-лэмурчи-и-њи,"абаа~мии=кээ
弟の方のムルグンは夕方考える、「いや、私は
чӥман(а)тооко-асӥиндэ-м(и)аjа."ǯӥачӥмањӥ-а=лањаар
明日は森へ上らない、留まっても良い。」次のゆったり
њаарао-раундэ,сиун токон-доби-чи=нууби-ǯэрээ.э~ӈ
くつろいで寝ているという、正午になったか、なっていただろう。
сии-учиэ-њ(и)=нуу=м,эмпуǯинчуулии-кэундэ,тэи=лэ
正午をすぎていたらか、一人のプジンが真っ直ぐに入って来たという。その
пуǯин=гулэ,пэмун-ду-э-њ(и)=дээсээксэ=дээанаа~кӥарбарби-и
プジンは、唇にも血の気もなく、青ざめている
ӈээлэ-хэ-њиǯээби-и=нуу.мэргэн=тэњиихаӥ-рӥӥ-њӥ=гоањ(ӥ),
恐がっていたことは並みではない。ムルグンはどうするのだ、
"анда~пуǯинхао(сӥ)энэ-и-си,хао(сӥ)кӥӥрӥ-ӥ-сӥ,"
「友たるプジンよどこへ行くのか、どこへ立ち寄るのか、」と
уӈ-ки-њи,"хаӥ-ва,хаӥ-ваэнэ-м(и)энэ-эм-би=э"=м,"хао(сӥ)
言った、「いったい何を何を求めて行ったりするでしょうか、どこかへ
пулси-ипулси-эм-биун-ǯээм-би,"ун-дии."амбаа(н)
行こうとして行くなどと言えるでしょうか、」と言う、「魔物が
хасоа-до-а-њӥэнэ-jэ,"ун-дии-њи.э~ӈундииситуи
追いかけて来るのを逃げて来たんです、」と言う。
та-раа=лаундииси=э,"гээаоӈг-ооаjа."эӈтуи та-раа=ла
それから「さあ、泊まっていけ、良い。」それから
тэи=лэундииси,аоӈга-ха~нтэимэргэнтэидолбо-њӥ
そのプジンは泊まった、そのムルグンはその晩に
тэипуǯим(-бэ)мама-го-jӥбаа-раахоǯӥ-ха-њӥ.э~ӈтуи
そのプジンを妻として得て終わった。
та-раа=лаундииси=э,чӥмӥӥтээ-хэ~н,баараǯӥ-го-ха~н,
それから起きた、出かける身なりを整えた、
баараǯӥ-го-рааундиисиаак-чӥ-jӥэнэ-хэ-њи.э~ӈаак-чӥ-jӥ
身なりを整えてから、自分の兄の所へ行った。兄の所へ
энэ-хэ~нааг(-бӥ)ǯоок-чӥ-а-њӥии-хэнуикэ-вэǯапа-раа
行った、兄の家へ入った、戸をつかんで
ии-хэ-њи.ааӈ-њӥ=лаǯоог(-до)би-миби-иундэ.э~ӈ
入った。兄は家にいているという。
ии-риибаачӥ-ӥ=гоањӥ,...ха~нундииси,"миисии
入る、挨拶するのだ、「私は兄さんの
ǯоок-чӥ-а-сӥэси=мээии-хэн.миибоӈго-доии-хэн-ǯи-jимии
家へ今になって初めて入った。私が初めに入ったんだから私が
элчио-ǯаа=ма,"ун-дии,"буэ=кэээрдэӈгэ~,"ун-дии,
奴隷となろう、」と言う、「私たちは不思議だ、」と言う、
"ǯуэр-кээнбалǯӥ-орӥуи=дээуи-чи=дэээнэ-вэси,уи=дээ
「二人っきりで生きているのに誰も 誰の所へも行きやしない、誰も
уи-чи=дээпулси-вэси=дээ.э~ӈмиибоӈго-доии-хэннаӥмии
誰の所へも訪れもしない。私が最初に入った者だから私が
элчио-ǯаа=ма,сиихамӥа-лаǯаралӥ-ханнаӥсииэǯэн
奴隷となろう、あなたは後から 話し出した者だからあなたが主人と
осӥ-ǯаа-чӥ=ма,"ун-дии-њи."аапаӈго,туи=дээхаӥо-дараа,"
なるがよい、」と言う。「弟よ、そんなことになんでなるものか、」
ун-дии-њи."мии=дээоӈбо-лсӥ-ӥ=а~,"ун-дии,
と 言う。「私もいつも何度も忘れていたのだ、」と言う、
"энэ-ури-jэ~мурчи-и,туи та-рааоӈбо-го-рааапсӥӈ-го-ӥ
「行くべきだなあ、と考えるが、それから忘れて寝てしまったり
та-ам-бӥ=а,"ун-дии-њи,"синчиэнэ-ури-jэмурчи-и
であるよ、」と言う、「おまえの所へ行くべきだと思っていて
оӈбо-го-рааапсӥӈ-го-ӥтуиби-эм-би"=мдэ.эси=тэњиитуи
忘れて横になってしまう、そんなふうだよ、」と。
та-раа=лаундииси=э~"э~ӈаа~ундиисимии,
それから、「兄さん、私は
гусэрэ-ндэ-хэм-би,"уӈ-ки,"синчи.э~ӈмама-го-jӥ
相談をしにやって来ました、」と言った、「あなたの所へ。(私は)自分の妻を
баа-хам-бӥ=а,"уӈ-кин,"эӈмама-го-jӥамбаа(н)
見つけました、」と言った、「私の妻に、魔物が
хасоа-до-а-њ(ӥ)ǯи-чинпуǯим-бэ.""э~ӈбаӥгоам-бӥ,тулиэ
追って来るのを逃げて来たプジンを。」 「敵の魔物が我らが家の中庭の
талгӥа-чӥ-jӥӥсӥ-далахооњ(ӥ)би-ури,"уӈ-кин."э~ӈ
目前にまで迫って来たらどうして生きていられよう、」と言った。
"ча(-в)аачапчӥ,ачапчӥэнэ-игусэрээндэ-хэм-би"=мдэ.
「そいつをこちらから、迎え撃って行くものだと言いに来たんだ、」と。
э~ӈундииситуи та-раа=ла,эӈтуи та-раа=латэи=лэ
それからそれからその
мэргэн=гу(лэ)туиу-м(и)аак-чӥ(-jӥ)гусэрэ-рээњиэ-гу-хэ-њи
ムルグンはそう言って兄に話して出て行った、
ундиисиǯиǯу-хэ-њибаараǯӥ-го-ха-њӥундииси,"э~ӈ анда пуǯин
(自分の家に)戻って来た、身支度を整えた、「友たる プジンよ、
ундиисиэǯи гаса-ра,"уӈ-кин,"эǯи=дээӈээлэчи-рэкаока
悲しむな、」と言った、「決して恐れるな、じっと
би-руу"=мдэ.э~ӈмэргэн=гулэтаваӈкӥ=лаундиисиэ~ӈ
していろ、」と。ムルグンはそこから
хаӥ-го-ӥ=гоањӥ,баараǯӥ-го-ӥ-ǯӥ-jӥгэсэтаваӈкӥ=ла
どうするのだ、身支度を整えるやいなやすぐそこから
соктала-го-мӥэнэ-и=гоањ(ӥ).тэипуǯинпокто-ва-њ(ӥ)чуу~л
スキーを履いて行くのだ。そのプジンの足跡をまっすぐに
туиэнэ-эундэтуиэнэ-миэнэ-ми=э=лэундииси=э,э~ӈ
そうして行くという、そうして行って行って
дуэ~нтэдоо-ва-њ(ӥ)туиэнэ-эундэтэи=тэњиигуǯиэлэ,
森の中をそうして行くという、そのムルグンは、かわいそうに
ǯи-чин=тэњиидуэнтэдоо-ва-њ(ӥ)туиǯи-чи-њиби-чи-њи.эӈ
やって来たのは森の中だ、そうしてやって来たのだった。
туита-мӥ=а=лаундиисиэ~ӈэмбоа-до=лаундиисиэ~ӈ
そうしてある場所で
хаӥ-ха-њӥ,хаӥлоосилумооэгǯиби-чи-њипокто-ва
どうした、なんとも乾いた木がたくさんあった、道に沿ってずっと
суӈгурээ=дээ,кӥраа-ва-њӥ.тэи=лэмэргэн=гулэтэи=лэ,
至る所に、道の両端に。そのムルグンはその
моо-ва=лаундиисианосӥ-ха-њӥ.э~ӈпэкчэрэкэнэ-и-ǯи(-э-њи)
木を押し倒した。バリバリッと倒れるように
аносӥ-рааундиисиэ~ӥван-даатадополчӥ-м(ӥ)ӥлӥсӥ-а
押し倒してから火を点けてからそこで体を暖めて立っている
ундэмурчи-и-њиэлээӥсӥ-нда-ӥэи-вэ.э~ӈтуичадо
という、考えている、もうすぐやって来るな、ここに、と。そうしてそこで
ӥвачӥ-ӥ-до-а-њӥ=а=лаундииси=э,ичэ-и-њи=лэтэи=лэпуǯин
火を焚いている時に、見る、そのプジンの
покто-ва-њӥ=лачуу~лэммэргэн=гулэ,эӈǯи-дэундэ
足跡をまっすぐに一人のムルグンが、来るという、
ундиисиэ~колдо(н)суэ-њи,сӥмата-њӥ=лагуи-нэси-ми=э~ǯи-дэ
西洋杉の梢で、雪を払い落としながら来る
ундэ.э~ӈӥсӥ-ха-њӥ.ӥсӥ-ӥ-ǯӥ-jӥ гэсэундииси=э~мэргэн
という。到着した、着くやなやムルグンに
лаӈ осӥ-ӥ-њӥ."э~гочӥн даагоjорго~мэргэ~н
ぐっと近づいた。「ああ、30メートルもある巨大なゴヨルゴムルグンよ、
баачӥгоапо=ноо,"уӈ-ки-њи.э~ӈ"гээбаачӥгоапо,"ун-дии,
こんにちは、」と言った(我らがムルグンは)。「ああ、こんにちは、」と言う、
"сээнэуǯи-хэ-њисээдуэнмэргэнбаачӥгоапо=ноо,"ун-дии
「スウンが育てたスードゥウンムルグンよ、こんにちは、」と言う、
бунǯиэмэргэм-бэ.гээтуибаачӥ-м(ӥ)аjа-њӥ=гоањӥ
我らがムルグンのことを(そいつは)。さあそう挨拶して良いのだ、
ун-дии-њи=го(ањӥ)мэн мэнгэрбу-ǯи-jи.э~ӈтэи=лэмэргэн=гулэ
言うのだ、それぞれの名前で。そのムルグンは
ундииси=э,э~ӈчакамолӥм чакамолӥмбэjэ-jинаамӥ-го-ха-њӥ,
クネクネとヘビがとぐろを巻くように 自分の体を折り畳んで小さくなった、
наӥээр-њиӥсӥ-го...ӥлӥ-го-ха-њӥ.э~ӈундииси=э,эӈ
普通の人間の大きさになって、立った。
туихаjалхаjалгусэрээнду-миун-дэундэ,"анда~ундииси
そうしてなんだかんだと語り合って言うという、「友よ、
миибэjу-ӈгу-jипокто-ва-њӥэи-лэ~би-эс(и)=кээ,"ун-дии,
私の獣の足跡がここらになかったか、」と言う、
"ичэ-эчи-с(и)=нуу,"ун-дии,"миибэjу-ӈгу-jи-jэ."э~ӈ
見なかったか、」と言う、「私の獣の。」
бунǯиэмэргэнун-дии-њи,"наӥ-ǯӥӈээлэ-ибэjум-бэ=кээмии
我らがムルグンは言う、「人を恐がる獣を、私は
эчиэ ичэ-jэ,"ун-дии,"наӥ-ǯӥӈээлэ-ибэjум-бэ,хооњ(ӥ)
見なかったよ、」と言う、「人を恐れる獣を、どうして
ичэ-ури,"ун-дии,"наӥпоктола-м(ӥ)пулси-и-њинаӥ-ǯӥ
見るだろうか、」と言う、「人間が足跡をつけて歩き回っているのに人を
ӈээлэ-ибэjун.""абаа~,"ун-дии,"миибэjу-ӈгу-jи
恐れる 獣を。」「違う、」と言う、「オレの獣というのは
наӥ=а,"ун-дии-њи."э~ӈхооњ(ӥ)наӥ-ǯӥбэjулэ-ури,"
人間だ、」と言う。「どうして人で獲物とすべきか、」と
ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"наӥ-њӥби-ми,наӥуликсэ-вэ-њихооњ(ӥ)
言うのだ、「自分が人であるのに、人の肉をどうして
сӥа-орӥ-њӥ"=м,"наӥби-мигэсэ гэсэнаӥби-ми."
食べるべきだろうか、」と、「人であって、お互いに共に人であるのに。」
эиǯаар,тэиǯаарта-мӥ=ла эс(и),эси=тэњиимэргэн=гулэ
こっちが悪口を言えばあっちが言い返し喧嘩になって今、ムルグンは
ундииси,э~ӈтэи=лэгочӥн даагоjоргомэргэм-бэ=лэундииси,
その30メートルのゴヨルゴムルグンを
э~ӈсӥантола-ха-њӥундииситэитава-jӥоjа-чӥ-а-њӥ
ぶん殴った、あの火の上へ
бурбэрэктуу-рии-ǯи-э-њи.тэитаваоjа-чӥ-а-њ(ӥ)туу-хэн
灰や火の粉を飛び散らして落ちるように。その火の上へ落ちた、
тэимэргэн=тэњииундиисиоjаа-чӥ-а-њ(ӥ)=та(њӥӥ)тӥасмоо-ва
そのムルグンはその上へさらにぎっしり木を
наӈгачӥ-го-ха-њӥ.хаӥ=даахэтэ-эси-њимоо,ǯокаа=маа
投げかけておいた。どんな力も及ばないように木を、小屋のように
осӥ-ӥ-ǯӥ-а-њӥ,тӥаснээ-хэ-њи,туи та-раатаваӈкӥ=латэи
なるように、ぎっしりと積み上げた、それからそこからその
покто-ва-њ(ӥ)чуулэнэ-эундэ.туиэнэ-ми~энэ-м(и)
道をまっすぐに行くという。そうして行って行って
маӈбо-чӥ~эу-хэ-њи,тэимаӈбоэнэ-миэнэ-миэмиргэн-чи~
大河へ下りた、その 大河を行って行ってある村に
ӥсӥ-ха-њӥ.э~ӈундииситэииргэм(-бэ)ӥсӥ-ӥ-ǯӥ-jӥгэсэ
着いた。その村に着くやいなやすぐ
ундиисиэǯэ~нхаан-дола-њӥтоо-ха-њӥ.уикэ-ду-э-њ(и)
主たる長の所に上った。戸を
ǯапа-рааии-хэ-њи.тэи=тэњиитоо-рӥӥ-ǯӥ-jи=тэњииапӥ-jӥтас
つかんで入った。彼は上るやいなやうなじの所をパチンと
паачӥла-ӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ).э~ӈтэӈэи-лэ-jитуи,дапсӥӥла-м(ӥ)
叩くのだ。ただここの所をこう、手で覆うと、
коӥ-ко~ӥнокса-њӥосӥњӥсэсхэ-лэ-њисабда-го=ма,э~ӈ
耳垢に、鼻水はといえば、顎の所に滴り、
ǯӥлӥ-њӥосӥњӥхото.э~ӈнасал-њӥосӥњӥчакӥ,э~ӈ
頭はといえばハゲで、目はといえば白内障で、
ундииси,туи та-раа=лаундиисиуикэ-ду-э-њ(и)ǯапа-раа
それから戸をつかんで
ии-хэ-њи.э~ӈии-рии-њи=лэундиисиэ~ӈтэи=лэ,эм
入った。入る、一人の
мэргэн=гулэкэркичэ-д(у)тээси-ми~би-эундэ.э~ӈ
ムルグンがかまどの横の場所に座っているという。
мало-до=лаэмпуǯин=гулэтээси-эундэ,тээси-и-ǯи-э(-њи)=лэ
真ん中の席には一人のプジンが座っているという、座っているのが、
ундииси,"энэjэ~,ундииси=э,туи би-идурун-ǯи-эри~туи
「あらら、あんなふうな外見で、あんな
би-ибоӥко-ǯӥ-арӥ~ундииси=э,э~ӈмињиэчибиињи-ǯи=лэ
ふうな姿で私と いっしょにいようというのかしら、
ундииси,пэку~таосӥ=jа~ноӈǯӥ=jа~эуси=jэ=кээ,э~ӈ
熱い時にはあっちへ逃げ、寒い時にはこっちへ逃げてやるわ、
би-пугу-и=кээхасӥсӥ-ǯаа-чӥ=а,"у-мигэлллабана-каундэ
一緒にいたければずっとおまえは追いかけるのよ、」と言ってパッと消えて
тэи=лэпуǯин=гулэ.эӈтуита-ӥ-ǯӥ-jӥ гэсэундииси=э~тэи=лэ
いなくなった、その プジンは。そうするやいなやその
пуǯин,"анда~мэргэнтээ-руу,андамэргэнтээси-уу,"ун-дэ,
プジンは、「友たるムルグンよ、座れ、友たるムルグンよ座れ、」と言う、
"хамачаачукинэктэта-а-чӥ,"ун-дии."хама(чаа)
「なんて悪い女なんだ、おまえは、」と言う。(すると)「なんて
хоан-дӥӥ-ва-њ(ӥ),дэгдэ-и-вэ-њиэнэ-и-си=э"=мдэ,
うるさい女を、飛んで行く女をあなたは追いかけて行くのですか、
хас(ӥ)сӥ-ӥ-сӥ=а"=мда.э~ӈтуи та-раа=лаундииситэи
追って行くのですか、」と(言う)。それからその
мэргэнњиэ-гу-хэ(-њи)...њиэ-хэнњиэ-гу-рээдуиситоо-ха-њӥ.
ムルグンは外に出た、出た、出て山の方へ上った。
тээ~дуjулэ=лэби-чи-њи,эмǯооби-эундэ,лэ~игэн
ほうれ山の方にあった、一軒の家があるという、陽気に
инэктэ-эундиисиарчокаа-сал,хуjу~нарчокаа-салби-эундэ
笑っている、娘たちが、九人の娘たちがいるという
тэи=тэњииǯӥлган=тањӥӥ,"арчокаа-са~лундииси,мии=тэњии
その声からすると。「娘たちよ、私は
ундииситэи=тэњииундииси=экоӥ-њ(ӥ)чала~ӥнокса-њӥчала~
あの耳垢がこんなとこまで鼻水もこんな
ундииси=э,эӈхото-њ(ӥ)чала,дэиǯэгало-м(ӥ)
とこまで、ハゲはこんなで、そんなハゲを嫌って
дэгдэ-эм-би,хото-ва-њӥгало-м(ӥ)хоан-дасӥм-бӥ,"эси=тэњии
私は飛んで来たの、ハゲはイヤだからイチャイチャしたりしないわ、」
хаа хаа хаа хаа хаа хааинэктэ-итуиинэктэ-и-ду-э(-њи)чуул
アハハハハハハハと笑う、そうして笑っている時にまっすぐ
ии-хэ-њиии-рии-њи=лэундииси=э,э~ӈбаӥгэлабана-го-ка
入った、入ると、ただパッと消えてしまった
ундэтэипуǯинчадоби-чинтэи,чадоинэктэ-и-њ(и)тэи
という、そのプジンはそこにいたのがそいつは、そこで笑っていた、その
мэргэн-ǯи.э~ӈундииситуи=тулмэргэн=гулэабана-го-ӥ
ムルグンのことを。そうしてムルグンは(女が)消えていなくなると
њиэ-гу-и-ду-jи=лэуӈ-ки-њи,"сакпорӥл-њӥмиихамасӥ
出て行く時に言った、「ろくでなしめが、私が後ろへ
кээндэли-гу-и-ду-jэукитэли-њиуксэ-ǯээ-сухаӈ..хаӈготэли-њи=эчи
戻って来る時には、ニゴイの魚料理につぶしてやる、フナの魚料理に
хаӈма-го-ǯаа-со,"уӈ-ки-њи.э~ӈтуи та-раа=латаваӈкӥ=ла
乾かしてやる、」と言った。それからそこから
туиэнэ-эундэ,туиэнэ-ми~энэ-ми=э=лэундииси=э~эм
そうして行くという、そうして行って行ってある
ǯоо-лабаа-ха-њӥ.тэи-дучадо=даахаӥлараахахарамнаӥ
家を見つけた。そこに、そこにもなんとも陽気にハハハと人が
инэктэ-эундэ,эси=тэњииундииси=э,пуэсэ-инаӥпуэсэ-и~,
笑っているという、寝返りを打つ者は寝返りを打って、
дагбола-ӥнаӥдагбола-ӥта-маар(ӥ)наӥинэктэ-эун(дэ)
転げ回る者は転げ回ったりして、人は大笑いしているという
тэӈхоаннаӥинэктэ-и-њ(и)ǯӥлга-њӥ=ла,эӈтэипуǯин
ひどい騒ぎで人々が笑っている声がする、あのプジンの
ǯӥлга-њӥби-эундэ."эӈхуjунбуку-сэ~лмии-jэ,"ун-дии,
声があるという。「ああ、九人のせむしたちよ、私は、」と言う、
"наӥтуи,эӈинокса-ǯӥ-а-њӥчӥпчасӥ-мӥ=мањаэнэ-и=дээ,"
「人のああした、鼻水をただもう毛嫌いして行くところなの、」
хуjун... дэри-хэм(-би)дэрэ...дэсум-бэ-судэрэхэи...дээдэjэ~=дээ,
九人のせむしは 並んで、
инэктэ-и=э~туи,тэи,тэихото-ǯӥ-а-њӥ,инокса-ǯӥ-а-њӥ,
笑う、そうして、その、そのハゲだということで、鼻水のことで、
тупуис,пуэсэ-мээр(и)инэктэ-э-лундэтэи=лэундииси
ププッと、転げ回って笑うという、そのムルグンは
ии-рии-њиуикэ-вэǯапа-рааии-риипуэк энэ-кэ-л ундэ.
入る、戸をつかんで入ると、彼らは急に黙り込んでしまうという。
э~ӈбаӥгэлабана-го-каундэтэи=лэпуǯин=гулэ
ただパッと消えていなくなってしまったという、そのプジンは
таjаа-ǯӥа-лаундиисиэси=тэњиимэргэнњиэ-гу-и=гоањ(ӥ)
そこからムルグンは出て行くのだ、
таjаа-ǯӥа.э~ӈтаваӈкӥ=латуиэнэ-эундэтуиэнэ-ми~
そこから。そこからそうして行くという、そうして行って
энэ-ми=э=лэундииси=э,хаӥсӥчадо=дааун-дии,"дэрэгбэчэ
行って、再びそこでも言う、「あん畜生、
миихамасӥǯиǯу-и-ду-jи,укитэли-њи=эчиуксэ-гу-ǯээ-су,
私がこの道を後ろへ戻る時には、ニゴイの魚料理につぶしてやる、
хаӈготэли-њихаӈма-го-ǯаа-со,"ун-дии,эӈтуиэнэ-э
フナの魚料理にかわかしてやる、」と言う、そうして行く
ундэ,туиэнэ-ми~энэ...хооњаа=дааэнэ-хэнундии(си)
という、そうして行って、どんなにか行った、
гучиэмбоа-лаэмǯоо-вабаа-ха-њӥ.ча~до=jас
またある場所で一軒の家を見つけた。さあそこでもまた
эсихаӥлараанаӥинэктэ-эундэтэи=тэњии,хуjунбукин
ひどく人は笑っているというその、九人のせむしが
би-чи,кээ~рбилиинэктэ-э-лундэтэи=тэњиихаӥ=даа
いた、ひどく笑っているという、そいつはなんとも
инэктэ-и=дээинэктэ-итэи=дээпуǯин=тэњииинэктэ-миун-дии...
笑いに笑っている、あのプジンは笑って言う、
гусэрэ-и-њ(и)=гоањӥ,"тэимэргэнтуиби-и-вэ-њигало-м(ӥ)
語るのだ、「あのムルグンがあんなふうであるのを嫌って
энэ-эм-би=э"=мдэ.э~ӈии-хэ-њи=лэтуиинэктэ-хэнгурун
行くところなのよ、」と。入った(ムルグンは)、そうして笑っていた人々は
тэрэм энэ-хэн,тэипуǯим-бэбаӥпоӈтор поӈтор
きまり悪くて急に黙り込んだ、あのプジンはただほこりだけを残して
сӥмӥӥ-го-ха(н)...хаӥчоча-го-хан.эӈтаваӈкӥ=латуиэнэ-э
姿を消した、逃げた。そこからそうして行く
ундэгороэнэ-кэ~ǯиǯаэнэ-кэхооњааэнэ-хэ(н)=ус
という、遠く行った、近く行った、どんなに行ったことか、
хооњааэнэ-хэ(н)=ус.эм,хооӈкопорон-до-а-њӥ=лаундииси
どんなに行ったことか。ある、崖のてっぺんに
эмǯоо-каа~м(-ба)ичэ-хэ-њи.э~ӈундииситэи=лэ
一軒の小屋を見た。その
ǯоо-каан-чӥ=лаэнэ-хэ-њи.тэи=лэǯоотулиэ-ду-э-њитооро-ко~
小屋へ行った。その家の中庭にはシャーマンの柱があり、
туигэ-куби-чи-њи.э~ӈундиисиуикэ-ду-э-њ(и)
犠牲を捧げる太い木があるのだった。戸を
ǯапа-рааии-хэ-њи.эммапа~мамаби-эундэ,мапа-чӥ~
つかんで入った。一人のおじいさんとおばあさんがいるという。おじいさんへ
мама-чӥњохораачӥ-ха-њӥ.э~ӈоǯокта-ха-чӥмапа-ǯӥ,мама-ǯӥ,
おばあさんへお辞儀をした。キスをした、おじいさんとおばあさんは
тэимэргэм-бэ=лэǯапа-раа=даа.э~ӈмапаун-дии-њи,ам
そのムルグンをつかんでから、だ。おじいさんは言う、
"ичэ-гу-рээ~,ундииситэихоан-дӥӥ-ва-њӥ~дэгдэ-и-вэ-њи
「若者よ、あんなうるさい女を、飛び回っている女を
дахорсӥ-м(ӥ)пулси-и-си,"ун-дии,"хамачаагоо-ко гур-сэл-бэ,
信じて歩き回っているのか、」と言う「なんとも訳のわからない女を、
тэибунǯи=мањаадэгдэ-и-чибунǯи=мањаахоан-дӥӥ-чӥ,"
あれは私たちの所にだけは飛んで来る、私たちにだけはなついている、」と
ун-дии-њи."э~ӈбуэ=тэњииамӥ-сӥбур-бувээн-дээ~тэи
言う。「私たちは(我らの主人だった)おまえの父に死なれてしまって、あの
гочӥн=даа,гоjоргомэргэн,э~ӈхаӥ-го-а-њӥэнэ-хэ-пу~,"
30メートルのゴヨルゴムルグンの、あれとして仕えようと行ったが、」
ун-дии,"сэвээӈ-гу-э-њи,дааӥсэвээӈ-гу-э-њи.тэи=тэњии
と言う、「スウンとして、大きなスウンとして仕えようと。あれは
наӥ-асӥа-рӥӥамбааносӥ-раахоǯӥ-ха-њӥ,"ун-дии-њи.
人間を食べる魔物になってしまってそれまでだった、」と言う。
"э~ӈэсибуэњоам-ба-њӥдахорсӥ-асӥ-по,"ун-дии,"мии
「今私たちは彼のことをもう信用しない、」と言う、「私は
симбиээсибао-го-ха~н,агда-ха~н,"тэи=тэњииундииси
おまえを見つけて、うれしくなった、」とその、
эси=тэ(њии)мама=тањӥӥ,сӥа-го-а-њӥ=лапуjуу-рии=гоањ(ӥ).
 おばあさんは、彼の食べ物を煮るのだ。
"пиктэ-jисӥа-го-а(-њӥ)пуjуу-руу,"ун-дии-њи=го(ањӥ)мапаачан.
「我が子の食べ物を煮ろ、」と言うのだ、おじいさんは。
эси=тэњиикотаррр~мама=лапуjуу-рэундэхаӥ ǯака
コトコトとおばあさんは煮るという、いったい何を
пуjуу-рии-њи=ус.эӈтуипуjуу-пи=э=лэундиисиэ~ӈундииси,
煮ているのか。そうして煮ていると
туи,тэи=лэтуикотаррр~пуjуу-хэм(-бӥ)доо-ла-њӥ
そうしておばあさんはそうしてコトコト煮ているその時に、
мама=лаундииси=э,эӈкота-кааннээ-кэпагбӥӈ-го-ка...
おばあさんは皿を置くと取り出して来た、
хаӥӥра-ха-њӥундэмэргэн-чи=лэ,э~ӈэмхоӥ(н),
運んで来たという、ムルグンの所へ、一匹のヒキガエルを、
хэрэǯэкэ.[и]эм,хаӥ-каан=даа,колӥа-каан=даа.э~ӈ
カエルだ。それから一匹のヘビもだ。
мэргэн=гулэча-а=лаундиисихооњ(ӥ)сӥа-орӥ=амурчи-и-њи,
ムルグンはそいつをどうやって食うべきだろうかと考える、
эи.эси=тэњииунд(ииси)насалчӥмчакта-рааундииси,
こいつを。目をつぶって
пэргэ-хэ-њи,а~ӥулээм-бэсӥнорсӥӥамтасӥӥ=дааэси=тэњии,
試してみた、ああ良い、油っこい、甘いし、今、
чуӈнурэмǯапа-раааӈма-чӥ-jӥгӥдала-ӥгээǯупукосӥ-го-ӥ
丸ごとすっかりつかんで自分の口へ突っ込むとさあ元通りに現れた、
гучисӥа-рӥӥ-њ(ӥ)гучиорон-дола-jӥочо-го-ӥ та-аундэ,
また食べるとまた元の場所に食べ物が現れるという、
эси=тэ(њии)элэдэлэсӥа-ха-њӥ.э~ӈэлэдэлэсӥа-ха-њӥхаӥсӥ
十分なまで食べた。十分なまで食べた、再び
пэрэг-ду-э-њигучихаӥс(ӥ)би-эундэчадо.чава=тањӥӥ
底の所にまた再びあるという、そこに。そのことを
амӥ-њӥ...мапаачанун-дии-њи,"ам ичэ-гу-рээ~,"ун-дии,
おじいさんは言う、「息子よ、」と言う、
"сии=тэњии~,"ун-дии,"ӥлаанхуjум(-бэ)сӥа-ха-сӥ,"ун-дии,
「おまえは、」と言う、「三回九つを食べた、」と言う、
"амӥ-сӥ=тањӥӥтэӈǯуэхуjум(-бэ)сӥа-хан,"ун-дии-њи.
「おまえの父親はただ二つの九つを食べた、」と言う。
"эи,тэигочӥн=даагоjоргомэргэн=тэњиитэӈэмхуjум(-бэ)
「その、あの30メートルのゴヨルゴムルグンはただ一つの九つを
сӥлаансӥа-хан,"ун-дии-њи,"сиимасӥосӥ-ǯаа-чӥ,"
やっとのことで食べた、」と言う、「おまえは強くなるだろう、」と
ун-дии-њи,"синǯиуи=дэээвэӈ(ки)галӥ-асӥ,"ун-дии-њи,
言う、「おまえには誰もこれからはかなわない、」と言う、
"хаӥ-ǯӥ=даадагалӥ-асӥ,"ун-дии-њи,"эсигороанаа,"
「何者もかなわない、」と言う、「今ここから遠くはない、」
ун-дии,"тэээидуjэлэби-и-jэ,"ун-дии,"дааӥ
と 言う、「ほうれこの山の方にある、」と言う、「大きな
амоа(н)тэи,тэиамоан-до=тањӥӥхачӥнхоӥ~(н)хачӥнхаӥ~
湖が、その、その湖にさまざまなヒキガエルがさまざまな
ǯӥлга-њӥхэмби-и-jэ,"ун-дии,"тэихэрэǯэкэнаӥ
ヘビがなんでも全ている、」と言う、「そのヒキガエルとあのプジンは
купи-и-њ(и)...чалакупи-ндэ-су-и-њи=э,"ун-дии,"тэи
遊ぶ、そこにいつも遊びに来る、」と言う、「その(湖の)
кӥраа-до-а-њ(ӥ)=тањӥӥ,хаӥсӥсаби-и-jэ,"ун-дии,"дааӥ=о~
岸辺の所には大理石がある、」と言う、「大きな
дэрэдаӥла-њӥ,"ун-дии,"чадо=тањӥӥǯампам(-ба)чӥа-раа
机くらいの大きさだ、」と言う、「そこに蚊帳を張って
чадоаоӈга-нда-со-ӥ=а,"ун-дии,"тэиэктэчал(а)
そこにいつも泊まりにやって来る、」と言う、「あの女はそこに
ǯиǯу-и-њи,"ун-дии,"чадоапсӥ-нда-го-ӥ-њӥ=а=даа.э~ӈ
戻って来る、」と言う、「そこにいつも横になりに来るのだ、
ундиисиэсиэлэээлэээчиэǯиǯу-рэ,"ун-дии,"чала.
まだまだ戻って来ていない、」と言う、「そこに。
элээӥсӥ-го-ӥби-ǯэрээ,"ун-дии,"таосӥ."э~ӈэси=тэњии
もうすぐ到着するようだ、」と言う、「そこへ。」
тэи=лэмэргэн=гулэтаваӈкӥ=лаундииси=эхаӥ-ха-њӥ,э~ӈ
そのムルグンはそこからどうした、
тоо-ха~нтаосӥмапаа-наагусэрэ-хэн-чи-э-њи.э~ӈтэи=тэњии
上った、そこへ、おじいさん達が話してくれた所へ。それは、
эси=тэњиитэи=лэмэргэн=гулэундииси=э,тэихаӥ-чӥ,
そのムルグンはその湖へ
нэ-хэ-њи,тэиǯампанби-иундэ,чӥа-хантэи
行った、その蚊帳があるという、張ってあった、その
ǯанпан-чӥии-хэ-њи.э~ӈчадо=лаундиисиэмкота(н)
蚊帳へ入った。そこには一つの皿に
лала-њӥби-эундэ.тэи=лэмэргэн=гулэтэикота(н)
おかゆがあるという。そのムルグンはその皿の
лала(-в)а-њӥхэмсӥа-ха-њӥ.туи та-раа=тањӥӥундииси=э,
おかゆを全部食べた。それから
ǯӥлӥхото-ва-њӥхосӥсӥ-ӥ=дааӥно-чӥ-ӥ=даатопӥ-чӥ-ӥ=даата-а
頭の皮膚病の所を掻いたり何度も鼻をかんだり唾を吐いたりする
ундэ,тэисӥам(-бӥ)коӥ-ва-њӥхосӥсӥ-ӥ=даачоӥчӥ-ӥ=даатэи
という、その耳の耳垢を掻いたり、ほじりとったりしてその
симсэ-гу-э(-њи)нээ-ктэ-гу-хэнтӥас=даа.туи та-раа=латоо~
かゆの油の所に置いておいた、たっぷり、だ。それからずっと離れて
хаӈгӥ-л(а)сӥрӥ-ха-њӥ.э~ӈундииситуи та-раасӥрӥ-раа~
別の所に隠れた。それから隠れてから
чадоби-эундэ.эси=тэњиибагӥа-ǯӥа-лаǯулхи-ǯиэ
そこにいるという。向こう岸の側、東の側から
дао-го-а-лундэхуур хуур хуургаса-каанǯиǯу-эундэ.
渡って来るという、バサバサバサと水鳥が戻って来るという。
туиǯиǯу-пи=э~ӥсӥ-го-ха-њӥ."хээ~и хэиэи=дээ~хаӥ=даа,
そうして戻って来ると着いた。「フ~イフイ、こいつは何だ、
кӥӥрӥ-ӥ=даа~ǯээ би-и ǯакакӥӥри-ачӥ-њӥ=а,"ун-дии-њи,
立ち寄ったぞ、並みの奴じゃないぞ、立ち寄ったのは、」と言う、
"э~ӈгээхоӥ=а~купи-уу-сугээ,хаӥ=jаǯабǯаан
「さあ、ヒキガエルよ遊べ、さあヤマカガシよ
купи-уу-су,"ун-дии,эси=тэ(њии)тэӈхоаӈ-каачӥ-ӥ,
遊べ、」と言う、ひどく騒いでふざける、
купи-лу-хээ~л.туи та-раа=лаундииси,"элээ~наӥ
遊び始めた。それから「十分だ、人は(我々のことを)
доолǯӥ-ӥ=jа,"ун-дии,"досо-мӥдоолǯӥ-ӥ=jа,"уӈ-кин.
聞いているぞ、」と言う、「耳をすまして聞いているぞ、」と言った。
э~ӈтуи та-рааундииси,лала-ӈго-jӥсӥа-рӥӥ-до-а-њ(ӥ)
それから自分のおかゆを食べる時に
ǯааро-а-њӥ,эӈсӥа-ло-хан=дааǯааро(-а-њӥ)туита-пӥ,
だろう、食べ始めた時であろうか、そうすると、
оӥ~коjакоjакэихусэ-чи-эундэтуи
オエーオエオエとそいつは何度も吐くという、そうして
хусэ-чи-и-ду-э-њ(и)=тэњии,наӥтэимэргэн=гулэтаваӈк(ӥ)
何度も吐いている時に、人が、そのムルグンはそこから
эну-хэ-њихаӈгӥсӥ.тэинаӥ,хото-њ(ӥ)сӥа-ор(ӥ)туи
去るのだ、別の方へ。その人が、頭の皮膚病の所を食べたりすれば
би-и=гоањ(ӥ)хусэ-ур(и)=гоањ(ӥ).эӈтуи та-раа=латэи,
そのようなのだ、吐くのも当然なのだ。それからそのプジンは
"эњи-нээ-чиама-наа-чӥэу-гу-пи=лэсӥа-ǯаа=ма,"ун-диитэи.
「母たちの所へ父たちの所へ下りたら食べよう、」と言う、そいつは。
э~ӈундииситэи=тэ(њии)мэргэн=гулээу-гу-хэн.гусэрэ-хэн,
そのムルグンは下りた。話した、
тэимама-наа."э~ӈэлээ-њи,"ун-дии,"дуэ-њи
そのおばあさん達に。「ああ十分だ、」と言う(ばあさんは)「もう終りだ、
хао(сӥ)=дааэвэ(ӈки)поктоанаа,"ун-дии,"њоањӥ.э~ӈ
どこへもここから行く道はない、」と言う、「彼女は。
эвэӈк(и)хао(сӥ)=дааэнэ-м(и)=дээмутэ-эси,"ун-дии,"мэн
ここからどこへも行くこともできない、」と言う、「自分で
туикусун-ǯи-jи=дэээну-п(и)=рэгдэмутэ-ǯээ=мэ,"ун-дии,
そのただの力で行くことだけはできるだろうが、」と言う、
"эвэӈки,дэгдэ-м(и)=дээмутэ-эси~ха-м(ӥ)=даапулси-м(и)=дээ
「ここからは、飛んでも行けないし、どんな魔力でも歩き回ることも
мутэ-эси,"ун-дии,"њоањӥэси.сиихэмњоањӥпокто-ва
できない、」と言う、「彼女は今や。おまえは全ての彼女の道を
хэмсии-гу-хэн."э~ӈундииситаваӈкӥ=ла,тэимэргэн
全て塞いだ。」そこからそのムルグンは
ичэ-и-њи=гоањ(ӥ).тэихоӥ-ӈго-њ(ӥ)=тањӥӥхэмбэгǯи...
見るのだ。あのヒキガエルは全部足を、
хэмдэ-њиоӥсӥ=мањаосӥо-го-ха-њӥбуи-кин.туи та-раа
腹を全部上に向けてひっくりがえっていた、死んでいた。それから
таваӈк(ӥ)эну-и-њ(и)=гоањ(ӥ).эну-хэ~нтуидуэрэ-гу-и=гоа(њӥ)
そこから去るのだ。去った、そうして歩いて行くのだ、
эну-хэнэну-хэн,хаӥ-го-хантэи,тэиалда-л(а)ǯи-дии-ду-jи,
去った、去った、どうしたあの、あの人々の間へやって来た時に、
инэктэ-хэнгурум-бэ=дээхэмхакӥ-ла-њӥтап тап
笑っていた人々も全員首の所からびっしり
лоо-кта-го-м(ӥ)ваа-м(ӥ)эну-и-њ(и)=гоањӥтэи."э~ӈундииси
串で刺して掛けて殺して去った後だったのだ、それは。
тэи=лэ,пуǯин=гулэундии(си)"амаа-наа-чӥэнэ-пи=лэ
その、プジンは「父たちの所へ行ったら
сӥа-ǯаа=ма,"ун-дии,мапа-наа-чӥэну-хэ-њиэу-гу-хэ-њи.
食べよう、」と言う、おじいさん達の所へ去った、下りた。
хамачаамапа=дааабаахаӥ=дааабааǯоо=дааабаахаӥ=даада
いかなるおじいさんもいない、何もない、家もない、何も
абаа,нэдэнаахурээн=дээабааосӥо-го-ха-њӥ."энэjэ~
ない、平らな地面だ、山もなくなった。「あらら、
хуjунбуку-ӈгу-jибао-го-пӥ=ласӥа-ǯаа=ма,"ун-дии-њи.эӈ
九人のせむし達に会ったら食べよう、」と言う。
таваӈкӥ=латуидуэрэ-гу-эундэ,туиǯиǯу-ми~ǯиǯу-митэи
そこからそうして歩いて行くという、そうして戻って戻って、あの
хуjунбуку-ӈгу(-jи)ӥсӥ-го-ха-њӥ.э~ӈчадо,чадо
九人のせむし達の所に着いた。そこに
ӥсӥ-го-ӥ-њ(ӥ)тэи=тэњииэмуту,хаӈготэли-њ(и)=кээчикаа~пӥа~
着いたが、それも同じ、フナの干し魚のようにカパカパに
хэдун-дэ-лундэнаӥхэмхакӥ-ла-њ(ӥ) тап тап лоо-ха-њӥ.
風に乾いているという、人は全部首の所からたっぷりと刺して掛けてあった。
эӈтаваӈ(кӥ)туиǯиǯу-эундэтуиǯиǯу-ми~ǯиǯу(-ми)
そこからそうして戻るという、そうして戻って戻って、
"арчо(к)ааӈ-го-jӥбао-го-пӥ=ласӥа-ǯаа=ма,мурчи-и-њ(и)=гоањ(ӥ)."
「九人の娘達に会ったら食べよう、」と考えるのだ。
туиǯиǯу-хэнǯиǯу-хэнарчо(к)ааӈ-го(-jӥ)ӥсӥ-го-хан=даа,тэи=дээ
そうして戻った、戻った、娘達の所に着いたが、それも
хаӥс(ӥ)каапӥа~хэдун-дэундэнаӥхэм,эи-лэтап тап
再びカパカパに風に乾いているという、人は皆、そこにたっぷりと
лоо-хан.туита-п(ӥ)таваӈк(ӥ)туимочо-го-аундэтуи
掛けた。そうするとそこからそうして戻るという、そうして
энэ-ми~энэ-митэихаӥ-чӥ,тэиинэктэ-хэнгурун
行って行ってあの、あの笑った人々、
арчокаа-салбао-го-хан=даатуинаӥњоам-ба-њӥ
娘達を見つけたが、やはりああして人は彼らを
ваа-ха~н.лоо-го-хантуи,эси=тэ(њии)хаос(ӥ)энэ-и-њи,
殺していた。吊るしてあったそうして、どこへ行く、
эгээ,эукэн-чи-jиэу...ǯоок-чӥэу-гу-пи=лэсӥа-ǯаа=ма
兄嫁の家へ下りたら食べよう、と
мурчи-и-њи=гоањ(ӥ),элээмаӈгала-ло-ханǯэму-ǯи.э~ӈǯоо...
考えるのだ、もうしんどくなり始めた飢えて。
ваӥс(ӥ)эу-гу-хэ-њи.ǯооӈ-њӥ=лаиргэн=дээабаахамачаа=даа
川の方へ下りた。家も村もない、何も
анааби-чи-њи.тэи=лэиргэнсолӥадуэ-лэ-њи,тоо-раа
なくなっていた。その村の上流の方の端で、上ってから
хэǯиэдуэ-лэ-њиасамасӥ-ӥ-њӥ=ла,э~мманахапасӥ-а-њ(ӥ)=даа
下流の端で足跡を詳しく見る、一つの魚の皮の切れ端さえも
эчиэ баа-ра-њӥэмǯиэктэǯӥлха-њ(ӥ)=дааэчиэ баа-ра-њӥ.э~ӈ
見つけなかった、一つの粟のかけらさえも見つけなかった。
наӥ,наӥхаӥ-го-хан=тањӥӥэмхаӥ=даааба-ǯӥ.эси=тэњии
人が、人がどうした、一つの何もないようにした。
пуǯин=тэњииэси=тэњииэну-игэлэ-и=гоањ(ӥ)эну-и,эси=лэ~
プジンは去ることを求めているのだ、去る、
туидуэрэ-м(и)эну-эундэмаӈгала-ха-њӥ=го(ањӥ)ǯэму-ǯи.
そうして歩いて去るという、しんどくなったのだ飢えで。
туидуэрэ-гу-эундэтуиэнэ-ми~энэ-миао-пӥ=а~энэ-и
そうして歩いて行くという、そうして行って行って横になっては行く、
тээси-пи=э~энэ-итуита-аундэ.туиэнэ-ми=ээнэ-ми
起きては行くそうするという。そうして行って行って
наӥиргэм-бэичэ-и=гоањ(ӥ).э~ӈиргэм-бэичэ-хэн-ǯи-jи=мања
人の村を見るのだ。村を見たのだが、
хадо модан,хаӥ-го-ӥ,хэтуэ-гу-jихадо модан,саа-го-ӥ
何度か、意識を失い、何度か意識を取り戻したり
та-м(ӥ)туиэнэ-эундэтуиэнэ-ми~энэ-миэǯэ~н
してそうして行くという、そうして行って行って主たる
хаам-ба-њӥӥсӥ(-г)о-ха-њӥ.э~ӈэǯэнхаам-ба-њӥӥсӥ-го-ха-њӥ
長の所に着いた。主たる長の所に着いた、
ундии(си)э~ӈсӥӥнкӥраа-ва-њӥӥсӥ-мӥсии~лумхэтуэ-хэ-њи.
氷の穴の縁に着いてフラフラと気を失った。
туи та-пӥ=о~саа-го-ха-њӥ,э~ӈао-рӥӥ-ла-jӥ=аэси=тэњии
そうすると意識が戻った、しばらく寝ていてから
ӥлӥ-го-раатаваӈк(ӥ)тооко-аундэ.эӈпоктодолӥн-до-а-њӥ
立ち上がってからそこから上るという。道の途中で
хаӥс(ӥ)гучисии~лумхэтуэ-хэ-њи.э~ӈундииситуи та-раа
再びまたフラフラと気を失った。それから
ундииситэи=лэундииси=э,эси=лэундииситуиао-пӥ=а~
彼女はそうして寝ると
тээ-гу-хэ-њи.эси=лэуикэ-вэњихэли-и-ду-jигучи
起き上がった。戸を開ける時にまた
туу-гу-хэ-њи.э~ӈэси=тэњии,кэкээ-нээ=лэундиисиǯапа-раа
倒れた。今、女奴隷たちはつかんで
хаӥ бааро-а-њӥ,гӥлон-ǯӥакалтаабааро-а-њ(ӥ)кутучи-рээ
どちらの方へ、左側の席の側の方へ引きずって行ってから
наӈгала-го-ха-чӥ.э~ӈтуиао-пӥ=о~сэнэ-гу-и=го(ањӥ)
投げておいた。そうして寝ていると目が覚めるのだ、
саа-го-ӥ=гоањ(ӥ).эс(и)=тэњии~тэиэукэн=тэњииундииси
気がつくのだ。その兄嫁は
соӥ-ӥ=гоањӥ,"эрдэӈ...ээдэм-би~бэлчим-би~
叱るのだ、「バカ者が、阿呆が
саа-го-ка-с(ӥ)=тањӥӥ=а,"ун-дии,"э~ӈдэгдэ-хэ-си~хоаӈ-кӥ-сӥ
やっと気を取り戻したか、」と言う、「飛んで行ったり、騒いだりした
дуэ-њимода-њӥӥсӥ-го-ха-њӥ=а"=м.э~ӈэс(и)=тэњииун-дии
末に、最後にやっと到着したか、」と。言う、
тэи=лээукэ-њи=лэундииси=э,гуǯиэси-ур(и)=дээǯааро-а-њӥ,
その兄嫁は、憐れみもするのだろう、
хулухалокта-ǯӥ-а-њӥњоӈгӥасоӥракта-ǯӥ,сӥа-ваа-маар(ӥ)
リスの真皮で、緑色のクマの目玉で、食べさせて
гэтэгу-вээӈ-ки=э~=лэ,окчӥчӥ-маарӥ.туи та-раатуиби-и
息をふきかえさせた、薬を与えて。それからそうしている
ундэтэиэс(и)=тэњиимэргэн=тэњииэси=тэњиитэихаӥ-ва=даа
という、そのムルグンは彼女がなんでも
та-ло-го-хан,мутэ-лу-гу-хэн=тэ(њии)мэргэн=тэ(њии)ии-гу-и-ду-jи
し始めた時に、できるようになると、ムルグンは家に入って来る時
таон-до(-а-њӥ)тоӥкаа-м(ӥ)дэруу-хэн.сиксэтоӥкаан-дӥӥчӥмӥӥ
毎に叩き始めた。夕方叩いたり
тоӥкаан-дӥӥта-аундэтэи=лэпуǯим-бэ=лэ.э~ӈтуи
叩いたりするという、そのプジンを。そうして
балǯӥ-аундэ,эӈтэи=тэњииундииси=э,тэибоӈго-до
暮らしているという、あの、あの最初に
ǯи-чинасӥ-њ(ӥ)=тањӥӥун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"анда~мэргэн
来た妻は言うのだ、「友たるムルグンよ、
ундииси,э~ӈмуэ-кээм(-бэ)та-ӥ-до-а-њ(ӥ)=дааjэбэ=тэњии=э~
少し水を汲みに行くのもなんとか大丈夫になり
моо-каам(-ба)та-ӥ-до-а-њ(ӥ)=дааjэбэ=тэњии,"ун-дии,э~ӈ
少し薪を取りに行くのもできるようになりました、」と言う、
наӥ-атуи=э~эрдэлэ-и=дэээлээ=тэњии=э"=м.э~ӈтуита-а
人をあのように叩いたりなさるのはもう十分です、」と。そうする
ундэтэи=тэњииундииси=э,туихаӥ-рӥӥ=даа.эси=тэњиитуи
という、ムルグンがそうするのも。そのように
асӥ-jӥтуита-ӥ-њӥ=а~индэчи-пи=этоӥкаан-дӥӥ,индэчи-пи=э
妻がそう言うので、数日 間をあけてから叩いたり間をおいてから
тоӥкаан-дӥӥта-м(ӥ)дэруу-гу-хэнтуибалǯӥ-ӥ=гоањ(ӥ).туи,
叩いたりしてそうし始めた、そうして暮らしているのだ。そうして
чадотуибалǯӥ-ӥ~туиби-иундииси,э~ӈтуи
そこでそうして暮らしている、そうしている、そうして
балǯӥ-ӥ=гоањ(ӥ),улээносӥо-го-раа=даа.элээ.амбаан
暮らしているのだ、やっと仲良くなってからだ。終わり。若干
горо.
長い話だったね。