風間伸次郎(採録・訳注).1998.『ナーナイの民話と伝説4』(ツングース言語文化論集12,千葉大学)より

3. ǯуэ мэргэн балǯӥ-ха-чӥ

二人の ムルグンが 暮らしていた

1997年4月6日、ダエルガ村にて、Њ. Б. Гейкер氏より録音。


э~ӈундиисиǯуэмэргэнбалǯӥ-ха-чӥмээн мээнǯоо,
二人のムルグンが暮らしていた、それぞれ自分の家に、
ааӈ(-њӥ)=даанэу-чи(-jи)энэ-эсиии-рэси~,нэу-њ(и)=дээ
兄も弟の所へ行かない、入らない、弟も
аак-чӥ-jӥ=аэнэ-эситуиби-э-лундэ.туибалǯӥ-ӥ~туи
兄の所へ行かないそうしているという。そうして暮らしているそう
балǯӥ-мӥ=а=лаэммодан=голаундииси,нэу-њи=лэ индэ-хэ-њи.
暮らしていてある時、弟は 狩りに行かずに留まった。
"а~ӥси,мииэмучэкээн...эм ињи-эиндэ-хэм-би
「ああ、私は一人きりで一日家に留まったならば
ундииси=э,эмтакто-jӥдава-њӥмана-ǯаам-бӥ=а,ǯуэ
一つの倉のサケを食べ尽くしてしまうだろう、二日も
ињиэ=дээǯуэр-кээ(н)эчиэ тоо-ра осӥњӥǯуэǯокаанмоо-ва-њ(ӥ)
二日間だけでも森へ上らなかったなら二つの小屋の薪を
ӥвачӥ-ǯа(а)=ма,"уӈ-ки-њи.э~ӈтуи та-раа=лаундииси=э,
燃やし尽くしてしまうだろう、」と言った。それから
њаа~рчӥмӥӥао-ха-њӥтуи та-рааундиисиэси,ињиэ~
ゆったりと寝た、それから今、昼に
тээ-хэ-њи=э~баараǯӥ-го-хансӥа-го-ӥта-хансӥа-хан,"э~ӈ
起きた、身支度をして食事もした、食べた、
эси=кээааг-б(ӥ)ичэ-ндэ-ури."э~ӈии-хэ(н)...аак-чӥ-jӥ
「今こそ我が兄を見に行くべきだ。」入った・・・兄の所へ
энэ-хэ-њи.ааӈ(-њӥ)=та(њӥӥ),эчиэ тооко-а-њӥби-чи-њи.
行った。兄は、森へ上ってなかった、いた、
эњуэ-дулэтӥ~аслала-(в)асуили-эундэ,пуjуу-риилала-ва
鍋に たっぷりおかゆをかきまぜているという、煮ている、おかゆを
аӈго-ӥ-њӥ."эиаак-чӥ=а~тэӈǯӥрганǯакааӈго-ӥ-сӥ,"
作っている。「この兄ったらすごいごちそうな物を作っているな、」
уӈ-ки-њи."э~ӈсинǯиаанэубуэбалǯӥ-ха-по
と言った。「あなたと兄と弟で私たちが生まれたことは
хооњ(ӥ)=аулээн,"ун-дии,"уи=дээǯоок-чӥ-а-њ(ӥ)=даауи=дээ
どんなにか良いのに、」と言う、「誰もどちらの家にも誰も
энэ-эдээси,уи-чи=дээуи=дээдэии-рэдээси=дээ.мии
行きはしないし、誰の方へも誰も入りやしない。私が
боӈго-доии-хэ-њимии=тэ(њии)њӥкано-ǯа(а)=ма,"ун-дии,"сии
最初に入ったんだから私が奴隷になろう、」と言う、「あなたは
хамӥа-лаǯаралӥ-ха-њӥсииэǯэносӥ-ǯаа-чӥ=ма"=ам.э~ӈтуи
後から話し出したんだからあなたが主人になるがよい、」と。
та-раа=латэи=лэ,мэргэн=гулэмало-чӥ-а(-њӥ)тээ-ндэ-хэ-њи
それからその、ムルグンは真ん中の席へ行って座った、
ааӈ(-њӥ)=та(њӥӥ)ǯаралӥ-адаасӥхэмээ,лала-ӈго(-jӥ)суили-э
兄は何も話し出さない、黙っている。自分のおかゆをかき混ぜて
ундэ,э~ӈтуисуили-хэм(-би)доо-ла-њ(ӥ)=тањӥӥэси=тэњии
いる という。そうしてかき混ぜている最中に
хаӥ-ха-њӥ,боа-чӥњиэ-рэундэундиисиэ~симусэ-ӈгу-њи
どうした、外へ出るという、油が
абаа."пэргэ-ǯээ-чи,эилала,хоњаала-ӥ=даа хооњ(ӥ)=даа
ないので。「おまえがもし試しに喰ったら、このかゆを、さじで取ったり 何か
та-ӥосӥњӥ,ии-гу-jэнасал-ба-сӥчуӈнуачо-ǯаам-бӥ,"
したならば、入って来ておまえの目玉を両方くりぬいてしまうぞ、」と
ун-дии-њи,нэу-чи-jи.э~ӈтуи та-раањиэ-кэундэ
言う、自分の弟へ。それから出て行ったという、
уӈгэ уӈгэ=мбоа-чӥ.туи та-пӥ=а=лаундиисиэмпока-ла
のそのそと外へ。しばらくすると一つの魚の浮袋に
симусэ-вэ-њиииву-гу-ми,њиэ-хэ-њи хамӥа-ла-њ(ӥ)=тањӥӥ
油を持って入って来る(のだが、兄が)出て行った 後で
наонǯокаан,мэргэн=тэњииундииси,энэ-рээ,ундииси=э,
若者は、ムルグンは行って、
тэӈлала-ӈго-њӥэњуэ-њ(и)токон-дола-њӥ=лаэм хоњаам-ба
まさしくその兄のおかゆをその鍋の真ん中の所から一匙を
хоњаала-ха-њӥ.э~ӈтэи=лэии-гу-и-ǯи-jи гэсэичэ-хэ-њи
すくって食べた。兄は入って来るやいなや見た、
ун-дии,ичэ-и-ǯи-jи гэсэун-дииэси=тэњииундииси=э,тэи
言う、見るやいなや言うその
лала-(в)а=ла,чоӈдорам энэ-хэм-бэ-њи=лэнэу-jи=лэ
おかゆを、一匙分の穴があいてしまっているおかゆを、(そして)弟の所へ
ǯи-дии-ǯи-jи гэсэ,оонǯӥчирэ-минасал-ба-њӥэjээтаjа-ла
来るやいなや、仰向けに押さえつけてその目をこちらもあちらも
кучээн-ǯи-jихэмачо-ха-њӥ.эси=тэњиитэинаӥ=тањӥӥ~
ナイフで全部くりぬいた。その人は
таваӈкӥǯӥа-њ(ӥ)туиэнэ-и=гоањӥтуимора-ӥсоӈго-ӥ
そこからそうして行くのだ、そうして叫んだり、泣いたり
та-м(ӥ)энэ-и-њ(и)=го(ањӥ)наӥ,наӥнасал-ба-њӥчуӈну
して行くのだ、人が、人が目をすっかり
ачо-ха-њӥхооњӥ.туиэнэ-эундэтуисоӈго-ми
取ってしまったらばどうしていられよう。そうして行くという、そう泣いて
туиэнэ-и~туимиӈгучи-м(и)туиэнэ-эундэтуиэнэ-ми~
そうして行く、そうしてうめいてそうして行くというそうして行って
энэ-ми=э=лэундииси=э,эмбоа-ва=л(а)хамачаабоа-ва
行って、ある場所に・・・どんな所を
энэ-хэ(н)=усхаӥ-вабоа-ваӥсӥ-ха(н)=ос,эӈтэмири-и-њи=лэ
行ったのか、どんな場所に着いたのか、手で触って、
тэи=тэњии ундииси тэи,даа~ӥмооби-чи-њи.наама-мӥ=ла
そのムルグンは(行く)、大きな木があった。抱いて、
ундииси,нааман-дӥӥ,туинааман-дӥӥ=тањӥӥнаама-нда-м(ӥ)=даа
抱く、そうして抱くが、行って抱いたが、
аан-дасӥ=а.тэи,тэхэ-њи=э...хаӥ-ва-њӥнаа-ватэмири-и-њи
手は届かない。その根もとの所の、地面を 触ってみた
осӥњӥ,хамачаа=даахэмǯааӈгар би-эундэ.э~ӈтуи
ならば、なんとも全てひどくデコボコであるという。
та-раа=латэи=лэ,чадо=лахэмээ~туи,миӈгучи-ми=лэ
それから彼は、そこで黙り込み、そうして、うめいて(そこに)
туиби-и=го(ањӥ).туи та-мӥ=а=ладоолǯӥ-аундэ,пэрхи-ǯиэ
そうしているのだ。そうしていて聞くという、西側の
калтаа-ǯӥахуур хуур хуур хуурэмгаса-каанǯиǯу-э
方の側からバサバサバサバサと一羽の小さな水鳥が戻って来る
ундэ,туи та-мӥ,э~ӈтакорчӥа~пэрхи-ǯиэкалтаа
という、そうして、ストンと西側の方の
гара-до-а-њ(ӥ)доо-каундэ,хээ~и хэимора-ха-њӥ.эӈ
枝にとまったという、フ~イフイと叫んだ。
хургиэ~н би-чинǯӥлгаӈ-коэктэби-чи-њи.э~ӈтуи
低くて大きな声を持っただった。そうして
би-и-ду-э-њи~ундиисиэси=тэњииундииси,"эдэдэ~,ээпаӈго,
いる時に「あれあれ、妹ったら
эси=мдэ~абаа"=мǯоǯа-аундэ,тэи=лэгаса
今になってもまだ帰って来てないのね、」と言うという、その水鳥の
доо-го-ха-њӥ=ла.эӈтуи та-рааундиисиэси=тэњии
とまった奴は。それから
ундииси=э,э~ӈэси=тэ(њии)ǯулэхи-ǯиэкалтаа-ǯӥа=л(а)хуур
東側の方の側から
хуур хуурǯиǯу-эундэ.чакорчӥа~ǯулэхи-ǯиэкалтаа
バサバサバサと戻って来るという。ストンと東側の方の
гара-додоо-го-каундэ,хээ~и хээимора-ха-њӥ.э~ӈ
枝にとまったという、フ~イフイと叫んだ。
ундииси=э,эњиэ аањӥа=та~ǯӥлганнучикээ~пуǯин
ああなんとも声の小さなプジン
би-чин,ǯӥлга-њӥ."э~ӈэрдэӈгэ~хаӥ=даа,"уӈ-кин,
だった、彼女の声は。「ああ不思議だわ、なんとも、」と言った、
"эси=тэњии~ундииси=э,эӈǯиǯу-хэм-би=лэундииси,
「今戻って来てみたらば、
хаалӥпчӥ-до-jӥ=даа~ габарӥктала, хаалӥпчӥ-до-jӥ=даа сэпэриктэлэ,"
以前にはなかった ゴロゴロした、前にはなかった チクチクした胸騒ぎがする」
уӈ-кин."э~ӈамбаанхэри-и=дээбундуидааӥамбаан
と言った、「ああ、魔物がやって来たのなら私たちより大きな魔物が
хэри-хэ-њи=э~,самаанхэри-и=дээǯээби-исамаан
来たんだわ、シャーマンが来たとしても並みのシャーマンが
хэри-эчи,"уӈ-кин.э~ӈтэи=лэ, эикэ-ǯимэǯааро(-а-њӥ)туи
来たんじゃないわ、」と言った。(すると今度は)姉の方だろう、こう
ун-дии-њ(и),"бун-дулэ~хаӥ=даадаабаа,"уӈ-кин,"миндулэ
言う、「私たちの所には何も来てないわよ、」と言った、「私には
хамачаа=даада,абаа,"ун-дии,"хаӥ=даадэӈсипси=дээанаа,
どんな問題もない、」と言う、「なんの心配もないわ、
хамачаааањӥа-ктахэдун=тэњии.""эӈэгээ~,"уӈ-кин,
どんなタチの悪い風だって(ない)。」「あら姉さん、」と言った、
"туиум-бувэси,ун-дии,"аањӥахэдун,
「そんなことを言うもんじゃないわ、」と言う、「タチの悪い風なんて、
сором-борӥ=а"=м."э~ӈдосо-мӥ доолǯӥ-орӥ,"ун-дии."э~ӈхамачаа
タブーだわ、」と。 「どこかで 聞いているわよ、」と言う。「何だって
ǯака-њӥ=а,"ун-дии,"аањӥахэдун.э~ӈнаӥоӈбо-ла-њӥ
いうの、」と言う、「タチの悪い風ごときが。人の尻に
хэук хэук та-ӥхэдун=нуу"=мдэ,нэу-jи...эикэ-ǯимэ.
冷たく吹きつけて来る風だとでもいうの、」と、(言う)姉の方は。
аǯаапсӥ,ун-дии-њ(и)=го(ањӥ)эикэ-чи-jи."эӈэгэ~ундииси,
「うるさい、」と言うのだ(妹は)、自分の姉へ。「ああ、姉さん、
хаӥмэдээ-њи=э,"уӈ-кин,"сиипулси-хэ-с(и)эињиэ."
何か目新しいことがあったか」と言った、「あなたは歩き回っていて今日。」
"ээпаӈгоа~мииэињиэпулси-хэм(-би)=тэњииǯээ би-и=нуу~
「妹よ、私が今日行って来た所は並みじゃないわよ、
ундииси=э,эӈкасаа...саксӥӥсамаанкасаа-чӥ-а-њӥ
カササギシャーマンのカサーへ
пулси-хэм-би,"ун-дии,"тэи=тэњиинаӥ=тањӥӥмимбиэ=тэњии
行って来たわよ、」と言う、「そこにいた人々ったら私を
ундииси,тохом-бӥ=а хэту хэту энэ-и-ǯи-э-њ(и)
(大歓迎して惚れ込んでしまって)私の服のボタンが 全部取れてしまうまで
тэмири-хээ~л,"ун-дии,"наӥ=тањӥӥ ундииси,
私のことを触ったわ、」と言う、「人々は(私のファンになって)
хуэтуӈ-гу-эр(и)гэлэ-игурун,падо-го-ар(ӥ)гэлэ-игурун
袖当てを欲しがる人々も、タバコ入れを求める人々も
би-чэ,"ун-дии,"мимбиэ,наамансӥ-ха-чӥхаӥлараа,"ун-дии.
いたわ、」と 言う、「私を、抱きしめたこともすごかったわ、」と言う。
"мимбиэ=тэ(њии)эси=тэњиисиича(в)ата-го-ӥ=а~,"
「私に向かって今 姉さん、あなたそんなことを話すなんて、」と
ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"ӥламо~чуким-бэ-њи,"уӈ-ки(н),
言うのだ、「ああ恥ずかしい、バカなことを、」と言った、
"тамачаамэдээгусэрэ-ур(и)=нуу=м,"эмэчээбоа-до.э~ӈ
「そんな知らせを語って聞かせるなんて、」と、「こんな所で。
мииэињиэдоолǯӥ-хам(-бӥ)мэдээ=мэ~гээмэдээгээалдо,"
私が今日聞いて来た知らせこそ良い知らせ良い情報よ、」
ун-дии-њи."эӈгусэр-уугусэр-уу,"ун-дии.э~ӈ
と 言う。「あらそう、話して、話して、」と言う。
ундииси=э,"ǯоок-чӥэнэ-пи=эгусэрэ-ури,"ун-дии,"э~ӈ
「家へ行ったら話すべきだわ、」と言う、
хаjаǯӥ=аэну-рээ~хаал(ӥ)гусэрэ-гу-ита-ӥ-сӥ=а ундэ,"
「どこへ帰ってからいつ話してくれるというの、」と
ун-дии-њи."эӈсӥа-орӥ=ата-ӥ-до-jӥ-а=даагусэрээнду-ǯэ(э)=мэ~,
言う。食事をする時にでも話しましょう、
улпи-и-ду-jи-э=дээгусэрээнду-ǯэ(э)=мэ,"ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),
縫い物をしてる時にでも話しましょう、」と言うのだ、
"ǯоок-чӥэну-рээгусэрэ-гу-ури=э"=м."эӈбалагусэр-уу
「家へ帰ってから話すべきだわ、」と。「早く話せ、
балагусэр-уу,дэргэбэчэнасал-ба-сӥчокила-ам(-бӥ),"ун-дии,
早く話せ、こん畜生、あんたの目をつっつくわよ、」と言う、
э~ӈчокӥла-ӥча-ӥ-њ(ӥ)=дааǯааро-а-њӥундииси=э."э(г)э~бочӥ~
さあつっつこうとでもしたのだろう、「姉さん嫌だわ、
э(г)э~бочӥ~ундиисиэ(г)э~гусэрэ-ӈэ-jи=тэњии,"та-аундэ~
姉さんわかったわ、姉さん話すわ、」と言うという。
ундииси=тэ(њии)"гусэр-уубалагусэр-уубалата-роо.""э~ӈ
「話せ早く話せ早くしなさい。」「あのね
мии=тэњии~доолǯӥ-хам-бӥ,"ун-дии,"эимаӈбохэǯи...
私は聞いたのよ、」と言う、「この大河の
солӥа~-ла-њ(ӥ)би-и=jэ,"уӈ-кин,"аанэумэргэн.
上流の所にいる、」と行った、「兄と弟のムルグン、
тэи=тэњииааӈ(-њӥ)=даанэу-чи-jиэнэ-эси~нэу-њ(и)=дээ
その兄も弟の所へ行かないし、弟も
аак-чӥ-jӥэнэ-эси~балǯӥ-ӥ-чӥ=а"=м,"тэи=тэњииундииси
兄の所へ行かないで暮らしているのよ、」と。「その
нэу-њ(и)=тэњииаак-чӥ-jӥэнэ-хэ-њи,"ун-дии,"ааӈ(-њӥ)=тањӥӥ
弟が兄の所へ行ったの、」と言う、「兄は
ундииси=э~лала-васимусэ-гу-jисимусэӈаањӥ-хан-до-jӥ=тањӥӥ,
おかゆを、その油を取りに行った時に
нэу-њ(и)=тэњии,эӈгӥнǯо-м(ӥ)хаӥ-ха-њӥ,"ун-дии,
弟は、ふざけてどうしたか、」と言う、
"лала-ӈго-а-њӥ,хоњаала-хан-до-а-њ(ӥ)=тањӥӥ,нэу-jи, нэу-jи
「兄のおかゆを、匙ですくって食べた時に、(兄は)自分の弟の、
насал-ба-њӥкээри-рээ=лэ,боа-чӥпуӈнэ-хэ-њиундэ,хаӥ
目をえぐり取って、外へ追いだしたという、いったいどこの
удэ(-вэ-њи)атарӥ-м(ӥ)пулси-и=усхаӥ-в(а)та-м(ӥ)пулси-и,
あたりをうめきながら歩き回っていることか、何をして歩いているか、
хаӥудэатарӥ-м(ӥ)пулси-и=ус,"ун-дии,"тэимэргэн
どのあたりをうめいて歩き回っていることか、」と言う、「そのムルグンの
гуǯиэлэгбэ=нуу,"ун-дии,"э~ӈундииси,хаӥ,эи-лэ
なんと哀れなことかしら、」と言う、「ここに
ӥсӥ-ханосӥњӥ,эи,эигэрээнгасӥсосо-њӥ,эӈ
到着したなら、この我らのような者の水鳥のフンを、
эи-ǯи=тэњиинасал(-ба-њӥ)модода-п(ӥ)=тањӥӥундиисињи,хаӥ,
これを自分の目に塗ったならば、
эилээби-чи(н)насал-доӥ=дааулээн-ǯи,насал-когарбӥ-ǯӥ
以前にあった目よりも良く、目を得る、よく見える
насал-ко осӥо-го-орӥ=а,"ун-дии-њи,"туи би-имэдээ-вэ
目を持つようになるのにねえ、」と言う、「そんなふうな知らせを
доолǯӥ-хам-бӥ,"ун-дии."э~ӈ,"ун-диитэи=лэ,
聞いて来たわ、」と言う。言う、(その姉の方は)、
"мии=кучи=э~ундииси=э,тэи=лэмэргэм-бэ=лэбаа-ханосӥњӥ=ла
「私だったら、そんなムルグンを見つけたならば
чокӥ-ор(ӥ) би-чи=э,"ун-дии-њи."эгээ~сором-борӥаањӥа
つっついてやったのに、」と言う。「姉さん、タブーだわ、タチの悪い
хэдун,"ун-дии,"э~ӈэлээ-ǯи-э-њ(и)габарсӥ-ам-бӥ,
風が吹くわよ、」と言う、「ああ、なんだかかなりゴロゴロするわ、
сэпэрси-эм-би=эбалаэну-гу-ури=э"=мтэи=лэ,э~ӈтуи
チクチク嫌な予感がするわ、早くここを立ち去るべきだわ、」と妹はそう
гусэрэ-митуидэгдэ-гу-кэундэ,эӈхамӥа-ла-њ(ӥ)=тањӥӥ
話して、そうして飛び立ったという、その後ろから
мэргэн=тэњии,э~ӈтупуиктопӥӈ-кӥ-њӥ."ээпаӈго~аањӥа
ムルグンはペッと唾を吐いた。「妹よ、タチの悪い
хэдунундиисиоӈбо-ла-jӥ-аэнэ-хэн ундииси=э,"эӈхэпэр
風が尻から入ったわ、」と
хэпэр хэпэр хэпэр хэпэр хэпэртэи=тэњиитуурэ-м(и)дэруу-хэн.
バサバサバサバサその姉は落下し始めた。
э~ӈундииситэи=тэњиимэргэнтопӥӈ-кӥн=тањӥӥтэи
そのムルグンは唾を吐いた、その
оӈбо-ла-њӥ,энэ-хэн=тэњиитэи,"аањӥахэдуноӈбо-ла-jӥ-а
尻に、飛んで行った、そいつは、「タチの悪い風が尻に
ии-хэн,"хоалаан-дӥӥ=го(ањӥ)эси=тэњииундииси=э,эӈнэу-њи=лэ
入ったわ、」と騒ぎ立てるのだ、その妹は
хамасӥмочо-го-ха-њӥундиисиэ~эикэ-jи=лэ,оjаа-чӥ-jӥ,
後ろへと戻って来た、自分の姉を自分の背中の上へ
хуэлидэ-гу-хэнтуи та-рааундииси=э,"анда~мэргэнундииси,
担ぎ上げた、それから「友たるムルグンよ、
хамачаагоокогурун,хэсэ-вэ-њидахорсӥ-ӥ-сӥ,"уӈ-кин,
どんな変わった者どもの言うことだって聞くものですよ、」と言った、
"эӈхаӥ=даа эрин-ду-э(-њи),кӥӥрӥ-го-ӥ-до-jӥхаӥ=даа
「いつでもどんな時でも良いから、ついでに寄る時にでもどんな
эрин-ду(-э-њи)кээндэли-гу-и-ду-jихаолӥабумбиэӥсӥ-хаарӥ=а"=мда.
時にでも巡回する時にでもどうか私達の所へ来て下さいな」と。
э~ӈту(и)таваӈкӥтуиэну-хэнтэипуǯинэикэ-jигааǯо-мӥ.
そうしてそこからそうして去った、そのプジンは姉を連れて。
э~ӈэси=тэњиимэргэн=тэњиитэи=тэњиихаӥ-ǯӥ=ла,тэи
ムルグンは(聞く)その彼女らが
гааǯо-го-ӥгучигусэрэ-и=э"эибагӥа-лаби-и=jэ,"ун-дии,
連れて行く時また話すのを、「この向こう岸にいる、」と言う、
"эи-лэпосэу-вури.наӥмуэ-ǯиаолӥ-ха-њӥ.иргэн
「ここからまっすぐ下りるべし。人々は水で不足して困っている。村の
наӥ-њӥмуэ-ǯиаолӥ-ха~н,"ун-дии,"тэимуэ=тэњии,тэи
人々は水に 困窮している、」と言う、「その水は、その
оњӥ-ӈго-а(-њӥ)=та(њӥӥ)чуул,дуиситоо-мӥчадоǯуэрсу
川はまっすぐ、山の方へ上るとそこで二つの
хурээнтуиача-го-хан-до-а-њ(ӥ)=тањӥӥчадопока=маа би-и=jэ,"/td>
山がこうピッタリと合わさっていてそこに魚の浮袋のような物がある」
ун-дии,"чава,кучээлэ-р(ии-ǯи) гэсэтӥасмуэоњӥ-домуэ
と 言う、「それを、ナイフで切るやいなやすぐたっぷり水が川に水が
осӥо-го-ӥ=jа"=мда.э~ӈтэинаӥхаӥ-го-хам-ба-њӥчадонаӥ
満ちることだろう、」と。その人がどうしたことを、そこで人が
хаӥ-го-ӥ=jа=м,муэочо-го-ӥ-ва-њ(ӥ)гусэрэ-хэнтэипуǯин.
どうやって水を導くかを話した、そのプジンは。
э~ӈмэргэн=тэњиитэинасал-бӥ=ла~хачӥнгасасосо-ǯӥ-а-њӥ=ла
ムルグンはその目を、さまざまな水鳥のフンで
модода-аундэ.эӈтуимодода-ӥ-њӥ=матнасал-до-jӥ
塗るという。そうして塗るとその時になってやっと目に
ӈээмсэкэнэ-хэ-њи би-чи-њи.улээнэ-гу-хэннаса-њӥичэ-э,
明るい光りが差し込んで来たのだった。良くなった、彼の目は見える、
эӈбаланаа-до(-jӥ)би-чин-дуи=дээулээн-ǯи,наса-њӥгарбӥ
以前に見えたのより良く、目は良く
очо-го-ханэси=тэњииундииси=э~тэибадо-ла-jӥ=лапос
なった、その対岸へまっすぐ
ваӥс(ӥ)эу-рии=гоањ(ӥ).эӈтуиэу-ми~эу-ми=э=лээм
川の方へ下りるのだ。そうして下りて下りてある
иргэн-чӥ~ӥсӥ-ха-њӥ.э~ӈтэи=лэиргэн-дулэундииси,
村へ、着いた。その村では、
тэǯэ=дээби-чи-њиундэнаӥмаӈбо-ӈго-њ(ӥ)=тањӥӥ,кота~
本当だったという、人々の大河はといえば、カラカラに
котанаапаа-хан.муэабаа.наа~=мањаахэмхэм,
大地は乾ききっている。水がない。大地ばかりに全て全て、
хаӥ,хаӥ=мааби-и,наачуӈнукалтаа=л(а)би-эундэмуэ,
何のようであるか、地面はすっかりひび割れているという水が、
маӈбомуэ=дээабаахамачаа=дааабаа=даа.эси=тэњии
大河は水もない、何もない。
тэи=тэњииундииси=э,э~ӈэǯэнхаан-долаӥсӥ-ӥ=гоањӥ,э~ӈ
その主たる長の所に着くのだ、
мапа~мама~би-иундииси,мэргэн=гулэмапа-чӥмама-чӥ
おじいさんとおばあさんがいる、ムルグンはおじいさんへおばあさんへ
њохораачӥ-ха-њӥундииси=э,э~ӈпиктэ-њиэмпуǯинби-э
お辞儀した、その子供は一人のプジンがいる
ундэхаӥлооулээнсарганǯо.э~ӈмапа~"мама~ундииси
というなんとも良い美人。おじいさんは、「ばあさんや、
пиктэ-jиандахасӥа-го(-а-њӥ)пуjуу-вээн-дуу,"ун-дии,
我が子にお客様の食事を煮させろ、」と言う、
"та-ваан-доо"=мда.эси=тэњиипиктэ-њипуjуу-рии=гоањӥандаха
「やらせろ、」と。子供は煮るのだ、お客の
сӥа-го-а-њӥ.эӈтэи=тэњииундииситуипуjуу-хэ~н,
食べ物を。その人はそうして煮た、
эси=тэњииǯоан хачӥм(-ба),эњуэ-ǯӥмуэсӥлко-го-хан,ǯоан
十種類の料理を、鍋を水で洗った、
хачӥм(-ба)ии-рии,ǯоан хачӥм(-ба)хаабо-го-ӥта-а,
種類の食べ物を持って入ったり、十種類の食べ物を鍋から引き出したりする、
эмун,эмдэрэ-ду~пуjуу-хэ-њи,хаабо-го-ха-њӥ,эси
一つの机一杯に煮た、引き出した、
амӥм(-бӥ)ǯакпа-чӥ-а-њ(ӥ)нээку-хэ-њигээ,эси=тэњиитэи
自分の父親のそばへも置いた、さあ、いまその
мапаачаан=даатэимэргэн-ǯи-эри,бадо-сал
おじいさんもそのムルグンと、両方の向かい側に
тээ-гу-кээпээр(и)тадохаӥ-рӥӥ=гоањӥ.э~ӈундииси,
座ってそこでどうするのだ、
гусэрээнду-и=гоањ(ӥ)тэимапаун-дии-њ(и)=гоањӥ,ам
語り合うのだ、そのおじいさんが言うのだ、
ичэ-гу-руу~,"ун-дии,"мии=тэњииундииси=э,буэ=тэњии
「若者よ、」と言う、「私は、私たちが(こんなに)
муэ-ǯихаǯӥ-ха-п(о)ǯээ=нуу~,"ун-дии-њи."хаӥ-до=даамуэ
水で渇望したことは並みじゃない、」と言う。「どこも全て水が
паа-ха-њӥ=а~,"ун-дии,"хаӥ-до=даабаа-васӥ-њӥ=а"=м,"ӥхон
干上がってしまった、」と言う、「どこにも見いだせない、」と、「村の
наӥуǯи-њ(и)=даахэ~мото-маар(ӥ) дэруу-хэн,"ун-дии,
人々の家畜も全て渇き死にし始めた、」と言う、
"муэ-вэ,элчиу-сэл=дээињи ињимуэ-вэгэлэ-мээр(и)
「水を、奴隷たちも毎日水を求めて
пулси-мээр(и)=дээбаа-расӥ-чӥ,"ун-дии-њи.э~ӈундииси=э,
歩き回っても見つからない、」と言う。
хаӥ,мэргэнун-дии-њи,"хао(сӥ) пулси-и-ǯи та-ӥ-сӥ,
ムルグンは言う、「あなたが歩き回ろうとする所へは
хао(сӥ)пулси-и та-ǯаам-бӥ=а,"ун-дии,"мии,ǯӥа-го-jӥ
どこへでも私が歩き回って探しましょう、」と言う、「私は、自分の仲間を
гэлэмээчи-jэ,"ун-дии,"эм-бэнаӥ,хаӥ-ва-њӥ,калап(а)...
求めています、」と言う、「一人の人を、
хаӥ-каа-њӥ...гэлэ-эси-њи,пуǯим(-бэ)гэлэ-и-jэ,"
(特別優れた人を)求めているのではありません、プジンを求めています、」
ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ)."э~ӈундиисиолгӥсоотолӥ-ас(ӥ)-с(ӥ)=даа
と 言うのだ。「特別な物を作る能力がなくても
аjа,поӈдооктоотолӥ-ас(ӥ)-с(ӥ)=даааjа,"ун-дии,
いいんです、魚皮製の靴を作る能力がなくてもいいんです、」と言う、
"сӥа-го-ӥǯукээнбаа-ханосӥ(њӥ)...та-ха(н)осӥ(њӥ)элээ,
「食べ物をなんとか見つけられたなら、料理ができたなら十分です、」
ун-дии-њи,"хао(сӥ)=дааби-и=дээаjа"=мда."э~ӈам
と 言う、「どこにでもいるようなのでもいいんです、」と。
"ичэ-гу-руучӥхала-ӥосӥ(њӥ)тэимиипиктэ-ǯи-jи
「若者よ、同意するなら、その私の娘で
мамала-мча-с(ӥ)=ма,"ун-дии-њи.э~ӈундиисиэси=тэњии
嫁としたらどうだろうか、」と言う。
ундииситэимапа=лаундиисимэнэ,хооњ(ӥ)...тэимэнэ
そのおじいさんは自身が、彼は自分の方が
сокто-ха~н.туи та-рааапсӥӈ-кӥн.э~ӈнаӥапсӥӈ-кӥ-њӥ
酔っっぱらった。それから横になった。人が寝静まった
хамӥа-ла-њӥмэргэн=гулэдолбосэнэ-и-ǯи-jи гэсэ,
後、ムルグンは夜に目を覚ますやいなや、
баараǯӥ-го-хандолбо долӥ-њӥэлээӥсӥ-ӥ.туи та-раа=ла
身支度をした、真夜中にもう今なるところだ。それから
тэи=лэмаӈбо-ӈго-а-њӥ=лауисилэээнэ-псиӈ-кин,туиэнэ-ми
その大河を上の方へ行き始めた、そうして行って
оњӥ-(в)атуисоло-аундэ,туиэнэ-ми~туи
小川をそうして遡るという、そうして行ってそうして
туту...энэ-миэнэ-ми=э=лэ,тэǯэ=дээби-чинǯуэ,хурээн
行って行って、本当であった、二つの山が
туиача-го-хантэи,токон-до-а-њ(ӥ)=тањӥӥкӥ~лтоӥганби-э
こうして合わさっていたその、真ん中の所にキラキラと輝いてある
ундэгороӈкӥтуиичэ-рээпока=мааби-иǯака.тэи=лэ
という、遠くからそうして見るに魚の浮き袋のような物だ。その
мэргэн=гулэтаваӈкӥ=лаэнэ-и-ǯи-jигэсэчаала,энэ-ми
ムルグンはそこから行くやいなやすぐにそこを、行って
харпӥӈ-кӥ-њӥ.тэи=тэњиимуэ=тэњииэмутухаӥ=даа...
ナイフで引き裂いた。(すると)その水はまるで何か・・・
хаӥ-рӥӥ-њӥ=ма(т)ǯи-дии-њи=мэ(т)ǯи-дии-њи=го(ањӥ)тэи=тэњии,
やって来るかのように迫って来るのだ、彼は
туту-м(и)ǯиǯу-и-њи=гоањӥ,уӈчи-њ(и)=да(а)хамӥа-ла-њӥлур
走って戻って来るのだ、踵の後ろの所までドドッと
ǯи-дии=го(ањӥ)муэ,э~ӈнаӥтооӥ-jа-њӥӥсӥ-го-хан
迫って来るのだ水が、人々のいる岸辺の所に着いた、
тооко-ха-њӥундиисинаӥтуу...тооӥ-до=букитӥасмуэ
上った、岸辺にはたっぷりと水が
очо-го-хан.эӈтуи та-раа=лаундиисиэ~ӈтуи та-раа
満ち溢れた。それからそれから
мэргэнхаǯом(-бӥ)ачо-кта-го-рааапсӥӈ-го-ӥ=гоањ(ӥ)тэимэргэн
ムルグンは服を皆脱いで横になるのだ、そのムルグンは
пуǯин-ǯи.э~ӈǯӥачӥмањӥ-атээ-хэнэс(и)=тэњии,
プジンと。次の起きた、今、
наӥ=тањӥӥ,гээ~муээгǯи-(в)эбаа-ханэс(и)=тэњии
人々は、さあ、水がたくさんあるのを見つけた、
агда-ха-чӥ=тањӥӥǯээ=нуу,ӥхон-њӥӥ,уǯин=дээхэмсапсӥ
喜んだことは並みじゃない、村の人々、家畜も川岸の
кӥраа-до-а-њӥ,элчиу-сэлкэкуу-сэл=дээсапсӥкӥраа-до-а-њӥ,
縁に、奴隷たち、女奴隷たちも川岸の縁に、
муэ-вэмуэлси-игур-сэл=мања.э~ӈмапа,тэи
水を汲みに行く人々ばかりとなった。おじいさんは、その(晩)
апсӥӈ-го-хан-до(-а-њӥ)мора-ӥ-њ(ӥ)=го(ањӥ),"мама~муэ(-вэ)буу-руу
寝ていた時に叫ぶのだ、「おばあさんよ、水をくれ、
муэ(-вэ)буу-руу.""абаа~,"ун-дии-њ(и)мапа.туи та-раа
水をくれ。」「ありませんよ、」と言う、おばあさんは。それから
мама=тањӥӥтэиэсикомбо-ваǯапа-раа
(それでも仕方なくとりあえず)おばあさんは柄杓をつかんで
соопола-нда-ӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ),долбо,ао-рӥӥ-до-а-њӥ.тэи=тэњии
水をすくいに行くのだ、夜中、寝ている時に。ところが、
муэ,саола-д(о)тӥасмуэ-њӥ=гоањ(ӥ).тапорӥг(да)
水が、水瓶にたっぷり水があるのだ。(知らずに思いきり)バッチャンと
соопола-ӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ).туи та-раамапа-чӥ(-jӥ)ун-дии,
柄杓で水を叩いてしまって汲んだ。それからおじいさんへ言う、
"мапа~,"ун-дии,"муэтӥасби-и-њи,"ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),
「おじいさん、」と言う、「水がたっぷりあります!」と言うのだ、"
саола-до.агданасӥ-ӥ-њӥ=гоањ(ӥ).чӥмӥӥтээ-пээр(и)=мэ(т)
水瓶に。喜ぶのだ。起きてやっとそこで
ичэ-и-њи=го(ањӥ),тэимуээгǯи-вэ-њитӥасмаӈбо
見るのだ、その水のたくさんあるのを、たっぷりと大河が
осӥо-го-хам-ба-њӥ.э~ӈтуи та-раатэимэргэнчадо,эм
満ちていたのを。それからそのムルグンはそこで、
хадолта-(в)аби-и~таваӈкӥ=тањӥӥундииси,тэиоњӥ-вауиси
数日いる、そこからその小川を上流へ
соло-ӥ=гоањӥ.тэи,лэкээлэ-хэнхаӥ=даа~оӈбо-ла,аањӥа
遡るのだ。その射た、なんだ、尻にタチの悪い
хэдунии-хэнпуǯингэлэ-ндэ-гу-и=гоањ(ӥ).таваӈкӥтуи
風が入ったプジンを探しに行くのだ。そこからそうして
энэ-хэ~нэнэ-хэнундииси=э,э~ӈэмǯоок-чӥ~энэ-хэ-њи.
行った、行った、ある家へ行った。
э~ӈтэи-думэргэн...аjана-го-ха-њӥ=а~тэипуǯин,улпи-ми=э
そこに傷も良く直ったあのプジンが縫い物をして
би-иундэ.эӈхаӥлараапуǯим(-бэ)ичэ...мэргэм(-бэ)
いるという。なんとも良くムルグンを
ичэ-мичаалахӥ-ӥjаохӥ-ӥ=гоањӥ=атэи,нэу-ǯимэпуǯин.э~ӈ
見ると歓迎し、 暖かくもてなすのだその、妹の方のプジンは。
туи та-раа=лаундиисиэси=тэњиитэи,чава,
それからその彼らを
гааǯо-ӥ-л=гоа(њӥ)тэи,чадоаоӈга-ха~нǯӥачӥмањӥ-атэи,
連れて来るのだが、ムルグンは、そこに泊まった、次の日にその、
эикэ-вэ-њињоам-ба-њӥгааǯо-м(ӥ)ǯиǯу-и=го(ањӥ),туи
姉の方を、妹の方を連れて戻って来るのだ、そうして
ǯиǯу-ми~ǯиǯу-мимама,мапаа-наа-л(а)ӥсӥ-го-хан.
戻って戻っておばあさん、おじいさんたちの所へ着いた。
мапа-чӥун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"эпээ~даакаундииси=э,
おじいさんへ言うのだ、「お父様、
минчи=кэээну-гу-ур(и)та-ӥ-с(ӥ)=каа=нуу,эи-ду=кээ
私の所へ去ることになさいますか、ここに
дэрэǯи-гу-эр(и)та-ӥ-с(ӥ)=каа=нуу,"ун-дии-њ(и).эӈмапа
残ることになさいますか、」と言う。おじいさんは
ун-дии-њи,"ам ичэ-гу-руу~,"ун-дии,"мии=лэундииси=э,
言う、「婿殿よ、」と言う、「私が
хаӥ=даабу-дии=дээхаӥтэǯэ-ку~,"ун-дии-њи."э~ӈ,
どうしても死んでも何の問題があろうか、」と言う。
миибу-дии-чи-jи-jэулээнсӥа-рааулээн,би-рээта-ха(н)
私は死ぬ時まで良く食べて良く暮らしていさえ
осӥ(њӥ)элээ~,"ун-дии-њи."эӈхаӥэнǯэхэн-ǯи
すれば十分だ、」と言う。「何を独立に
би-пу-гу-и=дээдэрэǯи-гу-ǯээм-би"=м,"синчиэну-рээкаока,
暮らそうとして残るべきだろうか、」と、「おまえの所へ去って静かに
синдубу-дии-чи-jэ...гэсэбалǯӥ-ханосӥ(њӥ)элээ,"
おまえの所で死ぬまで一緒に暮らしたならば十分だ、」と
ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ).э~ӈэс(и)=тэ(њии)мапаиргэм-бэ(-њи)
言うのだ。おじいさんの村を
далӥго-м(ӥ)туиǯиǯу-и=гоањӥ~туиǯиǯу-иǯиǯу-иǯоо-л(а)
率いて そうして戻るのだ、そうして戻る戻る、家に
ӥсӥ-го-ханǯоо-jӥ,ǯоандааǯоо,хуjундаахурбу-ǯи
着いた自分の家に、メートルの家、メートルの土小屋に
хаӥ-го-хан,очо-го-вааӈ-кӥн.эси=тэњиитуи та-раа=тањӥӥ
なるようにした。それから
ундииси=э,хаӥ-ха-њӥ.ӥсӥ-го-ханӥсӥ-го-ха~н,ааӈ(-њӥ)=тањӥӥ
どうした。着いた、着いた、兄は
тассоӈго-чӥ-мӥ=лаǯи-чи-њи,"аапаӈго,"ун-дии,"мии=мээ
ひどく泣いてやって来た、「弟よ、」と言う、「私が
ээдэм-би-вэмурум-би,"ун-дии,"эи=мээ би-имурун-ǯи-jи,"
バカな心だった、」と言う、「今のような心もちなら、」
ун-дии,"хооњ(ӥ)туиэрдэлэ-ǯээм-би,"ун-дии-њи,"аапаӈго,
と 言う、「どうしてあんな変なことなどするだろうか、」と言う、「弟よ、
гуǯиэсииг-уу=дээ,мимбиээǯихооњ(ӥ)=даадата-ра~,"
情けをかけておくれ、私をどうともしないでおくれ、」と
ун-дии-њи."гээ,асӥ-го-а-с(ӥ)гааǯо-хам-бӥ,"
言う。「ああ、あなたの妻になる女を連れて来たよ、」と
ун-дии-њ(и)=гоањ(ӥ).э~ӈтэи,асӥ-го-а-њӥгааǯо-хам(-бӥ)
言うのだ。その、兄の妻として連れて来た、
пуучим(-бэ)буу-рии=этэи,аањӥахэдуноӈбо-лаии-хэнпуǯим-бэ.
吹いてやったあの、タチの悪い風が尻から入ったプジンを。
туи та-раа~туиулээночо-го-раатуибалǯӥ-ӥ-чӥ=го(ањӥ)
それからそうして仲良くなってからそうして暮らしているのだ、
элээ.
終わり。