10. сиӈгэрэ-ǯи хэрэǯэкэ-ǯи балǯӥ-ха-њӥ

ネズミと カエルと 暮らしていた

1996年8月20日、ナイヒン村にて、К. А. Киле氏より録音。


[балǯӥ-ха-њӥ,сиӈгэрэ-ǯи](1)хэрэǯэкэ-ǯи,хэрэǯэкэгӥолӥ-ӥ~
暮らしていた、ネズミと、カエルと、カエルが漕ぎ、
сиӈгэрэӥӈкрчӥ-ӥта-маар(ӥ)энэ-хэ-чи.уњиктэ-(в)э
ネズミが舵をとったりして出かけた。野生リンゴの実を
ӈааӥ-маар(ӥ),хаӥамтака-ва.хэрэǯэкэ=лэгӥолӥ-аундэ,
採りに、ベリーの実を。カエルが漕ぐという、
"туӈбукибууjукисоа~р,аӈма-до-jӥ=каабака-ӈа-ӥ=ноо
「トゥンブキブーユキソアール、その口に入る物を見つけるだろうか、
баа-ра-ӈа-ӥ=ноосоа~р."гӥолӥ-ӥ-њ(ӥ)хэрэǯэкэ."сиӈгэрэ~
見つけないだろうか、ソアール、」と漕ぐ、カエルは。「ネズミよ、
сии,мэу-руу,"уӈ-ки-њихэрэǯэкэсиӈгэрэ(-чи)."хооњ(ӥ)
おまえは、シャーマンの儀式をしろ、」と言った、カエルはネズミへ。「どう
мэу-ури,"уӈ-кин.сӥрбӥонсӥрбӥо~н,мэу-рэундэтэи
儀式するんだ、」と言った。シルビオンシルビオ~ンと儀式するという、その
сиӈгэрэ=тэњии,тэи,сиӈгэрэ=тэ(њии)ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),
ネズミは、そのネズミは言うのだ、
"хэрэǯэкэ~,сиимэу-руу,ун-дии-њ(и),"кӥнтоотуэњиэ
「カエルよ、おまえが儀式をしろ、」と言う、「キントートゥウニ
кэхкэх,кӥнтоотуэњиэкэхкэх,кӥнтоотуэњиэкэх
クフクフ、キントートゥウニクフクフ、キントートゥウニクフ
кэх,"мэу-рэундэ.туи та-маарӥ,уњиктэсэ~игэн
クフ、」と儀式するという。そうして、野生リンゴが赤々と
би-и-вэичэ-хэ-чи.гээчалахаа-хан.сиӈгэрэхаӥ,
あるのを見た。さあそこに着岸した。ネズミは、
хулу-мичакорӥ=гдамокча-ха~н.хэрэǯэкэхооњ(ӥ)мокча-ӥ.
舟から岸へ、チョコチョコすばやく木に這い上がった。カエルはどうやって登れようか。
"сиӈгэрэ~минду=дээ,сиӈгэрэ~минду=дээ,атарӥ-ӥ-ва-њ(ӥ)=даа,
「ネズミよ、私にも、ネズミよ私にも、」とうめくのに対して、
колаа-кто-вачакӥ-вабуу-ктэ-и-њисиӈгэрэ-ду,хаӥ-до~
虫のわいたのや、緑の熟してないのをやった、
хэрэǯэкэ-ду.мэнэ=тэњиисиӈгэрэхаӥла-ор(ӥ)=гоањ(ӥ),улээм-бэ
カエルに。自分は、ネズミはどうしているだろう、良いのを
улээм-бэ,улээм-бэ-њисӥа-рӥӥ-њ(ӥ).уисимокча-хан.
良いのを、良いのばかりを食べる。上に登ったのだから。
хэрэǯэкэхооњ(ӥ)мокча-ӥ.хэрэǯэкэ...хаӥ~"сиӈгэрэ~
カエルがいったいどうやって登れようか。「ネズミよ、
минду=дээ,сиӈгэрэ~минду=дээ,"атарӥ-ӥ=даа.кол кол
私にも、ネズミよ、私にも、」とうめくのだ。背中を丸めて夢中で
сӥа-раундэтэиудэ-вэсуӈгурээ=дээ.чукинтэисиӈгэрэ.
食べるという、その場所で、ネズミは。悪い奴だ、そのネズミは。
хэрэǯэкэгуǯэлэтэипэгилэатарӥ-хаӈ=гда~колаа-кто-ва,
カエルはかわいそうに、その下でうめいていた、虫だらけのや、
чакӥ-вабуу-ктэ-и-вэ(-њи)хооњ(ӥ)сӥа-рӥӥ.туи
緑のをたくさんもらったってどうやって食べられようか、そんな物を。
та-маарӥ=а=тањӥӥ,сиӈгэрэ=тэњииэу-гу-хэ~н.кэтэн-чи(-э-њи)
そうして、ネズミは下りて来た。船尾へ
эну-хэ~н,ӥӈкоча-нда-го-м(ӥ).хэрэǯэкэгӥолӥ-ӥ-њ(ӥ).
行った、舵をとりに行って。カエルは漕ぐ。
"сии=лэаjа,"уӈ-кин,"хаӥ-рӥӥ-њӥ,амтакасӥа-ха-њӥ.
「おまえはいいよ、」と言った、「木の実を食べた。
мии=тэњииамтака-а=дааэчиэ аӈма-лагӥдала-а-jа,"ун-дии,
私は木の実をだって口に入れもしなかった、」と言う、
чакӥ-ваколаа-кто(-ва)~хооњ(ӥ)сӥа-орӥ=а=мда.эси=тэњии
「緑のや虫だらけのをどうやって食べろというのだ、」と。
хэрэǯэкэ=тэ(њии)ун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"сиӈгэрэ,мэнэ
カエルは言うのだ、「ネズミよ、自分で
гӥолӥ-го-роо,"ун-дииэси,"сииамтака-асӥа-ха-њӥ,"гээ
漕げ、」と言う今、「おまえは木の実を食べた、」と。さあ
гӥолӥ-го-ӥ,хэрэǯэкэгӥолӥ-го-ӥ.гуулэлэкиигугуг,
まだ漕ぐ、カエルが漕ぐ。グールルキーグググ(漕ぐ音)、
гуулэлэкиигугуг,гӥолӥ-аундэ.сиӈгэрэ=тэњии,хаӥ=а~
グールルキーグググ、と漕ぐという。
хэрэǯэкэ=тэњии,"тумбукибууjукисоа~раӈма-до-jӥ=каа
カエルは、「トゥンブキブーユキソアール、口に 何か
бака-ӈа-ӥ=нообаа-ра-ӈа-ӥ=ноосоа~р,"гӥолӥ-аундэ.эчиэ
見つけたのか、見つけなかったのか、ソアール、」と漕ぐという。
баа-ра-њӥ=го(ањӥ),аӈма-до-jӥ.гуǯэлэ,хэрэǯэкэ.
見つけなかったのだ、自分の口に、かわいそうに、カエルは。
сиӈгэрэ=тэњии,"пэдэ~,"эси=тэњиихулуӈ-гу-и=гуэњ(и),
ネズミは、「さあて、」と岸へあがるのだ、
хаако-ха-чӥ.хэрэǯэкэ=лэундииси,тооко...хаӥ~сиӈгэрэ
着岸した、彼らは。ネズミは
тооко-ха-њӥ.эси=тэњииǯоо-jӥдоо-ва-њӥхооњ(ӥ)та-ӥ=ноо,
上った。自分の家の中をどうするのか、
"кӥнтоотуэњиэкэхкэх,кӥнтоотуэњиэкэхкэх,кӥнтоо
「キントートゥーニウクフクフ、キントートゥウニウクフクフ、キントー
туэњиэкэхкэх."ǯоо-jӥоосӥчӥ-го-ӥ-њ(ӥ),сиӈгэрэ.
トゥウニウクフクフ。」自分の家の中を片付ける、ネズミは。
хэрэǯэкэ=jэсхаӥла-раа, гэсэ~ гэсэ~оосӥчӥ-го-ӥ-њӥ~туи
カエルは、いっしょに片付ける、
та-мӥсиӈгэрэ=тэњииаксон-доби-иомо-чӥ-jӥчуул
そうしてネズミは戸口の近くの場所にある巣穴へまっすぐに
ии-гу-хэ-њи,хэрэǯэкээмучэкээ~носӥ-го-хан.эси=тэњии
入ってしまった、カエルは一人っきりになった。
хэрэǯэкэун-дии-њ(и)=го(ањӥ),"мии=тэњииэвэӈки
カエルは言うのだ、「私は今後
сиӈгэрэ-(в)э=дээичэ-гу-эсим-би"=эун-дии-њ(и),"миитуи
ネズミを二度と見るまい、」と言う、「私はそうして
би-ǯээм-би=мэ,"ун-дии,"эмучэкээн=дээ.сиӈгэрэ,хаалӥ=даа
暮らそう、」と言う、「一人っきりで。ネズミはいつだって
агбӥӈ-го-асӥ=а,"ун-дии,"сӥа-го-jӥбаа-расӥ"=ам.
もう現れはしないだろう、」と言う「食べ物は見つけられないだろう、」と。
сии=мэ(т)хаӥсӥа-го-jӥбаа-ǯаа-чӥ,хэрэǯэкэ.гуǯэлэ
おまえの方こそ何を食べ物に見つけられるだろうか、カエルよ。かわいそうに
хаӥ=даа.эмучэкээнчадоочо-го-хан.сиӈгэрээлгэупун
なんとも。一人っきりにそこでなった。ネズミがいろいろ連れ歩いていた 者だったのに、
эсихэрэǯэкэхао(сӥ)энэ-и.гэээлээ.
今やカエルはどこへ行けようか。さあ終わり。

(1) この[]内の冒頭部分は、テープに録音されていない。先に記録者がこの話を知っているか確かめるために、語り手はあらすじを話したために、もう不必要であると考えて録音時には語り手が冒頭部分を省略したためである。