7.пурээн амбаа-њӥ

トラ

1993年3月17日、ナイヒン村にて、Н. П. Бельды氏より録音。


наӥдааӥ гурун,хаӥ-маарӥ,болоэнэ-и-ду-эри,эмнуучи
人が、大人たちが、秋に狩りをして行く時に、一人小さい
наонǯокаан,[ну,]тэӈнуучиби-эси-њ(и)=гоањӥ,ǯоа(н)
少年を、そう、そんなに小さくもないのだ、
тоӥӈга~ǯоандуинсээнаонǯокаам-баǯапа-ха-чӥ=гоањ(ӥ).
五、歳ぐらいの少年を連れて行ったのだ。
тоо-ха~нтоо-ха~ндуилэаоӈга-доби-и-чи=гоањӥ.туиби-и~
森へ上った、上った、山の方にある狩り小屋にいるのだ。そうしている、
аоӈга-доби-и-ду-э-чи=тэњии,[ну]наонǯокаанхаӥ,
狩り小屋にいる時に、少年は
хачохарамǯӥ(1),чадо.туи та-мӥ=а=тањӥӥэммодансагǯӥмǯӥ
鍋で食べ物を準備する係だった、そこで。そうしてある長老が
толкӥчӥ-ӥ-њӥ=гоањӥ,"суээнэ-у(у)-су,элэээу-гу-рээ...
夢を見るのだ、「おまえたちは去れ、もはや下りて、
буээу-гу-уриӥсӥ-го-ӥ...осӥо-го-ӥ-њ(ӥ)=гоањӥǯӥǯаӈ-кӥн=гоањӥ,
我々が下りて来る時が来た、そうなったのだ、もう近くまで来たのだ、
хаӥǯоок-чӥэну-ури."чадотолкӥчӥ-ӥ-њ(ӥ)=гоањӥ
(おまえたちは)家へ去るべきなのだ、」とそこで夢見るのだ、
дааӥмǯӥӥ-чӥ,сагǯӥмǯӥӥ-чӥун-дии-њ(и)=гоањӥ,толкӥчӥ-м(ӥ)
大きい人が、長老が言うのだ、夢を見て、
толкӥчӥ-м(ӥ)наӥун-дии-вэ-њисаа-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањӥ,
夢を見て人が言うことを知るのだ、
доолǯӥ-ха-њӥ=гоањӥ,"тэиэн(э)-уу-су,суэ,тэи
聞いたのだ、「去れ、おまえたちは、その
наонǯокаам-бамундунаӈгала-го-о(о)-со."[нуи]туи
少年を私に置いてゆけ、」と。
та-п(ӥ)=тањӥӥ,хэǯиэ-лэ-чисолӥа-ла-чӥпурэ(эн) амбаа-њӥ
そうしてから、彼らのいる所の下流も上流もトラが
пулси-и-њ(и).[ну]хооњ(ӥ)та-ӥ-сӥ.туи та-раатэи
歩き回りだした。さあ、どうすればいいのか。それからその
наонǯокаам-ба,эм модантолкӥчӥ-ха~нǯуэ модан
少年を、一度夢を見た、二度また
толкӥчӥ-ха~н[ну что]дааӥгурун=касхаӥ,хооњ(ӥ)...туи
夢を見た、大きい人々たちは、どうする、
та-раахэмхаǯом-ба-ар(ӥ)тэучи-гу-хэ~нтэинаонǯо-каам(-ба)
それから全ての道具をそりに積んだ、その少年を
наӈгала-го-ха~н,[и]эу-гу-хэ-чи=гоањӥ,эну-хэ-чи=гоањӥ.
置きざりにした、そうして下りて来たのだ、猟場を去ったのだ。
[а]наонǯо-каанхаӥ,дэрэǯи-гу-хэн,хооњ(ӥ)та-ӥ,
少年は残った、どうしよう、
дэрэǯи-гу-рээ=тэњииэси=тэњиихаӥ-ва,хаӥ-њӥаоӈга-њӥ
残ってから狩り小屋の
ǯулиэ-лэ-њиби-и-њ(и)=гоањӥ.пӥагдаанбалǯӥ-ха-њӥ,ǯуэртуи
前にいるのだ。白樺の木が生えていた。二股に、こう
алча-копӥагдаан.[ну и]туи та-раа=тањӥӥуиси
二股に分かれた枝のある白樺が。それから上へ
тоо-ха-њӥ=го(ањӥ),тэипӥагдаан-чӥ.[ну]наӥхэм
登ったのだ、その白樺の上へ。人々は
эу-гу-и-њиноањ(ӥ)тоо-ха~н[и]амбаанǯи-чин,тэипурээн
下りて行ってしまい、彼は木に登った、そこへトラがやって来た、その
амбаанǯи-чин,[и]туи та-раапуику-нэси-и-њ(и)=гоањӥ
トラがやって来た、それから何度も跳びかかって来るのだが、
аан-дасӥ.пуику-нэси-иаан-дасӥпуику-нэси-иаан-дасӥ,туи
届かない。何度も跳びかかるが届かない、跳びかかるが届かない、
та-мӥ=а=та(њӥӥ)пуику-хэ-њи=гоањӥ,тэитуиби-и
そうして跳んだのだ、トラはあのような
алчар-чӥ-а-њӥ,ǯэс туу-гу-хэ-њи,эи-лэ-jи.[всё]
二股の枝の所へ、ギッチリと落ちてひっかかってしまった、そこに。それまで。
хаӥ-го-jӥ=даа,хаӥ-рӥӥ=даахооњ(ӥ)=даата-го-ӥ-њ(ӥ)=даа,
どうしようとも、どうするにもどうにもしようとしても
хооњ(ӥ)та-м(ӥ)=даачӥӥла-ха-њӥ.лоптоа-ӥча-м(ӥ)чӥӥла-ха~н
どうやってもダメだった。はずそうとしてもダメだった、
амбаан.[а]наонǯо-каануjээ-ǯиэǯипосун-дии-њ(и)=го(ањӥ).
トラは。少年は上の枝の所からまっすぐ言うのだ、
тэиамбаанбааро-а-њӥ."[вот]мимбиэмимбиэтэи,
そのトラの方へ。「ほうら、僕を
сии,ваа-ӥча-хан,сӥа-ӥча-хан,мииоркӥ(н)анаа-jӥмии
おまえは殺そうとした、食べようとした、僕には悪いことがないのに僕は
синдухаӥ-ва=даа,хаӥ-ва=дааоркӥн=даа анаа-jа,сиимимбиэ
おまえに何も、何も悪いことをしてないのに、おまえは僕を
хаӥ-го-jӥтуита-ха-сӥ.туи та-раача(в)абоа
何のためにこんなふうにしたのか。それでこのことを天が
ичэ-хэ-њи=го(ањӥ)симбиэ.туи,туиосӥ-го-а-сӥ.эсимии
見ていたのだ、おまえの行いを。そうして、こうなったんだ。僕は
симбиэтактоочӥ-м(ӥ)эу-гу-ǯээм(-би).[ну]туи та-раа
おまえを踏んづけて下りてやろう。」それから
оjа-ва-њӥтактоочӥ-м(ӥ)эу-гу-хэ-њи.эу-гу-хэ~н,[ну]
その上を踏みつけて下りた。下りた、
хаӥ-ва,тэихаӥ-до,аоӈгадоо-ла-њӥсӥа-го-ӥпуjуу-гу...
狩り小屋の中で食べ物を煮る、
элээсиксэ-гу-исӥа-го-ӥпуjуу-хэн,сӥа-хан.
もう夕暮れる、食べ物を煮た、食べた。
апсӥӈ-го-ха-њӥ=гоањӥ.чӥманаэну-ури,тэиамбаан,туи
横になったのだ。明日帰ることにしよう、あのトラは、ああして
[пускай]чадонаӈгала-го-рааэну-ури,чӥхањӥ.т(о)тараа
放っとこう、あそこにほっぽって帰るべし。いいやあれで。それから
тэидолбо-њӥ=атолкӥчӥ-ӥ-њ(ӥ)=гоањӥ.наӥ,хусэнаӥ,
その夢を見るのだ。人が、男の人が、
дааӥлаа би-и-њиун-дии-ва-њи,"[а]мимбиэхооњӥӥ=даа
けっこう大きい人が言うのを(聞いた)、「私をどうか
ачо-роо,ачо-го-роо"=мда."миисимбиэтэǯэхаӥ=даабаӥта
はずせ、はずしてくれ、」と。「私はおまえを、確かに何も罪の
анаа-ва-сӥ,ваа-ӥча-хам-бӥ.туи та-м(ӥ)мимбиэ,хаӥ,
ないおまえを、殺そうとした。そうして私の行いを、
боаичэ-хэ-њи=э=мдэ.эвэӈк(и) таосӥхаӥ-ва=даата-асӥм-бӥ."
天が見ていたのだ。これからは何もしないよ。」
туи та-раанаонǯокаантаjа-ǯӥаǯӥ,чӥмӥӥхаӥ,
それから少年はそれから、朝、
кучипуӈ-гу-jигэрбэ-хэ~н,хамачаа-хан,аӈго-ха-њӥ=гоањӥ.
挺子の棒になる物を用意した、どうした、作ったのだ。
аӈго-раакучипулэ-миноам-ба-њӥачо-ха-њӥ.ачо-ха~н,тэи
作ってから挺子を使ってトラをはずした。はずした、その
амбаанхаӥ-чӥ,пуиситуу-гу-хэнмаӈгала-хан.хаӥ,
トラはどこへ、下へ倒れた、しんどかったのだ。
гоӥда-мӥ=а~ао-пӥ=ма(т)ӥлӥ-го-п(ӥ)=ма(т)таваӈк(ӥ)
長いこと寝ていると、やっとのことで立ち上がってそこから
эну-хэ-њи=гоањӥ.эну-хэ~нтаваӈ(кӥ)наонǯокаанхаӥ-ва,
去ったのだ。去った、そこから少年は
хаǯом-бӥбаргӥчӥ-го-хан,[и]эну-хэ...токӥӥрпола-го-хан
道具を支度した、そり用の肩にかける曵き綱を身につけた、
ӥнда-jӥхалӥа-го-хан,эмкэкэӥнда-каам-бӥхалӥа-го-хан[и]
自分の犬をつないだ、一匹の雌の子犬をつないだ、そして
эу-гу-м(и)ǯиǯу-и-њ(и)=го(ањӥ),ǯиǯу-хэн,алдаа
下りて戻って来るのだ、戻って来た、戻って来る途中の、
ǯиǯу-и-ду-jи,аоӈга-ӥ-до-jӥтолкӥчӥ-ӥ-њ(ӥ)=гоањӥ,
戻って来る時に、泊まった時に夢を見るのだ、
"эи,хэǯиэ-лэ,ǯӥа-сӥл-сӥэну-хэ-њипокто-до,сээпэ-вэ
「この下流に、おまえの仲間たちが去った道に、クロテンを
баа-ǯаа-чӥ~муэдуу-вэбаа-ǯаа-чӥ~солӥ-вабаа-ǯаа-чӥ~,"
見つけるだろう、カワウソを見つけるだろう、キツネを見つけるだろう、」と
толкӥчӥ-ӥ.ваа-раанаӈгала-раа,ваа-раанаӈгала-раа
(言うのを)夢見た。殺しては投げ、殺しては投げ、
та-ха-њӥ.эу-гу-ми=мањааэгǯи-вэбаа-ха-њӥ=гоањӥ,
した。下りて来るばかりで、たくさんを見つけたのだ。
ваа-ха-њӥ=гоањӥ,баа-ха-њӥ=гоањӥ,тэичадо.ǯоок-чӥ
獲ったのだ、得たのだ、その、そこで。家へ
ӥсӥ-го-ха-њӥэњи-њиамӥ-њӥсоӈго-маар(ӥ)бао-го-ӥ=гоањӥ.
着いた、母も父も泣いて出迎えるのだ。
наӥǯиǯу-хэн,наӥ,ноањ(ӥ),тэидааӥ гурун,сагǯӥа
人々は戻って来た(時に)、人は、その大人は、長老たちは
гурунун-дии-њи,"туи туи та-ха-по,"ун-дии-њ(и)=го(ањӥ).
言う、「我らはかくかくしかじかにした、」と言うのだ。
наӥ,амбаангэлэ-и.[вот.]туи та-м(ӥ)наӥ
人が、トラが求めたのだから。そうして人は
ун-дии-њ(и)=го(ањӥ)баланаатэи,пурээн амбаан-ǯӥ-а-њӥ,
言うのだ、昔はあの、トラというものを、
наањӥӥ-салмаӈгаӈээлэ-и би-чи-чи=гоањӥ.пурэ(эн) амбаан
ナーナイの人々はひどく恐れていたのだった。トラが
туи,туимэнэӥсӥ-хан,уи-вэ=дээ наӥхаӥ-рӥӥ-њӥосӥ(њӥ)
ああして自らやって来て、誰かを求めたならば、
чаватэинаӥ(-jа)наӈгала-го-раатуиэну-и
それを、その人を放り出してそうして去ることに
би-чи-чи=гоањ(ӥ).[вот а]эси,эсихаӥ,чаа тэи
なっていたのだ。ところが今では、あの、トラが
наӥ-анаӈгала-го-рооун-дии-њиосӥњӥ,дэрэгбэчэ
人を置いて行け、などと言おうものなら、こんちくしょうめ、と
мӥочаам-ба-ар(ӥ)ǯапа-мӥноам-ба-њӥ,лапам энэ-и-ǯи-jи
銃を取ってトラを死んでしまうように
мӥочала-ӥ.
撃ってしまうだろう。

(1) хачоханとは「鉄製の両耳鍋」で、хачохарамǯӥは「炊事係」である。