3. сээгǯэн мукки

赤い ヘビ

1996年3月13日、ナイヒン村にて、К. А. Киле氏より録音。


эмхурээндоо-ла-њӥ=ла~эмсээгǯэнмуккибалǯӥ-ха-њӥ.[ты
ある山の中に一匹の赤いヘビが暮らしていた。おまえは
муккизнае(шь) да?]гээ,чаваотолӥ-асӥ-с(ӥ)=гоањ(ӥ),
ヘビ、知っているか?(1)ああ、わからないのだな、
мии=дээулээнотолӥ-асӥ=мат,эмутуǯабǯаан=маатуи
私もよく知らないんだ、まるでヤマカガシみたいなそんなよう
би-и-њ(и)=гоањ(ӥ),[змея]=маа=даа.туипулси-и,тота-м(ӥ)
なんだよ、ヘビみたいなもんだ。そうして動き回る、そして
нэмдэкуу-кээн,эи-дуваамӥ,эи-дуваамӥ-лаа би-и.
細いのだ、ここの首の所は太い、ここの所は少し太くなっている。
хурээӈку-дуби-и-њ(и)=гоањ(ӥ),хурээн-ду=дээ.[и]тадо
山の中に暮らしているのだ、山に、だ。あそこに、
[Тройцкой]хурээн-ду(-э)-њ(и)би-иэгǯитамачаа.тэинаӥ
トロイツコエの山に(2)いる、たくさん、そういうのが。そいつを人は
муккиун-дии-њ(и).тэи,туипулси-итуи=дээ,туи=дээ.
ヘビと言う。そいつがそうして動き回っている、そのように。
тэи,сээгǯэн.сээгǯэнмукки=тэњиитэихурээндоо-ла-њ(ӥ)
その、赤い、赤いヘビはその山の中に
балǯӥ-хан.тэи=тэњиимукки=тэњииињи~долботэихурээн
暮らしていた。そいつはヘビは昼も夜もその山の
доо-ва-њӥкээндэли-эундэ,саӈгарбаа-ӥча-м(ӥ)чӥӥла-ха-њӥ
中をぐるぐる回っているという、出口の穴を見つけようとしたがダメだった、
њиэ-гу-и.доо-њӥбоањӥэ-ичэ-мимурчи-и-њ(и).хооњ(ӥ)хооњ(ӥ)
出ようとして。心中外へ出たいと考えている。どうにもどうにも
кээндэли-м(и)=дээчӥӥла-ха-њӥ,туи та-мӥ=а~эмбоа-до
回っても回ってもダメだった、そうしてある所に
ǯӥлӥ-њ(ӥ)ǯукээ~нчӥкӥ-ӥсаӈгар-каам(-ба)баа-хан.ǯӥлӥ-jӥ
頭がやっとこさ入るような小さな穴を見つけた。自分の頭を
гӥдала-раапэргэчи-и-њи,эи ǯууэи-дуњаӈгатаа-рӥӥ-ко=даа.
突っ込んで試してみる、ここはなんとか、ここにちょっとひっかかったが、
уидаалǯӥ-ко~бур-михаӥ-мӥсӥргӥчӥ-орӥмурчи-и-њ(и).
誰に関係があろうか、死のうがどうしようが、なんとか抜けようと考える。
тэи=тэ(њии)мукки-кээн=тэњиитэисаӈгар-доласӥргӥчӥ-м(ӥ),
そいつは小さいヘビはその穴でもがいて抜けて、
ǯӥлӥ-њӥхаолӥачуулки-хэн,лурњиэ-хэ-њи=гоањ(ӥ)боа-чӥ.
頭がやっとなんとか突き抜けた。突然出たのだ、外へ。
тота-раатэихурээн-ду,боакӥа-ва-њ(ӥ)кээндэли-и-њ(и).
それからその山で、そのまわりを回る。
гээ,боа-лаулээ-њ(и)=го(ањӥ),ӈээгǯэ~н,улээн.тэи
さあ、外は素敵なのだ、暖かい、良い。その
хурээнбоакӥа-ва-њ(ӥ)кээндэли-м(и)=тэњии,солӥакалтаа
山のまわりを回って、上流の側の
дуэ-чи-э(-њи)энэ-хэ-њи.чадо=каауикэ-ку.тэиноањӥби-чин
山の端の所へ行った。そこに戸があった。そのヘビがいた
хурээн,чалауикэ-ку."эрдэӈгэ~эиуикэ-вэмиихаӥ-м(ӥ)
山、そこには戸があった。「不思議だ、この戸を私はどうして
баа-рачӥм-бӥ.тэиǯоодоо-ва-њ(ӥ)кээндэли-м(и)."туи,
見つけなかったのだろうか。この家の中を回っていて。」そのように
эмучэкээ~нхӥсаӈго-ӥ.т(о)та-м(ӥ)тэиуикэдаа-чӥ-а-њӥ~
一人で話をする。そうしてその戸の入り口の所へ
энэ-хэ-њи.энэ-и-њи,боа-ǯӥаǯӥ=лауjээ-ǯи=лэ,эмэмуэ,
行った。行く、すると天から上から、一つの揺り篭が、
туу-хэ-њитуи=дээ,эиолгомӥмэӈдээн=дээтуи=дээ.кэндэ~
落ちて来た、そのように、その縄ごと丸ごと落ちて来た、そのように、だ。
кэндэтэи...эмтуиӈку-ээмуси-и=мэт би-и.тэимукки=тэњии
ブラブラ揺れている、誰かが揺らしているようだ。そのヘビは
пэиси~осӥњӥтэиэмуэдоо-чӥ-а(-њӥ)оо-ха-њӥ.
それが下に来た時に、その揺り篭の中へ跳び乗った。
оо-раа=тањӥӥчипту-кээӈ-ку=дээапсӥӈ-кӥн.тэи,мукки=тэњии,
乗ってから小さな枕もある、横になった。そのヘビは、
апсӥн-дӥӥ-ǯӥ-а-њ(ӥ)гэсэ,ту~л тулдолбоињибээилэ-хэ-њи.
横になるやいなや、ずーっと夜も昼も揺られて眠った。
бээ-и=дээ бээ-и.туи та-мӥ=а=тањӥӥ,тэи,
ねんねんころりよねんころり。そうしてその、
мукки-кээн=тэњии,туибээилэ-и-њ(и)=дээгээао-рӥӥ-њӥ,аjа,
小さいヘビは、そうして揺られて眠る、さあ眠る、よく、
уисиичэ-и-њ(и)=дээбоаби-и~,тэи,хурээ-ӈгу-њ(и)=дээ
上へ見るが、空がある、その山も
би-и~ǯакпа-до-а-њ(ӥ)=тол=даа.туи та-мӥ=а=тањӥӥ,тэи,тэи
ある、すぐそばに、だ。そうしてその、
мукки-кээн=тэњии,хуjу(н)ињи,хуjундолбобээилэ-хэ-њи,
小さいヘビは日、揺られた、
тэиуjээ-ǯиолгомӥтуу-хэ-њи боа-њӥ.туибээилэ-м(и)
その上から縄が落ちて来た場所で。そうして揺られて
ао-рӥӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ).туи та-мӥ=а=тањӥӥ,тэиэммода(н)
眠るのだ。そうしてそのある時、
каоǯара-хан.элкээ~пэиси-иосӥњӥ,хулуӈ-гу-хэ-њи.тэи
揺れが止まった。静か~に下になった時に、地に降り立った。その
мукки-кээн=тэњииэктэњӥӥочо-(г)о-ха-њӥ.у~лээнэктэ
小さなヘビは女の人になっていた。素敵な女に
очо-(г)о-ха-њӥ,ǯээулээнэктэ=нуу.тэиэктэ
なった、並みの良さの女ではない。それが女に
осӥо-го-ӥ-њӥ,тэиэмуэ-њи=тэњииуиситооко-хан.тэиэмуэ
なると、その揺り篭は上へ天へと上った。その揺り篭が
уиситооко-очӥа-њ(ӥ)=тањӥӥ,"мииао-рӥӥ-до-jӥ
上へ上ってしまうと、(女は)「私は寝ている時に
толкӥчӥ-ачӥ-jӥ=каа,"ун-дии-њ(и),"эи-вэсолоэнэ-ми,сама-њӥ
夢を見たのではなかったか、」と言う、「これを上流へ行くと、シャーマンの
тооро-ва-њ(ӥ)баа-ǯаа-чӥ=амэмбоа-ва,эмум-бэ.чаǯӥ
柱を見つけるだろう、と。ある場所を、一本の柱を。そこに
њохораачӥ-рааǯакпа-до-а-њ(ӥ)чэктэри-рээапсӥн-хаарӥ"=амда.
お辞儀をしてそばに食べ物や水を捧げて横になれ、」と。
эси=тэњиитэимукки-кээн=тэњиичаваǯооӈго-раа,эси,
そのヘビはそれを思い出して、今、
чава,уикэ-лэ-jигоо-ва-њ(ӥ)тас(ӥ)ко~солоэнэ-псиӈ-кин.
そこを、戸の所から正しい道をすぐに上流へ行き始めた。
сиун=дээморӥ-ха~н,сиунтокон=дааморӥ-хан.туи та-мӥ,
太陽も空を回った、太陽も真ん中を回った(午後になった)。そうして
эмтооро-вабаа-ха-њӥнаӥтооро-ваӥлгамо-хам-ба-њ(ӥ).
一本の柱を見つけた、人が柱を立てておいたのを。
наӥсама-њӥтооро-њӥ=мааби-и-вэ-њ(и).туи та-раачадо
人のシャーマンの柱のようであるのを。それからそこで
каоǯара-раа=тањӥӥ,тэинаӥтолкӥчӥ-м(ӥ),(толкӥчӥ-ӥ)-до-а-њӥ
止まってから、その人が夢を見て、夢を見た時に
алоосӥ-хам-ба-њӥ=тањӥӥ,ичэ-ичэ-хэ-њи,тэитоороǯакпа-доэм
教えたものを見ようとした、その柱のそばに一つの
хооби-и,доо-ла-њӥчэкаркӥ-ко,холдон-до-а-њӥчадо=к
銅の酒の徳利がある、中にはちゃんと酒が入っている、その脇に、そこには
наа-доӥлаанкочӥ-ва,туикампӥ-раанаӥнээ-хэ-њи.
地面の上に三つの杯を、そうして積んで人が置いてあった。
эси=тэњиичаваǯапа-раатэиӥлаанкочӥ-ваǯапа-раа,тэи
それを取ってその三つの杯を取って、その
хоо-ла=тањӥӥоткоооткоочӥчӥ-ха-њӥ.чӥчӥ-раатэи
徳利から少し少し注いだ。注いでその
тооро-њ(ӥ)ǯэлиэ-лэ-њинээ-хэ-њитуи=дээ.ӥлаан боа-до.
柱の前に置いた、そうして。三カ所に。
т(о)тараањохораачӥ-ха-њӥ."мимби(в)эхаjаамба=даа
それからお辞儀した。「私に何か
алоосӥ-роо,мимби(в)эхаjаамба=даатэǯэу-руу"=мдэ."хаолӥа
教えて下さい、私に何か知らせてください、」と。「何とか
толкӥм(-ба)баа-ваан-доо"=м.тэи=тэ(њии)туињохораачӥ-рааапсӥ-мӥ
夢を見せてください、」と。彼女はそうしてお辞儀して横になって
оӈаса-ха-њӥ,соргӥгдооӈаса-го-хан.туиао-м(ӥ)
眠り込んだ、あっという間に眠り込んでしまった。そうして寝て
толкӥчӥ-ӥ-њ(ӥ),эм(ун)њаӥун-дии-вэ-њ(и),"сииэи-ду
夢を見る、一人の人が言うのには、「おまえはここで
њохораачӥ-хан-ǯӥ-jӥ=мањаахоǯӥ-асӥ-сӥ~,"ун-дии,"гучиэи
お辞儀しただけでは終わらないのだよ、」と言う、「またこの
солӥа-чӥэнэ-руу~,"ун-дии-њ(и),"чӥман(а)сиунтокон-до~
上流へ行け、」と言う、「明日太陽が真ん中に
ӥсӥ-ǯаа-чӥ~,"ун-дии,"чава.чадо=даа,эс(и)=тэ(њии)
着く頃には、」と言う、「それを(見つけるだろう)、
чадо=тањӥӥǯуэ(р)тооро~,"ун-дии-њ(и),"тэиǯуэ(р)тооро
そこに二本の柱を、」と言う、「その二本の柱の
ǯакпа-до-а-њ(ӥ)=тањӥӥэмхооаркӥ-њӥ,ӥлаанкочӥ,
そばに一つの徳利の酒と、三つの杯が
би-и=jэ,"ун-дии-њ(и),"тэиӥлаанкочӥ-дохэмчӥчӥ-раа,
ある、」と言う、「その三つの杯に全部注いで、
сугǯи-хээри=э,"ун-дии,"тэиǯуэ(р)тооро-до.тотараа
お供えしなさい、」と言う、「その二本の柱に。それから
апсӥн-хаарӥ"=ам."мимби(вэ)хаjаамба=даатолкӥчӥ-ваан-доо,
横になれ、」と。「『私に何かを夢見させよ、』と
ун-хээри"=эм.т(о)тарааапсӥӈ-кӥн.сугǯи-чи-рааапсӥӈ-кӥн
言え、」と。それから横になった。お供えしてから横になった、
тэиэктэ.муккиэктэосӥ(г)о-ха-њӥ=гоањӥ.туиао-ха~н
その女は。ヘビが女になったのだ。そうして寝た、
ао-мӥтолкӥчӥ-ха-њӥ,"сииэсиэи-дуњохораачӥ-хан-ǯӥ-jӥ=мања
寝て夢を見た、「おまえはここで祈っただけでは
хоǯӥ-асӥ-сӥ~,"ун-дии,"гучи,чӥман(а)тээ-пи=тэњии,
終わらないよ、」と言う、「また明日起きたら、
энэ-руу,"ун-дии,"эи-вэсоло-ӥ.туиэнэ-ми=э~
行け、」と言う、「ここを上流へ上れ。そうして行って
энэ-ми=тэњиисиунтоконсии-рии-њи,баа-ǯаа-чӥ"=а,ун-дии,
行って太陽が真ん中をすぎると、見つけるだろう、」と言う、
"чадо=тањӥӥнаӥ,ӥлаантооро-ваӥлгамо-ха-њӥ.чаǯӥтэи,
「そこに人は三本の柱を立ててある。それへ、
хооаркӥ-ва-њ(ӥ)ǯапа-раакочӥ-ǯӥ-а-њ(ӥ)чӥчӥ-раахэм
徳利の酒を取って杯で注いで全部
сугǯи-хээри=э"=мдэ."тотараањохораачӥ-хаарӥ"=аун-дии-њ(и),
供えよ、」と。「それから祈れ、」と言う、
"мимби(в)эхаолӥатолкӥм(-ба)баа-ваан-доо=м,улээнтолкӥм(-ба)
「私になんとか夢を見せて下さい、と。良い夢を
буу-рууминду,туињохораачӥ-хаарӥ,=аун-дии-њ(и),"т(о)та-раа
与えよ、私に、そう祈れ、」と言う、「それから
таваӈкӥ=тањӥӥ,мэнээсимби(э)алоосӥ-ǯаа=ма,"ун-дии,
そこからは自分でおまえ自身を導いて行け、」と言う、
"мэнэээнэ-ǯээ-чи=мэ,"ун-дии,"таваӈкӥ."туи та-раа,
「自分で行くのだ、」と言う、「そこから。」それから
чуктэусэнэ-гу-хэн.тээ-гу-хэ-њи.сиунтээ~пэгилэ
突然パッと目が覚めた。起きた。太陽はほうれ低く沈みかけて
очо-(г)о-ха(н),эсихоон(ӥ)та-орӥэи.чадо=лаколкол
しまっていた、どうすべきか、これは。そこに丸まって
тээси-лу-хэ-њи.тэиǯуэртоородаачан-до."эǯэӈку=тэњии,
座っていた。その二本の柱の根元の所に。「天の主は
эи=кээмимбиэ=кээхооњ(и) та-ǯарам,"туикол колдолбо
これは私をどうしようというつもりなんだろうか、」そうして丸まって夜に
хао(сӥ)эну-ури=эмӈээлэпсиг-бэ-њи.гээчадотуиби-ми
いったいどこへ行けようか、恐ろしいのに。さあそこでそうしていて
туитээси-и-ǯулэи=тулао-рӥӥхаӥ-рӥӥта-м(ӥ),аама-ло-ӥ-до(-jӥ)
そうして座っている時に寝たり何したりして、眠くなってきた時に
оӈаса-ӥ-њ(ӥ)=гоањ(ӥ).чадотуиби-чин.ӈээмǯи~
眠り込んでしまったのだ。そこでそうしていた。明るくなった、
ињи-њихаӥ,тээ-рээ,гучи,тэиӥлаантоорон-до-jӥ
昼だ、起きて、またその三本の柱に
сугǯи-хэ-њи.сугǯи-рээњохораачӥ-раатаваӈкӥэнэ-лу-хэ-њи
お供えした。お供えしてから祈ってそこから行き始めた、
гучи."энэ-руу,"ун-дии-њ(и),тэитолкӥчӥ-ӥ-њӥчадо
また。「行け、」と言う、彼女は夢を見る、そこに
ао-мӥтолкӥчӥ-ӥ-њ(ӥ),"хаӥ,чӥманаэнэ-и-ду-jи=тэњии,эǯэн
寝て夢を見る、「明日行く時に、長の
гочкоам(-ба)баа-ǯаа-чӥ=а"=мда,"боа-ласэрууси-и-вэ-њ(и)."
叔父を見つけるだろう、「外で涼んでいるのを。」
гээ,гээ,тэипуǯин=тэњиичаватолкӥчӥ-хам(-бӥ)тэи
さあ、そのプジンはそれを夢見た、その
гоо-ваэнэ-псиӈ-кин.энэ-ми=jэ~энэ-ми,эмǯоо-ва
道を行き始めた。行って行ってある場所を
ичэ-хэ-њи,хооњ(ӥ)=дааичэ-и-њ(и)=дээбаӥ би-и би-и-њи
見た、どう見ても普通の
ǯоо-њӥби-эси,эǯэнǯооӈ-њӥ=мичэ-хэ-њи.а~jаjа
ではない。長の家であると見た。なんとも
улээм-бэǯоо-ва,туиэнэ-ми=jэ~энэ-ми=тэњии,эмǯоо
良い家だ、そうして行って行って、一軒の家が
би-игучи.тэиулээнǯооуjээ-лэ-њи=дээ,чадо=тањӥӥ,
ある、また。その良い家の上に、そこには
уикэ-њ(и)даа-докуухинэ-ку,тэикуухинэдоо-ла-њӥ=тањӥӥ,
戸の入り口の所に台所(ロシア語кухняより)がある、その台所の中で、
эмǯаӈгӥан=осхамачаа=оссэрууси-и-њ(и).гээ,баӥ би-и-њи
一人の長官だか、なんだかが、涼んでいる。さあただの者では
би-эси=э,мурчи-хэ-њитэипуǯин.тэи=тэњииэǯэн
ない、と考えた、そのプジンは。それが長の
гочко-њӥ.тэиэǯэнгочко-њӥтээси-и-њ(и)чадо
叔父であった。その長の叔父は座っている、そこで、
сэрууси-и-њ(и).тэиэктэ-вэичэ-миǯакпа-чӥ-jӥхээ(р)си-хэн.
涼んでいる。その女を見て自分の近くへ呼んだ。
анда~пуǯин,эу(си)тэњињи-гу-руу,"ун-дии,"мии
「プジンよ、ここへ休憩しに来い、」と言う、「私の
ǯакпа-чӥ-jӥаjа"=м.[ну]пуǯин=тэ(њии)ӈээлээчи-и=дээ
そばへ、よい、」と。プジンは恐ろしいが、
ӈээлээчи-ми~энэ-хэ-њи.энэ-рээ,ǯакпа-до-а(-њӥ)
恐れつつも行った。行って、そばに
ӥлӥ-очӥа-њ(ӥ)=та(њӥӥ),"тээ-руу=дээ,тээ-руу,"та-ӥ-њ(ӥ).
立つと、「座れ、座れ、」と言う。
тээ-хэ-њи.чадохаjаалхаjаалгусэрээнду-мээри,тэи
座った。そこでなんだかんだと話をして、その
эǯэнгочко-њ(ӥ)=тањӥӥун-дии-њи,"сииэибоа-чӥмэнэ
長の叔父は言う、「おまえはこの地へ自分で
ǯи-чи-си би-эси"=эун-дии-њ(и),"миигааǯо-хам-бӥ"=аун-дии,
来たのではない、」と言う、「私が連れて来たのだ、」と言う、
"симби(э),эибоа-чӥ.мии=тэњиисимбиэасӥ-го-jӥ
「おまえを、この地へ。私はおまえを自分の妻として
ǯапа-ӥ,"ун-дии-њ(и).пуǯин=тэ(њии)хэмэ~би-и-њ(и)=гоањ(ӥ),
取る、」と言う。プジンは黙っているのだ、
ӈээлээчи-и-њ(и).хооњ(ӥ)=даасаа-рӥӥ-њӥ"эǯи ӈээлээчи-руу,"
恐れている。どうしてわかったんだか、「恐がるな、」と
ун-дии-њ(и),"мии=тэ(њии)эǯэнороон-дола(-њӥ)эǯэночӥ-го-ӥ
言う、「私は長の代わりに長となる
та-ам-бӥ=м.ноањ(ӥ)=тањӥӥмииороон-дола-jӥэǯэнгочко
であろう、彼は私の代わりに長の叔父と
очо-го-ǯараа,"ун-дии-њ(и),гээ,чава.туи та-мӥтуи
なるだろう、」と言う、さあ、プジンに。そうして
хаӥ-м(ӥ),гусэрээнду-и хаӥ-рӥӥ та-мӥ,гээхооњ(ӥ)тэи
話をしたり、何したり、して、さあどうする、その
пуǯин,наӥасӥ-го-jӥгэлэ-и-вэ-њ(и)чӥхала-ӥ
プジンは、人が妻として求めるのを同意することに
осӥ-ха-њӥ=го(ањӥ),чӥхала-ха-њӥ.хаӥ,туи та-рааун-дии-њи,
なったのだ、同意した。それから言う、
"гэээси,буээǯэнбааро-а(-њӥ)энэ-ури=эгэлэ-и"=jэ
「さあ、私達の長の方へ行くべきことを求める、」と
ун-дии-њ(и).т(о)та(-раа)ǯоок-чӥииву-хэ-њитэипуǯим(-бэ).
言う。それから家へ入れた、そのプジンを。
ииву-гу-рээ,чадо=толхаал(ӥ)=дааасӥлачӥ-хан=каачӥ
入れて、そこでまるでずっと前から結婚していたかのように、
хаǯо-њӥ=даабаӥ чэк,хаӥ-њ(ӥ)=даахэмхэмчэк би-и
衣装もただもうすっかり準備してあって、何でも全て全て準備してあった、
тэипуǯим(-бэ),гээтэихаǯом-бахэмтэту-вээн-дээ,тэи
そのプジンに、さあその衣装を全て着せて、その
асӥла-хам(-бӥ)эктэолбӥ-м(ӥ)энэ-хэнэǯэнбааро-а-њ(ӥ).
めとった女を連れて行った、長の方へ。
гэээǯэн-чиэнэ-хэ~н.эǯэн=тэњиичаӈсоапӥлӥ-ха-њӥ.
さあ長の所へ行った。長はガバッと立ち上がった。
ун-дии-њи,"хаӥ-добаа-ха-сӥ~,"ун-дии,"туи би-иэктэ-вэ."
言う、「どこに見つけたんだ、」と言う、「このような女を。」
"гээмиибаа-хам-бӥ"=аун-дии-њи"эи,эи-вэбаа-го-ӥ
「はい、私が見つけたんです、」と言う、「この女を見つけるために
хадо моданэну-кэ-jи,"ун-дии,"тэихурээн-чи.хурээн
何度私は足を運んだことか、」と言う、「あの山へ。山の
доо-ла-њ(ӥ)балǯӥ-ханэктэ,"ун-дии-њ(и)."аjаjа,"ун-дии,
中で生まれた女です、」と言う。「おおなんと、」と言う、
"туи би-иǯака-вахооњ(ӥ)баа-ха-сӥ~,"ун-дии-њ(и).
「そのようなものをどうやって見つけたのか、」と言う。
"[и]сииэси,мииороон-дола-jа,эǯэнтээ-гу-руу,"
「おまえは今、私の代わりに、長の地位に座れ、」と
ун-дии-њ(и)."мии=тэњии,сииороон-до-а-с(ӥ)тээ-гу-гу-и-вэ,"
言う。「私はおまえの代わりにその地位に座ろう、」と
ун-дии,"эǯэнгочко-њӥ."гээтэиэǯэнгочкоун-дии-њи,
言う、「長の叔父に。」さあその長の叔父は言う、
"гээтэисиимурун,"ун-дии,"чӥхала-ӥосӥ(њӥ)
「さあ、それはあなたのお心次第です、」と言う、「賛成なさるなら
очо-го-ǯаа-чӥ=ма,"ун-дии-њ(и).гээ,туитаасотуи,
そうなるでしょう、」と言う。さあ、そうして熱心に
баргӥчӥ-хан.тэи,эǯэнгочко-њӥби-чин=тэњии,тэиэǯэн
準備した。その長の叔父だったのは、その長の
ороон-дола-њӥтээ-гу-хэн.тэигочко=тањӥӥ,тэиэǯэн
代わりにその位置に座った。その長は、その長の
гочко-њӥороон-дола-њӥтээ-гу-хэн,туи.гээ,улээн
叔父の代わりにその位置に座った、そうして。さあ、良く
балǯӥ-ӥ-чӥ=го(ањӥ)эс(и)=тэњиитэи,эǯэн=тэњии,тэиэǯэн
暮らすのだ、その(新しい)長は、その長の
ǯоог-до-а(-њӥ)осӥ-ӥ=гоањ(ӥ),тэиасӥ-молӥа.тэиэǯэн
家に落ち着くのだ、その妻と二人で。その長の
гочко-њ(ӥ)би-чинǯоог-до=тањӥӥ,тэиэǯэночо-го-хан.гээ
叔父であった人の家には、その長が落ち着いた。さあ
чадотуибалǯӥ-ӥ-чӥ=гоањ(ӥ).хооњааулээнбалǯӥ-ӥ-чӥ=а~
そこでそうして暮らすのだ。どんなにか良く暮らしたことか、
хооњааулээнби-и-чи.пиктэ-гу-эр(и)=дээ,тэиэǯэн
どんなにか良くいたことか。子供だって、その長の
гочко-њӥби-чиннаӥ=тањӥӥпиктэ-гу-jиэмхусэ-вэбаа...
叔父であった人は、自分の子供に一人の男の子を授かった、
хаӥ,асӥ,асӥ-њӥэмхусэ-вэбаа-ха-њӥпиктэ-гу-jи.
彼の妻は一人の男の子を産んだ、自分の子供を。
чава=тањӥӥтэиэǯэн=дааагда-ха-њӥ~,тэиэǯэнгочко-њӥ
そのことをその長も喜んだ、その長の叔父
би-чин=дээагда-ха-њӥ,тэихусэбалǯӥ-хам-ба-њӥ.гээ,
であった人も喜んだ、その男の子が生まれたことを。さあ、
чава=тањӥӥтуидэрэлэ-и-чи=гоањ(ӥ).тултул=дээуутун-дээ
それをそうして可愛がるのだ。いつもいつも抱いていて、
хамачаа=даанаа-до=даанээ-рэси,туи та-мӥ~тэи
いかなる地面にだって置かない(くらい可愛がった)、そうしてその
наонǯокаан=даадааӥосӥ-ха~н.иинэси=тэњииэǯэн
少年も大きくなった。そう、長は
ун-дии=гоањ(ӥ)тэиэǯэн,ǯулээǯэнби-чи-њи."эи
言うのだ、その長、前にであった人は。「この
пиктэ,асӥ-го-а-њӥэиувуихотон-д(о)би-и,эктэ-вэ
子供の妻とするための人には、この上の街にいる、女を
гэлэ-м(и)аjа~,"ун-дии-њ(и).амӥӈато-њӥ=тањӥӥосӥхон
求めるとよい、」と言う。父親は(それを)嫌がる
а-ӥ-њ(ӥ)."чӥхањӥ~,"ун-дии-њ(и)."маӈга~"=м."тамачаа
のだ。「いいではないか、」と言う。「たいへんだ、」と。「そのような
гурум-бэхооњ(ӥ)баӥ...ǯаа-каанбаа-ӥча-ӥ-сӥ~"=аун-дии-њ(и).
女をどうやってただの安い婚資で得ることができようか、」と言う。
"чӥхањӥ."гээтэиамӥ-њӥхаӥ-рӥӥ-њӥ~хоǯӥ-ха-њӥтэи,
「いいではないか。」さあその父親はどうする、あきらめた、その、
тэиэǯэнби-чи-њи,наӥ.чава=тањӥӥ~туи,
そのであった、人は。そのことについて、
хаӥ-маарӥ=а=тањӥӥ,гучиамӥ-њ(ӥ)=тањӥӥ,баӥ,баӥби-инаӥ
また父親は、ただの人の
пиктэ-њ(и)баа-ха-њӥасӥ-го-jӥ,асӥ-го-а-њӥ,пиктэ-jи
子供を見つけた、妻に、自分の息子の
асӥ-го-а-њӥ.гээчадопиктэ-њиасӥла-ха~н,аркӥ-ва
妻として。さあそこで彼の息子も結婚した、酒を
омӥ-ха~ннаӥ,туи та-маарӥ=а=тањӥӥ,мээн мээнǯоо
飲んだ、人は、そうしてそれぞれ自分たちの家に
осӥо-вааӈ-кӥ~н,пиктэ-њ(и)=дээасӥ-ǯӥэмунǯоо~,амӥ-њ(ӥ)
落ち着かせた、息子も妻と一つの家に、父も
пааǯӥ~,тэиэǯэнгочко-њ(ӥ)би-чин=дээпааǯӥ~ǯоо.
別に一つの家に、あの長の叔父であったのも別の一軒の家に。
тэи=тэ(њии)эǯэ-њиочо-(г)о-ха-њӥэǯэнǯоог-до-а-њ(ӥ)би-и=гоањӥ.
彼は長となったのだ、長の家にいるのだ。
гээтуиосӥ-го-рааби-и-чи=го(ањӥ)элээ.
さあそうなって暮らしているのだ、終わり。

(1) 語り手が聞き手である記録者に聞いている。муккиではなくмуjкиの形でОненко(1980)には挙がっており、意味は単に「ヘビ」となっている。協力者はミミズのようなものではないか、というが、はっきりしない。

(2) トロイツコエはナイヒンの近くの地名。ナーナイ語ではかつてДолӥнと呼んだ。丘があり、高くなっている。